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− | このドキュメントは、[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/ Arch Install Scripts] を使って [[Arch Linux]] をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、[[FAQ]] に目を通しておくことをお勧めします。 |
+ | このドキュメントは、[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/ Arch Install Scripts] を使って [[Arch Linux]] をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、[[FAQ]] に目を通しておくことをお勧めします。使用されている用語については、[[ヘルプ:読み方]]を見てください。 |
− | コミュニティによって管理されている [[メインページ|Arch wiki]] には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください。答えが見つけられない場合には、[https://archlinuxjp-slack.herokuapp.com/ Slack] や、[https://bbs.archlinuxjp.org/ フォーラム] を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは {{ic|man ''コマンド''}} で man ページを参照しましょう。 |
+ | コミュニティによって管理されている [[メインページ|Arch wiki]] には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください (インストール環境からは [[ELinks]] で閲覧できます)。答えが見つけられない場合には、[https://archlinuxjp-slack.herokuapp.com/ Slack] や、[https://bbs.archlinuxjp.org/ フォーラム] を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは {{ic|man ''コマンド''}} で man ページを参照しましょう。 |
== ダウンロード == |
== ダウンロード == |
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==インストールの準備== |
==インストールの準備== |
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− | Arch Linux は 256 MB 以上のメモリが搭載された [[Wikipedia:P6 (microarchitecture)|i686]] 互換のマシンで動作します。{{Grp|base}} グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストール |
+ | Arch Linux は 256 MB 以上のメモリが搭載された [[Wikipedia:P6 (microarchitecture)|i686]] 互換のマシンで動作します。{{Grp|base}} グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストールする際はリモートリポジトリからパッケージを取得する必要があるため、インターネットに接続できる環境が必要です。 |
+ | |||
+ | インストールメディアを起動すると root ユーザーでログインされ、[[Zsh]] のシェルプロンプトが表示されます。設定ファイルを[[ヘルプ:読み方#追加, 作成, 編集 そして source|編集]]するときは [[nano#nano の使用方法|nano]], ''vi'', [[vim#使用方法|vim]] が使えます。 |
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+ | === キーボードレイアウト === |
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+ | デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードです。{{ic|loadkeys jp106}} のようなコマンドであなたのキーボードが正しく動作するようになります。対応しているキーマップのファイルは {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} で見ることができます ({{man|1|loadkeys}} を使うときはパスや拡張子を省略可能)。 |
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=== 起動モードの確認 === |
=== 起動モードの確認 === |
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− | [[UEFI]] 環境ではインストール手順が多少異なります。[[efivars]] をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください: |
+ | [[UEFI]] マザーボードで UEFI モードが有効になっている場合、[[Archiso]] は [[systemd-boot]] によって Arch Linux を起動します。[[UEFI]] 環境ではインストール手順が多少異なります。[[efivars]] をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください: |
# ls /sys/firmware/efi/efivars |
# ls /sys/firmware/efi/efivars |
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+ | ディレクトリが存在しない場合、BIOS (または CSM) モードで起動しています。 |
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− | === キーボードレイアウト === |
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− | デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードです。{{ic|loadkeys jp106}} のようなコマンドであなたのキーボードが正しく動作するようになります。対応しているキーマップのファイルは {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} で見ることができます (loadkeys を使うときはパスや拡張子を省略可能)。 |
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=== パーティション === |
=== パーティション === |
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=== ベースシステムのインストール === |
=== ベースシステムのインストール === |
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− | [https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/pacstrap.in pacstrap] スクリプトを使って、{{Grp|base}} グループをインストールします。[[Arch User Repository|AUR]] からソフトウェアをコンパイルしたり [[Arch Build System|ABS]] を使うつもりであれば、 |
+ | [https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/pacstrap.in pacstrap] スクリプトを使って、{{Grp|base}} グループをインストールします。[[Arch User Repository|AUR]] からソフトウェアをコンパイルしたり [[Arch Build System|ABS]] を使うつもりであれば、{{Grp|base-devel}} パッケージグループもインストールするべきです。 |
# pacstrap /mnt base base-devel |
# pacstrap /mnt base base-devel |
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+ | ''base'' グループにはライブ環境に存在する全てのツールが含まれているわけではありません。{{Pkg|btrfs-progs}} や無線ファームウェアなどは別にインストールする必要があります。[https://projects.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/packages.both packages.both] を見てください。 |
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− | 必要に応じて、上のコマンドにパッケージの名前を追加 (スペースで区切る) すれば、他のパッケージやグループもインストールできます。 |
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+ | |||
+ | 必要に応じて、上のコマンドにパッケージの名前を追加 (スペースで区切る) すれば、他のパッケージやグループもインストールできます。また、[[#chroot|chroot]] を実行した後に {{man|8|pacman|url=https://www.archlinux.org/pacman/pacman.8.html}} コマンドでインストールすることも可能です。 |
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+ | == システムの設定 == |
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+ | === fstab === |
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− | === システムの設定 === |
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以下のコマンドを実行して [[fstab]] を生成してください (UUID やラベルを使いたい場合、それぞれ {{ic|-U}} や {{ic|-L}} オプションを加えます): |
以下のコマンドを実行して [[fstab]] を生成してください (UUID やラベルを使いたい場合、それぞれ {{ic|-U}} や {{ic|-L}} オプションを加えます): |
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− | # genfstab - |
+ | # genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab |
+ | |||
+ | 作成された {{ic|/mnt/etc/fstab}} を確認して、問題がないことをチェックしてください。 |
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+ | === chroot === |
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新しくインストールしたシステムに [[Change Root|chroot]]: |
新しくインストールしたシステムに [[Change Root|chroot]]: |
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# arch-chroot /mnt |
# arch-chroot /mnt |
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+ | |||
− | あなたのコンピュータの名前を {{ic|/etc/hostname}} に書き込んでください: |
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+ | === タイムゾーン === |
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− | # echo ''computer_name'' > /etc/hostname |
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+ | |||
{{ic|/etc/localtime}} から {{ic|/usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone}} にシンボリックリンクを張って下さい。{{ic|Zone}} と {{ic|Subzone}} はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例: |
{{ic|/etc/localtime}} から {{ic|/usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone}} にシンボリックリンクを張って下さい。{{ic|Zone}} と {{ic|Subzone}} はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例: |
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# ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime |
# ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime |
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+ | |||
− | {{ic|/etc/locale.gen}} を編集して使用する[[ロケール]]をアンコメントし、次を実行してください: |
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+ | {{man|8|hwclock}} を実行して {{ic|/etc/adjtime}} を生成してください。ハードウェアクロックが UTC に設定されている場合、マシンにインストールされている他のオペレーティングシステムも UTC に[[時刻#時刻系|設定]]する必要があります。 |
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+ | # hwclock --systohc --''utc'' |
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+ | === ロケール === |
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+ | {{ic|/etc/locale.gen}} を編集して使用する[[ロケール]] (例: {{ic|en_US.UTF-8 UTF-8}} と {{ic|ja_JP.UTF-8 UTF-8}}) をアンコメントし、次のコマンドを実行してください: |
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# locale-gen |
# locale-gen |
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[[ロケール#システム全体のロケールを設定する|ロケール]]を {{ic|/etc/locale.conf}} で設定します: |
[[ロケール#システム全体のロケールを設定する|ロケール]]を {{ic|/etc/locale.conf}} で設定します: |
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− | # echo LANG='' |
+ | # echo LANG=''en_US.UTF-8'' > /etc/locale.conf |
− | [[コンソールでのキーボード設定|キーマップ]] |
+ | 必要であれば、{{man|5|vconsole.conf}} で[[コンソールでのキーボード設定|キーマップ|コンソールキーマップ]]と[[フォント#コンソールフォント|フォント]]を設定します: |
+ | # echo KEYMAP=''jp106'' > /etc/vconsole.conf |
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+ | === ホストネーム === |
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− | もう一度ネットワークの設定を行なって下さい。[[ネットワーク設定]]や[[ワイヤレス設定]]を見て下さい。 |
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+ | あなたのコンピュータの名前を {{ic|/etc/hostname}} に書き込んでください: |
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+ | # echo ''myhostname'' > /etc/hostname |
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+ | 同じ名前を {{ic|/etc/hosts}} にも記述します: |
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+ | 127.0.1.1 ''myhostname''.localdomain ''myhostname'' |
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+ | === ネットワーク設定 === |
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+ | もう一度ネットワークの設定を行なって下さい。[[ネットワーク設定]]を見てください。 |
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+ | [[ワイヤレス設定]]の場合 {{Pkg|iw}}, {{Pkg|wpa_supplicant}}, {{Pkg|dialog}} パッケージや[[ワイヤレス設定#ドライバー・ファームウェアをインストールする|ファームウェアパッケージ]]のインストールが必要です。 |
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+ | |||
+ | === Initramfs === |
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必要があれば {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} を設定 ([[mkinitcpio]]) し、イニシャル RAM ディスクを生成: |
必要があれば {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} を設定 ([[mkinitcpio]]) し、イニシャル RAM ディスクを生成: |
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# mkinitcpio -p linux |
# mkinitcpio -p linux |
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+ | === Root パスワード === |
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{{ic|passwd}} で root パスワードを設定します: |
{{ic|passwd}} で root パスワードを設定します: |
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# passwd |
# passwd |
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− | === ブートローダー |
+ | === ブートローダー === |
− | [[ブートローダー]]のページを見て都合に合わせて選択してください。 |
+ | [[ブートローダー]]のページを見て都合に合わせて選択してください。例えば、UEFI で起動している場合は [[systemd-boot]] でブートローダーを設定し、BIOS で起動している場合は [[GRUB#BIOS システム|GRUB]] で設定します。 |
+ | |||
+ | Intel の CPU を使っている場合は {{Pkg|intel-ucode}} パッケージをインストールして、[[マイクロコード#Intel のマイクロコードのアップデートを有効にする|マイクロコードのアップデートを有効]]にしてください。 |
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=== 再起動 === |
=== 再起動 === |
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chroot 環境から抜けるには、{{ic|exit}} と打つか、{{ic|Ctrl+D}} を押します。 |
chroot 環境から抜けるには、{{ic|exit}} と打つか、{{ic|Ctrl+D}} を押します。 |
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− | また、任意で {{ic|/mnt}} |
+ | また、任意で {{ic|/mnt}} にマウントしたパーティションをアンマウントします: {{ic|umount -R /mnt}}。 |
そして {{ic|reboot}} と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。 |
そして {{ic|reboot}} と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。 |
2016年9月4日 (日) 19:14時点における版
このドキュメントは、Arch Install Scripts を使って Arch Linux をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、FAQ に目を通しておくことをお勧めします。使用されている用語については、ヘルプ:読み方を見てください。
コミュニティによって管理されている Arch wiki には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください (インストール環境からは ELinks で閲覧できます)。答えが見つけられない場合には、Slack や、フォーラム を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは man コマンド
で man ページを参照しましょう。
ダウンロード
Arch Linux の ISO を Arch Linux のダウンロードページ からダウンロードしてください。ひとつのイメージで i686 と x86_64 両方の環境に対応しています。
ISO にはパッケージは含まれておらず、インターネットを介して Arch Linux をインストールします。したがって、インストールを行うにはネットワークに接続する必要があります。
インストールイメージは署名されています。ISO を使用する前に、署名の検証をすることを推奨します。ダウンロードページに存在する、PGP署名を使用するか (例: pacman-key -v inst-image.iso.sig
)、チェックサムを計算して (例: md5sum inst-image.iso
) 確認してください。
イメージファイルは CD に焼いて、ISO ファイルとしてマウントするか、USB スティックに直接書き込みます。これは新しいインストールの時だけに必要です。既にインストール済みの Arch Linux は pacman -Syu
でいつでもアップデートできます。
インストールの準備
Arch Linux は 256 MB 以上のメモリが搭載された i686 互換のマシンで動作します。base グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストールする際はリモートリポジトリからパッケージを取得する必要があるため、インターネットに接続できる環境が必要です。
インストールメディアを起動すると root ユーザーでログインされ、Zsh のシェルプロンプトが表示されます。設定ファイルを編集するときは nano, vi, vim が使えます。
キーボードレイアウト
デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードです。loadkeys jp106
のようなコマンドであなたのキーボードが正しく動作するようになります。対応しているキーマップのファイルは /usr/share/kbd/keymaps/
で見ることができます (loadkeys(1) を使うときはパスや拡張子を省略可能)。
起動モードの確認
UEFI マザーボードで UEFI モードが有効になっている場合、Archiso は systemd-boot によって Arch Linux を起動します。UEFI 環境ではインストール手順が多少異なります。efivars をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください:
# ls /sys/firmware/efi/efivars
ディレクトリが存在しない場合、BIOS (または CSM) モードで起動しています。
パーティション
lsblk
でデバイスの名前を確認して (末尾が rom
, loop
, airoot
のデバイスは無視してください)、fdisk -l /dev/sda print
で既存のパーティションテーブルを出力してください。テーブルを修正するには、fdisk や parted あるいは gdisk を使います。詳しくはパーティショニングを参照して下さい。
場合によっては特別なパーティションが必要になることがあります。EFI システムパーティションや GRUB の BIOS boot partition などです。
LVM, ディスク暗号化, RAID などを使う場合は、この段階で用意をします。
パーティションのフォーマット
パーティションのマウント
/mnt
に root パーティションをマウントします。genfstab
によって他のパーティション (/mnt/boot
, /mnt/home
, ...) を検知させたいときには、それぞれディレクトリを作ってマウントしたりスワップパーティションを有効にする必要があります。
インターネットへの接続
有線デバイスについては DHCP によるインターネットサービスが始めから有効になっています。詳しくはネットワーク設定を読んで下さい。無線デバイスについては、wifi-menu
を起動しネットワークを設定します。詳細は、ワイヤレス設定を見て下さい。固定 IP やネットワーク管理ツール (Netctl など) をセットアップする必要があるときは、DHCP サービスを止める必要があります: systemctl stop dhcpcd.service
。詳しくはネットワーク設定を読んで下さい。
システムクロックの更新
systemd-timesyncd を使ってシステムクロックを正確にしてください:
# timedatectl set-ntp true
サービスの状態は timedatectl status
で確認できます。
インストール
ミラーの選択
/etc/pacman.d/mirrorlist
を編集してミラーを選択してください。位置的に一番近いミラーがベストです。設定したミラーリストが pacstrap
によってインストール時にコピーされます。
ベースシステムのインストール
pacstrap スクリプトを使って、base グループをインストールします。AUR からソフトウェアをコンパイルしたり ABS を使うつもりであれば、base-devel パッケージグループもインストールするべきです。
# pacstrap /mnt base base-devel
base グループにはライブ環境に存在する全てのツールが含まれているわけではありません。btrfs-progs や無線ファームウェアなどは別にインストールする必要があります。packages.both を見てください。
必要に応じて、上のコマンドにパッケージの名前を追加 (スペースで区切る) すれば、他のパッケージやグループもインストールできます。また、chroot を実行した後に pacman(8) コマンドでインストールすることも可能です。
システムの設定
fstab
以下のコマンドを実行して fstab を生成してください (UUID やラベルを使いたい場合、それぞれ -U
や -L
オプションを加えます):
# genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab
作成された /mnt/etc/fstab
を確認して、問題がないことをチェックしてください。
chroot
新しくインストールしたシステムに chroot:
# arch-chroot /mnt
タイムゾーン
/etc/localtime
から /usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone
にシンボリックリンクを張って下さい。Zone
と Subzone
はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:
# ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
hwclock(8) を実行して /etc/adjtime
を生成してください。ハードウェアクロックが UTC に設定されている場合、マシンにインストールされている他のオペレーティングシステムも UTC に設定する必要があります。
# hwclock --systohc --utc
ロケール
/etc/locale.gen
を編集して使用するロケール (例: en_US.UTF-8 UTF-8
と ja_JP.UTF-8 UTF-8
) をアンコメントし、次のコマンドを実行してください:
# locale-gen
ロケールを /etc/locale.conf
で設定します:
# echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf
必要であれば、vconsole.conf(5) でキーマップ|コンソールキーマップとフォントを設定します:
# echo KEYMAP=jp106 > /etc/vconsole.conf
ホストネーム
あなたのコンピュータの名前を /etc/hostname
に書き込んでください:
# echo myhostname > /etc/hostname
同じ名前を /etc/hosts
にも記述します:
127.0.1.1 myhostname.localdomain myhostname
ネットワーク設定
もう一度ネットワークの設定を行なって下さい。ネットワーク設定を見てください。
ワイヤレス設定の場合 iw, wpa_supplicant, dialog パッケージやファームウェアパッケージのインストールが必要です。
Initramfs
必要があれば /etc/mkinitcpio.conf
を設定 (mkinitcpio) し、イニシャル RAM ディスクを生成:
# mkinitcpio -p linux
Root パスワード
passwd
で root パスワードを設定します:
# passwd
ブートローダー
ブートローダーのページを見て都合に合わせて選択してください。例えば、UEFI で起動している場合は systemd-boot でブートローダーを設定し、BIOS で起動している場合は GRUB で設定します。
Intel の CPU を使っている場合は intel-ucode パッケージをインストールして、マイクロコードのアップデートを有効にしてください。
再起動
chroot 環境から抜けるには、exit
と打つか、Ctrl+D
を押します。
また、任意で /mnt
にマウントしたパーティションをアンマウントします: umount -R /mnt
。
そして reboot
と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。
インストール後
システム管理の方法やインストール後のチュートリアルは一般的な推奨事項を参照 (グラフィカルユーザーインターフェイス、サウンド、タッチパッドなど)。
あなたの興味を引くであろうアプリケーションの一覧は、アプリケーション一覧を参照。