「インテルグラフィックス」の版間の差分
(→Alder Lake-P 上でスリープ/サスペンドから復帰するとフリーズする: note を追加) |
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intel_iommu=off |
intel_iommu=off |
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− | === 低電力 Intel CPU でクラッシュ/フリーズ === |
+ | === 低消費電力 Intel CPU でクラッシュ/フリーズ === |
+ | 低消費電力 Intel プロセッサやノート PC プロセッサは、低消費電力 Intel チップで使用されている電源管理機能に関する問題によりランダムにハングアップ/クラッシュする傾向にあります。そのようなクラッシュが発生する場合、この問題を報告するログは見られないでしょう。以下の[[カーネルパラメータ]]を追加することで、この問題を解決できるかもしれません。 |
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− | Low-powered Intel processors and/or laptop processors have a tendency to randomly hang or crash due to the problems with the power management features found in low-power Intel chips. If such a crash happens, you will not see any logs reporting this problem. Adding the following [[Kernel parameters]] may help to resolve the problem. |
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+ | {{Note|以下のカーネルパラメータを3つすべて一緒に使用することは推奨されません。}} |
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− | {{Note|It is not advised to use all three of the below kernel parameters together.}} |
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intel_idle.max_cstate=1 i915.enable_dc=0 ahci.mobile_lpm_policy=1 |
intel_idle.max_cstate=1 i915.enable_dc=0 ahci.mobile_lpm_policy=1 |
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− | {{ic|1=ahci.mobile_lpm_policy=1}} |
+ | {{ic|1=ahci.mobile_lpm_policy=1}} は、いくつかの Lenovo ノート PC や一部の Acer ノートブックにおける、SATA コントローラーの問題のある電源管理に起因するハングアップを修正します。この回避策は Intel Graphics と厳密には関連していませんが、関連する問題を解決します。このカーネルパラメータを追加すると、''l''ink ''p''ower ''m''anagement をファームウェアのデフォルトから最大パフォーマンスに変更し、特定の Lenovo マシンでディスプレイ輝度を変更した際にハングする問題を解決しますが、modern ultrabook でアイドル時の電力消費量が 1~1.5W 増加します。詳細 (特に他の状態に関するもの) については、[https://lore.kernel.org/lkml/20171211165216.5604-1-hdegoede@redhat.com/ Linux カーネルメーリングリスト]や [https://access.redhat.com/documentation/en-en/red_hat_enterprise_linux/6/html/power_management_guide/alpm Red Hat ドキュメント]を見てください。 |
+ | {{ic|1=i915.enable_dc=0}} は、GPU の電源管理を無効化します。これは、特定の Intel システム (特に、Goldmount と Kaby Lake Refresh チップ) におけるランダムなハングを解決します。このパラメータを使用すると、電源使用量が増え、ノート PC/notebook のバッテリー寿命が短くなります。 |
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− | {{ic|1=i915.enable_dc=0}} disables GPU power management. This does solve random hangs on certain Intel systems, notably Goldmount and Kaby Lake Refresh chips. Using this parameter does result in higher power use and shorter battery life on laptops/notebooks. |
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+ | {{ic|1=intel_idle.max_cstate=1}} は、プロセッサのスリープ状態を制限し、プロセッサがディープスリープ状態に移行するのを防ぎます。これは絶対に理想的ではなく、電力消費量の増加とバッテリーの短命化を招きます。しかし、多くの Intel システムでランダムなハングを解決します。Intel Baytrail や Kaby Lake Refresh チップを使用している場合は、このパラメータを使用してください。Intel "Baytrail" チップは、このカーネルパラメータを使用しないと、ファームウェアの欠陥によりランダムにハングしてしまうことが知られいます [https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=109051#c752]。 |
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− | {{ic|1=intel_idle.max_cstate=1}} limits the processors sleep states, it prevents the processor from going into deep sleep states. That is absolutely not ideal and does result in higher power use and lower battery life. However, it does solve random hangs on many Intel systems. Use this if you have a Intel Baytrail or a Kaby Lake Refresh chip. Intel "Baytrail" chips are known to randomly hang without this kernel parameter due to a hardware flaw[https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=109051#c752]. |
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− | + | max_cstate パラメータに関する詳細は[https://docs.kernel.org/admin-guide/pm/intel_idle.html#kernel-command-line-options-and-module-parameters カーネルドキュメント]で、cstate に関する一般的な情報は [https://gist.github.com/wmealing/2dd2b543c4d3cff6cab7 GitHub 上の記事]で見られます。 |
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+ | 頻繁にハングする問題を解決するために {{ic|1=intel_idle.max_cstate=1 i915.enable_dc=0 ahci.mobile_lpm_policy=1}} を追加して問題が解決した場合は、その後パラメータを一つずつ取り除いて、どのパラメータが実際に問題の解決になっているかを確かめるべきです。実際の問題が SATA の電源管理に関係していて、問題を実際に解決するパラメータが {{ic|1=ahci.mobile_lpm_policy=1}} である場合、cstate やディスプレイの電源管理が無効化されている状態でマシンを走らせることは推奨されていません。 |
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− | If you try adding {{ic|1=intel_idle.max_cstate=1 i915.enable_dc=0 ahci.mobile_lpm_policy=1}} in the hope of fixing frequent hangs and that solves the issue you should later remove one by one to see which of them actually helped you solve the issue. Running with cstates and display power management disabled is not advisable if the actual problem is related to SATA power management and {{ic|1=ahci.mobile_lpm_policy=1}} is the one that actually solves it. |
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− | + | 詳細は [https://linuxreviews.org/Intel_graphics#Kernel_Parameters Linux Reviews] を見てください。 |
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=== 165Hz モニタのサポートを追加する === |
=== 165Hz モニタのサポートを追加する === |
2022年11月30日 (水) 13:47時点における版
Intel はオープンソースドライバの提供とサポートを行なっているので、Intel Graphics は基本的にプラグアンドプレイです。
Intel GPU のモデルや関連するチップセットと CPU の包括的なリストは、Wikipedia:List of Intel graphics processing units と Gentoo:Intel#Feature support を見てください。
目次
- 1 インストール
- 2 ローディング
- 3 Xorg の設定
- 4 モジュールベースのオプション
- 5 ヒントとテクニック
- 6 トラブルシューティング
- 6.1 ティアリング
- 6.2 垂直同期 (VSYNC) を無効化する
- 6.3 DRI3 の問題
- 6.4 GTK アプリケーションでフォントや画面の表示がおかしい (サスペンド・復帰後に文字が表示されない)
- 6.5 起動中 "Loading modules" するときに画面がブラックアウトする
- 6.6 Intel ドライバで X がフリーズ/クラッシュする
- 6.7 認識されない解像度を追加する
- 6.8 バックライトを調整できない
- 6.9 Chromium や Firefox が壊れる/応答しない
- 6.10 Broadwell/Core-M チップでカーネル 4.0 以上を使っている場合にクラッシュする
- 6.11 Windows をゲストとした場合にラグが発生する
- 6.12 画面がちらつく
- 6.13 i915 ドライバで OpenGL 2.1
- 6.14 KMS の問題: コンソールが小さい領域に制限される
- 6.15 Haswell CPU で HDMI 経由で音声が出ない
- 6.16 低消費電力 Intel CPU でクラッシュ/フリーズ
- 6.17 165Hz モニタのサポートを追加する
- 6.18 Alder Lake-P 上でスリープ/サスペンドから復帰するとフリーズする
- 6.19 Alder Lake/UHD 770 で Plasma Desktop 内で Qt エレメントの選択に問題が発生する
- 6.20 Arc GPU のカーネルサポート
- 7 参照
インストール
mesa パッケージをインストールしてください。3D アクセラレーションのための DRI ドライバーが含まれています。
- 32ビットアプリケーションのサポートは、multilib リポジトリから lib32-mesa パッケージもインストールしてください。
- Xorg で 2D アクセラレーションを提供する DDX ドライバーは、xf86-video-intel パッケージをインストールしてください。この機能にもかかわらず、このパッケージは一般には推奨されていません。下記のノートを見てください。
- Vulkan のサポート (Ivy Bridge およびそれ以降) は、vulkan-intel パッケージをインストールしてください。
ハードウェアビデオアクセラレーションも見てください。
ローディング
Intel カーネルモジュールは、システムの起動時に自動的に正常にロードされるはずです。
正常にロードされない場合は:
- Intel は kernel mode-setting を必要とするので、カーネルパラメータ に
nomodeset
を指定して いない ことを確認してください。 - また、
/etc/modprobe.d/
や/usr/lib/modprobe.d/
で modprobe ブラックリストを使って Intel を無効にしていないか確認してください。
早い段階で KMS を有効にする
Kernel Mode Setting (KMS) は、i915 DRM ドライバーを使用するインテルチップセットでサポートされています。KMS は必須であり、デフォルトで有効になっています。
起動プロセスにおいてできるだけ早く KMS を有効にする方法については、Kernel Mode Setting#Early KMS start を参照してください。
GuC/HuC ファームウェアのロードを有効にする
第9世代から (Skylake およびそれ以降)、Intel GPU には以下の機能を提供する Graphics micro (μ) Controller (GuC) が搭載されています [3]:
- 一部のメディアデコード機能を CPU から HEVC/H.265 micro (µ) Controller (HuC) にオフロードする。ハードウェアビデオアクセラレーションに intel-media-driver を使用する場合にのみ、適用可能です。第9世代から導入されました。
- GuC をスケジューリング、コンテキスト送信、電源管理に使用する。第12世代、Alder Lake-P (Mobile) で導入されました。
この機能を使うには、GuC ファームウェアがロードされていなければなりません。HuC のサポートに関して、一部のビデオ機能 (例: SKL 低電力符号化モードにおける CBR レート制御) は HuC ファームウェアもロードされている必要があります [4]。GuC と HuC ファームウェアのファイルは両方 linux-firmware によって提供されています。
GuC の機能は i915.enable_guc
カーネルパラメータ によって制御されます。このパラメータのし予報は以下の通りです:
enable_guc の値 | GuC 送信 | HuC ファームウェアのロード | デフォルトとなっているプラットフォーム | サポートされているプラットフォーム |
---|---|---|---|---|
0 | No | No | Tiger Lake、Rocket Lake、Gen12 以前 [5] | すべて |
1 | Yes | No | – | Alder Lake-P (Mobile) およびそれ以降 |
2 | No | Yes | Alder Lake-S (Desktop) [6] [7] | Gen9 およびそれ以降 |
3 | Yes | Yes | Alder Lake-P (Mobile) およびそれ以降 |
GuC 送信や HuC ファームウェアのロードがあなたの GPU ではデフォルトで有効になっていない場合、手動で有効化できます。
まず、linux-firmware がインストールされていることを確認してください。
あなたのシステムで late KMS start が設定されている場合 (これはデフォルトです)、カーネルパラメータで説明されているように i915.enable_guc
を設定することで手動で以下の機能を有効化できます。
i915
モジュール (Kernel Mode Setting#Early KMS start を参照) を initramfs に追加している場合は、これらのオプションを代わりに /etc/modprobe.d/
内のファイルで設定しなければなりません。例えば:
/etc/modprobe.d/i915.conf
options i915 enable_guc=2
そして、initramfs を再ビルドしてください。
次回の起動時に dmesg を使うことで GuC と HuC が両方有効化されていることを確認できます:
# dmesg
[30130.586970] i915 0000:00:02.0: [drm] GuC firmware i915/icl_guc_33.0.0.bin version 33.0 submission:disabled [30130.586973] i915 0000:00:02.0: [drm] HuC firmware i915/icl_huc_9.0.0.bin version 9.0 authenticated:yes
あなたのグラフィックアダプタで GuC と HuC がサポートされていない場合、以下が出力されます
# dmesg
[ 0.571339] i915 0000:00:02.0: [drm] Incompatible option enable_guc=2 - GuC is not supported! [ 0.571340] i915 0000:00:02.0: [drm] Incompatible option enable_guc=2 - HuC is not supported!
あるいは、以下で確認できます:
# cat /sys/kernel/debug/dri/0/gt/uc/guc_info # cat /sys/kernel/debug/dri/0/gt/uc/huc_info
Xorg の設定
Xorg を実行するのに設定は必要ないかもしれません。
しかし、Xorg が起動しない場合は、いくつかのドライバオプションを利用するために、以下のような Xorg 設定ファイルを作成することができます:
/etc/X11/xorg.conf.d/20-intel.conf
Section "Device" Identifier "Intel Graphics" Driver "intel" EndSection
その他のオプションは Driver
の下の新しい行にユーザが追加します。
オプションの完全なリストは intel(4) の man ページを参照してください。
AccelMethod
設定ファイルを作成する際に、Option "AccelMethod"
を指定する必要がある場合があります。古典的なオプションは、UXA
、SNA
(デフォルト)、BLT
です。
デフォルトの SNA
で問題が発生した場合。(例: ピクセル化したグラフィック、壊れたテキストなど)、代わりに UXA
を使ってみてください、これは Xorg 設定ファイル に次の行を追加することで可能です:
Option "AccelMethod" "uxa"
intel(4) § CONFIGURATION DETAILS の "AccelMethod" オプションをご覧ください。
モジュールベースのオプション
i915
カーネルモジュールにより、モジュールオプション を介して設定できます。一部のモジュールオプションは、省電力に影響を与えます。
次のコマンドを使用して、すべてのオプションのリストと簡単な説明およびデフォルト値を生成できます:
$ modinfo -p i915
現在有効になっているオプションを確認するには、
# systool -m i915 -av
多くのオプションのデフォルトは-1であるため、チップごとの省電力のデフォルトになります。ただし、モジュールオプション を使用して、より積極的な省電力を構成することも可能です。
フレームバッファー圧縮 (enable_fbc)
フレームバッファー圧縮(FBC)を利用すると、画面の更新に必要なメモリ帯域幅を削減しながら、消費電力を削減できます。
FBC を有効にするには、 i915.enable_fbc=1
を カーネルパラメータ として使用するか、 /etc/modprobe.d/i915.conf
に設定します:
/etc/modprobe.d/i915.conf
options i915 enable_fbc=1
Fastboot
Intel Fastboot の目標は、BIOS または ブートローダー によってセットアップされたフレームバッファーを保持して、 Xorg が開始されるまでちらつきを回避することです。[12][13]
fastboot がデフォルトでないプラットフォーム上で fastboot を有効にするには、i915.fastboot=1
を カーネルパラメータ として設定するか、/etc/modprobe.d/i915.conf
に以下を設定します:
/etc/modprobe.d/i915.conf
options i915 fastboot=1
Intel GVT-g グラフィック仮想化のサポート
詳細については Intel GVT-g を参照してください。
パフォーマンスサポートを有効化する
第6世代から (Sandy Bridge およびそれ以降) Intel GPU は、内部のパフォーマンスデータをドライバに公開するために使用されるパフォーマンスカウンタを提供しています。ドライバとハードウェアレジスタではこのインフラを Observation Architecture (内部的には "OA") と呼んでいますが [14]、Intel のドキュメントではこの機能をより一般的に Observability Performance Counters を提供するものとしています [15] [16]。
デフォルトでは、CAP_SYS_ADMIN (root と等価です) や CAP_PERFMON ケイパビリティで実行されているプログラムのみが observation architecture を利用できます [17] [18]。ほとんどのアプリケーションはこれらのケイパビリティを持たずに実行されるため、以下の警告が出力されます:
MESA-INTEL: warning: Performance support disabled, consider sysctl dev.i915.perf_stream_paranoid=0
これらのケイパビリティ (または root) を使わずにパフォーマンスサポートを有効化するには、sysctl で説明されているように、(上記の警告で示されている) カーネルパラメータを設定してください。
/etc/sysctl.d/*.conf
ファイルで先のカーネルパラメータの値に0を設定すると、以下のエラーが実行時に発生します:
sysctl: cannot stat /proc/sys/dev/i915/perf_stream_paranoid: No such file or directory
i915
モジュールをKMS で早い段階でロードする必要があります。
ヒントとテクニック
スケーリングモードを設定する
フルスクリーンを使うアプリケーションで有用かもしれません:
$ xrandr --output LVDS1 --set PANEL_FITTING param
選べる param
は:
center
: 解像度は定義した通りに固定され、スケーリングは無効になりますfull
: 画面いっぱいまで解像度がスケールしますfull_aspect
: アスペクト比を維持したまま解像度を可能な限り最大までスケールします
うまく行かない場合は、以下を試してみてください:
$ xrandr --output LVDS1 --set "scaling mode" param
param
は "Full"
、"Center"
、"Full aspect"
のいずれかです。
GMA 4500 での H.264 デコードのハードウェアアクセラレーション
libva-intel-driver パッケージは、一部の GMA 4500 シリーズ GPU での MPEG-2 デコードのハードウェアアクセラレーションのみを提供します (H.264 デコードは提供しません)。あなたの GPU も関係しているどうかを確かめるには、そのドライバと libva-utils パッケージの両方をインストールしてください。そして、vainfo
ツールの出力を見て、VAProfileH264
で始まるエントリがどれだけあるかを見てください。
H.264 デコードのサポートは、枝分かれた g45-h264 ブランチでメンテナンスされており、libva-intel-driver-g45-h264AUR パッケージをインストールすることで使用できます。しかし、このサポートは実験的で、開発は放棄されていることに注意してください。GMA 4500 シリーズの GPU 上でこのドライバと共にVA-API を使うことで CPU の負荷を減らすことができますが、動画の再生がアクセラレートされていない状態ほどスムーズに再生できないかもしれません。mplayer を使ったテストでは H.264 でエンコードされた 1080p のビデオを vaapi を使って再生したところ (XV オーバーレイに比べて) CPU の負担は下がりましたが、途切れ途切れの再生になりました。一方 720p はうまく動きました [21]。他の報告も同じようなものでした [22]。BIOS で割当済みビデオ RAM のサイズを高く設定すると、より質の高いハードウェアデコード再生が可能です。これを行うと、1080p h264 でもうまく行きます [23]。スムーズな再生 (1080p/720p) は、mpv-gitAUR、ffmpeg-gitAUR、libva-intel-driver-g45-h264AUR を組み合わせて使うことでもうまく行きます。MPV と Firefox のプラグイン "Send to MPV player"[24] を用いることで、ハードウェアによりアクセラレートされた YouTube ビデオの再生が可能です。
古い OpenGL ドライバ (i965)
Mesa 20.0 では、新しい OpenGL ドライバ "Iris" が第8世代以上でデフォルトとなりました。一部のアプリケーションはこのドライバによりより高速に動作します。MESA_LOADER_DRIVER_OVERRIDE=i965
環境変数を OpenGL アプリケーションの起動前に設定することで、Iris を無効化し、古い i965 ドライバに戻すことができます。この設定は Vulkan アプリケーションには影響しません。
報告される OpenGL のバージョンを上書き
MESA_GL_VERSION_OVERRIDE
環境変数を使うことで、アプリケーションに報告される OpenGL のバージョンを上書きできます。例えば、MESA_GL_VERSION_OVERRIDE=4.5
と設定することで OpenGL 4.5 と報告されるようになります。
モニタリング
- intel_gpu_top — Intel GPU のための top ライクなタスクモニタ (root 権限が必要)
- nvtop — AMD、Intel、NVIDIA のための GPU プロセスモニタリング (現在、Intel GPU に対しては非常に基本的なサポートしかありません)。
明るさとガンマ値の設定
バックライト を見てください。
トラブルシューティング
ティアリング
SNA アクセラレーションメソッドを取っている場合、一部のマシン上でティアリングが発生します。これを修正するには、以下の行を設定ファイルに追加してドライバの TearFree
オプションを有効化してください:
/etc/X11/xorg.conf.d/20-intel.conf
Section "Device" Identifier "Intel Graphics" Driver "intel" Option "TearFree" "true" EndSection
詳細は元のバグレポートを見てください。
垂直同期 (VSYNC) を無効化する
以下のような場合に便利です:
- Chromium/Chrome が、GPU のせいでラグくパフォーマンスが悪く、--disable-gpu スイッチを使うとスムーズに動作する場合。
- glxgears テストが期待するほどのパフォーマンスを発揮してくれない場合。
intel ドライバは垂直同期に Triple Buffering を使用します。これは、完全なパフォーマンスとティアリングの回避を可能にします。垂直同期をオフにするには (例えば、ベンチマークのために)、以下の .drirc
をホームディレクトリ内に追加してください:
~/.drirc
<device screen="0" driver="dri2"> <application name="Default"> <option name="vblank_mode" value="0"/> </application> </device>
DRI3 の問題
xf86-video-intel では DIR バージョンのデフォルトは DRI3 です。一部の環境では DRI3 によって問題が発生することがあります [26]。DRI2 を使うには設定ファイルに以下の行を追加してください:
Option "DRI" "2"
modesetting
ドライバーでは上記の方法で DRI3 を無効化することはできません。代わりに LIBGL_DRI3_DISABLE=1
環境変数を設定してください。
GTK アプリケーションでフォントや画面の表示がおかしい (サスペンド・復帰後に文字が表示されない)
GTK アプリケーションでフォントの文字が表示されなくなってしまう場合、以下の方法で直る可能性があります。/etc/environment
を編集して以下の行を追加してください:
/etc/environment
COGL_ATLAS_DEFAULT_BLIT_MODE=framebuffer
起動中 "Loading modules" するときに画面がブラックアウトする
"late start" KMS を使っているとき "Loading modules" で画面がブラックアウトする場合、initramfs に i915 と intel_agp を加えると解決するかもしれません。Kernel Mode Setting#Early KMS start を見てください。
または、次のカーネルパラメータを加えるとうまく動くかもしれません:
video=SVIDEO-1:d
VGA に出力する必要があるときは次を使ってみて下さい:
video=VGA-1:1280x800
Intel ドライバで X がフリーズ/クラッシュする
X のクラッシュを伴う問題、GPU のハングアップ、X のフリーズに関する問題は、NoAccel
オプションを使って GPU の使用を無効化することで修復できる場合があります。以下の行を設定ファイルに追加してください:
Option "NoAccel" "True"
あるいは、DRI
オプションを使って 3D アクセラレーションだけを無効化してみてください:
Option "DRI" "False"
認識されない解像度を追加する
この問題は、Xrandr のページ で扱っています。
バックライトを調整できない
サスペンドから復帰したあとにホットキーを使用してスクリーンの輝度を変更できない場合、バックライトの記事を見てあなたの設定ファイルをチェックしてみてください。
問題が解消されない場合は、以下のカーネルパラメータのうち1つを試してください:
acpi_osi=Linux acpi_osi="!Windows 2012" acpi_osi=
また、fastboot モード (i915.fastboot
カーネルパラメータ) を使用していないことを確認してください。これは、バックライト制御を破壊することが知られています。
Chromium や Firefox が壊れる/応答しない
Chromium や Firefox でアーティファクト、応答なし、ラグ、低パフォーマンスが発生する場合、解決策としてはいかがあります:
- AccelMethod を "uxa" に設定する
- VSYNC を無効化する
- TearFree オプションを有効化する
- "DRI" とアクセラレーションのメソッドを無効にする (Intel Iris 第10世代でテスト済み):
Option "NoAccel" "True" Option "DRI" "False"
Broadwell/Core-M チップでカーネル 4.0 以上を使っている場合にクラッシュする
X/Wayland がロードされた数秒後、マシンがフリーズして、journalctl に以下のような Intel Graphics に関連するカーネルのクラッシュログが残ることがあります:
Jun 16 17:54:03 hostname kernel: BUG: unable to handle kernel NULL pointer dereference at (null) Jun 16 17:54:03 hostname kernel: IP: [< (null)>] (null) ... Jun 16 17:54:03 hostname kernel: CPU: 0 PID: 733 Comm: gnome-shell Tainted: G U O 4.0.5-1-ARCH #1 ... Jun 16 17:54:03 hostname kernel: Call Trace: Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa055cc27>] ? i915_gem_object_sync+0xe7/0x190 [i915] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa0579634>] intel_execlists_submission+0x294/0x4c0 [i915] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa05539fc>] i915_gem_do_execbuffer.isra.12+0xabc/0x1230 [i915] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa055d349>] ? i915_gem_object_set_to_cpu_domain+0xa9/0x1f0 [i915] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffff811ba2ae>] ? __kmalloc+0x2e/0x2a0 Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa0555471>] i915_gem_execbuffer2+0x141/0x2b0 [i915] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa042fcab>] drm_ioctl+0x1db/0x640 [drm] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffffa0555330>] ? i915_gem_execbuffer+0x450/0x450 [i915] Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffff8122339b>] ? eventfd_ctx_read+0x16b/0x200 Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffff811ebc36>] do_vfs_ioctl+0x2c6/0x4d0 Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffff811f6452>] ? __fget+0x72/0xb0 Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffff811ebec1>] SyS_ioctl+0x81/0xa0 Jun 16 17:54:03 hostname kernel: [<ffffffff8157a589>] system_call_fastpath+0x12/0x17 Jun 16 17:54:03 hostname kernel: Code: Bad RIP value. Jun 16 17:54:03 hostname kernel: RIP [< (null)>] (null)
この問題は execlist のサポート (カーネル 4.0 からデフォルトに変更されました) を無効化することで解決します。以下のカーネルパラメータを追加してください:
i915.enable_execlists=0
これは、カーネル 4.0.5 以上で壊れていることが知られています。
Windows をゲストとした場合にラグが発生する
VirtualBox でホスト側から(マウスカーソルを動かすなどして)画面を更新しないと Windows ゲストのビデオ出力が止まってしまうことがあります。enable_fbc=1
オプションを削除すれば問題は解決します。
画面がちらつく
Intel iGPU で使用される省電力機能 Panel Self Refresh (PSR) は、一部の例でちらつきを発生させることが知られています FS#49628 FS#49371 FS#50605。一時的な解決策は、カーネルパラメータ i915.enable_psr=0
を使ってこの機能を無効化することです。
i915 ドライバで OpenGL 2.1
バージョン 13.x から 17 への mesa のアップデートにより、第3世代 Intel GPU (GMA3100、参照) で OpenGL 2.1 のサポートが壊れてしまう場合があり、この記事で説明されているように、OpenGL 1.4 に戻ってしまいます。しかし、これは手動で /etc/drirc
または ~/.drirc
のオプションを設定することで、修正できます:
/etc/drirc
<driconf> ... <device driver="i915"> <application name="Default"> <option name="stub_occlusion_query" value="true" /> <option name="fragment_shader" value="true" /> </application> </device> ... </driconf>
KMS の問題: コンソールが小さい領域に制限される
低解像度のビデオポートの1つが起動時に有効になっていて、そのせいでターミナルがスクリーンの小さい領域を使っているのかもしれません。修正するには、ブートローダーでカーネルコマンドラインパラメータの video=SVIDEO-1:d
を使って i915 モジュールの設定でそのポートを明示的に無効化してください。詳細は カーネルパラメータ を見てください。
これでうまく行かない場合、SVIDEO-1 ではなく TV1 か VGA1 を無効化してみてください。ビデオポートの名前は xrandr でリストアップできます。
Haswell CPU で HDMI 経由で音声が出ない
Linux カーネルの issue によると、intel_iommu=on
を設定している場合には HDMI から音声が出力されないそうです。この問題を修正するには、以下のカーネルパラメータを設定してください:
intel_iommu=on,igfx_off
あるいは、IOMMU を無効化してください:
intel_iommu=off
低消費電力 Intel CPU でクラッシュ/フリーズ
低消費電力 Intel プロセッサやノート PC プロセッサは、低消費電力 Intel チップで使用されている電源管理機能に関する問題によりランダムにハングアップ/クラッシュする傾向にあります。そのようなクラッシュが発生する場合、この問題を報告するログは見られないでしょう。以下のカーネルパラメータを追加することで、この問題を解決できるかもしれません。
intel_idle.max_cstate=1 i915.enable_dc=0 ahci.mobile_lpm_policy=1
ahci.mobile_lpm_policy=1
は、いくつかの Lenovo ノート PC や一部の Acer ノートブックにおける、SATA コントローラーの問題のある電源管理に起因するハングアップを修正します。この回避策は Intel Graphics と厳密には関連していませんが、関連する問題を解決します。このカーネルパラメータを追加すると、link power management をファームウェアのデフォルトから最大パフォーマンスに変更し、特定の Lenovo マシンでディスプレイ輝度を変更した際にハングする問題を解決しますが、modern ultrabook でアイドル時の電力消費量が 1~1.5W 増加します。詳細 (特に他の状態に関するもの) については、Linux カーネルメーリングリストや Red Hat ドキュメントを見てください。
i915.enable_dc=0
は、GPU の電源管理を無効化します。これは、特定の Intel システム (特に、Goldmount と Kaby Lake Refresh チップ) におけるランダムなハングを解決します。このパラメータを使用すると、電源使用量が増え、ノート PC/notebook のバッテリー寿命が短くなります。
intel_idle.max_cstate=1
は、プロセッサのスリープ状態を制限し、プロセッサがディープスリープ状態に移行するのを防ぎます。これは絶対に理想的ではなく、電力消費量の増加とバッテリーの短命化を招きます。しかし、多くの Intel システムでランダムなハングを解決します。Intel Baytrail や Kaby Lake Refresh チップを使用している場合は、このパラメータを使用してください。Intel "Baytrail" チップは、このカーネルパラメータを使用しないと、ファームウェアの欠陥によりランダムにハングしてしまうことが知られいます [27]。
max_cstate パラメータに関する詳細はカーネルドキュメントで、cstate に関する一般的な情報は GitHub 上の記事で見られます。
頻繁にハングする問題を解決するために intel_idle.max_cstate=1 i915.enable_dc=0 ahci.mobile_lpm_policy=1
を追加して問題が解決した場合は、その後パラメータを一つずつ取り除いて、どのパラメータが実際に問題の解決になっているかを確かめるべきです。実際の問題が SATA の電源管理に関係していて、問題を実際に解決するパラメータが ahci.mobile_lpm_policy=1
である場合、cstate やディスプレイの電源管理が無効化されている状態でマシンを走らせることは推奨されていません。
詳細は Linux Reviews を見てください。
165Hz モニタのサポートを追加する
一部の 165Hz モニタで、xrandr が 165Hz のオプションを表示しない場合があり、さらに #認識されない解像度を追加する の方法ではこれを解決できません。この場合、i915-driver-stuck-at-40hz-on-165hz-screen を見てください。
Alder Lake-P 上でスリープ/サスペンドから復帰するとフリーズする
Alder Lake-P 第12世代モバイルプロセッサの様々なベンダーのノート PC で、サスペンドから復帰した後にフリーズしたり黒画面になったりします。これは、多くのラップトップのベンダーが不正な VBT (Video BIOS Table) を同梱しており、iGPU に接続されている実際のポートが間違って記述されているからです。多くのベンダーが、正しく動作している Windows OS が搭載されているノート PC のための BIOS アップデートをリリースしないことを鑑みると、Linux ユーザたちはこの問題をカーネル側から対処するしかありません。一時的な緩和策としてカーネルにパッチを当てて再ビルドすることで、この問題を緩和できます:
drivers/gpu/drm/i915/display/intel_display.c.patch
--- a/drivers/gpu/drm/i915/display/intel_display.c +++ b/drivers/gpu/drm/i915/display/intel_display.c @@ -8835,7 +8835,7 @@ static void intel_setup_outputs(struct drm_i915_private *dev_priv) intel_ddi_init(dev_priv, PORT_TC1); } else if (IS_ALDERLAKE_P(dev_priv)) { intel_ddi_init(dev_priv, PORT_A); - intel_ddi_init(dev_priv, PORT_B); + // intel_ddi_init(dev_priv, PORT_B); intel_ddi_init(dev_priv, PORT_TC1); intel_ddi_init(dev_priv, PORT_TC2); intel_ddi_init(dev_priv, PORT_TC3);
これは、freedesktop の issue 5531 6401 で説明されており、何ヶ月も解決されていません。
Alder Lake/UHD 770 で Plasma Desktop 内で Qt エレメントの選択に問題が発生する
新しい第12世代あたりの IGP では、Plasma Desktop がほとんど使用不可になるほどの問題が発生する場合があります。アクセラレートされたアイテムの問題であるようです。glxgears を実行すると高フレームレートが報告されますが、アニメーションはアップデートされません。 ここでの解決策は、X 下でのドライバを変更することです。
/etc/X11/xorg.conf.d/20-intel.conf
Section "Device" Identifier "Intel Graphics" Driver "modesetting" EndSection
Arc GPU のカーネルサポート
カーネル 6.0 およびそれ以前は、公式には Arc GPU ファミリをまだサポートしていないので、ドライバのロードを強制する必要があります。
ブートローダーで以下のカーネルパラメータを設定してください:
i915.force_probe=pci_id
PCI ID は以下のコマンドの出力です:
$ lspci -nn | grep VGA | sed -n "s/^.\+\[8086:\([[:alnum:]]\{4\}\)\].\+$/\1/p"
さらに、以下のように xorg.conf
でドライバを設定する必要があります:
/etc/X11/xorg.conf.d/20-intel.conf
Section "Device" Identifier "Intel Graphics" Driver "modesetting" EndSection
"fbdev" ドライバも機能します。
完全なドライバサポートが無い場合、3D レンダリングは利用できません。
参照
- https://01.org/linuxgraphics/documentation (サポートされているハードウェア一覧など)