Quassel
Quassel (Quassel IRC と呼ばれることもあります) は2008年に開発されたクロスプラットフォームの IRC クライアントです。GPLv2 と GPLv3 のデュアルライセンスで、Oxygen Team によって提供されているグラフィカルデータはほとんどが LGPL でライセンスされています。Quassel のクライアント部分はユーザーインターフェイスとして Qt フレームワークを使っています。
構造
Quassel はサーバークライアントモデルによってクライアントとコアの2つに分割されています。また、コアを必要としない、公式クライアントのモノリシックバージョンも存在します。コア(サーバー)は実際に IRC ネットワークと通信を行うアプリケーションで、クライアントはコアとしか対話しません。これによって異なるクライアントで IRC ネットワークの同一のインスタンスを使うことができるようになっています。
インストール
基本的な使い方
一つのコンピュータから Quassel を使いたいだけの場合は quassel-monolithic パッケージをインストールしてください。
複数のクライアントからコアに接続する
quassel-core と quassel-client をインストールしてください。サーバーがヘッドレスの場合は、代わりに quassel-core-smallAUR をインストールして、X11 ライブラリなどの不要な依存関係を回避できます。
証明書を生成 (証明書の有効期限は1年間で、期限が切れたら再度発行する必要があります。有効期限は -days を変えることで変更できます):
# openssl req -x509 -nodes -days 365 -newkey rsa:4096 -keyout /var/lib/quassel/quasselCert.pem -out /var/lib/quassel/quasselCert.pem # chown quassel:quassel /var/lib/quassel/quasselCert.pem
自己署名証明書なので、フィールドには自由に入力することができます。
ファイアウォール のポート 4242
を開いてください。
コアを起動:
# systemctl start quassel
クライアントを起動してコアに接続:
$ quasselclient
先に作成した証明書を承認してください。
コア側で IRC サーバーと IRC ニックネームを設定します。
バックエンドとして PostgreSQL を使用することを選択した場合は、quasselcore 用のデータベースとユーザーを作成する必要があります。
[postgres]$ psql -c "CREATE USER quassel WITH PASSWORD 'myPassword';" [postgres]$ psql -c "CREATE DATABASE quassel WITH OWNER quassel ENCODING 'UTF8';"
Quassel wiki の PostgreSQL の説明 も参照してください。
すべてが機能したら、システム起動時に自動的に開始するように quassel.service
を 有効化 します。
トラブルシューティング
以前 quassel-monolithic を使用していた場合、設定がおかしくなることがあります。quasselcore を終了して、設定データベースをバックアップに移動してください:
$ mv ~/.config/quassel-irc.org/quassel-storage.sqlite ~/.config/quassel-irc.org/quassel-storage.sqlite.bak
そして quasselcore を起動してクライアントから接続すると、ウィザードが表示されます。全ての設定を再度入力してください。