ローカリゼーション
このドキュメントでは、日本語環境の構築方法と入力方法について説明します。ここでは、一般的な推奨ケースのみを取り上げます。代替手段 (例: tty での日本語入力、またはあまり一般的ではない入力メソッド フレームワーク) の詳細については、それぞれを参照してください。コンソール/tty での日本語入力の設定については説明しません。
目次
フォント
日本語の文字を表示するには、日本語 (または中国語) フォントをインストールする必要があります。テキストがめちゃくちゃに表示される場合は、適切な日本語フォント (中国語フォントでも大丈夫です) がシステムにインストールされていることを確認してください。
推奨されている日本語フォントをいくつか以下に挙げます (その他のフォントやフォントの設定については フォント や フォント設定 を参照してください):
- adobe-source-han-sans-jp-fonts - 日本語のゴシック体 (サンセリフ) OpenType/CFF フォント。
- adobe-source-han-serif-jp-fonts - 日本語の明朝体 (セリフ) OpenType/CFF フォント。
- noto-fonts-cjk - Google Noto CJK フォント。
- otf-ipafont - フォーマルなゴシック体及び明朝体の日本語フォントのセット。オープンソースのフォントとしては最も高品質なものの1つです。openSUSE-ja のデフォルトフォント。
- otf-ipaexfont - ipafont の更新されたフォント.
- ttf-hanazono - フリーの明朝体日本語漢字フォント。
- ttf-sazanami - フリーの TrueType 日本語フォント。これは古く、もはやメンテナンスされていませんが、いくつかの環境では代替フォントとして定義されていることがあります。
- ttf-koruriAUR - ttf-mplusAUR と Open Sans をミックスした TrueType 日本語フォント。
- ttf-monapoAUR - 2ちゃんねるの Shift JIS アートを適切に表示するための日本語フォント。
- ttf-mplus-gitAUR - モダンなゴシック体の日本語アウトラインフォント。全てのひらがな・カタカナ、基本ラテン文字、ラテン文字補助、ラテン文字拡張A、IPA 拡張と、ほとんどの日本語漢字、ギリシャ文字、キリル文字、ベトナム語を 7 のウェイト(プロポーショナル)または 5 のウェイト(等幅)で含んでいます。
- ttf-vlgothicAUR - 日本語ゴシック体フォント。Debian/Fedora/Vine Linux のデフォルトです。
- ttf-kanjistrokeordersAUR - 文字の筆順を示す KanjiStrokeOrders フォント。
ロケール
詳しくはロケールを参照。
ロケールは、地域固有の、または言語/地域設定に特化した標準を正しく表示するために使用されます。日本語ロケールが有効化されていることを確認するためには、次のコマンドの出力に ja_JP.utf8
が含まれていることを確認してください:
$ locale -a
日本語ロケールを有効化するには、/etc/locale.gen
内の ja_JP.utf8
のコメントアウトを外します:
/etc/locale.gen
... #ja_JP.EUC-JP EUC-JP ja_JP.UTF-8 UTF-8 #ka_GE.UTF-8 UTF-8 ...
その後、ロケールを再生成します:
$ locale-gen
日本語入力
インプットメソッドフレームワーク (IMF)
最も一般的な IMF は IBus(GTK ベースの環境でより一般的)と Fcitx5(Qt ベースの環境でより一般的)で、これらはすべての日本語 IME に対応しています。IMF と対応する IME の全体的な概要については、この表を参照してください。この記事では、#Fcitx5 と #IBus のインストールと設定について簡単に説明します。
Fcitx5
ほとんどの場合、fcitx5-im グループをインストールするだけで十分です。詳細および手順については、Fcitx5#インストールを参照してください。
Fcitx5 を有効にするには、少なくとも以下の環境変数を設定してください:
GTK_IM_MODULE=fcitx QT_IM_MODULE=fcitx XMODIFIERS=@im=fcitx
IBus
ibus パッケージをインストールします。詳細は IBus#インストールを参照してください。
IBus を有効にするには、少なくとも以下の環境変数を設定してください:
GTK_IM_MODULE=ibus QT_IM_MODULE=ibus XMODIFIERS=@im=ibus
インプットメソッドエディタ (IME)
Fcitx5 と IBus は、すべての日本語 IME に対応しています。お好みの IME をインストールする手順に従ってください。迷った場合は、#Mozc をお勧めします。
Mozc
プロジェクトのホームページより:
- Mozc は、Android OS、Apple OS X、Chromium OS、GNU/Linux、Microsoft Windows などのマルチプラットフォーム向けに設計された日本語インプットメソッドエディタ (IME) です。このオープンソースプロジェクトは、Google 日本語入力 に由来しています。
お好みの IMF に対応する Mozc バージョンをインストールしてください(例: Fcitx5 用には fcitx5-mozc、IBus 用には ibus-mozcAUR)。
Anthy
Anthy はほとんどの IMF に対応しているか、組み込まれていますが、事実上開発が停止しています。
お好みの IMF に対応する Anthy バージョンをインストールしてください(例: Fcitx5 用には fcitx5-anthy、IBus 用には ibus-anthy)。
2021年以降、Takao Fujiwara 氏により「Anthy Unicode」なるプロジェクトが立ち上げられました。
エンジンとして、anthy または anthy-unicodeAUR があります。
SKK (libskk)
Simple Kana to Kanji (SKK) は、Emacs に基づいた基本的な仮名から漢字への変換方法です。これは、京都大学名誉教授である佐藤雅彦博士によって設計され、1987 年に作成されました。[2] SKK の特徴は形態素解析を行わずに一つずつ単語を変換することです (単文節変換)。
お好みの IMF に対応する libskk バージョンをインストールしてください(例: Fcitx5 用には fcitx5-skk、IBus 用には ibus-skk)。
KKC(libkkc)
libkkc は日本語のかなの文章をかな漢字混じりの文章に変換します。GNU Emacs の kkc.el (シンプルな仮名漢字変換器) にあやかって名付けられました。ただし libkkc は N-gram 言語モデルを使って多少複雑な方法で連文節変換を行います。libkkc は Red Hat のエンジニアによって開発されています。
fcitx-kkc (Fcitx の場合) または ibus-kkc (IBus の場合) をインストールしてください。
Google CGI API for Japanese input
利用できる IM フレームワーク: uim
Google CGI API for Japanese Input (Google-CGIAPI-Jp) は日本語変換をインターネット上で実現する Google による CGI サービスです。ウェブブラウザ で使用することができます。おそらく、変換エンジンは Google 日本語入力と同一のため、Mozc よりも変換品質が優れています。
Google-CGIAPI-Jp は uim で使うことができます。uim-im-switcher-gtk/gtk3/qt4 または uim-pref-gtk/gtk3/qt4 で "Google-CGIAPI-Jp" を選択してください。