JWM
JWM (Joe's Window Manager) は C で書かれた Xorg 向けの軽量 ウィンドウマネージャ です。現在開発が進められており Joe Wingbermuehle によって保守されています。
目次
インストール
JWM の起動
ディスプレイマネージャ を使用して JWM セッションを開始できます。あるいは、xinit を使用して jwm を実行することもできます。
設定
設定は単一の XML ファイルで行います。パネルやボタンや システムトレイ ドックの設定がカスタマイズできます。サンプル設定ファイルが /etc/system.jwmrc にあり、これをユーザーごとの設定ファイル ~/.jwmrc にコピーして下さい:
$ cp -i /etc/system.jwmrc ~/.jwmrc
このファイルを編集することで環境を作成します。利用できるタグ・属性・値の完全なリストは JWM Configuration を見て下さい。
ヒントとテクニック
<Tasklist> のコントラストの改善
デフォルトの <Tasklist> の設定を変更することでデフォルトの <MenuStyle> とアクティブ時の <WindowStyle> のコントラストスタイルを調和させることができます:
<TaskListStyle>
<ActiveForeground>black</ActiveForeground>
<ActiveBackground>gray90:gray70</ActiveBackground>
</TaskListStyle>
<TaskListStyle>
<ActiveForeground>white</ActiveForeground>
<ActiveBackground>#70849d:#2e3a67</ActiveBackground>
</TaskListStyle>
ログアウトとリフレッシュ
<Exit/> (Logout) は現在の X サーバーからログアウトするメニューコマンドです。
<Restart/> (Refresh) は設定ファイルを再初期化してメニューとキーバインドを更新するメニューコマンドタグです。
<Restart/> と <Exit/> は以下のような記述を使うことで Ctrl+Alt 修飾キーにバインドすることができます:
<Key mask="CA" key="r">exec:jwm -restart</Key> <Key mask="CA" key="e">exec:jwm -exit</Key>
再起動とシャットダウン
systemd が入っている環境では Restart と Poweroff メニューオプションを使って再起動・シャットダウンできます。
<Program label="Restart">systemctl reboot</Program> <Program label="Poweroff">systemctl poweroff</Program>
もしくは、<Key> を使ってコマンドを適当なキーにバインドしてください。
詳しくは ユーザーにシャットダウンを許可 を参照。
Conky
<StartupCommand> から Conky を実行することで様々なデータを表示することが可能です (例: ノートパソコンのバッテリー残量や AC アダプタの状態)。xfdesktop が Conky と衝突することがあります。以下の方法で回避できます:
- Conky FAQ を見て
~/.conkyrcを編集 ~/.jwmrcで<Group>Conky を作成して以下の<Option>タグを指定:
<Group>
<Class>Conky</Class>
<Option>nolist</Option>
<Option>noborder</Option>
<Option>notitle</Option>
<Option>sticky</Option>
</Group>
最小フォント
<WindowStyle> -*-fixed-*-r-*-*-10-*-*-*-*-*-*-* <TaskListStyle> -*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-* <TrayStyle> -*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*
- 詳しくは
xfontselの man ページ や X Logical Font Description の記事を読んで下さい。
手動タイル
Poor Man's Tiling Window Manager を使うことで JWM にタイリングのサポートを追加することができます。manage.py に PATH を通すことで、様々なタイリング操作をキーに割り当てることができます。例:
<Key mask="H" key="Up">exec:manage.py swap</Key> <Key mask="H" key="Down">exec:manage.py cycle</Key> <Key mask="H" key="Left">exec:manage.py left</Key> <Key mask="H" key="Right">exec:manage.py right</Key>
トラブルシューティング
ログの確認
X が tty1 で動作していない場合、Ctrl+Alt+F1 で標準出力のエラーとメッセージを確認できます。ターミナルに出力された文字をログに記録する方法は script(1) を見て下さい。
compton を使用している場合に全てのウィンドウが透過する
~/.jwmrc でウィンドウの透過度を設定してください:
<Inactive> <Opacity>1,0</Opacity> </Inactive>
ターミナルウィンドウが完全に最大化しない
~/.jwmrc にグループを追加して iignore オプションを設定してください。例:
<Group> <Class>URxvt</Class> <Option>iignore</Option> </Group>
設定の変更の確認
JWM の設定をチェックしたい場合は、次を実行してください、構文エラーがある場合は行番号付きで表示されます:
$ jwm -p