GTK
GTK+ ウェブサイト より:
- GTK+ もしくは GIMP ツールキットはグラフィカルユーザーインターフェースを作成するためのマルチプラットフォームのツールキットです。ウィジェットの完全なセットを提供することで、GTK+ はちょっとしたツールから完全なアプリケーションスイートまで幅広いプロジェクトに適しています。
当初 GTK+ (GIMP Toolkit) は GNU プロジェクトによって GIMP のために作成されました、しかしながら現在ではさまざまな言語のバインディングの存在する人気のあるツールキットになっています。この記事では GTK+ テーマ・スタイル・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するのに使うツールと手動設定の方法を詳しく伝えます。
目次
- 1 インストール
- 2 テーマ
- 3 設定ツール
- 4 設定
- 5 GDK バックエンド
- 6 トラブルシューティング
- 6.1 GTK+ 2 と GTK+ 3 アプリケーションでテーマが異なる
- 6.2 root アプリケーションにテーマが適用されない
- 6.3 クライアントサイドデコレーション
- 6.4 セディーユ ć/Ć ではなく ç/Ç が使われる
- 6.5 accessibility bus に関する警告を表示させない
- 6.6 タイトルバーの背景色がおかしい
- 6.7 タイル型ウィンドウマネージャでフォーカスイベントがおかしい
- 6.8 GTK+ 2 のファイルダイアログのサムネイル
- 6.9 GNOME Wayland セッションで一部のアプリのボタン/メニューアイコンが表示されない
- 6.10 GTK+3 で polkit を使用しない
- 6.11 一部の GTK+ 2 テーマで UI のカラーパレットしか変化しない
- 6.12 GTK file chooser にパッチを適用して通常のタイプを先に使用する
- 6.13 GTK 4 アプリケーションの文字がぼやける、または正しく表示されない
- 7 参照
インストール
GTK+ は公式リポジトリから3つのバージョンがインストールできます。以下のパッケージでインストールできます:
- GTK+ 4.x は gtk4 パッケージでインストールできます。
- GTK+ 3.x は gtk3 パッケージでインストールできます。
- GTK+ 2.x は gtk2 パッケージでインストールできます。
- GTK+ 1.x は gtkAUR パッケージでインストールできます。
テーマ
GTK+ 2 のデフォルトテーマは Raleigh ですが、Arch Linux では /usr/share/gtk-2.0/gtkrc
にカスタム設定ファイルを作成しており、デフォルトテーマは Adwaita に設定されています。GTK+ 3 のデフォルトテーマは Adwaita です。ただし HighContrast, HighContrastInverse, Raleigh テーマも含まれています。
特定のテーマを使うには、環境変数を設定します。
- GTK+ 2 の場合、
GTK2_RC_FILES
環境変数を使います[1]、例:
$ GTK2_RC_FILES=/usr/share/themes/Industrial/gtk-2.0/gtkrc gimp
- 上記のコマンドを実行すると Industrial テーマで GIMP が起動します。
- GTK+ 3 の場合、
GTK_THEME
環境変数を使います[2]、例:
$ GTK_THEME=Adwaita:dark gnome-calculator
- 上記のコマンドを実行すると Adwaita のダークテーマで GNOME Calculator が起動します。
公式リポジトリや AUR から多数のテーマをインストールすることができます。
GTK+ 2 と GTK+ 3.20 以上の両方をサポートしているテーマ:
- Adapta — マテリアルデザインガイドラインに基づいている GTK+ テーマ。次のテーマが含まれています: Adapta, Adapta-Eta, Adapta-Nokto, Adapta-Nokto-Eta。
- Arc — モダンで透過するエレメントを備えたフラットテーマ。次のテーマが含まれています: Arc, Arc-Dark, Arc-Darker。
- Blackbird — Xfce 用のダークなデスクトップスイート。
- Bluebird — Xfce 向けのデスクトップスイート。Shimmer Project の一環。
- Breeze — KDE のデフォルトウィジェットテーマの GTK+ バージョン。次のテーマが含まれています: Breeze, Breeze-Dark。
- Deepin — Deepin デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: deepin, deepin-dark。
- GNOME Extra Themes — GNOME デスクトップの追加テーマ。次のテーマが含まれています: Adwaita (GTK+ 2用のみ), Adwaita-dark, HighContrast。
- Greybird — グレーとブルーの Xfce テーマ。Xubuntu 12.04 のデフォルト。Shimmer Project の一環。
- Materia Theme — GTK3, GTK2, GNOME-Shell に対応しているマテリアルデザインライクなフラットテーマ。
- MATE Themes — MATE デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: BlackMATE, Blue-Submarine, BlueMenta, ContrastHighInverse, Green-Submarine, GreenLaguna, Menta, TraditionalGreen, TraditionalOk。
- Numix — 近代的な外観をしているフラットで明るいテーマ (GNOME, Openbox, Unity, Xfce)。
- Vertex — GTK 3, GTK 2, Gnome-Shell, Cinnamon のためのテーマ。
- ttps://github.com/horst3180/vertex-theme || vertex-themesAUR
- Zuki — GTK, gnome-shell などのためのテーマ。
GTK+ 2 だけをサポートしているテーマ:
- GTK+ Engines — GTK+ 2 のテーマエンジン。次のテーマが含まれています: Clearlooks, Crux, Industrial, Mist, Redmond, ThinIce
- Oxygen-Gtk — KDE のデフォルトウィジェットテーマ (Oxygen) の GTK2 ポート
- Aurora Gtk Engine — 最新の Clearlooks ファミリー。
- QtCurve — KDE と Gtk のウィジェットスタイルの設定セット
AUR には他にも多くの GTK+ テーマが存在します: search for gtk-theme, search for gtk2-theme。
GTK+ と Qt
デスクトップで GTK+ と Qt (KDE) アプリケーションを使っているならば、それらの見た目が上手く調和しないことに気づくでしょう。GTK+ スタイルと Qt スタイルを調和させたい場合は Qt と GTK アプリケーションの外観の統合を読んで下さい。
設定ツール
主流のデスクトップ環境の多くは GTK+ テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを設定するためのツールを提供しており、XSettings で設定を管理しています:
- Cinnamon を使っている場合、Themes ツールを使って下さい (cinnamon-settings themes): System Settings > Themes を開いて下さい。
- Enlightenment を使っている場合: Settings > All > Look > Application Theme を開いて下さい。
- GNOME を使っている場合、GNOME Tweaks (gnome-tweaks): gnome-tweaks をインストールして下さい。
- MATE を使っている場合、Appearance Preferences ツールを使って下さい (mate-appearance-properties): System > Settings > Appearance を開いて下さい。
- Xfce を使っている場合、Appearance ツールを使って下さい: Settings > Appearance を開いて下さい。
他の GUI ツールは設定ファイルを上書きします。
GTK+ 2 と GTK+ 3 の両方をサポートしているツール:
- KDE GTK Configurator — GTK+2 と GTK+3 アプリケーションのスタイルやフォントを変更することができるアプリケーション。
- https://cgit.kde.org/kde-gtk-config.git || kde-gtk-config
- インストール後、
kde-gtk-config
は System Settings > Application Appearance > GTK からも設定できます。
- LXAppearance — LXDE プロジェクトによる、デスクトップに依存しない GTK+2 と GTK+3 のスタイル設定ツール (LXDE デスクトップの他のソフトウェアを必要としません)。
- Oo-mox — Numix/Flat-Plat テーマ (GTK2, GTK3) や Archdroid/Gnome-Colors アイコンテーマの様々なカラーバリエーションを生成するためのグラフィカルアプリケーション。HiDPI ディスプレイ用にスケールした GTK+ 2 テーマも生成できます。
GTK+ 2 だけをサポートしているツール:
- GTK+ Change Theme — GTK+ 2.0 のテーマを変更するためのプログラム (switch2 の代替プログラム)。
- GTK+ Preference Tool — GTK+ テーマの選択とフォントの切り替えプログラム。
- GTK+ Theme Switch — シンプルな GTK+ テーマスイッチャ。
設定
設定ファイルで GTK+ の設定を手動で指定することもできます。ただしデスクトップ環境やアプリケーションは手動設定を上書きしてしまうことがあります。GTK+ のバージョンによって、設定ファイルの場所は異なっています:
- GTK+ 2 ユーザー個別:
~/.gtkrc-2.0
- GTK+ 2 システム全体:
/etc/gtk-2.0/gtkrc
- GTK+ 3 ユーザー個別:
$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
($XDG_CONFIG_HOME
が設定されていない場合は$HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini
) - GTK+ 3 システム全体:
/etc/gtk-3.0/settings.ini
テーマの基本設定
GTK+ テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを手動で変更するには、以下のように設定ファイルに追加します:
GTK+ 2:
~/.gtkrc-2.0
gtk-icon-theme-name = "Adwaita" gtk-theme-name = "Adwaita" gtk-font-name = "DejaVu Sans 11"
GTK+ 3:
$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-icon-theme-name = Adwaita gtk-theme-name = Adwaita gtk-font-name = DejaVu Sans 11
ダークテーマ
GTK+ 3 テーマの中には派生のダークテーマが存在することがありますが、アプリケーションによって明示的に使うように設定されない限り、デフォルトで使われることはありません。全ての GTK+ 3 アプリケーションでダークテーマを使うには、以下を設定:
gtk-application-prefer-dark-theme = true
キーボードショートカットのカスタマイズを有効にする
マウスをメニューアイテムの上に乗せて設定したいキーボードのコンビネーションを押すことで GTK+ アプリケーションのキーボードショートカットをカスタマイズすることができます ただし、この機能はデフォルトでは無効になっています。この機能を有効にするには、次を設定してください:
gtk-can-change-accels = 1
Emacs キーバインド
GTK アプリで Emacs ライクなキーバインドを使うには以下を追加します。
~/.gtkrc-2.0
gtk-key-theme-name = "Emacs"
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-key-theme-name = Emacs
GTK3 は以下を実行してください:
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-key-theme "Emacs"
Xfce にも同じような設定が存在します:
$ xfconf-query -c xsettings -p /Gtk/KeyThemeName -s Emacs
Emacs のキーバインドは /usr/share/themes/Emacs/
の設定ファイルで定義・変更できます。ユーザーの ~/.gtkrc-2.0
ファイルにセクションをコピーすることで、ユーザー個別に編集が可能です。
GNOME メニューの高速化
この設定は GNOME でマウスをメニューに置いた時にメニューが開くまでの待ち時間を決めます。あなたの好きなように設定を変更してください。数字はミリ秒です、例えば 250 は1/4秒になります。
gtk-menu-popup-delay = 0
ウィジェットのサイズを小さくする
小さな画面を使っていて大きなアイコンやウィジェットを表示したくない場合、簡単にサイズを変えることができます。 ツールバーのアイコンに文章を表示しないようにするには、次を使って下さい:
gtk-toolbar-style = GTK_TOOLBAR_ICONS
小さいアイコンを使うには、次のような行を使って下さい:
gtk-icon-sizes = "panel-menu=16,16:panel=16,16:gtk-menu=16,16:gtk-large-toolbar=16,16\ :gtk-small-toolbar=16,16:gtk-button=16,16"
ボタンからアイコンを完全に削除するには:
gtk-button-images = 0
メニューからアイコンを削除することもできます:
gtk-menu-images = 0
ここ で説明されているようにテーマの gtkrc で設定をすることもでき、小さくする設定が全て行う テーマ もあります。
最大化最小化ボタンを隠す
ウィンドウから最大化ボタンおよび最小化ボタンを取り除き、閉じるボタンのみにするには、gtk-decoration-layout
プロパティを次のように設定します:
gtk-decoration-layout=menu:close
https://developer.gnome.org/gtk3/stable/GtkSettings.html#GtkSettings--gtk-decoration-layout を参照してください。
マウス中ボタンでのペーストを無効化
マウスの中ボタンによるプライマリ X セレクションからの貼り付け機能を無効にするには[3]:
gtk-enable-primary-paste=false
ファイル選択ダイアログのデフォルトフォルダ
最近使われたフォルダではなく current-working-directory でファイル選択ダイアログを開くようにします。通常、current-working-directory はホームディレクトリです。
GTK+ 3
gsettings で DConf を変更してください、設定ファイルは存在しません:
$ gsettings set org.gtk.Settings.FileChooser startup-mode cwd
GTK+ 2
~/.config/gtk-2.0/gtkfilechooser.ini
設定ファイルを編集してください:
~/.config/gtk-2.0/gtkfilechooser.ini
StartupMode=cwd
スクロールの旧式の挙動
GTK+ 3.6 以前では、スクロールバーのスライダーの両側をクリックすると、クリックした方向にスクロールバーが丁度一ページ分だけ移動するようになっていました。GTK+ 3.6 から、スライダーはクリックした位置に直接移動するようになっています。以下の内容のファイルを作成することで、アプリケーションによっては前の挙動に戻すことが可能です:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-primary-button-warps-slider = false
オーバーレイスクロールバーを無効化
GTK+ 3.15 から、オーバーレイスクロールバーがデフォルトで有効になっており、GTK+ 3 アプリケーションではマウスを乗せたときだけしかスクロールバーが表示されないようになっています。次の環境変数を設定することで元のスクロールバーに戻せます: GTK_OVERLAY_SCROLLING=0
。
オーバーレイスクロールのインジケータを削除
オーバーレイスクロールバーの位置はアプリケーションウィンドウの破線で示されます。たとえ上述の環境変数を使ってオーバーレイスクールを無効化しても破線は消えません。インジケータの線を消すには、以下のファイルを作成してください:
~/.config/gtk-3.0/gtk.css
/* Remove dotted lines from GTK+ 3 applications */ .undershoot.top, .undershoot.right, .undershoot.bottom, .undershoot.left { background-image: none; }
GTKの設定例
~/.gtkrc-2.0
gtk-theme-name="Arc-Dark" gtk-icon-theme-name="breeze-dark" gtk-font-name="Sans 11" gtk-cursor-theme-name="Breeze_Amber" gtk-cursor-theme-size=0 gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR gtk-button-images=0 gtk-menu-images=0 gtk-enable-event-sounds=0 gtk-enable-input-feedback-sounds=0 gtk-xft-antialias=1 gtk-xft-hinting=1 gtk-xft-hintstyle="hintslight" gtk-xft-rgba="rgb"
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-theme-name=Arc-Dark gtk-icon-theme-name=breeze-dark gtk-font-name=Sans 11 gtk-cursor-theme-name=Breeze_Amber gtk-cursor-theme-size=0 gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR gtk-button-images=0 gtk-menu-images=0 gtk-enable-event-sounds=0 gtk-enable-input-feedback-sounds=0 gtk-xft-antialias=1 gtk-xft-hinting=1 gtk-xft-hintstyle=hintslight gtk-xft-rgba=rgb # gtk-decoration-layout=menu:close # gtk-application-prefer-dark-theme=1
GDK バックエンド
GDK (GTK+ の抽象レイヤー) は GTK+ アプリケーションを表示するための複数のバックエンドをサポートしています。
Wayland バックエンド
GDK Wayland バックエンドは gtk3 のみでサポートされており、Wayland ディスプレイサーバを使用する際のデフォルトバックエンドとなっています。
gtk3 より前のバージョンの GTK を使っているアプリケーションは wayland をサポートしておらず、X11 バックエンドを使って wayland セッションで実行するためには Xwayland を使う必要があります。
Xorg バックエンド
Xorg ディスプレイサーバが使用されている場合、バックエンドのデフォルトは自動的に x11 になります。
環境変数 GDK_BACKEND=x11
を設定することで、wayland セッション上で動作する GTK3 アプリケーションに Xwayland を通して X11 バックエンドを使用するように強制することが可能です。
Broadway バックエンド
GDK Broadway バックエンドは HTML5 とウェブソケットを使って、ウェブブラウザに GTK+ アプリケーションを表示することをサポートしています [4]。
broadwayd を使うときには、X と同じようにコロンを前に付けて、使用するディスプレイ番号を指定してください。デフォルトのディスプレイ番号は 1 です。
$ display_number=:5
次のコマンドで起動します。
$ broadwayd $display_number
デフォルトで使われるポートは:
port = 8080 + $display_number
ブラウザで http://127.0.0.1:port を開いて下さい。
アプリを起動するには:
$ GDK_BACKEND=broadway BROADWAY_DISPLAY=$display_number <<app>>
また、アドレスやポートを設定することも可能です:
$ broadwayd --port $port_number --address $address $display_number
トラブルシューティング
GTK+ 2 と GTK+ 3 アプリケーションでテーマが異なる
通常、選択したテーマが GTK+ 2.x と GTK+ 3.x の両方をサポートしている場合、GTK+ 2 と GTK+ 3 アプリケーションの両方にテーマが適用されます。選択したテーマが GTK+ 2.x しかサポートしてない場合、GTK+ 2.x アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK+ 3.x アプリケーションにはデフォルトの GTK+ テーマが使われます。選択したテーマが GTK+ 3.x しかサポートしていない場合、GTK+ 3.x アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK+ 2.x アプリケーションにはデフォルトの GTK+ テーマが使われます。UI の外観を統一するために GTK+ 2.x と GTK+ 3.x 両方をサポートしているテーマを使うと一番良い結果が得られます。
インストールしたテーマでどれが GTK+ 2.x と GTK+ 3.x 両方のバージョンを持っているか調べるには次のコマンドを使って下さい (空白が含まれている名前はひっかかりません):
find $(find ~/.themes /usr/share/themes/ -wholename "*/gtk-3.0" | sed -e "s/^\(.*\)\/gtk-3.0$/\1/") -wholename "*/gtk-2.0" | sed -e "s/.*\/\(.*\)\/gtk-2.0/\1"/
root アプリケーションにテーマが適用されない
ユーザーテーマファイル ($XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
, ~/.gtkrc-2.0
) は他のアカウントからは読み込まれないため、選択したテーマは root で動かしている X アプリケーションには適用されません。以下のような解決方法があります:
- シンボリックリンクを作成、例:
# ln -s /home/[username]/.gtkrc-2.0 /etc/gtk-2.0/gtkrc # ln -s /home/[username]/.config/gtk-3.0/settings.ini /etc/gtk-3.0/settings.ini
- システム全体にテーマファイルを設定:
/etc/gtk-3.0/settings.ini
(GTK+ 3) または/etc/gtk-2.0/gtkrc
(GTK+ 2) - テーマを root で設定:
# gksu lxappearance
- 設定デーモンを使用 (ほとんどのデスクトップ環境では設定デーモンが使われています)。デスクトップに依存しない XSettings を使うデーモンは AUR の xsettingsd-gitAUR でインストールできます。
クライアントサイドデコレーション
GTK 3.12 から クライアントサイドデコレーション が導入されており、タイトルバーはウィンドウマネージャから取り去られています。これによって タイトルバーが二重になる、タイトルバーが全く表示されない、コンポジットを有効にした場合に 影が二重に表示される などの問題が発生することがあります。
(タイル型ウィンドウマネージャを使っている場合などに発生する) ウィンドウの周りの影と枠を消すには、以下のファイルを作成してください:
~/.config/gtk-3.0/gtk.css
.window-frame, .window-frame:backdrop { box-shadow: 0 0 0 black; border-style: none; margin: 0; border-radius: 0; } .titlebar { border-radius: 0; } .window-frame.csd.popup { box-shadow: 0 1px 2px rgba(0, 0, 0, 0.2), 0 0 0 1px rgba(0, 0, 0, 0.13); } .header-bar { background-image: none; background-color: #ededed; box-shadow: none; } /* You may want to use this if you don't like the double title. GtkLabel.title { opacity: 0; }*/
ヘッダーバーのボタンを調整するには、gtk-decoration-layout
の設定を使います [5]。以下の例では全てのボタンを削除します:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
gtk-decoration-layout=menu:
セディーユ ć/Ć ではなく ç/Ç が使われる
Xcompose を使用した解決方法が [6] や [7] に載っています (US 国際レイアウト)。
accessibility bus に関する警告を表示させない
GTK+ 3 プログラムの実行時に、ターミナルに以下のような警告が表示される場合:
WARNING **: Couldn't connect to accessibility bus:
以下のように環境変数を付けて実行することで警告を消すことができます:
$ NO_AT_BRIDGE=1 theprogram
もしくは ~/.bashrc
や /etc/environment
に NO_AT_BRIDGE=1
を追加してください。
タイトルバーの背景色がおかしい
GTK+ テーマの背景色に擬態するウィンドウデコレーションテーマを使用するウィンドウマネージャを使っている場合、GTK+ 3 アプリケーションでタイトルバーの色がアプリケーションの色と完全に食い違って表示されることがあります。対応策としては、以下のファイルを作成してください:
~/.config/gtk-3.0/gtk.css
/* Always use background color */ GtkWindow { background-color: @theme_bg_color; } /* Fix tooltip background override */ .tooltip { background-color: rgba(0, 0, 0, 0.8); } .tooltip * { background-color: transparent; } /* Fix Nautilus desktop window background override */ NautilusWindow { background-color: transparent; }
タイル型ウィンドウマネージャでフォーカスイベントがおかしい
GDK_CORE_DEVICE_EVENTS=1
を定義して xinput2 の代わりに GTK2 のスタイル入力を使うようにしてください [9]。
GTK+ 2 のファイルダイアログのサムネイル
gtk2-patched-filechooser-icon-viewAUR をインストールすることで GTK+ のファイル選択ダイアログで、リストの代わりにサムネイルでファイルを閲覧するオプションが作られます。
GNOME Wayland セッションで一部のアプリのボタン/メニューアイコンが表示されない
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
ファイルの設定が間違っています。他の GTK+ ベースのデスクトップ環境を試しに使ってみた場合に発生することがあります。以下の値に問題があります:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-button-images=1 gtk-menu-images=1
上記を 0 に設定するか、全てのファイルを削除して GNOME のデフォルト設定に戻してください。
GTK+3 で polkit を使用しない
GTK+3 は印刷に必要な colord で polkit に依存しています。ただし印刷自体は polkit をインストールしていなくても可能です。
一部の GTK+ 2 テーマで UI のカラーパレットしか変化しない
GTK+ 2 のテーマによっては、UI のコントロールがデフォルトの Raleigh のままで、カラーパレットしか変わらないことがあります。原因はテーマが GTK+ 2 の Murrine エンジンを必要としているためです (GTK+ 2 プログラムは標準エラー出力にそのことを吐き出します)。gtk-engine-murrine パッケージをインストールしてください。
GTK file chooser にパッチを適用して通常のタイプを先に使用する
GTK file chooserは、 GNOME_Files と同じ先行検索機能を使用します。これは非常に煩わしくなる可能性があり、他のデスクトップ環境とうまく適合しません。 一部のアプリケーションはXDG-desktop-portalをサポートしているため、アプリケーションで Native file chooser を使用できます。それが機能しない場合は、たとえば gtk3-mushroomsAUR などのパッチされたGTKを使用して先行入力機能を復元できます。
GTK 4 アプリケーションの文字がぼやける、または正しく表示されない
GTK 4 は、フォントのレンダリング時にヒントを出さずにグレースケールのアンチエイリアシングを行うように変更しました。以前の動作に戻す機能はありません。gtk4-without-subpixel-hintingAUR を使って GTK 3 のフォントレンダリングを元に戻すことができます。GTK 4.6 参照 では、GTK 3 の動作の一部を復元する設定が利用できるようになります。サブピクセル・アンチエイリアシングは、この変更では利用可能になる予定はありません。