nmh
nmh (new message handler) は強力な電子メール処理システムです。nmh は Unix 哲学に沿っており、特定の目的をもった単純なプログラムで構成されています。シェルプロンプトで nmh と他のコマンドを組み合わせて使ったり、必要に応じてスクリプトを書き出すことが可能です。
インストール
AUR から nmhAUR か nmh-gitAUR をインストールしてください。
任意で IMAP や POP を処理するユーティリティをインストールしてください。例: fdm, offlineimap, getmail。
また、メールを送信するためのユーティリティも任意でインストールしてください。例: msmtp。
設定
nmh は様々な方法で設定することができるようになっています。主要な設定ファイルは ~/.mh_profile
です。
.mh_profile の構文は変わっています。例えば、ファイルの中に空行があると nmh は起動しなくなります。詳しくは mh_profile (5) の man ページを参照してください。
デフォルトでは、nmh は ~/Mail
をメールフォルダとして使います。フォルダを変更するには、Path
を設定してください:
Path: path/to/mail/folder
受信箱 (Path からの相対パス) を設定:
Inbox: inbox
デフォルトで、ユーザーのメールスプール (/var/mail/user
) からメールを取得する inc
コマンドが実行されたときに nmh はメールフォルダを作成します。
メールスプールのパスが違う場合、$MAILDROP
環境変数や mh_profile
の MailDrop で設定が可能です:
MailDrop: /path/to/mail-drop
もしくは inc を設定:
inc: -file /path/to/mail-drop
Nmh では POP でメールを取得することもできます。ベーシックな POP の設定 (詳しくは inc (1) の man ページを参照):
inc: -host example.com -user username -sasl
使用方法
nmh の基本的な使い方に慣れるために、以下のコマンドを練習してみてください:
コマンド | 説明 |
---|---|
inc | 新しいメールを取得。 |
scan | 現在のフォルダの中身をスキャン。 |
folder/folders | 現在のフォルダを変更、あるいはフォルダやその中身を確認。 |
show | メッセージを表示。 |
comp | 新しいメッセージを作成。 |
repl | メッセージに返信。 |
refile | メッセージを他のフォルダに移動。 |
フロントエンド
nmh はコマンドラインから利用することができますが、コンソールベースのユーザーインターフェイスやグラフィカルユーザーインターフェイスも複数存在します。また、mh フォーマットを使用することができる汎用のメールツールもいくつかあります。
MH 専用のフロントエンド
- MH-V: vi ライクなキーバインドを使用する mh/nmh のコンソールインターフェイス。
- MH-E: Emacs ライクなキーバインドを使用する mh/nmh のコンソールインターフェイス。
- exmh: TK ベースの mh GUI。
MH 互換のフロントエンド
- 人気の MUA である mutt は mh フォーマットを認識します (muttrc で
set mbox_type = mh
を使用)。 - メールのインデックス作成・フルテキスト検索ユーティリティである mairix は mh フォーマットを読み書きできます (.mairixrc で
mh=path/to/mh/folder
とmformat=mh
を使用)。