「Parallels Desktop」の版間の差分
(ページの作成:「Category:仮想化 en:Parallels {{Related articles start}} {{Related|VMware}} {{Related|VirtualBox}} {{Related articles end}} [http://www.parallels.com/products/...」) |
(Out of date) |
||
(4人の利用者による、間の5版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
+ | {{Out of date|訳が古く、英語版からかなり離れています。}} |
||
− | [[Category:仮想化]] |
||
+ | [[Category:ハイパーバイザ]] |
||
[[en:Parallels]] |
[[en:Parallels]] |
||
{{Related articles start}} |
{{Related articles start}} |
||
6行目: | 7行目: | ||
{{Related articles end}} |
{{Related articles end}} |
||
− | [http://www.parallels.com/products/desktop Parallels] Desktop は |
+ | [http://www.parallels.com/products/desktop Parallels] Desktop は macOS のハイパーバイザであり、様々なオペレーティングシステムを"仮想マシン" (ゲスト) としてホストシステムにインストールすることができます。これによって複数のマシンを物理的に管理する手間が省けます。仮想化に関する詳しい説明は [[Wikipedia:ja:仮想化|Wikipedia]] を見て下さい。 |
== Arch をゲストとしてインストール == |
== Arch をゲストとしてインストール == |
||
16行目: | 17行目: | ||
=== 概要 === |
=== 概要 === |
||
− | ホストのオペレーティングシステムとゲストのオペレーティングシステムの相互運用性を増すために、Parallels は "Parallels tools" という名前のパッケージを提供しており、カーネルモジュールとユーザースペースユーティリティが含まれています。Parallels Tools の特徴は [http://download.parallels.com/desktop/v6/docs/en/Parallels_Desktop_Users_Guide/22272.htm |
+ | ホストのオペレーティングシステムとゲストのオペレーティングシステムの相互運用性を増すために、Parallels は "Parallels tools" という名前のパッケージを提供しており、カーネルモジュールとユーザースペースユーティリティが含まれています。Parallels Tools の特徴は [http://download.parallels.com/desktop/v6/docs/en/Parallels_Desktop_Users_Guide/22272.htm Parallels Tools Overview] に記載があります。 |
この記事ではこのツールをフルに活用して、Xorg の設定まで行います。ヘッドレスサーバーの場合、X に関連するセクションはスキップできます。 |
この記事ではこのツールをフルに活用して、Xorg の設定まで行います。ヘッドレスサーバーの場合、X に関連するセクションはスキップできます。 |
||
30行目: | 31行目: | ||
* 9.0.24229.991745 は 3.13.8 (もしくは 3.13.y) (3.14 では黒画面が表示されシステムがフリーズします) と xorg 1.15.y 以下を必要とします。 |
* 9.0.24229.991745 は 3.13.8 (もしくは 3.13.y) (3.14 では黒画面が表示されシステムがフリーズします) と xorg 1.15.y 以下を必要とします。 |
||
* 9.0.24237.1028877 は Arch の 3.14.15-1-lts (新しいバージョンでも動作するかもしれません) と xorg 1.15.y 以下で動作します。 |
* 9.0.24237.1028877 は Arch の 3.14.15-1-lts (新しいバージョンでも動作するかもしれません) と xorg 1.15.y 以下で動作します。 |
||
+ | * 11.0.0.31193 は Arch 4.1.6-1 と xorg 1.17.2-4 で動作します。 |
||
+ | * 12.1.0.41489 は最新の Arch 4.8.7-1 と Xorg 1.18.4 で動作します。インストールスクリプト ({{ic|cdrom//Parallels Tools//install}}) の PATH ステートメントを削除して、カーネルブートパラメータに {{ic|1=iomem=relaxed}} を追加すする必要があります。 |
||
古いカーネルや Xorg を取得する方法: |
古いカーネルや Xorg を取得する方法: |
||
− | * linux 3.13.8 は [[Arch |
+ | * linux 3.13.8 は [[Arch Linux Archive]] から取得できます。 |
* linux 3.14.15 は現在の linux-lts なので、インストールして grub の設定を再生成するだけで OK です。 |
* linux 3.14.15 は現在の linux-lts なので、インストールして grub の設定を再生成するだけで OK です。 |
||
* xorg 1.15.y は [[AMD Catalyst]] に書かれている方法で取得できます。 |
* xorg 1.15.y は [[AMD Catalyst]] に書かれている方法で取得できます。 |
||
49行目: | 52行目: | ||
(arch のインストールでロールバックマシンを使うのではなく) カーネルをダウングレードする場合、次を実行: |
(arch のインストールでロールバックマシンを使うのではなく) カーネルをダウングレードする場合、次を実行: |
||
− | + | # pacman -Syy |
|
− | + | # pacman -S linux |
|
=== Xorg の設定 === |
=== Xorg の設定 === |
||
− | Parallels tools インストーラは Xorg の設定についても管理するので、[[Xorg]] の記事に書かれている手順に従って適切なパッケージをインストールしてください。{{ |
+ | Parallels tools インストーラは Xorg の設定についても管理するので、[[Xorg]] の記事に書かれている手順に従って適切なパッケージをインストールしてください。{{Pkg|xf86-video-vesa}} ビデオドライバを使う必要があります: |
− | + | # pacman -S xf86-video-vesa |
|
=== 依存パッケージの準備 === |
=== 依存パッケージの準備 === |
||
63行目: | 66行目: | ||
インストールスクリプトは init スクリプトを {{ic|/etc/init.d/}} から探そうとするので、存在しない場合インストールが失敗します。Arch は systemd を使っているため、systemd の scripts ディレクトリへのシンボリックリンクを作成して def_sysconfdir 変数を設定してください: |
インストールスクリプトは init スクリプトを {{ic|/etc/init.d/}} から探そうとするので、存在しない場合インストールが失敗します。Arch は systemd を使っているため、systemd の scripts ディレクトリへのシンボリックリンクを作成して def_sysconfdir 変数を設定してください: |
||
− | + | # ln -sf /usr/lib/systemd/scripts/ /etc/init.d |
|
− | + | # export def_sysconfdir=/etc/init.d |
|
また、インストールスクリプトは {{ic|/etc/X11/xorg.conf}} ファイルも使用します。空のファイルを作成することで、インストーラによって自動的に設定が行われます: |
また、インストールスクリプトは {{ic|/etc/X11/xorg.conf}} ファイルも使用します。空のファイルを作成することで、インストーラによって自動的に設定が行われます: |
||
− | + | # touch /etc/X11/xorg.conf |
|
− | + | そして、ビルドに必要な標準ユーティリティと python2、カーネルヘッダをインストールしてください: |
|
− | + | # pacman -S base-devel python2 linux-headers |
|
+ | Parallels のバージョンによっては、{{ic|linux-headers}} の代わりに {{ic|linux-lts-headers}} をインストールする必要があります。 |
||
− | {{bc|#ln -sf /usr/bin/python2 /usr/bin/python}} |
||
+ | |||
+ | 最後に、python 2 の一時的なシンボリックリンクを作成してください。インストールが完了したらリンクは削除してください。 |
||
+ | |||
+ | # ln -sf /usr/bin/python2 /usr/local/bin/python |
||
=== Parallels tools のインストール === |
=== Parallels tools のインストール === |
||
81行目: | 88行目: | ||
"Virtual Machine" メニューから "install Parallels Tools" を選択してください。Parallels Tools は cd イメージ上にあり、そこから仮想マシンに接続されます。最初にイメージをマウントする必要があります: |
"Virtual Machine" メニューから "install Parallels Tools" を選択してください。Parallels Tools は cd イメージ上にあり、そこから仮想マシンに接続されます。最初にイメージをマウントする必要があります: |
||
− | + | # mount /dev/cdrom /mnt/cdrom |
|
それから以下のようにインストールスクリプトを使って Parallels tools のインストールに進みます: |
それから以下のようにインストールスクリプトを使って Parallels tools のインストールに進みます: |
||
− | + | # cd /mnt/cdrom |
|
− | + | # ./install |
|
=== Systemd の設定 === |
=== Systemd の設定 === |
||
105行目: | 112行目: | ||
</nowiki>}} |
</nowiki>}} |
||
− | そしてサービスを有効化してください: |
+ | そしてサービスを[[有効化]]してください: |
− | + | # systemctl enable parallels-tools.service |
|
これで、システムを再起動すると Parallels tools がインストールされ動作し始めます。 |
これで、システムを再起動すると Parallels tools がインストールされ動作し始めます。 |
||
117行目: | 124行目: | ||
ホスト側で "virtual machine > configuration > sharing" からゲストと共有するフォルダを指定することができます。設定したら以下のように共有フォルダをマウントします: |
ホスト側で "virtual machine > configuration > sharing" からゲストと共有するフォルダを指定することができます。設定したら以下のように共有フォルダをマウントします: |
||
− | + | # mount -t prl_fs ''name_of_share'' ''/mnt/name_of_share'' |
|
==== Dynamic Display Resolution ==== |
==== Dynamic Display Resolution ==== |
2023年10月26日 (木) 19:49時点における最新版
関連記事
Parallels Desktop は macOS のハイパーバイザであり、様々なオペレーティングシステムを"仮想マシン" (ゲスト) としてホストシステムにインストールすることができます。これによって複数のマシンを物理的に管理する手間が省けます。仮想化に関する詳しい説明は Wikipedia を見て下さい。
目次
Arch をゲストとしてインストール
Parallels Desktop は最初から Linux ゲストをサポートしていますが、公式にサポートしている Linux ディストリビューションは限られます。Arch Linux はその中に含まれていません。つまり、メーカーによる Parallels Tools のインストールのテストは行われておらず、Arch の下で動作させるには手動でいくつか設定が必要になります。Parallels Tools を使わないときは、新しい仮想マシンを作成するときに "other linux" を選択して、後は実際のマシンにインストールする時と同じようにインストールすることができます。
Parallels Tools
概要
ホストのオペレーティングシステムとゲストのオペレーティングシステムの相互運用性を増すために、Parallels は "Parallels tools" という名前のパッケージを提供しており、カーネルモジュールとユーザースペースユーティリティが含まれています。Parallels Tools の特徴は Parallels Tools Overview に記載があります。
この記事ではこのツールをフルに活用して、Xorg の設定まで行います。ヘッドレスサーバーの場合、X に関連するセクションはスキップできます。
parallel tools のバージョンを表記するときは <Parallels.Version>.<Tools Version> という形式を使います。例えば: 9.0.24237.1028877 は Parallels バージョン 9.0.24237 + tools バージョン 1028877 を意味します。
必要なカーネルと Xorg のバージョン
場合によって tools インストーラで使われているバイナリが Arch リポジトリに入っている最新の Xorg やカーネルに対応していない可能性があります。
バージョンと必要なソフトウェアの対応:
- 9.0.24229.991745 は 3.13.8 (もしくは 3.13.y) (3.14 では黒画面が表示されシステムがフリーズします) と xorg 1.15.y 以下を必要とします。
- 9.0.24237.1028877 は Arch の 3.14.15-1-lts (新しいバージョンでも動作するかもしれません) と xorg 1.15.y 以下で動作します。
- 11.0.0.31193 は Arch 4.1.6-1 と xorg 1.17.2-4 で動作します。
- 12.1.0.41489 は最新の Arch 4.8.7-1 と Xorg 1.18.4 で動作します。インストールスクリプト (
cdrom//Parallels Tools//install
) の PATH ステートメントを削除して、カーネルブートパラメータにiomem=relaxed
を追加すする必要があります。
古いカーネルや Xorg を取得する方法:
- linux 3.13.8 は Arch Linux Archive から取得できます。
- linux 3.14.15 は現在の linux-lts なので、インストールして grub の設定を再生成するだけで OK です。
- xorg 1.15.y は AMD Catalyst に書かれている方法で取得できます。
/etc/pacman.conf
のリポジトリ設定 (3.13.8):
[core] #Include = /etc/pacman.d/mirrorlist SigLevel = PackageRequired Server = http://seblu.net/a/arm/2014/04/09/$repo/os/$arch [extra] #Include = /etc/pacman.d/mirrorlist SigLevel = PackageRequired Server = http://seblu.net/a/arm/2014/04/09/$repo/os/$arch
(arch のインストールでロールバックマシンを使うのではなく) カーネルをダウングレードする場合、次を実行:
# pacman -Syy
# pacman -S linux
Xorg の設定
Parallels tools インストーラは Xorg の設定についても管理するので、Xorg の記事に書かれている手順に従って適切なパッケージをインストールしてください。xf86-video-vesa ビデオドライバを使う必要があります:
# pacman -S xf86-video-vesa
依存パッケージの準備
インストールスクリプトは init スクリプトを /etc/init.d/
から探そうとするので、存在しない場合インストールが失敗します。Arch は systemd を使っているため、systemd の scripts ディレクトリへのシンボリックリンクを作成して def_sysconfdir 変数を設定してください:
# ln -sf /usr/lib/systemd/scripts/ /etc/init.d
# export def_sysconfdir=/etc/init.d
また、インストールスクリプトは /etc/X11/xorg.conf
ファイルも使用します。空のファイルを作成することで、インストーラによって自動的に設定が行われます:
# touch /etc/X11/xorg.conf
そして、ビルドに必要な標準ユーティリティと python2、カーネルヘッダをインストールしてください:
# pacman -S base-devel python2 linux-headers
Parallels のバージョンによっては、linux-headers
の代わりに linux-lts-headers
をインストールする必要があります。
最後に、python 2 の一時的なシンボリックリンクを作成してください。インストールが完了したらリンクは削除してください。
# ln -sf /usr/bin/python2 /usr/local/bin/python
Parallels tools のインストール
"Virtual Machine" メニューから "install Parallels Tools" を選択してください。Parallels Tools は cd イメージ上にあり、そこから仮想マシンに接続されます。最初にイメージをマウントする必要があります:
# mount /dev/cdrom /mnt/cdrom
それから以下のようにインストールスクリプトを使って Parallels tools のインストールに進みます:
# cd /mnt/cdrom
# ./install
Systemd の設定
Parallels tools デーモンはブート時に起動しないため、以下のようにサービスファイルを作成してください:
/usr/lib/systemd/system/parallels-tools.service
[Unit] Description=Parallels Tools [Service] Type=oneshot ExecStart=/usr/lib/systemd/scripts/prltoolsd start ExecStop=/usr/lib/systemd/scripts/prltoolsd stop RemainAfterExit=yes [Install] WantedBy=multi-user.target
そしてサービスを有効化してください:
# systemctl enable parallels-tools.service
これで、システムを再起動すると Parallels tools がインストールされ動作し始めます。
Tools の使用
フォルダの共有
ホスト側で "virtual machine > configuration > sharing" からゲストと共有するフォルダを指定することができます。設定したら以下のように共有フォルダをマウントします:
# mount -t prl_fs name_of_share /mnt/name_of_share
Dynamic Display Resolution
prlcc
という便利なツールが存在します。ウィンドウのサイズを変更したときに (ゲストの) ディスプレイの解像度を自動的に変更します。このツールを実行していないと、ウィンドウの中身が伸び縮みしてしまいます。prlcc は基本的に自動的に実行され、バックグラウンドで動作します。動作しない場合、以下を実行してください (もしくは /etc/X11/xinit/xinitrc.d/90-prlcc
のように設定ファイルに記述してください):
$ prlcc &
インストール後
通常、linux カーネルや Xorg などのシステムパッケージをアップデートすると Parallels tools が破壊されてしまう可能性があり、そうなると再インストールが必要になります。ときどき、tools が新しいパッケージに未対応で動作を停止するので、そのような場合、新しくインストールしたパッケージをロールバックして、Parallels が新しい製品をリリースするのを待ってから (それによって互換性の問題が解決されたら) ゲストのアップデートをしてください。