WirePlumber
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WirePlumber は、PipeWire 用の強力なセッションおよびポリシーマネージャです。モジュール設計に基づき、管理機能を実装し、 Lua プラグインによって、高度な設定と拡張が可能です。
インストール
wireplumber パッケージを インストールしてください。他の PipeWire セッションマネージャーと競合しますので、必ずアンインストールするようにしてください。
WirePlumber は systemd/ユーザー を使ってサーバーを管理し、ソケットを自動で起動します。
オプションとして、ドキュメントを確認するために wireplumber-docs をインストールしてください。
設定
WirePlumber のモジュール設計は、特定の機能の実装を入れ替える際に、残りの機能を再実装する必要がなく、非常に柔軟性があります。詳細な情報は、official documentation で見ることができます。
以下に、簡単な設定例を示します。
ルール マッチングのためのインターフェース名の取得
WirePlumber の Lua スクリプトでは、設定したい対象インターフェースの PipeWire objects で matches
ルールを指定する必要があります。
システムで利用可能な全てのオブジェクトを表示するには、コマンド pw-cli list-objects
と pw-cli dump
を使用します。
オブジェクト Node
は PipeWire グラフ内のシンクまたはソースです。これらは ALSA の Device
に対応します。
表示するオブジェクトの種類を絞り込むには、 [Device|Node]
オプションを追加してください。例えば:
$ pw-cli list-objects Device
... id 37, type PipeWire:Interface:Device/3 object.serial = "264" factory.id = "14" client.id = "49" device.api = "alsa" device.description = "Starship/Matisse HD Audio Controller" device.name = "alsa_card.pci-0000_08_00.4" device.nick = "HD-Audio Generic" media.class = "Audio/Device" ...
オブジェクトタイプのフィルタリングは、pw-cli dump
コマンドにも適用されます。
もしエンドポイントの特定のクラス (例:"Audio/Sink") を探しているのであれば、 media.class
プロパティを参照してください。
ほとんどの場合、ALSA を設定するときに必要なプロパティは device.name
か node.name
のどちらかです。
デバイス/ノードのプロパティを変更する
デバイスやノードのプロパティ(説明やニックネームなど)を変更するには、Lua スクリプトを作成し、~/.config/wireplumber
に適切なパスと名前で追加する必要があります。
例えば ALSA ノードの説明を変更するには、 ~/.config/wireplumber/main.lua.d/51-alsa-rename.lua
のようなファイルを作成して、以下のような内容を記述してください。
51-alsa-rename.lua
rule = { matches = { { { "node.name", "equals", "alsa_output.pci-0000_00_1f.3.output_analog-stereo" }, }, }, apply_properties = { ["node.description"] = "Laptop", }, } table.insert(alsa_monitor.rules,rule)
もし、Bluetooth ノードやデバイスの何かを変更したい場合は、以下のような内容で ~/.config/wireplumber/bluetooth.lua.d/51-rename.lua
を作成するとよいでしょう。
51-rename.lua
rule = { matches = { { { "node.name", "equals", "bluez_output.02_11_45_A0_B3_27.a2dp-sink" }, }, }, apply_properties = { ["node.nick"] = "Headphones", }, } table.insert(bluez_monitor.rules,rule)
Lua スクリプトのファイル名と場所は、WirePlumber's マルチパスマージ で、デフォルトの設定ファイル
(例:/usr/share/wireplumber/main.lua.d/50-alsa-config.lua
)デバイスをロードして有効にするファイル
(例:/usr/share/wireplumber/main.lua.d/90-enable-all.lua
)の前に実行できるよう設計されています。
デバイスやノードを選択するためのマッチングルールや、変更できるプロパティは ALSA 設定 と Bluetooth 設定 に記載されています。
デバイス/ノードの無効化
WirePlumber v0.4.7 からは、プロパティ device.disabled
または node.disabled
で任意のデバイスやノードを無効にできるようになりました。
~/.config/wireplumber/main.lua.d/51-alsa-disable.lua
rule = { matches = { { { "device.name", "equals", "alsa_card.pci-0000_08_00.4" }, }, }, apply_properties = { ["device.disabled"] = true, }, } table.insert(alsa_monitor.rules,rule)
システム内の alsa_card.*
の名前については、WirePlumber#Obtain interface name for rules matching を参照してください。
参照
- Documentation — オフィシャル ドキュメント
- WirePlumber, PipeWire session manager - George Kiagiadakis (Collabora) による2020年5月のブログ記事で、WirePlumber の仕組みが詳しく説明されています。