Etckeeper

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Etckeeper は、リポジトリ内の /etc/ を追跡するためのツールのコレクションです (GitMercurialBazaar、または Darcs がサポートされています) pacman フックは、システムのアップグレード前に変更を自動的にコミットし、ファイルのアクセス許可が追跡されます。これはバージョン管理では通常サポートされていませんが、/etc/shadow などのファイルにとっては重要です。

インストール

etckeeper パッケージをインストールしてください。

設定

使用するバージョン管理システム (デフォルトは git) などのオプションは /etc/etckeeper/etckeeper.conf で設定できます。

Etckeeper は etckeeper.confLOWLEVEL_PACKAGE_MANAGER あるいは HIGHLEVEL_PACKAGE_MANAGER として pacman を使うことをサポートしています。

使用方法

設定後、/etc パスのリポジトリを初期化する必要があります:

# etckeeper init

そして、最初のコミットを実行して変更を追跡します。これは etckeeper が自動的に動作できるようにするために必要な手順です。

# etckeeper commit "first commit"

etckeeper バージョン 1.18.3-1 では、パッケージのインストール、更新、および削除時に、インストール前およびインストール後の pacman フックが自動的に実行されます。#ラッパースクリプトで行う必要ありません。

/etc パスへの他の変更を追跡するには、変更を手動でコミットするか (コマンドについては etckeeper(8) のマニュアルページを参照)、または以下の一時的な解決策のいずれかを使用する必要があります:

警告: git checkout/rebase/merge/cherry-pick/... により、ファイルのアクセス許可が壊れ、たとえば SSH/sudo ログインが拒否される可能性があります。

git はファイルのパーミッションを直接保存できないため、etckeeper によって処理され、チェックアウト後に etckeeper init を再度実行してパーミッションを復元する必要があります。 あるいは、systemd#systemd-tmpfiles - 一時ファイル を使用してアクセス許可を保存することもできます。

systemd

パッケージにはサービス・タイマーユニットが付属しています。etckeeper.timer有効化することで使えます。

タイマーの使い方について詳しくは systemd/タイマーを見てください。ユニットを編集したい場合は systemd#ユニットファイルの編集を参照してください。

Cron

配布されているソースには cron スクリプト が含まれています。スクリプトを使うことで定期的に自動コミットできます。

例えば、1日毎に実行するには:

  1. cron をインストール・有効化してください。
  2. /etc/cron.daily/script_name としてスクリプトを作成。
  3. root でファイルに実行権限を付与 (# chmod u+x /etc/cron.daily/script_name)

詳しくは cron#Croniecron を見てください。

Incron

ノート: このセクションは incron バージョン 5.10 にのみ適用されます。

/etc/ 内の すべて のファイル変更に対してコミットを自動的に作成するには、incron を使用します。これは、inotify(7) を介したネイティブファイルシステムシグナリングを利用します。

incron をインストールして etckeeper を初期化した後、incron スクリプトの実行を許可するユーザーに root を追加します:

# echo root | tee -a /etc/incron.allow

次に、incrontab を次のように編集します:

# incrontab -e

テキストを次のように追加します:

# /etc IN_MODIFY,IN_NO_LOOP /bin/etckeeper commit "[message]"

IN_NO_LOOP は、コミットが完了するのを待ってから次のコマンドを実行し、無限ループを防ぐフラグです。

ここで、[message] は、"modified $#" のようなものになります。$# は、変更されたファイルの名前に展開される特別な incrontab ワイルドカードです。

Incron はサブディレクトリを監視できないことに注意してください。パス内のファイルのみが監視されます。サブディレクトリを監視する必要がある場合は、サブディレクトリに独自のエントリを与える必要があります。ただし、トップレベルのファイルが変更されたときにコミットすると、すべての変更がコミットされます。

参照: [1]incrond(8)

リモートリポジトリに自動プッシュ

警告: etckeeper のリポジトリを誰でもアクセスできるリモートリポジトリにプッシュしてしまうと、パスワードハッシュや秘密鍵などの機密情報が漏洩する可能性があります。気をつけて使ってください。

/etc/.git のローカルバックアップを作るだけでなく、コミットするたびに GitHub などのリモートリポジトリに変更を自動的にプッシュすることもできます。

まず、etc/.git を編集してリモートの GitHub リポジトリを追加:

# git remote add origin https://github.com/user/repo.git

そして、フックを使用・設定してプッシュするようにしてください。

etckeeper に付属しているフックを使う

/etc/etckeeper/etckeeper.confPUSH_REMOTE オプションを編集して、etckeeper からプッシュしたいリモートリポジトリの名前を指定してください。例:

PUSH_REMOTE="origin"

スペースで区切ることで複数のリモートリポジトリを追加できます。

カスタムフックを使う

/etc/etckeeper/commit.d/40github-push ファイルを作成 (実行権限を付与してください):

#!/bin/sh
set -e

if [ "$VCS" = git ] && [ -d .git ]; then
  cd /etc/
  git push origin master
fi

ラッパースクリプト

頻繁に実行するコマンドの変更を追跡したい場合 (例: command)、シンプルなラッパースクリプトで自動化できます。例えば、以下のファイルを作成:

/usr/local/bin/checketc.sh
#!/bin/bash

etckeeper pre-install
command
etckeeper post-install

作成したら実行可能権限を付与してください。また、bash のエイリアスや関数で Etckeeper のコマンドを呼び出すこともできます。詳しくは Bash#エイリアスを見てください。

ノート: Etckeeper バージョン 1.18.3-1 以前では Pacman による変更を追跡するのに上記のラッパースクリプトが必要でした。現在 Pacman はフックによってコマンドを自動的に実行します。

Reflector

Reflector を呼び出すたびに変更を自動的にコミットするには、reflector.service に次の内容の ドロップインファイル を作成して、reflector.serviceetckeeper.service に依存させます:

[Unit]
Before=etckeeper.service
Wants=etckeeper.service
ノート: #systemd で提供されるユニットを再利用するため、自動変更のコミットメッセージは "daily autocommit" となります。このメッセージを変更するには、新しいスクリプトと systemd サービスを作成します。