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[http://code.google.com/p/mozc/ プロジェクトホームページ]より:
[http://code.google.com/p/mozc/ Mozc] は Chromium OS、Windows、Mac、あるいは Linux など、マルチプラットフォームで動作するよう設計された日本語インプットメソッドエディタ (IME) であり、このオープンソースプロジェクトは [http://www.google.com/intl/ja/ime/ Google 日本語入力] から派生したものです。Mozc と Google 日本語入力との差異は [http://code.google.com/p/mozc/wiki/AboutMozc About Mozc] で説明されています (簡単に言うと、Mozc は辞書やその関連データが Google 日本語入力と異なっているか省略されており、Google 日本語入力と同等の変換品質は持ちません)。
 
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:''Mozc は Chromium OS、Windows、Mac、あるいは Linux など、マルチプラットフォームで動作するよう設計された日本語インプットメソッドエディタ (IME) であり、このオープンソースプロジェクトは [http://www.google.com/intl/ja/ime/ Google 日本語入力] から派生したものです。Mozc と Google 日本語入力との差異は [http://code.google.com/p/mozc/wiki/AboutMozc About Mozc] で説明されています。'' (簡単に言うと、Mozc は辞書やその関連データが Google 日本語入力と異なっているか省略されており、Google 日本語入力と同等の変換品質は持ちません)
   
 
== インストール ==
 
== インストール ==
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無印 Mozc は Unofficial user repository を使うか、AUR から自分でビルドしてインストールできます。
 
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無印 {{AUR|Mozc}} は [[#Unofficial user repository を使う|Unofficial user repository]] を使うか、AUR から自分でビルドしてインストールできます。
   
 
{{Note|Mozc は {{Pkg|ibus}}インプットメソッドフレームワークを使用します。IBus のインストールや設定については [[IBus (日本語)]] を参照してください。}}
 
{{Note|Mozc は {{Pkg|ibus}}インプットメソッドフレームワークを使用します。IBus のインストールや設定については [[IBus (日本語)]] を参照してください。}}
Mozc は [https://aur.archlinux.org/packages.php?K=mozc&SeB=x AUR] から利用可能です。このパッケージは以下のコンポーネントからなっています:
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このパッケージは以下のコンポーネントからなっています:
 
{| class="wikitable" style="text-align:center;margin:0 2em auto"
 
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!パッケージ !! mozc !! 説明
 
!パッケージ !! mozc !! 説明
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=== Unofficial user repository を使う ===
 
=== Unofficial user repository を使う ===
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Mozc の Unoficcial user repository が用意されています。これを使用する場合は以下を /etc/pacman.conf に追加します:
 
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Mozc の Unoficcial user repository が用意されています。これを使用する場合は以下を {{Ic|/etc/pacman.conf}} に追加します:
[pnsft-pur]
 
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{{bc|<nowiki>
SigLevel = Optional TrustAll
 
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[pnsft-pur]
Server = http://downloads.sourceforge.net/project/pnsft-aur/pur/$arch
 
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SigLevel = Optional TrustAll
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Server = http://downloads.sourceforge.net/project/pnsft-aur/pur/$arch
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</nowiki>}}
 
{{Note|用意されているのは現在 x86_64 用パッケージのみです。}}
 
{{Note|用意されているのは現在 x86_64 用パッケージのみです。}}
 
そしてパッケージデータベースを更新します:
 
そしてパッケージデータベースを更新します:
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# pacman -S mozc ibus-mozc emacs-mozc
 
# pacman -S mozc ibus-mozc emacs-mozc
   
=== PKGBUILD を使って Mozc をコンパイル ===
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=== PKGBUILD を使ってコンパイル ===
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自分で AUR からビルドする場合は以下の手順で行います。
 
自分で AUR からビルドする場合は以下の手順で行います。
   
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==== PKGBUILD の編集 ====
 
==== PKGBUILD の編集 ====
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Emacs で mozc.el を使用して日本語入力を行う場合は、{{Ic|1=_emacs_mozc=}} の行をコメントから解除してください:
 
Emacs で mozc.el を使用して日本語入力を行う場合は、{{Ic|1=_emacs_mozc=}} の行をコメントから解除してください:
 
## If you will be using mozc.el on Emacs, uncomment below.
 
## If you will be using mozc.el on Emacs, uncomment below.
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==== ビルドおよびインストール ====
 
==== ビルドおよびインストール ====
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PKGBUILD の編集が終わったら保存し、ビルド及びインストールします:
 
PKGBUILD の編集が終わったら保存し、ビルド及びインストールします:
 
$ makepkg -s -i
 
$ makepkg -s -i
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=== Mozc を利用可能にする ===
 
=== Mozc を利用可能にする ===
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X または IBus を再起動し、Mozc を利用できるようにします。
 
X または IBus を再起動し、Mozc を利用できるようにします。
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== Mozc バリエーション on AUR ==
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各パッケージは以下のように構成されています:
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{| class="wikitable" style="text-align:center;margin:0 2em auto"
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!パッケージ !! mozc !! mozc-svn !! mozc-ut !! mozc-fcitx !! 説明
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|-
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!グループ
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| mozc-im || mozc-im-svn || mozc-im || mozc-im ||
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!rowspan="6" | コンポーネント
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| mozc || mozc-svn || mozc-ut || -- || Mozc サーバ
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|-
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| ibus-mozc || ibus-mozc-svn || ibus-mozc-ut || -- || IBus 用モジュール (任意)
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| (uim-mozc) || uim-mozc-svn || uim-mozc-ut || -- || uim 用モジュール (任意)
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| <small>''N/A''</small> || fcitx-mozc-svn || <small>''N/A''</small> || -- || Fcitx 用モジュール (任意)
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| emacs-mozc || emacs-mozc-svn || emacs-mozc-ut || -- || Emacs 用 Mozc (任意)
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| -- || -- || -- || mozc-fcitx || mozc-fcitx パッケージ
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|}
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===uim-mozc===
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{{AUR|Mozc}} は IBus にしか対応していませんが、[http://code.google.com/p/macuim/ macuim] が ''uim-mozc'' プラグインを提供しています。{{AUR|uim-mozc}} ''(AUR)'' が無印 ''Mozc'' と {{AUR|mozc-ut}} で利用でき、{{AUR|mozc-svn}} でもビルドできるようになっています ([[Input Japanese using uim (日本語)|Input Japanese using uim]] を参照してください)。''uim-mozc'' は他の Mozc パッケージと同様に [[#Unofficial user repository を使う|Unoffical User Repository からインストールできます]]。
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===mozc-ut===
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{{AUR|mozc-ut}} は Mozc に [http://www.geocities.jp/ep3797/mozc_01.html Mozc UT 辞書]を追加します。これにより 35 万語以上がオリジナル辞書に追加されます。''uim-mozc'' プラグインのビルドにも対応しています。
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{{Note|
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*''mozc-ut'' のビルドには Mozc UT 辞書シードの生成のため長い時間がかかります。
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*''mozc-ut'' は 無印 ''Mozc'' 用の ''ibus-mozc''、''emacs-mozc'' および ''uim-mozc'' と共に使用できます。すなわち、''mozc-ut'' 以外のコンポーネントは [[#Unofficial user repository を使う|Unofficial User Repository からインストールすればビルドの必要はありません]]。}}
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===mozc-svn===
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{{AUR|mozc-svn}} は Mozc 公開 svn リポジトリを使用してビルドします。''uim-mozc'' および ''fcitx-mozc'' プラグインのビルドも対応しています。特に理由のない限り、''mozc'' または ''mozc-ut'' を使用してください。''mozc-svn'' は ''mozc'' とほとんど同じであり (公開されている svn リポジトリは実際は trunk ではなく ''mozc'' の公開バージョンがアップするタイミングでのみ更新されています)、makepkg にかかる時間はおそらく ''mozc-svn'' の方が長くなります。
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===mozc-fcitx===
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{{AUR|mozc-fcitx}} は [[Fcitx]] を使用する場合専用のパッケージです。
   
 
== 設定 ==
 
== 設定 ==
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''IBus の設定に関しては [[IBus (日本語)]] を参照してください。''
 
''IBus の設定に関しては [[IBus (日本語)]] を参照してください。''
   
Mozc をデフォルトのインプットメソッドにするには、ibus-setup で設定します:
+
Mozc をデフォルトのインプットメソッドにするには、''ibus-setup'' で設定します:
 
$ ibus-setup
 
$ ibus-setup
「インプットメソッド」タブを選び、Mozc をインプットメソッドリストの先頭に移動します。
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「インプットメソッド」タブを選び、''Mozc'' をインプットメソッドリストの先頭に移動します。
   
インプットメソッドの切り替えは、{{Keypress|Alt + Shift_L}} (IBus のデフォルト) で行えます。
+
インプットメソッドの切り替えは、{{ic|Alt + Shift_L}} (IBus のデフォルト) で行えます。
   
 
=== Emacs で Mozc を使う ===
 
=== Emacs で Mozc を使う ===
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mozc.el (mozc-mode) を使用し、LEIM (Library of Emacs Input Method) 経由で日本語を入力することができます。mozc-mode を使用するには、以下を {{Ic|.emacs.d/init.el}} あるいはその他の Emacs カスタム設定用ファイルに追加します:
 
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mozc.el (mozc-mode) を使用し、LEIM (Library of Emacs Input Method) 経由で日本語を入力することができます。mozc-mode を使用するには、以下を {{ic|.emacs.d/init.el}} あるいはその他の Emacs カスタム設定用ファイルに追加します:
 
(require 'mozc) ; or (load-file "/path/to/mozc.el")
 
(require 'mozc) ; or (load-file "/path/to/mozc.el")
 
(setq default-input-method "japanese-mozc")
 
(setq default-input-method "japanese-mozc")
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(setq mozc-candidate-style 'overlay)
 
(setq mozc-candidate-style 'overlay)
   
{{Ic|C-\}} (`toggle-input-method') で mozc-mode のオン/オフを切り替えます。
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{{ic|C-\}} (''toggle-input-method'') で mozc-mode のオン/オフを切り替えます。
   
 
==== Emacs 上で C-SPC が IM のオン・オフで使われてしまうのを抑止する ====
 
==== Emacs 上で C-SPC が IM のオン・オフで使われてしまうのを抑止する ====
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デスクトップ環境上で IM のオン・オフのキー割り当てに C-SPC を設定しており、Emacs 上でもそちらが優先されて C-SPC/C-@ で set-mark-command が使えなくて困る、という場合は、{{ic|~/.Xresources}} か {{ic|~/.Xdefaults}} に以下を追加します。
 
デスクトップ環境上で IM のオン・オフのキー割り当てに C-SPC を設定しており、Emacs 上でもそちらが優先されて C-SPC/C-@ で set-mark-command が使えなくて困る、という場合は、{{ic|~/.Xresources}} か {{ic|~/.Xdefaults}} に以下を追加します。
 
Emacs*UseXIM: false
 
Emacs*UseXIM: false
   
 
== Tips ==
 
== Tips ==
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=== 現在使用している Mozc のバージョンを表示する ===
 
=== 現在使用している Mozc のバージョンを表示する ===
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Mozc 起動中に "ばーじょん" と入力し変換すると、変換候補の中に現在の Mozc のバージョン番号が表示されます:
 
Mozc 起動中に "ばーじょん" と入力し変換すると、変換候補の中に現在の Mozc のバージョン番号が表示されます:
{{Hc|<u>ばーじょん</u>
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{{hc|<u>ばーじょん</u>
 
|バージョン
 
|バージョン
 
ヴァージョン
 
ヴァージョン
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=== Mozc tool コマンド ===
 
=== Mozc tool コマンド ===
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Mozc tool は以下のコマンドで起動できます。
 
Mozc tool は以下のコマンドで起動できます。
 
* Mozc プロパティ:{{bc|1=$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog}}
 
* Mozc プロパティ:{{bc|1=$ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog}}
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=== ASCII キーボードで CapsLock キーを英数キーとして使用する ===
 
=== ASCII キーボードで CapsLock キーを英数キーとして使用する ===
Mozc のプリセットのキーバインドや多くの日本語入力メソッドでは、変換前入力中の英数入力切り替えは、{{Keypress|英数}}キー、{{Keypress|ひらがな/カタカナ}}キー、あるいは{{Keypress|無変換}}キーなどに割り当てられていますが、ASCII キーボードにそれらはありません。CapsLock キーに英数キー (Eisu_toggle) を割り当てることで日本語キーボードと同じように使用できます (Mozc は CapsLock キーを認識しないようです)。
 
   
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Mozc のプリセットのキーバインドや多くの日本語入力メソッドでは、変換前入力中の英数入力切り替えは、{{ic|英数}}キー、{{ic|ひらがな/カタカナ}}キー、あるいは{{ic|無変換}}キーなどに割り当てられていますが、ASCII キーボードにそれらはありません。CapsLock キーに英数キー (Eisu_toggle) を割り当てることで日本語キーボードと同じように使用できます (Mozc は CapsLock キーを認識しないようです)。
以下の設定では、OADG キーボードと等価な、Eisu_toggle を {{Keypress|CapsLock}} キーに、Caps_Lock を {{Keypress|Shift + CapsLock}} キーに割り当てます。
 
  +
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以下の設定では、OADG キーボードと等価な、Eisu_toggle を {{ic|CapsLock}} キーに、Caps_Lock を {{ic|Shift + CapsLock}} キーに割り当てます。
 
{{Warning|この設定はデスクトップ全体に作用します。}}
 
{{Warning|この設定はデスクトップ全体に作用します。}}
   
{{Ic|~/.Xmodmap}} を以下のように編集します:
+
{{ic|~/.Xmodmap}} を以下のように編集します:
 
keycode 66 = Eisu_toggle Caps_Lock
 
keycode 66 = Eisu_toggle Caps_Lock
 
clear Lock
 
clear Lock
   
 
X 再起動するか、xmodmap コマンドを実行して編集を適用します:
 
X 再起動するか、xmodmap コマンドを実行して編集を適用します:
{{bc|$ xmodmap ~/.Xmodmap}}
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$ xmodmap ~/.Xmodmap
   
 
== トラブルシューティング ==
 
== トラブルシューティング ==
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=== Mozc のビルドに失敗する (プロセスが強制終了される) ===
 
=== Mozc のビルドに失敗する (プロセスが強制終了される) ===
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ビルドが以下のようなメッセージで異常終了した場合:
 
ビルドが以下のようなメッセージで異常終了した場合:
 
...
 
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=== Mozc をアップグレードし、X または IBus を再起動しても (リブートはしていない) 古い Mozc が動いている ===
 
=== Mozc をアップグレードし、X または IBus を再起動しても (リブートはしていない) 古い Mozc が動いている ===
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古いバージョンの Mozc が終了されずにずっとメモリ上で動作しているのかもしれません。Mozc のプロセスを一度 kill してみてください:
 
古いバージョンの Mozc が終了されずにずっとメモリ上で動作しているのかもしれません。Mozc のプロセスを一度 kill してみてください:
 
$ killall mozc_server
 
$ killall mozc_server
   
  +
== 関連項目 ==
== Mozc バリエーション on AUR ==
 
===uim-mozc===
 
{{AUR|Mozc}} は IBus にしか対応していませんが、[http://code.google.com/p/macuim/ macuim] が uim-mozc プラグインを提供しています。{{AUR|uim-mozc}} ''(AUR)'' が無印Mozc と {{AUR|mozc-ut}} で利用でき、{{AUR|mozc-svn}} でもビルドできるようになっています ([[Input Japanese using uim (日本語)|Input Japanese using uim]] を参照してください)。uim-mozc は他の Mozc パッケージと同様に [[#Unofficial user repository を使う|Unoffical User Repository からインストールできます]]。
 
 
===mozc-ut===
 
{{AUR|mozc-ut}} は Mozc に [http://www.geocities.jp/ep3797/mozc_01.html Mozc UT 辞書]を追加します。これにより 35 万語以上がオリジナル辞書に追加されます。uim-mozc プラグインのビルドにも対応しています。
 
{{Note|mozc-ut のビルドには Mozc UT 辞書シードの生成のため長い時間がかかります。}}
 
{{Note|mozc-ut は 無印 Mozc 用の ibus-mozc、emacs-mozc および uim-mozc と共に使用できます。すなわち、mozc-ut 以外のモジュールは [[#Unofficial user repository を使う|Unofficial User Repositoryからインストールすればビルドの必要はありません]]。}}
 
 
===mozc-svn===
 
{{AUR|mozc-svn}} は Mozc 公開 svn リポジトリを使用してビルドします。uim-mozc および fcitx-mozc プラグインのビルドも対応しています。特に理由のない限り、mozc または mozc-ut を使用してください。mozc-svn は mozc とほとんど同じであり (公開されている svn リポジトリは実際は trunk ではなく mozc の公開バージョンがアップするタイミングでのみ更新されています)、makepkg にかかる時間はおそらく mozc-svn の方が長くなります。
 
 
===mozc-fcitx===
 
{{AUR|mozc-fcitx}} は [[Fcitx]] を使用する場合専用のパッケージです。
 
 
各パッケージは以下のように構成されています:
 
{| class="wikitable" style="text-align:center;margin:0 2em auto"
 
!パッケージ !! mozc !! mozc-svn !! mozc-ut !! mozc-fcitx !! 説明
 
|-
 
!グループ
 
| mozc-im || mozc-im-svn || mozc-im || mozc-im ||
 
|-
 
!rowspan="6" | コンポーネント
 
| mozc || mozc-svn || mozc-ut || -- || Mozc サーバ
 
|-
 
| ibus-mozc || ibus-mozc-svn || ibus-mozc-ut || -- || IBus 用モジュール (任意)
 
|-
 
| (uim-mozc) || uim-mozc-svn || uim-mozc-ut || -- || uim 用モジュール (任意)
 
|-
 
| <small>''N/A''</small> || fcitx-mozc-svn || <small>''N/A''</small> || -- || Fcitx 用モジュール (任意)
 
|-
 
| emacs-mozc || emacs-mozc-svn || emacs-mozc-ut || -- || Emacs 用 Mozc (任意)
 
|-
 
| -- || -- || -- || mozc-fcitx || mozc-fcitx パッケージ
 
|}
 
   
== 関連項目 ==
 
 
*[http://code.google.com/p/mozc/ Mozc official site]
 
*[http://code.google.com/p/mozc/ Mozc official site]
 
*[[Input Japanese using uim (日本語)]]
 
*[[Input Japanese using uim (日本語)]]

2013年7月20日 (土) 14:22時点における版

プロジェクトホームページより:

Mozc は Chromium OS、Windows、Mac、あるいは Linux など、マルチプラットフォームで動作するよう設計された日本語インプットメソッドエディタ (IME) であり、このオープンソースプロジェクトは Google 日本語入力 から派生したものです。Mozc と Google 日本語入力との差異は About Mozc で説明されています。 (簡単に言うと、Mozc は辞書やその関連データが Google 日本語入力と異なっているか省略されており、Google 日本語入力と同等の変換品質は持ちません)

インストール

無印 MozcAURUnofficial user repository を使うか、AUR から自分でビルドしてインストールできます。

ノート: Mozc は ibusインプットメソッドフレームワークを使用します。IBus のインストールや設定については IBus (日本語) を参照してください。

このパッケージは以下のコンポーネントからなっています:

パッケージ mozc 説明
グループ mozc-im
コンポーネント mozc Mozc サーバ
ibus-mozc IBus 用モジュール
emacs-mozc Emacs 用 Mozc (任意)
ヒント: 非公式パッケージを使用して、他のインプットメソッドフレームワークで Mozc を使用することもできます。

Unofficial user repository を使う

Mozc の Unoficcial user repository が用意されています。これを使用する場合は以下を /etc/pacman.conf に追加します:

[pnsft-pur]
SigLevel = Optional TrustAll
Server = http://downloads.sourceforge.net/project/pnsft-aur/pur/$arch
ノート: 用意されているのは現在 x86_64 用パッケージのみです。

そしてパッケージデータベースを更新します:

# pacman -Syy

インストールするパッケージは以下のようにグループ指定で選択することができます:

# pacman -S mozc-im

または、例えば以下のように直接指定します:

# pacman -S mozc ibus-mozc emacs-mozc

PKGBUILD を使ってコンパイル

自分で AUR からビルドする場合は以下の手順で行います。

まず mozc の tarball を AUR から入手するか、AUR ツールを使用し、必要であれば PKGBUILD を編集します。

$ wget https://aur.archlinux.org/packages/mo/mozc/mozc.tar.gz
$ tar xvf mozc.tar.gz
$ cd mozc

PKGBUILD の編集

Emacs で mozc.el を使用して日本語入力を行う場合は、_emacs_mozc= の行をコメントから解除してください:

## If you will be using mozc.el on Emacs, uncomment below.
_emacs_mozc="yes"

ビルドおよびインストール

PKGBUILD の編集が終わったら保存し、ビルド及びインストールします:

$ makepkg -s -i
ノート: AUR 支援ツールの中には、分割パッケージに対応していないために、作成したパッケージのうちの一つしかインストールしようとしないものがあるかもしれません。その場合、インストールに失敗したり必要なパッケージがインストールされません。その時でも (makepkg が正常終了している限り) パッケージファイル (*.pkg.tar.xz) 自体は作成されていますので、ツールがビルドに使用したパスから探してすべてインストールしてください。

Mozc を利用可能にする

X または IBus を再起動し、Mozc を利用できるようにします。

Mozc バリエーション on AUR

各パッケージは以下のように構成されています:

パッケージ mozc mozc-svn mozc-ut mozc-fcitx 説明
グループ mozc-im mozc-im-svn mozc-im mozc-im
コンポーネント mozc mozc-svn mozc-ut -- Mozc サーバ
ibus-mozc ibus-mozc-svn ibus-mozc-ut -- IBus 用モジュール (任意)
(uim-mozc) uim-mozc-svn uim-mozc-ut -- uim 用モジュール (任意)
N/A fcitx-mozc-svn N/A -- Fcitx 用モジュール (任意)
emacs-mozc emacs-mozc-svn emacs-mozc-ut -- Emacs 用 Mozc (任意)
-- -- -- mozc-fcitx mozc-fcitx パッケージ

uim-mozc

MozcAUR は IBus にしか対応していませんが、macuimuim-mozc プラグインを提供しています。uim-mozcAUR (AUR) が無印 Mozcmozc-utAUR で利用でき、mozc-svnAUR でもビルドできるようになっています (Input Japanese using uim を参照してください)。uim-mozc は他の Mozc パッケージと同様に Unoffical User Repository からインストールできます

mozc-ut

mozc-utAUR は Mozc に Mozc UT 辞書を追加します。これにより 35 万語以上がオリジナル辞書に追加されます。uim-mozc プラグインのビルドにも対応しています。

ノート:

mozc-svn

mozc-svnAUR は Mozc 公開 svn リポジトリを使用してビルドします。uim-mozc および fcitx-mozc プラグインのビルドも対応しています。特に理由のない限り、mozc または mozc-ut を使用してください。mozc-svnmozc とほとんど同じであり (公開されている svn リポジトリは実際は trunk ではなく mozc の公開バージョンがアップするタイミングでのみ更新されています)、makepkg にかかる時間はおそらく mozc-svn の方が長くなります。

mozc-fcitx

mozc-fcitxAURFcitx を使用する場合専用のパッケージです。

設定

IBus の設定に関しては IBus (日本語) を参照してください。

Mozc をデフォルトのインプットメソッドにするには、ibus-setup で設定します:

$ ibus-setup

「インプットメソッド」タブを選び、Mozc をインプットメソッドリストの先頭に移動します。

インプットメソッドの切り替えは、Alt + Shift_L (IBus のデフォルト) で行えます。

Emacs で Mozc を使う

mozc.el (mozc-mode) を使用し、LEIM (Library of Emacs Input Method) 経由で日本語を入力することができます。mozc-mode を使用するには、以下を .emacs.d/init.el あるいはその他の Emacs カスタム設定用ファイルに追加します:

(require 'mozc)  ; or (load-file "/path/to/mozc.el")
(setq default-input-method "japanese-mozc")

mozc.el は変換候補の表示スタイルに、候補のリストを入力中文字列のそばに表示する "overlay" モードを提供しています (Mozc r77以降)。このモードをデフォルトで利用する場合は、以下の設定を追加します:

(setq mozc-candidate-style 'overlay)

C-\ (toggle-input-method) で mozc-mode のオン/オフを切り替えます。

Emacs 上で C-SPC が IM のオン・オフで使われてしまうのを抑止する

デスクトップ環境上で IM のオン・オフのキー割り当てに C-SPC を設定しており、Emacs 上でもそちらが優先されて C-SPC/C-@ で set-mark-command が使えなくて困る、という場合は、~/.Xresources~/.Xdefaults に以下を追加します。

Emacs*UseXIM: false

Tips

現在使用している Mozc のバージョンを表示する

Mozc 起動中に "ばーじょん" と入力し変換すると、変換候補の中に現在の Mozc のバージョン番号が表示されます:

ばーじょん
バージョン
ヴァージョン
ばーじょん
Mozc-1.6.1187.102  ⇐ Mozc のバージョン
...

Mozc tool コマンド

Mozc tool は以下のコマンドで起動できます。

  • Mozc プロパティ:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog
  • Mozc 辞書ツール:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=dictionary_tool
  • Mozc 単語登録:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=word_register_dialog
  • Mozc 手書き文字入力:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=hand_writing
  • Mozc 文字パレット:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=character_palette

ASCII キーボードで CapsLock キーを英数キーとして使用する

Mozc のプリセットのキーバインドや多くの日本語入力メソッドでは、変換前入力中の英数入力切り替えは、英数キー、ひらがな/カタカナキー、あるいは無変換キーなどに割り当てられていますが、ASCII キーボードにそれらはありません。CapsLock キーに英数キー (Eisu_toggle) を割り当てることで日本語キーボードと同じように使用できます (Mozc は CapsLock キーを認識しないようです)。

以下の設定では、OADG キーボードと等価な、Eisu_toggle を CapsLock キーに、Caps_Lock を Shift + CapsLock キーに割り当てます。

警告: この設定はデスクトップ全体に作用します。

~/.Xmodmap を以下のように編集します:

keycode 66 = Eisu_toggle Caps_Lock
clear Lock

X 再起動するか、xmodmap コマンドを実行して編集を適用します:

$ xmodmap ~/.Xmodmap

トラブルシューティング

Mozc のビルドに失敗する (プロセスが強制終了される)

ビルドが以下のようなメッセージで異常終了した場合:

...
/bin/sh: 1 行:  xxxx 強制終了
...
make: *** [xxx/xxx ...] エラー 137
...

メモリ不足になっていないか確認してください。

Mozc をアップグレードし、X または IBus を再起動しても (リブートはしていない) 古い Mozc が動いている

古いバージョンの Mozc が終了されずにずっとメモリ上で動作しているのかもしれません。Mozc のプロセスを一度 kill してみてください:

$ killall mozc_server

関連項目