「ディスクレスシステム」の版間の差分
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+ | {{Note|複数のクライアントで NBD 共有を同時に使用したい場合 {{ic|copyonwrite}} を true に設定してください。詳しくは {{man|5|nbd-server}} を参照。}} |
{{ic|nbd}} systemd サービスを起動してください。 |
{{ic|nbd}} systemd サービスを起動してください。 |
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==== プログラムステートディレクトリ ==== |
==== プログラムステートディレクトリ ==== |
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+ | 例えば {{ic|/var/log}} を tmpfs でマウントして、複数のホストのログが混ざらないようにしたり、同じように {{ic|/var/spool/cups}} を tmpfs でマウントして、同じスプールを使用する cups のインスタンスが互いに干渉しないようにする場合: |
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− | You could mount {{ic|/var/log}}, for example, as tmpfs so that logs from multiple hosts do not mix unpredictably, and do the same with {{ic|/var/spool/cups}}, so the 20 instances of cups using the same spool do not fight with each other and make 1,498 print jobs and eat an entire ream of paper (or worse: toner cartridge) overnight. |
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{{hc|# vim "$root/etc/fstab"|2= |
{{hc|# vim "$root/etc/fstab"|2= |
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tmpfs /var/spool/cups tmpfs nodev,nosuid 0 0}} |
tmpfs /var/spool/cups tmpfs nodev,nosuid 0 0}} |
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+ | 一番良いのは個々のホストごとにソフトウェアの状態やデータベースが保存されるように設定することです。例として [[Puppet]] を実行したい場合、puppet のユニットファイルで {{ic|%H}} を使う方法があります: |
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− | It would be best to configure software that has some sort of state/database to use unique state/database storage directories for each host. If you wanted to run [http://puppetlabs.com/ puppet], for example, you could simply use the {{ic|%H}} specifier in the puppet unit file: |
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{{hc|# vim "$root/etc/systemd/system/puppetagent.service"|2= |
{{hc|# vim "$root/etc/systemd/system/puppetagent.service"|2= |
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Puppet-agent は vardir と ssldir を作成します (存在しない場合)。 |
Puppet-agent は vardir と ssldir を作成します (存在しない場合)。 |
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− | + | 上記のどちらの方法も使えない場合、[https://www.freedesktop.org/wiki/Software/systemd/Generators systemd ジェネレータ] を作成してホストごとにマウントユニットを作成するという選択肢があります (残念ながらマウントユニットで記述子は使えません)。 |
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== クライアントの起動 == |
== クライアントの起動 == |
2018年2月17日 (土) 20:39時点における最新版
- ディスクレスノード (またはディスクレスワークステーション) とは、ディスクドライブを使わずに、ネットワークブートを利用してサーバーからオペレーティングシステムをロードするワークステーション、またはパーソナルコンピュータのことである。
目次
サーバー設定
まず最初に、以下をインストールする必要があります:
- ディスクレスノードに IP アドレスを割り当てるための DHCP サーバー。
- ブートイメージを転送するための TFTP サーバー (全ての PXE オプション ROM の必須要件)。
- Arch 環境をディスクレスノードにエクスポートするためのネットワークストレージ (NFS または NBD)。
DHCP
ISC dhcp をインストールして設定:
/etc/dhcpd.conf
allow booting; allow bootp; authoritative; option domain-name-servers 10.0.0.1; option architecture code 93 = unsigned integer 16; group { next-server 10.0.0.1; if option architecture = 00:07 { filename "/grub/x86_64-efi/core.efi"; } else { filename "/grub/i386-pc/core.0"; } subnet 10.0.0.0 netmask 255.255.255.0 { option routers 10.0.0.1; range 10.0.0.128 10.0.0.254; } }
RFC 4578 には "Client System Architecture Type" dhcp オプションが定義されています。上記の設定の場合、PXE クライアントが x86_64-efi バイナリ (タイプ 0x7) をリクエストした場合、適切に返答し、そうでない場合はレガシーなバイナリを使います。これによって、同一のネットワークセグメント上で同時に UEFI とレガシーな BIOS のクライアントを起動できるようにしています。
ISC DHCP の systemd サービスを起動してください。
TFTP
TFTP サーバーはブートローダーやカーネル、initramfs などをクライアントに転送にするのに使います。
TFTP の root は /srv/arch/boot
に設定してください。詳しくは TFTP を参照。
ネットワークストレージ
NFS と NBD どちらを使用する場合でも複数のクライアントを扱うことができますが、大きな違いとして、NBD では (ファイルシステムを直接操作するため) copyonwrite
モードを使う必要があります。そのため、クライアントが切断すると全ての書き込みが破棄されます。ただし、場合によってはこれが望ましいということも考えられます。
NFS
サーバーに nfs-utils をインストールしてください。
Arch 環境の root を NFS の exports に追加する必要があります:
/etc/exports
/srv *(rw,fsid=0,no_root_squash,no_subtree_check) /srv/arch *(rw,no_root_squash,no_subtree_check)
そして、NFS サービスを起動してください: rpc-idmapd
rpc-mountd
。
NBD
nbd をインストールして設定します。
# vim /etc/nbd-server/config
[generic] user = nbd group = nbd [arch] exportname = /srv/arch.img copyonwrite = false
nbd
systemd サービスを起動してください。
クライアントのインストール
次に、サーバーのサブディレクトリに完全な Arch Linux 環境を構築します。起動時、ディスクレスノードは DHCP サーバーから IP アドレスを取得して、PXE を使ってホストから起動し、構築した環境を root としてマウントします。
ディレクトリのセットアップ
最低でも1ギガバイトのスパースファイルを作成して、ファイル上に btrfs ファイルシステムを作成してください (もちろん、必要であればブロックデバイスや LVM を使うこともできます)。
# truncate -s 1G /srv/arch.img # mkfs.btrfs /srv/arch.img # export root=/srv/arch # mkdir -p "$root" # mount -o loop,discard,compress=lzo /srv/arch.img "$root"
ブートストラップのインストール
devtools と arch-install-scripts をインストールしてから mkarchroot
を実行してください。
# pacstrap -d "$root" base mkinitcpio-nfs-utils nfs-utils
そして initramfs を生成してください。
NFS
NFSv4 のマウントをするためには net
フックに細かい修正を加える必要があります (net
フックのデフォルトである nfsmount
はサポートされていません)。
# sed s/nfsmount/mount.nfs4/ "$root/usr/lib/initcpio/hooks/net" > "$root/usr/lib/initcpio/hooks/net_nfs4" # cp $root/usr/lib/initcpio/install/net{,_nfs4}
クライアント側で mkinitcpio-nfs-utils がアップデートされたときに上書きされないように net
のコピーを作成する必要があります。
$root/etc/mkinitcpio.conf
を編集して MODULES
に nfsv4
を、HOOKS
に net_nfs4
を、BINARIES
に /usr/bin/mount.nfs4
を追加してください。
そして、作成した環境に chroot して mkinitcpio を実行します:
# arch-chroot "$root" mkinitcpio -p linux
NBD
クライアントに mkinitcpio-nbdAUR パッケージをインストールする必要があります。makepkg でビルドしてインストールしてください:
# pacman --root "$root" --dbpath "$root/var/lib/pacman" -U mkinitcpio-nbd-0.4-1-any.pkg.tar.xz
HOOKS
行の net
の後ろに nbd
を追加する必要があります。net
はネットワークの設定を行いますが、カーネル行で nfsroot
が指定されていない場合 NFS のマウントは行いません。
クライアント設定
以下の設定の他に、ホストネーム、タイムゾーン、ロケール、キーマップなども設定する必要があります。インストールガイドを見て下さい。
ブートローダー
GRUB
ドキュメントで明記はされていませんが、GRUB は PXE によるロードをサポートしています。
# pacman --root "$root" --dbpath "$root/var/lib/pacman" -S grub
grub-mknetdir
を使用してターゲット環境に grub プレフィックスを作成してください:
# arch-chroot "$root" grub-mknetdir --net-directory=/boot --subdir=grub
grub-mknetdir は現在コンパイル・インストールされているターゲット全てのプレフィックスを作成し、grub のメンテナは同じパッケージで両方のアーキテクチャを提供しているため、grub-mknetdir を実行するのは一度だけですみます。
以下のような GRUB の設定を作成します:
# vim "$root/boot/grub/grub.cfg"
menuentry "Arch Linux" { linux /vmlinuz-linux quiet add_efi_memmap ip=:::::eth0:dhcp nfsroot=10.0.0.1:/arch initrd /initramfs-linux.img }
GRUB の黒魔術によって set root=(tftp,10.0.0.1)
が自動的に設定されるため、特に設定をしなくてもカーネルと initramfs は TFTP で転送されます。TFTP 以外のメニューエントリが必要な場合、明示的に設定すると良いでしょう。
Pxelinux
syslinux には Pxelinux が含まれています。詳しくは Syslinux#Pxelinux を参照。
マウントポイントの追加
NBD root
NFS と比べて高いディスク性能を発揮するために、ルートファイルシステムのマウントを rw
に切り替えて compress=lzo
を有効にすると良いでしょう:
# vim "$root/etc/fstab"
/dev/nbd0 / btrfs rw,noatime,discard,compress=lzo 0 0
プログラムステートディレクトリ
例えば /var/log
を tmpfs でマウントして、複数のホストのログが混ざらないようにしたり、同じように /var/spool/cups
を tmpfs でマウントして、同じスプールを使用する cups のインスタンスが互いに干渉しないようにする場合:
# vim "$root/etc/fstab"
tmpfs /var/log tmpfs nodev,nosuid 0 0 tmpfs /var/spool/cups tmpfs nodev,nosuid 0 0
一番良いのは個々のホストごとにソフトウェアの状態やデータベースが保存されるように設定することです。例として Puppet を実行したい場合、puppet のユニットファイルで %H
を使う方法があります:
# vim "$root/etc/systemd/system/puppetagent.service"
[Unit] Description=Puppet agent Wants=basic.target After=basic.target network.target [Service] Type=forking PIDFile=/run/puppet/agent.pid ExecStartPre=/usr/bin/install -d -o puppet -m 755 /run/puppet ExecStart=/usr/bin/puppet agent --vardir=/var/lib/puppet-%H --ssldir=/etc/puppet/ssl-%H [Install] WantedBy=multi-user.target
Puppet-agent は vardir と ssldir を作成します (存在しない場合)。
上記のどちらの方法も使えない場合、systemd ジェネレータ を作成してホストごとにマウントユニットを作成するという選択肢があります (残念ながらマウントユニットで記述子は使えません)。
クライアントの起動
NBD
NBD を使用する場合、クライアントを起動する前に arch.img
をアンマウントする必要があります。
カーネルをアップデートするとき、クライアントを起動している間にクライアントのファイルシステムをマウントすることはできないため、クライアントのファイルシステムからカーネルを分離しなくてはなりません。
クライアント環境から tftp のルートディレクトリ (/srv/boot
) に $root/boot
をコピーしてください:
# cp -r "$root/boot" /srv/boot
クライアントを起動する前に $root
をアンマウントする必要があります:
# umount "$root"