「電源管理」の版間の差分
(ページの作成:「Category:電源管理 en:Power Management es:Power Management zh-CN:Power Management {{Related articles start (日本語)}} {{Related|省電力設定}} {{...」) |
細 |
||
3行目: | 3行目: | ||
[[es:Power Management]] |
[[es:Power Management]] |
||
[[zh-CN:Power Management]] |
[[zh-CN:Power Management]] |
||
− | {{Related articles start |
+ | {{Related articles start}} |
{{Related|省電力設定}} |
{{Related|省電力設定}} |
||
{{Related|Display Power Management Signaling}} |
{{Related|Display Power Management Signaling}} |
||
51行目: | 51行目: | ||
現在のバージョンの systemd では、{{ic|Handle*}} オプションは(デスクトップ環境のパワーマネージャなどの)プログラムによって "inhibited" (一時的にオフ) にされない限りシステム全体に適用されます。停止されなければ、systemd がシステムをサスペンドした状態で終わることができ、立ち上がった時に他のパワーマネージャによってもう一度停止されます。 |
現在のバージョンの systemd では、{{ic|Handle*}} オプションは(デスクトップ環境のパワーマネージャなどの)プログラムによって "inhibited" (一時的にオフ) にされない限りシステム全体に適用されます。停止されなければ、systemd がシステムをサスペンドした状態で終わることができ、立ち上がった時に他のパワーマネージャによってもう一度停止されます。 |
||
− | {{Warning|現在、最新の [[KDE |
+ | {{Warning|現在、最新の [[KDE|KDE]] と [[GNOME|GNOME]] の電源マネージャは "inhibited" コマンドを実行します。[[Xfce]] や、[[acpid]] など他のプログラムで ACPI イベントを管理したい場合は、{{ic|Handle}} オプションを {{ic|ignore}} に設定する必要があります。}} |
=== サスペンドとハイバネート === |
=== サスペンドとハイバネート === |
2015年1月14日 (水) 14:24時点における版
このページでは Arch Linux における電源管理の全体的な外観を説明します。Arch Linux はシステムマネージャとして systemd を使っているため、この記事では systemd に焦点をあてています。
電源管理の設定を変更するのに使える設定箇所は複数存在します:
また、電源管理ツールが多数あります:
目次
systemd による電源管理
ACPI イベント
systemd は電源関連の ACPI イベントを扱えます。/etc/systemd/logind.conf
のオプションを使って設定できます:
HandlePowerKey
: パワーキーが押された時に行う動作を定めます。HandleSuspendKey
: サスペンドキーが押された時に行う動作を定めます。HandleHibernateKey
: ハイバネートキーが押された時に行う動作を定めます。HandleLidSwitch
: フタが閉じられた時に行う動作を定めます。
定めることができる動作は ignore
, poweroff
, reboot
, halt
, suspend
, hibernate
, hybrid-sleep
, lock
, kexec
のいずれかです。
オプションが設定されていない場合、systemd が使うデフォルトは: HandlePowerKey=poweroff
, HandleSuspendKey=suspend
, HandleHibernateKey=hibernate
, HandleLidSwitch=suspend
。
グラフィカルセットアップを走らせていなかったり i3 や awesome などシンプルなウィンドウマネージャしか使っていないシステムでは、これで ACPI イベントに反応するものとして使っている acpid デーモンを置き換えることが可能です。
現在のバージョンの systemd では、Handle*
オプションは(デスクトップ環境のパワーマネージャなどの)プログラムによって "inhibited" (一時的にオフ) にされない限りシステム全体に適用されます。停止されなければ、systemd がシステムをサスペンドした状態で終わることができ、立ち上がった時に他のパワーマネージャによってもう一度停止されます。
サスペンドとハイバネート
systemd はカーネルに入っているサスペンド・レジューム機能を使ってサスペンド (suspend to RAM)・ハイバネート・ハイブリッドサスペンドを行うコマンドを提供しています。また、サスペンドの前後の行動をカスタマイズするフックを追加する仕組みも存在します。
systemctl suspend
は何も設定しなくても動きますが、あなたの環境で systemctl hibernate
を使うにはサスペンドとハイバネート#ハイバネーションの指示に従う必要があります。
スリープフック
systemctl suspend
, systemctl hibernate
, systemctl hybrid-sleep
が実行された時、Systemd はマシンをスリープ状態にするのに pm-utils を使いません; カスタムフックを含む、pm-utils フックは実行されません。ただし、こうしたイベントでカスタムスクリプトを動かすための仕組みを systemd は2つ提供しています。
サスペンド/リジューム サービスファイル
サービスファイルを suspend.target, hibernate.target, sleep.target にフックすることでサスペンド・ハイバネート前後に行うアクションを設定できます。ユーザー・システムアクションを行うにはファイルを分割する必要があります。ユーザーサービスファイルを作動させるには、# systemctl enable suspend@<user> && systemctl enable resume@<user>
。例:
/etc/systemd/system/suspend@.service
[Unit] Description=User suspend actions Before=sleep.target [Service] User=%I Type=forking Environment=DISPLAY=:0 ExecStartPre= -/usr/bin/pkill -u %u unison ; /usr/local/bin/music.sh stop ; /usr/bin/mysql -e 'slave stop' ExecStart=/usr/bin/sflock [Install] WantedBy=sleep.target
/etc/systemd/system/resume@.service
[Unit] Description=User resume actions After=suspend.target [Service] User=%I Type=simple ExecStartPre=/usr/local/bin/ssh-connect.sh ExecStart=/usr/bin/mysql -e 'slave start' [Install] WantedBy=suspend.target
root アクションでは (# systemctl enable root-suspend
で有効にしてください):
/etc/systemd/system/root-resume.service
[Unit] Description=Local system resume actions After=suspend.target [Service] Type=simple ExecStart=/usr/bin/systemctl restart mnt-media.automount [Install] WantedBy=suspend.target
/etc/systemd/system/root-suspend.service
[Unit] Description=Local system suspend actions Before=sleep.target [Service] Type=simple ExecStart=-/usr/bin/pkill sshfs [Install] WantedBy=sleep.target
サービスファイルについてのヒント (詳しくは man systemd.service
):
Type=oneshot
の場合、複数のExecStart=
行を使うことができます。それ以外の場合は使える ExecStart は一行だけです。ExecStartPre
を使ったりコマンドをセミコロンで分割することでコマンドを追加することができます(最初の例を見て下さい -- セミコロンの前後にはスペースが必要です)。- コマンドの前に '-' を付けるとエラーが起こっても(終了ステータスが0以外でも)無視され、コマンドは成功したとして扱われます。
- サービスファイルのトラブルシューティングのときにエラーを見つけるには journalctl を使うのがベストです。
サスペンド/レジューム サービスファイルの統合
サスペンド/レジューム サービスファイルを統合すれば、様々なフェイズ(スリープ・レジューム)やターゲット(サスペンド・ハイバネート・ハイブリッドスリープ)でやることをひとつのフックで行うことができます。
例と説明:
/etc/systemd/system/wicd-sleep.service
[Unit] Description=Wicd sleep hook Before=sleep.target StopWhenUnneeded=yes [Service] Type=oneshot RemainAfterExit=yes ExecStart=-/usr/share/wicd/daemon/suspend.py ExecStop=-/usr/share/wicd/daemon/autoconnect.py [Install] WantedBy=sleep.target
RemainAfterExit=yes
: 起動後、明示的に止められるまでサービスは常時 active になります。StopWhenUnneeded=yes
: active のとき、サービスは sleep.target が停止した後に止められます。- sleep.target は suspend.target, hibernate.target, hybrid-sleep.target から呼ばれ sleep.target 自身は StopWhenUnneeded サービスなので、タスクごとにフックが正しく起動・停止することが保証されています。
/usr/lib/systemd/system-sleep のフック
Systemd は /usr/lib/systemd/system-sleep/
内の全ての実行可能ファイルを実行するときに、2つの引数を渡します:
- 引数 1:
pre
かpost
。マシンが停止するときと起動するとき。 - 引数 2:
suspend
かhibernate
かhybrid-sleep
。呼び出されるものによる。
pm-utils とは対照的に、systemd はスクリプトを(一つずつではなく)同時に実行します。
カスタムスクリプトの出力は systemd-suspend.service
, systemd-hibernate.service
, systemd-hybrid-sleep.service
によって記録されます。出力を見るには systemd の journal を使って下さい:
# journalctl -b -u systemd-suspend
カスタムスリープスクリプトの例:
/usr/lib/systemd/system-sleep/example.sh
#!/bin/sh case $1/$2 in pre/*) echo "Going to $2..." ;; post/*) echo "Waking up from $2..." ;; esac
スクリプトを実行可能にするのを忘れないで下さい:
# chmod a+x /usr/lib/systemd/system-sleep/example.sh
詳しくは man 7 systemd.special
や man 8 systemd-sleep
を見て下さい。
参照
- ノートパソコン#電源管理ではノートパソコンでの電源管理(特にバッテリー状態の監視)を説明しています。
- 一般的な推奨事項#電源管理