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'''JWM''' (Joe's Window Manager) は [[Wikipedia:ja:C言語|C]] で書かれた [[Xorg]] 向けの軽量 [[ウィンドウマネージャ]] です。現在開発が進められており [http://joewing.net/about.html Joe Wingbermuehle] によって保守されています。
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== JWM の起動 ==
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設定は単一の [[Wikipedia:ja:XML|XML]] ファイルで行います。パネルやボタンや [[Wikipedia:ja:タスクバー|システムトレイ]] ドックの設定がカスタマイズできます。サンプル設定ファイルが {{ic|/etc/system.jwmrc}} にあり、これをユーザーごとの設定ファイル {{ic|~/.jwmrc}} にコピーして下さい:
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$ cp -i /etc/system.jwmrc ~/.jwmrc
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このファイルを編集することで環境を作成します。利用できるタグ・属性・値の完全なリストは [http://joewing.net/projects/jwm/config-2.3.html JWM Configuration] を見て下さい。
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== ヒントとテクニック ==
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=== <Tasklist> のコントラストの改善 ===
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デフォルトの {{ic|<Tasklist>}} の設定を変更することでデフォルトの {{ic|<MenuStyle>}} とアクティブ時の {{ic|<WindowStyle>}} のコントラストスタイルを調和させることができます:
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<TaskListStyle>
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=== ログアウトとリフレッシュ ===
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{{ic|<Exit/>}} (Logout) は現在の X サーバーからログアウトするメニューコマンドです。
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{{ic|<Restart/>}} (Refresh) は設定ファイルを再初期化してメニューとキーバインドを更新するメニューコマンドタグです。
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{{ic|<Restart/>}} と {{ic|<Exit/>}} は以下のような記述を使うことで {{ic|Ctrl+Alt}} 修飾キーにバインドすることができます:
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<Key mask="CA" key="r">exec:jwm -restart</Key>
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<Key mask="CA" key="e">exec:jwm -exit</Key>
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==== 再起動とシャットダウン ====
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[[systemd]] が入っている環境では {{Ic|Restart}} と {{ic|Poweroff}} メニューオプションを使って再起動・シャットダウンできます。
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<Program label="Restart">systemctl reboot</Program>
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<Program label="Poweroff">systemctl poweroff</Program>
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もしくは、{{ic|<Key>}} を使ってコマンドを適当なキーにバインドしてください。
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詳しくは [[ユーザーにシャットダウンを許可]] を参照。
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==== Conky ====
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{{ic|<StartupCommand>}} から [[Conky]] を実行することで様々なデータを表示することが可能です (例: ノートパソコンのバッテリー残量や AC アダプタの状態)。{{Pkg|xfdesktop}} が Conky と衝突することがあります。以下の方法で回避できます:
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# [http://conky.sourceforge.net/faq.html Conky FAQ] を見て {{ic|~/.conkyrc}} を編集
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# {{ic|~/.jwmrc}} で {{ic|<Group>}} Conky を作成して以下の {{ic|<Option>}} タグを指定:
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{{bc|1=
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<Group>
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<Class>Conky</Class>
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<Option>nolist</Option>
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<Option>noborder</Option>
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<Option>notitle</Option>
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<Option>sticky</Option>
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</Group>
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}}
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=== 最小フォント ===
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{{bc|1=
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<WindowStyle>
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<TaskListStyle>
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<Font>-*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*</Font>
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<Font>-*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*</Font>
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}}
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* 詳しくは {{ic|xfontsel}} の [[man ページ]] や [[X Logical Font Description]] の記事を読んで下さい。
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=== 手動タイル ===
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[https://github.com/TheWanderer/stiler/tree/master Poor Man's Tiling Window Manager] を使うことで JWM にタイリングのサポートを追加することができます。{{ic|manage.py}} に {{ic|PATH}} を通すことで、様々なタイリング操作をキーに割り当てることができます。例:
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<Key mask="H" key="Up">exec:manage.py swap</Key>
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<Key mask="H" key="Down">exec:manage.py cycle</Key>
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<Key mask="H" key="Left">exec:manage.py left</Key>
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<Key mask="H" key="Right">exec:manage.py right</Key>
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{{Note|{{ic|env}} コマンドを実行して、現在のユーザーの変更された環境を一覧表示します。}}
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== トラブルシューティング ==
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=== ログの確認 ===
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X が {{ic|tty1}} で動作していない場合、{{ic|Ctrl+Alt+F1}} で標準出力のエラーとメッセージを確認できます。ターミナルに出力された文字をログに記録する方法は {{man|1|script}} を見て下さい。
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=== compton を使用している場合に全てのウィンドウが透過する ===
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{{ic|~/.jwmrc}} でウィンドウの透過度を設定してください:
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<Inactive>
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<Opacity>1,0</Opacity>
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</Inactive>
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=== ターミナルウィンドウが完全に最大化しない ===
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{{ic|~/.jwmrc}} にグループを追加して {{ic|iignore}} オプションを設定してください。例:
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<Group>
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<Class>URxvt</Class>
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<Option>iignore</Option>
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</Group>
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=== 設定の変更の確認 ===
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JWM の設定をチェックしたい場合は、次を実行してください、構文エラーがある場合は行番号付きで表示されます:
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$ jwm -p
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{{Note|設定の変更はルートメニューの {{ic|<Restart/>}} コマンドで JWM を再起動した後に適用されます。変更を適用するのに X サーバーを再起動する必要はありません。マークアップが正しいことを確認するために {{ic|jwm -p}} を使用することが推奨されています。}}
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  +
== 参照 ==
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  +
* [http://joewing.net/projects/jwm/index.shtml Joe's Window Manager]
  +
* [http://puppylinux.org/wikka/JoesWindowManager PuppyLinux JoesWindowManager]
  +
* [http://www.murga-linux.com/puppy/viewtopic.php?t=23260 Puppy Linux JWM themes exchange]

2023年12月23日 (土) 04:06時点における最新版

JWM (Joe's Window Manager) は C で書かれた Xorg 向けの軽量 ウィンドウマネージャ です。現在開発が進められており Joe Wingbermuehle によって保守されています。

インストール

jwmインストール してください。

JWM の起動

ディスプレイマネージャ を使用して JWM セッションを開始できます。あるいは、xinit を使用して jwm を実行することもできます。

設定

設定は単一の XML ファイルで行います。パネルやボタンや システムトレイ ドックの設定がカスタマイズできます。サンプル設定ファイルが /etc/system.jwmrc にあり、これをユーザーごとの設定ファイル ~/.jwmrc にコピーして下さい:

$ cp -i /etc/system.jwmrc ~/.jwmrc

このファイルを編集することで環境を作成します。利用できるタグ・属性・値の完全なリストは JWM Configuration を見て下さい。

ヒントとテクニック

<Tasklist> のコントラストの改善

デフォルトの <Tasklist> の設定を変更することでデフォルトの <MenuStyle> とアクティブ時の <WindowStyle> のコントラストスタイルを調和させることができます:

<TaskListStyle>
    <ActiveForeground>black</ActiveForeground>
    <ActiveBackground>gray90:gray70</ActiveBackground>
</TaskListStyle>

<TaskListStyle>
    <ActiveForeground>white</ActiveForeground>
    <ActiveBackground>#70849d:#2e3a67</ActiveBackground>
</TaskListStyle>

ログアウトとリフレッシュ

<Exit/> (Logout) は現在の X サーバーからログアウトするメニューコマンドです。

<Restart/> (Refresh) は設定ファイルを再初期化してメニューとキーバインドを更新するメニューコマンドタグです。

<Restart/><Exit/> は以下のような記述を使うことで Ctrl+Alt 修飾キーにバインドすることができます:

<Key mask="CA" key="r">exec:jwm -restart</Key>
<Key mask="CA" key="e">exec:jwm -exit</Key>

再起動とシャットダウン

systemd が入っている環境では RestartPoweroff メニューオプションを使って再起動・シャットダウンできます。

<Program label="Restart">systemctl reboot</Program>
<Program label="Poweroff">systemctl poweroff</Program>

もしくは、<Key> を使ってコマンドを適当なキーにバインドしてください。

詳しくは ユーザーにシャットダウンを許可 を参照。

Conky

<StartupCommand> から Conky を実行することで様々なデータを表示することが可能です (例: ノートパソコンのバッテリー残量や AC アダプタの状態)。xfdesktop が Conky と衝突することがあります。以下の方法で回避できます:

  1. Conky FAQ を見て ~/.conkyrc を編集
  2. ~/.jwmrc<Group> Conky を作成して以下の <Option> タグを指定:
<Group>
    <Class>Conky</Class>
    <Option>nolist</Option>
    <Option>noborder</Option>
    <Option>notitle</Option>
    <Option>sticky</Option>
</Group>

最小フォント

<WindowStyle>
-*-fixed-*-r-*-*-10-*-*-*-*-*-*-*

<TaskListStyle>
-*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*

<TrayStyle>
-*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*

手動タイル

Poor Man's Tiling Window Manager を使うことで JWM にタイリングのサポートを追加することができます。manage.pyPATH を通すことで、様々なタイリング操作をキーに割り当てることができます。例:

<Key mask="H" key="Up">exec:manage.py swap</Key>
<Key mask="H" key="Down">exec:manage.py cycle</Key>
<Key mask="H" key="Left">exec:manage.py left</Key>
<Key mask="H" key="Right">exec:manage.py right</Key>
ノート: env コマンドを実行して、現在のユーザーの変更された環境を一覧表示します。

トラブルシューティング

ログの確認

X が tty1 で動作していない場合、Ctrl+Alt+F1 で標準出力のエラーとメッセージを確認できます。ターミナルに出力された文字をログに記録する方法は script(1) を見て下さい。

compton を使用している場合に全てのウィンドウが透過する

~/.jwmrc でウィンドウの透過度を設定してください:

<Inactive>
  <Opacity>1,0</Opacity>
</Inactive>

ターミナルウィンドウが完全に最大化しない

~/.jwmrc にグループを追加して iignore オプションを設定してください。例:

<Group>
 <Class>URxvt</Class>
 <Option>iignore</Option>
</Group>

設定の変更の確認

JWM の設定をチェックしたい場合は、次を実行してください、構文エラーがある場合は行番号付きで表示されます:

$ jwm -p
ノート: 設定の変更はルートメニューの <Restart/> コマンドで JWM を再起動した後に適用されます。変更を適用するのに X サーバーを再起動する必要はありません。マークアップが正しいことを確認するために jwm -p を使用することが推奨されています。

参照