LXDM
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LXDM は、LXDE デスクトップ環境のためにつくられた軽量ディスプレイマネージャです。ユーザーインターフェースには、GTK+ 2 を採用しています。
LXDM は XDMCP プロトコルをサポートしていません。別の方法として LightDM があります。
目次
インストール
lxdm パッケージでインストールすることができます。開発向けパッケージは lxdm-gitAUR です。
lxdm パッケージには systemd サービスの lxdm.service
が含まれており、有効化することで使うことができます。
設定
LXDM の設定ファイルは全て /etc/lxdm/
にあります。主要な設定ファイルは lxdm.conf
で、コメントによる説明が充実しています。Xsession
ファイルはシステム全体の X セッション設定ファイルで、通常の利用では編集するべきではありません。他のファイルは全て LXDM で特定のイベントが発生したときに実行されるシェルスクリプトです。
以下のファイルが存在します:
LoginReady
は LXDM がログインウインドウを表示する時に root 権限で実行されます。PreLogin
はユーザーがログインする直前に root 権限で実行されます。PostLogin
はユーザーがログインした直後にユーザー権限で実行されます。PostLogout
はユーザーがログアウトした直後に ユーザー権限で実行されます。PreReboot
は LXDM が再起動される直前に root 権限で実行されます。PreShutdown
は LXDM が終了する直前に root 権限で実行されます。
デフォルトセッション
セッションリストからデフォルトセッションが選択されたときに、どのセッションをロードするか指定することができます。全ユーザー共通の設定よりもユーザー個別の設定が優先されます。
全ユーザー共通の設定
/etc/lxdm/lxdm.conf
の session 行を編集してください:
session=/usr/bin/startlxde
Xfce を使用する例:
session=/usr/bin/startxfce4
Openbox を使用する例:
session=/usr/bin/openbox-session
GNOME を使用する例:
session=/usr/bin/gnome-session
上記の設定はテーマにセッションの選択ボックスが存在しない場合や自動ログインで問題が発生する場合にも有用です。
ユーザー個別の設定
ユーザーごとに使用するセッションを定義する場合、~/.dmrc
を編集してください。
例えば、user1 は Xfce4、user2 は Cinnamon、user3 は GNOME を使用する場合:
user1 の設定:
[Desktop] Session=xfce
user2 の設定:
[Desktop] Session=cinnamon
user3 の設定:
[Desktop] Session=gnome
自動ログイン
起動時に自動的にアカウントにログインしたい場合、/etc/lxdm/lxdm.conf
内の以下の行を探してください:
#autologin=dgod
アンコメントして dgod を自動ログインしたいユーザーに置き換えてください。
最後に使用したオプション
最後に使用されたオプションは以下のように保存されます:
/var/lib/lxdm/lxdm.conf
[base] last_session=/usr/share/xsessions/LXDE.desktop last_lang=sv_SE.UTF-8 last_langs=sv_SE.UTF-8 fa_IR.UTF-8 en_US.UTF-8
ヒントとテクニック
フェイスアイコンの追加
標準のアイコンから 96x96 px の画像 (jpg または png) を表示するように設定することができます。使用する画像を $HOME/.face
にコピー、またはシンボリックリンクを作成してください。gnome-control-center パッケージには lxdm に適したデフォルトアイコンが含まれています。パッケージをインストールしてから /usr/share/pixmaps/faces
を見てください。
同時ログインとユーザー切替
LXDM では同時に複数のユーザーが別々の tty にログインすることが可能です。以下のコマンドを使うことで現在のユーザーをログアウトさせずに別のユーザーでログインできます:
$ lxdm -c USER_SWITCH
テーマ
LXDM のテーマは /usr/share/lxdm/themes
に存在します。
LXDM に付属しているテーマは Industrial というテーマだけです。テーマに含まれている背景ファイル wave.svg
を表示するには librsvg のインストールが必要です。
lxdm-themesAUR には追加のテーマが6個入っています: Archlinux, ArchlinuxFull, ArchlinuxTop, Arch-Dark, Arch-Stripes, IndustrialArch。その内の ArchStripes と ArchDark テーマは lxdm-gitAUR にも入っています (ファイルが衝突しないように名前が変えられています)。
/etc/lxdm/lxdm.conf
でテーマを設定できます:
## the theme of greeter theme=theme_name
設定ファイルで GTK テーマ (/usr/share/themes
に保存されています) を使うように LXDM を設定することも可能です:
## GTK theme gtk_theme=gtk_theme_name
高度なセッションの設定
ログイン後、LXDM は以下のファイルを全て source します (上から順番に読み込まれます):
/etc/profile
~/.profile
/etc/xprofile
~/.xprofile
上記のファイルを使ってセッション中の環境変数を設定して、クライアントが環境変数の設定を必要とするサービス (ssh-agent など) を起動することができます。詳しくは Xprofile を見てください。
LXDM は ~/.xinitrc
を読み込まないため、~/.xinitrc
を使用する SLiM などのディスプレイマネージャから LXDM に移行する場合は設定を (~/.xprofile
などに) 移す必要があります。また、LXDM は ~/.bash_profile
も読み込まないので注意してください。
~/.xinitrc
ファイルを使用し続けたい場合、/etc/lxdm/PostLogin
イベントファイルに以下の行を追加してください:
source ~/.xinitrc
LXDM は .Xresources, .Xkbmap, .Xmodmap なども利用します。LXDM でセッションを設定する全ユーザー共通・ユーザー個別の設定ファイルについて詳しくは /etc/lxdm/Xsession
を参照してください [1]。
黒背景で点滅する問題の修正
LXDM でデフォルトの theme=Industrial
を使用していて背景画像を黒に設定している場合、LXDM が起動する前に点滅が表示されることがあります。テーマの bg_color:
プロパティが原因です。gtk_theme=Adwaita
を Adwaita-dark などのダークテーマに変更することで LXDM から遷移するときに点滅が起こりません。