「Rust」の版間の差分
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ツールチェーン (例: {{ic|stable}}、{{ic|beta}}、{{ic|nightly}}、または {{ic|1.58.0}}) を手動でインストールする必要があったり。別のツールチェーンを使用/テストする場合にもこれを行う必要があります。 |
ツールチェーン (例: {{ic|stable}}、{{ic|beta}}、{{ic|nightly}}、または {{ic|1.58.0}}) を手動でインストールする必要があったり。別のツールチェーンを使用/テストする場合にもこれを行う必要があります。 |
2024年5月7日 (火) 20:33時点における版
関連記事
Wikipedia より引用
- Rust は、パフォーマンス、型安全性、および並行性を重視する多パラダイム、汎用プログラミング言語です。ガベージコレクターなしでメモリ安全性を強制します。つまり、すべての参照が有効なメモリを指しています。メモリ安全性を強制し、データ競合を防ぐために、その「借用チェッカ」(borrow checker) はコンパイル中にプログラム内のすべての参照のオブジェクト寿命を追跡します。Rust は、不変性、高階関数、代数的データ型を含む関数型プログラミングのアイデアの影響を受けています。システムプログラミングに人気があります。
コアランゲージ
Rust コアライブラリ
Rust Core Library は何にも依存しない Rust 標準ライブラリの基礎となるライブラリです。LLVM と直接通じることで、ハードウェアに囚われないプラットフォームとして Rust を使うことができます。LLVM との緊密な統合により、Clang でコンパイルされた C アプリケーションよりも高い性能を発揮することができ、libcore で設計された Rust ソフトウェアは C よりも低レイヤーを扱うことができます。組み込み環境向けのソフトウェアを開発している場合、#![no_std]
で標準ライブラリを省くことでコアライブラリだけを使うことができ、バイナリサイズを小さく、高い性能を発揮させることが可能です。ただし、#![no_std]
を使用すると Rust コミュニティから取得することができる膨大なソフトウェアに制限がかかるため、大抵のライブラリは標準ライブラリを必要としています。
Rust 標準ライブラリ
Rust Standard Library は移植性の高い Rust ソフトウェアによって構成された便利な高水準の抽象ライブラリです。Vec
, Iterator
, Option
, Result
, String
型や、基本的なメソッド、大量の標準マクロ、I/O やマルチスレッドのサポート、Box
によるヒープメモリ確保などの便利な機能、その他、コアライブラリに存在しない高度な機能が多数存在します。
リリースサイクル
Rust は Firefox のリリースサイクルと同じように6週間ごとに定期的にリリースされます。新しいリリースが出るたびに、コアライブラリや標準ライブラリは改善され、対応プラットフォームが新しく増えたりパフォーマンスが向上したり、あるいは新しい機能の安定化が行われます。
インストール
Rust をインストールする主な方法は次の2つです。
- ネイティブインストール。Rust で作成されたソフトウェアの実行またはインストールにのみ Rust を使用する場合に推奨されます。
- Rustup のインストール。Rust で何かをプログラムする場合にお勧めします。
ネイティブのインストール方法
Rust の最新安定版をインストールするには、rust パッケージをインストールしてください。rustc
コンパイラと Cargo がインストールされます。
Rust コンパイラの開発バージョンも利用できます。事前に構築された汎用バイナリの場合は rust-nightly-binAUR、システム ライブラリを使用してコンパイラを構築する場合は rust-gitAUR を使って下さい。
Rustup によるインストール方法
Rust でソフトウェアを開発するときに、公式に推奨されている Rust のインストール方法は Rustup ツールチェインマネージャ を使用する方法です (Rustup は Rust で書かれています)
ソフトウェアリポジトリに存在するスタンドアロンな Rust を使用しないで、Rustup ツールチェインマネージャを使用する利点として、複数のプラットフォーム (Windows, Mac, Android) やアーキテクチャ (x86, x86_64, arm) 用に複数のツールチェイン (stable, beta, nightly) をインストールすることができる点が挙げられます。
Arch Linux パッケージ
rustup は公式リポジトリからインストールすることもできます。公式リポジトリからインストールした場合 rustup self update
は使用できないので注意してください。pacman で直接パッケージをアップデートする必要があります。
この方法だと、Rust のバイナリが ~/.cargo/bin
ではなく /usr/bin
にあり、PATH
に別のディレクトリを加えなくてよい利点があります。
ツールチェインをインストールするには、stable
か nightly
のどちらのバージョンを使用するか rustup に指定する必要があります:
$ rustup default stable
上流のインストールスクリプト
Rustup は、公式 Web ページから手動でダウンロードしてインストールすることもできます。
curl --proto '=https' --tlsv1.2 -sSf https://sh.rustup.rs -o rust.sh
としてファイルをダウンロードします。そのあと、less ./rust.sh
でファイルの内容を確認した上で、./rust.sh
でスクリプトを実行してください。スクリプトはログインシェルの設定ファイルの PATH のみ変更します。一度ログアウトしてからログインしなおすか source $HOME/.cargo/env
を実行する必要があります。その後 rustup を更新するには rustup self update
を実行するだけです。
このスクリプトは、デフォルトでデフォルトのツールチェーン (rust パッケージで使用されるツールチェーン) をインストールしてアクティブ化するため、Rust の使用を開始するために手動でインストールする必要はありません。
使用方法
ツールチェーン (例: stable
、beta
、nightly
、または 1.58.0
) を手動でインストールする必要があったり。別のツールチェーンを使用/テストする場合にもこれを行う必要があります。
$ rustup toolchain install toolchain
Rust コマンドを rustup run toolchain command
として実行できます。これらのコマンドを直接実行するには、ツールチェインをアクティベートする必要があります:
$ rustup default toolchain
rustc -V
を使って rust のバージョンを確認してください:
$ rustc -V
rustc 1.58.0 (02072b482 2022-01-11)
インストールのテスト
以下のようなシンプルなプログラムをビルドして、Rust が正しくインストールされていることを確認してください:
~/hello.rs
fn main() { println!("Hello, World!"); }
rustc
でコンパイルして実行することができます:
$ rustc hello.rs && ./hello
Hello, World!
クロスコンパイル
rustup を使う
rustup を使うことで簡単にクロスコンパイルができます。rustup は多数のクロスコンパイルターゲットに対応しています。対応しているプラットフォームの完全なリストは rustup target list
を実行することで確認できます。
例えば、gnu コンパイラを使って Windows 用にコンパイルする stable チャンネルの rust をインストールしたい場合、以下を実行:
$ rustup install stable-x86_64-pc-windows-gnu
上記のコマンドでは、コンパイル先のアーキテクチャ用の rust とツールしかインストールされません。場合によってはクロスコンパイルするのに追加でツールが必要になる可能性があります。
Windows
このセクションでは、$ARCH
がターゲットのアーキテクチャです (x86_64
または i686
) Rustup を使ったクロスコンパイルの方法を解説します。
- mingw-w64-gcc を インストール
rustup target add $ARCH-pc-windows-gnu
を実行して、アーキテクチャ用の Rust 標準ライブラリをインストールします:- 最後に、次のコードを
~/.cargo/config
に追加して、MinGW-w64 gcc/ar のパスを cargo に指定します:
~/.cargo/config
[target.$ARCH-pc-windows-gnu] linker = "/usr/bin/$ARCH-w64-mingw32-gcc" ar = "/usr/bin/$ARCH-w64-mingw32-ar"
cargo に --target $ARCH-pc-windows-gnu
と指定することで Windows 向けのクロスコンパイルができます:
$ # Build $ cargo build --release --target "$ARCH-pc-windows-gnu" $ # Run unit tests under wine $ cargo test --target "$ARCH-pc-windows-gnu"
現在、MinGW 6 を使用して実行可能ファイルをビルドしていますが、rustup によってインストールされたツールチェーンが壊れています。それを修正するには、次を実行してください
for lib in crt2.o dllcrt2.o libmsvcrt.a; do cp -v /usr/x86_64-w64-mingw32/lib/$lib $HOME/.rustup/toolchains/$CHANNEL-x86_64-unknown-linux-gnu/lib/rustlib/x86_64-pc-windows-gnu/lib/; done
ここで、CHANNEL
は更新チャネル (stable
、beta
、または nightly
) です。
非公式パッケージ
非公式の archlinuxcn リポジトリには i686, ARM, ARMv7, Windows 32, Windows 64 向けの rust-nightly と Rust 標準ライブラリが含まれています。パッケージをインストールすればクロスコンパイルができます。ただし、ARM のツールチェインは自分で用意する必要があります。32ビット版の Windows を対象にビルドする場合、実行するのに libgcc_s_dw2-1.dll
(mingw-w64-gcc によって提供) が必要になります。
Cargo
Rust のパッケージマネージャである Cargo は rust パッケージに付属しています。ナイトリー版は AUR の cargo-nightly-binAUR でインストールできます。rustup を使用している場合、Cargo は既にインストールされています。
Cargo は Rust プロジェクトの依存関係を宣言することができるようにするツールであり、それによってビルドがいつでも通ることが保証されます。
使用方法
Cargo を使って新しいプロジェクトを作成するには:
$ cargo new hello_world
ネイティブ CPU プラットフォームに最適化
Cargo に CPU プラットフォームに最適なコードで常にコンパイルするように指示するには、~/.cargo/config
にフラグを追加します。生成されたバイナリは他のコンピュータで使用するために配布することはできません。また、将来 CPU を変更しようとすると、自分のシステムで失敗する可能性があります。
インストールでデフォルトで使用されるターゲットプラットフォームを確認します。
$ rustup toolchain list
stable-x86_64-unknown-linux-gnu (default)
この例では、x86_64-unknown-linux-gnu
プラットフォームで stable
rust を使用しています。
~/.cargo/config
[target.x86_64-unknown-linux-gnu] rustflags = ["-C", "target-cpu=native"]
sccache
sccache (sccache パッケージ) を使用すると、コンパイル時間を大幅に短縮できます。これにより、コンパイラ成果物のローカルキャッシュが維持され、最後にコンパイルされてから変更されていないコードを再コンパイルする必要がなくなります。
sccache を有効にするには、RUSTC_WRAPPER
環境変数 を使用します:
$ export RUSTC_WRAPPER=sccache $ cargo build
もしくは
$ RUSTC_WRAPPER=sccache cargo build
常に利用するようにするには、~/.cargo/config
に以下の設定を加えます:
~/.cargo/config
[build] rustc-wrapper = "sccache"
IDE のサポート
ツール
Rust プロジェクトの推奨ツールについては、https://www.rust-lang.org/tools を参照してください。
rust-analyzer
rust-analyzer は Rust の公式 Language Server Protocol 実装であり、RLS を置き換えました。
rust-analyzer パッケージとして入手でき、最新の Git バージョンは rust-analyzer-gitAUR として入手できます。あるいは、rustup がインストールされている場合は、次のコマンドで Rust-analyzer をインストールできます。
$ rustup component add rust-analyzer
rust-analyzer は標準ライブラリのソースコードを必要とします。これが存在しない場合、rust-analyzer は、rustup を使用して自動的にインストールを試みます。rustup を使用してソースコードを手動でインストールするには、次のコマンドを実行します。
$ rustup component add rust-src
Clippy
Clippy は Rust のナイトリービルドに存在するコンパイラプラグイン機能を利用して、様々なエラーや慣習的な警告を検出する文法チェックを行います。安定版の Rust コンパイラでコンパイルするときに clippy を使うことはできません。Clippy は cargo でインストールできます:
$ cargo install clippy
Rustfmt
Rustfmt は公式のスタイルガイドラインに従って Rust コードをフォーマットするツールです。
Rustfmt は rust パッケージに含まれています。rustup を使用してインストールするには
$ rustup component add rustfmt
エディタ
Emacs
Emacs の Rust サポートは公式の rust-mode プラグインで有効にできます。
GNOME Builder
GNOME Builder の Rust サポートは、Language Server Protocol を使って実現されています。デフォルトでは rust-analyzer を使用します。Rust のソースと一緒にインストールするだけです。
Helix
Helix エディタは Rust で書かれており、Rust 言語サーバープロトコルが含まれています。Helix は Neovim と Kakoune からインスピレーションを受けています。
Kate
Kate の Rust サポートは、言語サーバープロトコルを使用して実現されます。デフォルトでは rust-analyzer を使用します。必要なのは、Rust ソースと一緒にインストールすることだけです。
IntelliJ IDEA
IDEA には Rust プラグイン があります。このプラグインは CLion でも動作します。
Rustup を使用する場合は、rustup を使ってソースをダウンロード (rustup component add rust-src
) して、ツールチェインのディレクトリとして ~/.rustup/toolchains/<your toolchain>/bin
を選択してください。
公式 Arch Linux ソフトウェアリポジトリから Rust を使用する場合は、ツールチェーンの場所として /usr/bin
を選択し、stdlib ソースの場所として /usr/lib/rustlib/src/rust/library/
を選択します。
Jetbrains RustRover
Jetbrains は Rust 専用の特別なエディターの開発にも取り組んでいますが、これは現在早期アクセスのみです。これは、公式 Web ウェブサイトまたは AUR の rustroverAUR と rustrover-eapAUR からダウンロードできます。
Visual Studio Code
VSCode の Rust のサポートは Rust 拡張をインストールすることで得られます。
Rust の Visual Studio Code サポートは、matklad.rust-analyzer 拡張機能を備えた rust-analyzer を介して取得できます。
Vim
Rust の Vim サポートは、公式の rust.vim プラグインを介して取得できます。このプラグインは、ファイルの検出、シンタックスハイライト、フォーマット、シンタックスチェックプラグイン Syntastic のサポートを提供します。coc (https://github.com/neoclide/coc-rls coc.rls) や YouCompleteMe のように、多くの補完エンジンが Rust をサポートしています。