「GTK」の版間の差分
imported>Lahwaacz.bot (update Pkg/AUR templates to reflect new package status) |
(同期) |
||
(8人の利用者による、間の57版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
[[Category:ウィジェットツールキット]] |
[[Category:ウィジェットツールキット]] |
||
− | [[ |
+ | [[en:GTK]] |
− | [[ |
+ | [[es:GTK]] |
− | [[ |
+ | [[pt:GTK]] |
− | [[ |
+ | [[ru:GTK]] |
− | [[ |
+ | [[zh-hans:GTK]] |
− | [[zh-CN:GTK+]] |
||
{{Related articles start}} |
{{Related articles start}} |
||
{{Related|Qt と GTK アプリケーションの外観の統合}} |
{{Related|Qt と GTK アプリケーションの外観の統合}} |
||
{{Related|Qt}} |
{{Related|Qt}} |
||
{{Related|GNU プロジェクト}} |
{{Related|GNU プロジェクト}} |
||
+ | {{Related|GTK/開発}} |
||
{{Related articles end}} |
{{Related articles end}} |
||
− | [ |
+ | [https://www.gtk.org/ GTK ウェブサイト] より: |
− | : |
+ | :GTK もしくは GIMP ツールキットはグラフィカルユーザーインターフェースを作成するためのマルチプラットフォームのツールキットです。ウィジェットの完全なセットを提供することで、GTK はちょっとしたツールから完全なアプリケーションスイートまで幅広いプロジェクトに適しています。 |
− | 当初 GTK |
+ | 当初 GTK (GIMP Toolkit) は [[GNU プロジェクト]]によって [[GIMP]] のために作成されました、しかしながら現在ではさまざまな言語のバインディングの存在する人気のあるツールキットになっています。この記事では GTK テーマ・スタイル・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するのに使うツールと手動設定の方法を説明します。 |
− | == |
+ | == インストール == |
+ | 複数の GTK バージョンが現在利用可能です。以下のパッケージによってそれらは[[インストール]]できます: |
||
− | 以下の GUI プログラムによってテーマを選択したりフォントをカスタマイズできます。基本的に {{ic|~/.gtkrc-2.0}} ファイルを上書きします。 |
||
+ | * '''GTK 4.x''' は {{Pkg|gtk4}} パッケージでインストールできます。 |
||
− | * {{Pkg|lxappearance}}: [[LXDE|LXDE]] プロジェクトの設定ツールで、LXDE や他のデスクトップ環境を必要としません。他のプログラムよりも柔軟なカスタマイズが可能です。 |
||
+ | * '''GTK 3.x''' は {{Pkg|gtk3}} パッケージでインストールできます。 |
||
− | * {{Pkg|gtk-chtheme}} |
||
+ | * '''GTK 2.x''' は {{Pkg|gtk2}} パッケージでインストールできます。 |
||
− | * {{Pkg|gtk-theme-switch2}} |
||
+ | * '''GTK 1.x''' は {{AUR|gtk}} パッケージでインストールできます。 |
||
− | * {{Pkg|gtk2_prefs}} |
||
− | |||
− | [[Uniform Look for Qt and GTK Applications#それぞれのツールキットのスタイルを変更する]] も参照してください。 |
||
== テーマ == |
== テーマ == |
||
− | === GTK |
+ | === GTK 3 と GTK4 === |
+ | GTK 3 と GTK 4 では、デフォルトテーマは Adwaita ですが、HighContrast テーマと HighContrastInverse テーマも含まれています。 |
||
− | [[Arch User Repository|AUR]] には GTK+ 1.x テーマがたくさん存在します: [https://aur.archlinux.org/packages.php?K=gtk-theme gtk-theme で検索してください]。{{AUR|gtk-smooth-engine}} が最初のテーマとして良いでしょう。 |
||
+ | 特定のテーマを適用するには、dconf エディタから {{ic|org.gnome.desktop.interface}} 名前空間内の {{ic|gtk-theme}} プロパティを設定してください: |
||
− | ほとんどの[[Desktop Environment|デスクトップ環境]]は GTK+ テーマ・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するためのツールを提供しています。 |
||
+ | $ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme Adwaita |
||
− | もしくは、{{Pkg|gtk-theme-switch2}} を使って下さい。{{ic|switch}} コマンドで実行できます。 |
||
+ | {{Note|libadwaita ベースの GTK 4 アプリケーションでは、GTK テーマに[https://github.com/jnsh/arc-theme/issues/61#issuecomment-922380704 特殊なサポート]が存在している必要があり、かつ、{{ic|GTK_THEME}} [[環境変数]]を使って GTK テーマを強制する必要があります。あるいは、libadwaita のパッチ適用済みのバージョン {{AUR|libadwaita-without-adwaita-git}} を使用する必要があります。}} |
||
− | === GTK+ 2.x === |
||
+ | dconf プロパティを使用しない場合は、{{ic|GTK_THEME}} [[環境変数]]を使って GTK 3 と GTK 4 のテーマを適用することができます。例えば、GNOME Calculator を Adwaita のダークバージョンを使って起動するには: |
||
− | [[Arch User Repository|AUR]] には GTK+ 2.x テーマがたくさん存在します: [https://aur.archlinux.org/packages.php?K=gtk2-theme gtk2-theme で検索してください]。初めにインストールするパッケージは {{Pkg|gtk-engines}} がふさわしいでしょう、人気の ''Clearlooks'' テーマが含まれています。 |
||
+ | $ GTK_THEME=Adwaita:dark gnome-calculator |
||
− | ほとんどの[[Desktop Environment|デスクトップ環境]]は GTK+ テーマ・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するためのツールを提供しています。 |
||
+ | {{Tip|デスクトップショートカット (またはランチャー) から一つのアプリケーションに対して GTK テーマを適用する方法については、[[デスクトップエントリ#環境変数の変更]] を見てください。}} |
||
− | もしくは、{{ic|~/.gtkrc-2.0}} を編集することで手動で GTK+ の設定をすることも可能です。GTK+ の設定の一覧は [http://library.gnome.org/devel/gtk/stable/GtkSettings.html GNOME library] にあります。手動で GTK+ テーマ・アイコン・フォント・フォントサイズを変更するには、以下を {{ic|~/.gtkrc-2.0}} に追加してください: |
||
+ | {{Note|対応する [[XDG デスクトップ ポータル]]を使用しない場合は、GSettings で設定したテーマを選択するために {{ic|1=ADW_DISABLE_PORTAL=1}} [[環境変数]]を設定する必要があるかもしれません。https://gitlab.gnome.org/GNOME/libadwaita/-/commit/e715fae6a509db006a805af816f9d163f81011ef を参照してください。}} |
||
− | {{hc|~/.gtkrc-2.0|2= |
||
− | gtk-icon-theme-name = "[name-of-icon-theme]" |
||
− | gtk-theme-name = "[name-of-theme]" |
||
− | gtk-font-name = "[font-name] [size]" |
||
− | }} |
||
+ | === GTK 2 === |
||
− | 例えば: |
||
− | {{hc|~/.gtkrc-2.0|2= |
||
− | gtk-icon-theme-name = "Tango" |
||
− | gtk-theme-name = "Murrine-Gray" |
||
− | gtk-font-name = "DejaVu Sans 8" |
||
− | }} |
||
+ | GTK 2 のデフォルトのテーマは Raleigh ですが、Arch Linux には、デフォルトのテーマを Adwaita に設定するカスタムの設定ファイルが {{ic|/usr/share/gtk-2.0/gtkrc}} に存在しています。 |
||
− | {{Note|上の例を使うには[[Official Repositories|公式リポジトリ]]から {{Pkg|ttf-dejavu}}, {{Pkg|tangerine-icon-theme}}, {{Pkg|gtk-engine-murrine}} が、AUR から {{AUR|gtk-theme-murrine-collection}} が必要です。}} |
||
+ | GTK 2 のテーマを変更するには、{{ic|GTK2_RC_FILES}} [[環境変数]]を使用してください。例えば、Raleigh テーマで [[GIMP]] を起動するには: |
||
− | === GTK+ 3.x === |
||
+ | $ GTK2_RC_FILES=/usr/share/themes/Raleigh/gtk-2.0/gtkrc gimp |
||
− | 初めにインストールするパッケージは {{Pkg|gnome-themes-standard}} がふさわしいでしょう、人気の ''Adwaita'' テーマが含まれています。 |
||
+ | {{Tip|{{ic|gtkrc}} は、任意の [[#設定ツール]] で作成されたホームディレクトリ内のカスタムファイルにすることもできます。[[#例]] を見てください。}} |
||
− | 選択したスタイルに GTK+ 2.x と GTK+ 3.x 両方のテーマが含まれている場合、それらが使われます。選択したスタイルに GTK+ 2.x テーマしかない場合、GTK+ 2.x アプリケーションにはそれが使われ、GTK+ 3.x アプリケーションには(醜い)デフォルトのテーマが使われます。選択したスタイルに GTK+ 3.x テーマしかない場合、GTK+ 3.x アプリケーションにはそれが使われ、GTK+ 2.x アプリケーションには(醜い)デフォルトのテーマが使われます。UI の外観を統一するために GTK+ 2.x と GTK+ 3.x 両方のテーマを持っているスタイルを使うと一番良い結果が得られます。 |
||
+ | 公式リポジトリや [[AUR]] から他のテーマをインストールすることができます。手動で展開されたテーマは {{ic|~/.themes/}} や {{ic|~/.local/share/themes/}} ディレクトリに配置します。 |
||
− | ほとんどの[[Desktop Environment|デスクトップ環境]]は GTK+ テーマ・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するためのツールを提供しています。[[GNOME|GNOME]] を使っている場合、GNOME Tweak Tool ({{pkg|gnome-tweak-tool}}) を使って下さい。[[Xfce|Xfce]] を使っている場合、Appearance ツールを使って下さい: Settings-->Appearance から行けます。 |
||
+ | === GTK 2 と GTK 3 をサポートしているテーマ === |
||
− | 他にも依存パッケージが少ないツールとして {{pkg|lxappearance}} があります。 |
||
+ | * {{App|Adapta|マテリアルデザインガイドラインに基づいている GTK テーマ。次のテーマが含まれています: Adapta, Adapta-Eta, Adapta-Nokto, Adapta-Nokto-Eta|https://github.com/tista500/Adapta|{{Pkg|adapta-gtk-theme}}}} |
||
− | テーママネージャを全くインストールしたくないという場合は、手動で {{ic|$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini}} (普通は {{ic|~/.config/gtk-3.0/settings.ini}}) にテーマを設定することができます。{{ic|settings.ini}} ファイルの例: |
||
+ | * {{App|Arc|モダンで透過するエレメントを備えたフラットテーマ。次のテーマが含まれています: Arc, Arc-Dark, Arc-Darker|https://github.com/jnsh/arc-theme|透過あり: {{Pkg|arc-gtk-theme}}, 透過なし: {{Pkg|arc-solid-gtk-theme}}}} |
||
+ | * {{App|Bluebird|Xfce 用の Blue Desktop Suite。|https://github.com/shimmerproject/Bluebird|{{AUR|xfce-theme-bluebird}}}} |
||
+ | * {{App|Breeze|KDE のデフォルトウィジェットテーマの GTK バージョン。次のテーマが含まれています: Breeze, Breeze-Dark|https://invent.kde.org/plasma/breeze-gtk|{{Pkg|breeze-gtk}}}} |
||
+ | * {{App|Deepin|Deepin デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: deepin, deepin-dark|https://github.com/linuxdeepin/deepin-gtk-theme|{{Pkg|deepin-gtk-theme}}}} |
||
+ | * {{App|GNOME Extra Themes|GNOME デスクトップの追加テーマ。次のテーマが含まれています: Adwaita, Adwaita-dark, HighContrast|https://gitlab.gnome.org/GNOME/gnome-themes-extra|{{Pkg|gnome-themes-extra}}}} |
||
+ | * {{App|Greybird|グレーとブルーの Xfce テーマ。Xubuntu 12.04 のデフォルト。|https://github.com/shimmerproject/Greybird|{{AUR|xfce-theme-greybird}}}} |
||
+ | * {{App|Materia|GTK3, GTK2, GNOME-Shell に対応しているマテリアルデザインライクなフラットテーマ。|https://github.com/nana-4/materia-theme|{{Pkg|materia-gtk-theme}}}} |
||
+ | * {{App|MATE Themes|MATE デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: BlackMATE, Blue-Submarine, BlueMenta, ContrastHighInverse, Green-Submarine, GreenLaguna, Menta, TraditionalGreen, TraditionalOk|https://github.com/mate-desktop/mate-themes|{{Pkg|mate-themes}}}} |
||
+ | * {{App|Numix|近代的な外観をしているフラットで明るいテーマ (GNOME, Openbox, Unity, Xfce)。次のテーマが含まれています: Numix|https://github.com/numixproject/numix-gtk-theme|{{AUR|numix-gtk-theme-git}}}} |
||
+ | * {{App|Vertex|GTK 3, GTK 2, Gnome-Shell, Cinnamon のためのテーマ。|https://github.com/horst3180/vertex-theme|{{AUR|vertex-themes}}}} |
||
+ | * {{App|Zuki|GTK, gnome-shell などのためのテーマ。|https://github.com/lassekongo83/zuki-themes|{{AUR|zuki-themes}}}} |
||
+ | |||
+ | AUR にもいくつか GTK テーマが存在します。例えば、[https://aur.archlinux.org/packages?K=gtk-theme gtk-theme で検索]。 |
||
+ | |||
+ | === GTK と Qt === |
||
+ | |||
+ | デスクトップで GTK と Qt (KDE) アプリケーションを使っているならば、それらの見た目が上手く調和しないことに気づくでしょう。GTK スタイルと Qt スタイルを調和させたい場合は [[Qt と GTK アプリケーションの外観の統合]]を読んで下さい。 |
||
+ | |||
+ | == 設定ツール == |
||
+ | |||
+ | 主流の[[デスクトップ環境]]の多くは GTK テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを設定するためのツールを提供しており、[https://specifications.freedesktop.org/xsettings-spec/ XSettings] で設定を管理しています: |
||
+ | * [[Cinnamon]] を使っている場合、Themes ツールを使って下さい (''cinnamon-settings themes''): ''System Settings > Themes'' を開いて下さい。 |
||
+ | * [[Enlightenment]] を使っている場合: ''Settings > All > Look > Application Theme'' を開いて下さい。 |
||
+ | * [[GNOME]] を使っている場合、GNOME Tweaks (''gnome-tweaks''): {{Pkg|gnome-tweaks}} をインストールして下さい。 |
||
+ | * [[MATE]] を使っている場合、Appearance Preferences ツールを使って下さい (''mate-appearance-properties''): ''System > Settings > Appearance'' を開いて下さい。 |
||
+ | * [[Xfce]] を使っている場合、Appearance ツールを使って下さい: ''Settings > Appearance'' を開いて下さい。 |
||
+ | |||
+ | 通常、他の GUI ツールは[[#設定|設定ファイル]]を上書きします。 |
||
+ | |||
+ | '''GTK 2 と GTK 3 の両方をサポートしているツール:''' |
||
+ | |||
+ | * {{App|KDE GTK Configurator|GTK 2 と GTK 3 アプリケーションのスタイルやフォントを変更することができるアプリケーション。|https://invent.kde.org/plasma/kde-gtk-config|{{Pkg|kde-gtk-config}}}} |
||
+ | :インストール後、{{ic|kde-gtk-config}} は ''System Settings > Appearance > Application Style > Configure GNOME/GTK Application Style'' から使用できます。 |
||
+ | * {{App|LXAppearance|LXDE プロジェクトによる、デスクトップに依存しない GTK 2 と GTK 3 のスタイル設定ツール (LXDE デスクトップの他のパーツを必要としません)。|https://github.com/lxde/lxappearance|{{Pkg|lxappearance-gtk3}}}} |
||
+ | * {{App|Oo-mox|Numix と Flat-Plat テーマ (GTK 2, GTK 3) や Archdroid と Gnome-Colors アイコンテーマの様々なカラーバリエーションを生成するためのグラフィカルアプリケーション。HiDPI ディスプレイ用にスケールした GTK 2 テーマも生成できます。|https://github.com/actionless/oomox|{{AUR|themix-full-git}}}} |
||
+ | |||
+ | '''GTK 2 だけをサポートしているツール:''' |
||
+ | * {{App|GTK Change Theme|GTK 2.0 のテーマを変更するためのプログラム (''switch2'' より優れた代替ツールと見なされています)。|http://plasmasturm.org/code/gtk-chtheme/|{{Pkg|gtk-chtheme}}}} |
||
+ | * {{App|GTK Preference Tool|GTK テーマの選択とフォントの切り替えプログラム。|https://gtk-win.sourceforge.io/home/index.php/Main/GTKPreferenceTool|{{AUR|gtk2_prefs}}}} |
||
+ | * {{App|GTK Theme Switch|シンプルな GTK テーマスイッチャ。|3=http://muhri.net/nav.php3?node=gts|4={{AUR|gtk-theme-switch2}}}} |
||
+ | |||
+ | == 設定 == |
||
+ | |||
+ | 設定ファイルで GTK の設定を手動で指定することもできます。ただしデスクトップ環境やアプリケーションは手動設定を上書きしてしまうことがあります。GTK のバージョンによって、設定ファイルの場所は異なっています: |
||
+ | |||
+ | * GTK 2 ユーザー個別: {{ic|$GTK2_RC_FILES}}、{{ic|~/.gtkrc-2.0}} |
||
+ | * GTK 2 システム全体: {{ic|/etc/gtk-2.0/gtkrc}} |
||
+ | * GTK 3 ユーザー個別: {{ic|$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini}}、{{ic|$XDG_CONFIG_HOME}} が設定されていない場合は {{ic|$HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini}} |
||
+ | * GTK 3 システム全体: {{ic|/etc/gtk-3.0/settings.ini}} |
||
+ | |||
+ | {{Note| |
||
+ | *現在サポートされている GTK の設定オプションの完全なリストについては、GTK プログラミングリファレンスマニュアルの [https://docs.gtk.org/gtk4/class.Settings.html#properties GTK4] と [https://docs.gtk.org/gtk3/class.Settings.html#properties GTK3] の ''GtkSettings'' properties (そして [https://ghostarchive.org/archive/p2BmM GTK 2 properties]) を見てください。 |
||
+ | |||
+ | *以下で説明している設定のうちいくつか ({{ic|gtk-icon-sizes}} など) は GTK 3.10 から非推奨となっており、無視されます。 |
||
+ | *GTK の設定ファイルを編集した場合、変更が適用されるのは新しく起動したアプリケーションからです。}} |
||
+ | |||
+ | === テーマの基本設定 === |
||
+ | |||
+ | GTK テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを手動で変更するには、例えば以下のように設定ファイルに追加します: |
||
+ | |||
+ | * GTK 2: |
||
+ | {{hc|~/.gtkrc-2.0|2= |
||
+ | gtk-icon-theme-name = "Adwaita" |
||
+ | gtk-theme-name = "Adwaita" |
||
+ | gtk-font-name = "DejaVu Sans 11" |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | * GTK 3: |
||
{{hc|$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini|2= |
{{hc|$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini|2= |
||
[Settings] |
[Settings] |
||
− | gtk- |
+ | gtk-icon-theme-name = Adwaita |
− | gtk-theme-name = |
+ | gtk-theme-name = Adwaita |
+ | gtk-font-name = DejaVu Sans 11 |
||
− | gtk-fallback-icon-theme = gnome |
||
− | gtk-icon-theme-name = [icon theme name] |
||
− | gtk-font-name = [font name] [font size] |
||
− | |||
}} |
}} |
||
+ | テーマが GTK 3 に対して適用されない場合、加えて {{ic|gsettings}} を使用してください: |
||
− | 手動設定が反映されないときは、{{ic|$XDG_CONFIG_HOME}} にある古い {{ic|gtk-3.0}} フォルダを削除して /path/to/theme から {{ic|$XDG_CONFIG_HOME}} に {{ic|gtk-3.0}} フォルダをコピーしてください。例えば: |
||
+ | $ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme theme_name |
||
− | $ rm -r ~/.config/gtk-3.0/ |
||
− | $ cp -r /usr/share/themes/Zukitwo/gtk-3.0/ ~/.config/ |
||
+ | 同じように、アイコンテーマが GTK3 に適用されない場合は、{{ic|gsettings}} を使って: |
||
− | この後、DE の外観設定ツールで同じテーマを設定する必要があります。GTK+ 3.x と GTK+ 2.x アプリケーションで同じ見た目を提供するテーマはわずかしかありません。そうしたテーマの例: |
||
− | #Adwaita ({{pkg|gnome-themes-standard}} に含まれています) |
||
− | #Clearlooks-Phenix (AUR: {{AUR|clearlooks-phenix-gtk-theme}}) |
||
− | #GTK+ 3 用の Newlooks と GTK+ 2 用の Clearlooks |
||
− | #Zukitwo |
||
− | #Elegant Brit |
||
− | #Atolm |
||
− | #Hope |
||
− | #OMG |
||
+ | $ gsettings set org.gnome.desktop.interface icon-theme icon_theme_name |
||
− | {{Note|テーマによっては正しく表示するために {{pkg|librsvg}} が必要になりますが、依存パッケージとして指定されていないことがあります。選んだテーマが壊れて見えるようでしたらインストールしてみて下さい。}} |
||
+ | アイコンを手動でダウンロード・インストールする方法については、[[アイコン]] を見てください。 |
||
− | {{Note|他にも両方兼ね備えたテーマがあるかもしれません。上のテーマの内いくつかは AUR で利用できます。また、テーマによっては GTK+ 2.x パネルを正しく表示することができないため、この [http://i.imgur.com/QmeyN.png パネルの背景] を使う必要があります。}} |
||
+ | {{Note|{{ic|gtk-icon-theme-name}} と {{ic|gtk-theme-name}} は、テーマのディレクトリの名前です。テーマの {{ic|index.theme}} における Name プロパティの値ではありません。}} |
||
− | インストールしたテーマでどれが GTK+ 2.x と GTK+ 3.x 両方のバージョンを持っているか調べるには次のコマンドを使って下さい (空白が含まれている名前はひっかかりません): |
||
− | find $(find ~/.themes /usr/share/themes/ -wholename "*/gtk-3.0" | sed -e "s/^\(.*\)\/gtk-3.0$/\1/")\ |
||
− | -wholename "*/gtk-2.0" | sed -e "s/.*\/\(.*\)\/gtk-2.0/\1"/ |
||
− | === |
+ | === ダークテーマ === |
+ | GTK 3 テーマの中には派生のダークテーマが存在することがありますが、アプリケーションによって明示的に使うように設定されない限り、デフォルトで使われることはありません。全ての GTK 3 アプリケーションでダークテーマを使うには、以下を設定: |
||
− | デスクトップで GTK+ と Qt (KDE) アプリケーションを使っているならば、それらの見た目が上手く調和しないことに気づくでしょう。GTK+ スタイルと Qt スタイルを調和させたい場合は [[Uniform Look for Qt and GTK Applications]] を読んで下さい。 |
||
+ | gtk-application-prefer-dark-theme = true |
||
− | === Broadway による GTK+ と HTML === |
||
− | GDK Broadway バックエンドは HTML5 とウェブソケットを使って、ウェブブラウザに GTK+ アプリケーションを表示することをサポートしています [https://developer.gnome.org/gtk3/3.8/gtk-broadway.html]。 |
||
+ | GTK 4 に対しては、以下を使用してください: |
||
− | broadwayd を使うときには、X と同じようにコロンを前に付けて、使用するディスプレイ番号を指定してください。デフォルトのディスプレイ番号は 1 です。 |
||
+ | $ gsettings set org.gnome.desktop.interface color-scheme prefer-dark |
||
− | $ display_number=:5 |
||
+ | === キーボードショートカット === |
||
− | 次のコマンドで起動します。 |
||
− | $ broadwayd $display_number |
||
+ | マウスをメニューアイテムの上に乗せて設定したいキーの組み合わせを押すことで GTK アプリケーションのキーボードショートカット (GTK では ''accelerators'' とも呼ばれます) を変更することができます。この機能を有効にするには、次を設定してください: |
||
− | デフォルトで使われるポートは: |
||
− | port = 8080 + ($display_number - 1) |
||
+ | gtk-can-change-accels = 1 |
||
− | ブラウザで http://localhost:port を開いて下さい。 |
||
+ | ==== Emacs キーバインド ==== |
||
− | アプリを起動するには: |
||
+ | GTK アプリで Emacs ライクなキーバインドを使うには以下を追加します: |
||
− | $ GDK_BACKEND=broadway BROADWAY_DISPLAY=$display_number ''<<app>>'' |
||
+ | {{hc|1=~/.gtkrc-2.0|2= |
||
− | また、アドレスやポートを設定することも可能です: |
||
+ | gtk-key-theme-name = "Emacs" |
||
+ | }} |
||
+ | {{hc|1=~/.config/gtk-3.0/settings.ini|2= |
||
− | $ broadwayd --port $port_number --address $address $display_number |
||
+ | [Settings] |
||
+ | gtk-key-theme-name = Emacs |
||
+ | }} |
||
+ | GTK 3 に対しては、以下も実行してください: |
||
− | == 設定ファイル == |
||
+ | $ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-key-theme "Emacs" |
||
− | {{Note|GTK の設定オプションの完全なリストは GTK+ プログラミングリファレンスマニュアルの [http://library.gnome.org/devel/gtk/stable/GtkSettings.html#GtkSettings.properties ''GtkSettings'' properties] を見て下さい。}} |
||
+ | XFCE にも同じような設定が存在します: |
||
− | このセクションでは GTK+ の設定ファイルなどで使うことができる GTK+ の設定をまとめて説明します。 |
||
+ | $ xfconf-query -c xsettings -p /Gtk/KeyThemeName -s Emacs |
||
− | (ini フォーマットの) GTK+ の設定ファイルは配置される場所が2つあります: $XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/ (普通は ~/.config/gtk-3.0/) と /etc/gtk-3.0/ です。前者はユーザーごとの設定のためにあり、後者はシステム全体の設定のために存在します。 |
||
− | === キー |
+ | ==== キーバインドを宣言する ==== |
+ | {{ic|/usr/share/themes/Emacs/}} などにある設定ファイルは、Emacs バインドを指定したり、変更したりできます。 |
||
− | マウスをメニューアイテムの上に乗せて設定したいキーボードのコンビネーションを押すことで GTK+ アプリケーションのキーボードショートカットをカスタマイズすることができます |
||
− | ただし、この機能はデフォルトでは無効になっています。この機能を有効にするには、次を設定してください: |
||
− | gtk-can-change-accels = 1 |
||
+ | {{hc|/usr/share/themes/Emacs/gtk-2.0-key/gtkrc| |
||
− | === GNOME メニューの高速化 === |
||
+ | binding "gtk-emacs-text-entry" |
||
+ | { |
||
+ | bind "<ctrl>b" { "move-cursor" (logical-positions, -1, 0) } |
||
+ | ... |
||
+ | } |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | {{hc|/usr/share/themes/Emacs/gtk-3.0/gtk-keys.css| |
||
+ | @binding-set gtk-emacs-text-entry |
||
+ | { |
||
+ | bind "<ctrl>b" { "move-cursor" (logical-positions, -1, 0) }; |
||
+ | ... |
||
+ | } |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | セクションを GTK 2 と 2 に対してそれぞれ {{ic|~/.gtkrc-2.0}} と {{ic|~/.themes/your-new-key-theme/gtk-3.0/gtk-keys.css}} にコピーすることで、ユーザー毎に設定を変更できます。 |
||
+ | |||
+ | === GNOME メニューの遅延 === |
||
+ | |||
+ | この設定は GNOME でマウスをメニューに置いた時にメニューが開くまでの待ち時間を決めます。数値はミリ秒単位です。 |
||
− | この設定は GNOME でマウスをメニューに置いた時にメニューが開くまでの待ち時間を決めます。あなたの好きなように設定を変更してください。数字はミリ秒です、例えば 250 は1/4秒になります。 |
||
gtk-menu-popup-delay = 0 |
gtk-menu-popup-delay = 0 |
||
154行目: | 216行目: | ||
小さな画面を使っていて大きなアイコンやウィジェットを表示したくない場合、簡単にサイズを変えることができます。 |
小さな画面を使っていて大きなアイコンやウィジェットを表示したくない場合、簡単にサイズを変えることができます。 |
||
+ | |||
− | ツールバーのアイコンに文章を表示しないようにするには、次を使って下さい: |
||
+ | ツールバーのアイコンに文章を表示しないようにするには ([https://developer.gnome.org/gtk3/stable/gtk3-Standard-Enumerations.html#GtkToolbarStyle 有効値])、次を使って下さい: |
||
+ | |||
gtk-toolbar-style = GTK_TOOLBAR_ICONS |
gtk-toolbar-style = GTK_TOOLBAR_ICONS |
||
+ | |||
小さいアイコンを使うには、次のような行を使って下さい: |
小さいアイコンを使うには、次のような行を使って下さい: |
||
+ | |||
gtk-icon-sizes = "panel-menu=16,16:panel=16,16:gtk-menu=16,16:gtk-large-toolbar=16,16\ |
gtk-icon-sizes = "panel-menu=16,16:panel=16,16:gtk-menu=16,16:gtk-large-toolbar=16,16\ |
||
:gtk-small-toolbar=16,16:gtk-button=16,16" |
:gtk-small-toolbar=16,16:gtk-button=16,16" |
||
+ | |||
ボタンからアイコンを完全に削除するには: |
ボタンからアイコンを完全に削除するには: |
||
+ | |||
gtk-button-images = 0 |
gtk-button-images = 0 |
||
+ | |||
メニューからアイコンを削除することもできます: |
メニューからアイコンを削除することもできます: |
||
+ | |||
gtk-menu-images = 0 |
gtk-menu-images = 0 |
||
− | [ |
+ | [https://martin.ankerl.com/2008/10/11/how-to-make-a-compact-gnome-theme/] と [https://www.gnome-look.org/p/1079374] も参照。 |
+ | === CSD ボタンを隠す === |
||
− | == 開発 == |
||
+ | Client-Side Decorations (CSD)[https://blogs.gnome.org/tbernard/2018/01/26/csd-initiative/] の最小化・最大化ボタン を ''gtk3'' ウィンドウから削除するには: |
||
− | スクラッチから C で GTK+ 3 プログラムを書く時は、CFLAGS を gcc に追加してください: |
||
− | gcc -g -Wall `pkg-config --cflags --libs gtk+-3.0` -o base base.c |
||
− | -g と -Wall パラメータはデバッグ出力をするためのものなので必須ではありません。 |
||
− | 公式の [http://developer.gnome.org/gtk-tutorial/stable/c39.html#SEC-HELLOWORLD Hello World サンプル] も試してみてください。 |
||
+ | gtk-decoration-layout=menu:close |
||
− | === シンプルなメッセージダイアログアプリ === |
||
+ | [https://docs.gtk.org/gtk3/property.Settings.gtk-decoration-layout.html GTK docs] を参照。 |
||
− | GObject-Introspection やバインディングを使うことで多くのプログラミング言語で簡単に GTK+ 3 のメッセージダイアログを作ることができます、また bash を使うこともできます。 |
||
+ | === マウスの貼り付け機能を無効化 === |
||
− | 以下の例ではシンプルに "Hello world" をメッセージダイアログに表示します。 |
||
+ | マスクの中ボタンをクリックした際のクリップボード ([[クリップボード#セレクション|PRIMARY セレクション]]) からの貼り付けを無効化するには: |
||
− | ====Bash==== |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|zenity}} |
||
− | {{hc|hello_world.sh|<nowiki>#!/bin/bash |
||
− | zenity --info --title='Hello world!' --text='This is an example dialog.'</nowiki>}} |
||
+ | gtk-enable-primary-paste=false |
||
− | ====Boo==== |
||
− | *依存パッケージ: AUR の {{Pkg|gtk-sharp-3}} ({{Pkg|boo}}) |
||
− | *ビルドするのに必要なパッケージ: {{Pkg|boo}} |
||
− | *ビルド: {{ic|booc hello_world.boo}} |
||
− | *実行: {{ic|mono hello_world.exe}} (もしくは {{ic|booi hello_world.boo}}) |
||
+ | === ファイル選択ダイアログのデフォルトフォルダ === |
||
− | {{hc|hello_world.boo|<nowiki>import Gtk from "gtk-sharp" |
||
− | Application.Init() |
||
− | Hello = MessageDialog(null, DialogFlags.Modal, MessageType.Info, ButtonsType.Close, "Hello world!") |
||
− | Hello.SecondaryText = "This is an example dialog." |
||
− | Hello.Run()</nowiki>}} |
||
+ | '''最近使われた'''フォルダではなく'''現在の作業ディレクトリ'''でファイル選択ダイアログを開くようにします。通常、'''現在の作業ディレクトリ'''は''ホーム''ディレクトリです。 |
||
− | ====C==== |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|gtk3}} と {{Pkg|pkg-config}} |
||
− | *ビルド: {{Ic|gcc -o hello_world `pkg-config --cflags --libs gtk+-3.0` hello_world.c}} |
||
− | {{hc|hello_world.c|<nowiki>#include <gtk/gtk.h> |
||
− | void main (int argc, char *argv[]) { |
||
− | gtk_init (&argc, &argv); |
||
− | GtkWidget *hello = gtk_message_dialog_new (NULL, GTK_DIALOG_MODAL, GTK_MESSAGE_INFO, GTK_BUTTONS_OK, "Hello world!"); |
||
− | gtk_message_dialog_format_secondary_text (GTK_MESSAGE_DIALOG (hello), "This is an example dialog."); |
||
− | gtk_dialog_run(GTK_DIALOG (hello)); |
||
− | }</nowiki>}} |
||
+ | '''GTK 3''' |
||
− | ====C++==== |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|gtkmm3}} |
||
− | *ビルド: {{Ic|g++ -o hello_world `pkg-config --cflags --libs gtkmm-3.0` hello_world.cc}} |
||
− | {{hc|hello_world.cc|<nowiki>#include <gtkmm/main.h> |
||
− | #include <gtkmm/messagedialog.h> |
||
− | int main(int argc, char *argv[]) { |
||
− | Gtk::Main kit(argc, argv); |
||
− | Gtk::MessageDialog Hello("Hello world!", false, Gtk::MESSAGE_INFO, Gtk::BUTTONS_OK); |
||
− | Hello.set_secondary_text("This is an example dialog."); |
||
− | Hello.run(); |
||
− | }</nowiki>}} |
||
+ | イカのコマンドで[[GNOME#設定|設定]]を変更してください: |
||
− | ====C#==== |
||
− | *依存パッケージ: AUR の {{Pkg|gtk-sharp-3}} |
||
− | *ビルド: {{ic|mcs -pkg:gtk-sharp-3.0 hello_world.cs}} |
||
− | *実行: {{ic|mono hello_world.exe}} |
||
− | {{hc|hello_world.cs|<nowiki>using Gtk; |
||
− | public class HelloWorld { |
||
− | static void Main() { |
||
− | Application.Init (); |
||
− | MessageDialog Hello = new MessageDialog (null, DialogFlags.Modal, MessageType.Info, ButtonsType.Close, "Hello world!"); |
||
− | Hello.SecondaryText="This is an example dialog."; |
||
− | Hello.Run (); |
||
− | } |
||
− | }</nowiki>}} |
||
+ | $ gsettings set org.gtk.Settings.FileChooser startup-mode cwd |
||
− | ====Genie==== |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|gtk3}} |
||
− | *ビルドするのに必要なパッケージ: {{Pkg|vala}} |
||
− | *ビルド: {{Ic|valac --pkg gtk+-3.0 hello_world.gs}} |
||
− | {{hc|hello_world.gs|<nowiki>uses |
||
− | Gtk |
||
− | init |
||
− | Gtk.init (ref args) |
||
− | var Hello=new MessageDialog (null, Gtk.DialogFlags.MODAL, Gtk.MessageType.INFO, Gtk.ButtonsType.OK, "Hello world!") |
||
− | Hello.format_secondary_text ("This is an example dialog.") |
||
− | Hello.run ()</nowiki>}} |
||
+ | '''GTK 2''' |
||
− | ====Java==== |
||
− | *依存パッケージ: AUR の {{AUR|java-gnome}} |
||
− | *ビルドするのに必要なパッケージ: java-environment |
||
− | *ビルド: {{ic|mkdir HelloWorld && javac -classpath /usr/share/java/gtk.jar -d HelloWorld HelloWorld.java}} |
||
− | *実行: {{ic|java -classpath /usr/share/java/gtk.jar:HelloWorld HelloWorld}} |
||
+ | 以下を {{ic|~/.config/gtk-2.0/gtkfilechooser.ini}} に追加してください: |
||
− | {{hc|HelloWorld.java|<nowiki>import org.gnome.gtk.Gtk; |
||
− | import org.gnome.gtk.Dialog; |
||
− | import org.gnome.gtk.InfoMessageDialog; |
||
+ | StartupMode=cwd |
||
− | public class HelloWorld |
||
+ | |||
− | { |
||
+ | === スクロールの旧式の挙動 === |
||
− | public static void main(String[] args) { |
||
+ | |||
− | Gtk.init(args); |
||
+ | {{Note|この設定が適用されない GTK アプリケーションもあります。}} |
||
− | Dialog Hello = new InfoMessageDialog(null, "Hello world!", "This is an example dialog."); |
||
+ | {{Tip|左クリックではなく右クリックを使うことでも昔のようなスクロールの挙動をさせることができます。}} |
||
− | Hello.run(); |
||
+ | |||
− | } |
||
+ | GTK 3.6 以前では、スクロールバーのスライダーの両側をクリックすると、クリックした方向にスクロールバーが丁度一ページ分だけ移動するようになっていました。GTK 3.6 から、スライダーはクリックした位置に直接移動するようになっています。以下の内容のファイルを作成することで、アプリケーションによっては前の挙動に戻すことが可能です: |
||
− | }</nowiki>}} |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/settings.ini|<nowiki> |
||
+ | [Settings] |
||
+ | gtk-primary-button-warps-slider = false |
||
+ | </nowiki>}} |
||
+ | |||
+ | === オーバーレイスクロールバーを無効化 === |
||
+ | |||
+ | GTK 3.15 から、オーバーレイスクロールバーがデフォルトで有効になっており、GTK 3 アプリケーションではマウスを乗せたときだけしかスクロールバーが表示されないようになっています。次の環境変数を設定することで元のスクロールバーに戻せます: {{ic|1=GTK_OVERLAY_SCROLLING=0}}。[[環境変数#グラフィック環境]] を参照。 |
||
+ | |||
+ | あるいは、GTK 3.24.9 からは GTK 3 の設定でオーバーレイスクロールバーを無効化できます。設定ファイルの [Settings] セクションで gtk-overlay-scrolling の値を false に設定してください: |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/settings.ini|2= |
||
+ | [Settings] |
||
+ | gtk-overlay-scrolling = false |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | GTK 4 は、もはや {{ic|1=GTK_OVERLAY_SCROLLING}} をサポートしていません。master から[https://github.com/GNOME/gtk/commit/e49615184a9d85bb0bb4e289b3ee8252adee3813#diff-3cf94c6e1eb009e20985034bc2210bfd 削除]されました。GTK 4 では、スクロールバーのオーバーレイはツールキットの一部です。blanket toggle は、両方の組み合わせでテストしていないアプリケーションが壊れてしまうのを防ぐために削除されました。アプリケーション開発者がアプリの見た目を決定できるように、ツールキットは、オプトアウトあるいは設定を削除するメカニズムをユーザに提供しています。[https://developer.gnome.org/gtk3/stable/GtkScrolledWindow.html#gtk-scrolled-window-set-overlay-scrolling gtk_scrolled_window_set_overlay_scrolling()] 関数を使って、''アプリケーションごとに''オーバーレイスクロールを有効化/無効化できます。アプリケーション開発者は、任意で [https://blog.gtk.org/2017/05/01/first-steps-with-gsettings/ GSettings] を使ってユーザの設定をプロパティにバインドできます。 |
||
+ | |||
+ | ==== オーバーレイスクロールのインジケータを削除 ==== |
||
+ | |||
+ | オーバーレイスクロールバーの位置はアプリケーションウィンドウの細い破線で示されます。たとえ上述の環境変数を使ってオーバーレイスクールを無効化しても破線は消えません。インジケータの線を消すには、以下のファイルを作成してください: |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/gtk.css| |
||
+ | /* Remove dotted lines from GTK 3 applications */ |
||
+ | undershoot.top, undershoot.right, undershoot.bottom, undershoot.left { background-image: none; } |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | === 例 === |
||
+ | |||
+ | GTK の設定例: |
||
+ | |||
+ | {{Note|一部の[[デスクトップ環境]] (例えば、[[GNOME]]) では無視される場合があります。}} |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.gtkrc-2.0|2= |
||
+ | gtk-theme-name="Arc-Dark" |
||
+ | gtk-icon-theme-name="breeze-dark" |
||
+ | gtk-font-name="Sans 11" |
||
+ | gtk-cursor-theme-name="Breeze_Amber" |
||
+ | gtk-cursor-theme-size=0 |
||
+ | gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ |
||
+ | gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR |
||
+ | gtk-button-images=0 |
||
+ | gtk-menu-images=0 |
||
+ | gtk-enable-event-sounds=0 |
||
+ | gtk-enable-input-feedback-sounds=0 |
||
+ | gtk-xft-antialias=1 |
||
+ | gtk-xft-hinting=1 |
||
+ | gtk-xft-hintstyle="hintslight" |
||
+ | gtk-xft-rgba="rgb" |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/settings.ini|2= |
||
+ | [Settings] |
||
+ | gtk-theme-name=Arc-Dark |
||
+ | gtk-icon-theme-name=breeze-dark |
||
+ | gtk-font-name=Sans 11 |
||
+ | gtk-cursor-theme-name=Breeze_Amber |
||
+ | gtk-cursor-theme-size=0 |
||
+ | gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ |
||
+ | gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR |
||
+ | gtk-button-images=0 |
||
+ | gtk-menu-images=0 |
||
+ | gtk-enable-event-sounds=0 |
||
+ | gtk-enable-input-feedback-sounds=0 |
||
+ | gtk-xft-antialias=1 |
||
+ | gtk-xft-hinting=1 |
||
+ | gtk-xft-hintstyle=hintslight |
||
+ | gtk-xft-rgba=rgb |
||
+ | # gtk-decoration-layout=menu:close |
||
+ | # gtk-application-prefer-dark-theme=1 |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | == GDK バックエンド == |
||
+ | |||
+ | GDK (GTK の抽象レイヤー) は GTK アプリケーションを表示するための複数のバックエンドをサポートしています。 |
||
+ | |||
+ | === Wayland バックエンド === |
||
+ | |||
+ | GDK [[Wayland]] バックエンドは {{Pkg|gtk3}} 及びそれ以降でのみサポートされており、[[Wayland]] ディスプレイサーバを使用する際のデフォルトバックエンドとなっています。 |
||
+ | |||
+ | {{Pkg|gtk3}} より前のバージョンの GTK を使っているアプリケーションは Wayland をサポートしておらず、''X11'' バックエンドを使って Wayland セッションで実行するために Xwayland を使う必要があります。 |
||
+ | |||
+ | [[Wayland]] バックエンドを使用する際、一部の変数は {{ic|settings.ini}} から source されません。 |
||
+ | GSettings スキーマ {{ic|org.gnome.desktop.interface}} 内に存在しているキーが、{{ic|settings.ini}} の代わりにそこから読み込まれます。 |
||
+ | |||
+ | そのような変数の例は {{ic|gtk-color-scheme}} と {{ic|icon-theme}} です。[[Wayland]] 下で GTK アプリケーションにテーマを適用させるために、これらはキーを GSettings で設定しなければなりません。あるいは、テーマだけをカスタマイズすればよいのであれば、環境変数 {{ic|GTK_THEME}} を使用できます。 |
||
+ | |||
+ | これに関する詳細は、[https://github.com/swaywm/sway/wiki/GTK-3-settings-on-Wayland sway wiki の関連する記事]を参照してください。 |
||
+ | |||
+ | === Xorg バックエンド === |
||
+ | |||
+ | [[Xorg]] ディスプレイサーバが使用されている場合、バックエンドのデフォルトは自動的に ''x11'' になります。 |
||
+ | |||
+ | 環境変数 {{ic|1=GDK_BACKEND=x11}} を設定することで、Wayland セッション上で動作する GTK 3 アプリケーションに Xwayland を通して ''X11'' バックエンドを使用するように強制することが可能です。 |
||
+ | |||
+ | === Broadway バックエンド === |
||
+ | |||
+ | GDK Broadway バックエンドは HTML5 とウェブソケットを使って、ウェブブラウザに GTK アプリケーションを表示することをサポートしています。 |
||
+ | [https://developer.gnome.org/gtk3/3.8/gtk-broadway.html] |
||
+ | |||
+ | ''broadwayd'' を使うときには、X と同じようにコロンを前に付けて、使用するディスプレイ番号を指定してください。デフォルトのディスプレイ番号は 0 です。 |
||
+ | |||
+ | $ display_number=:5 |
||
+ | |||
+ | 次のコマンドで起動します。 |
||
+ | $ broadwayd $display_number |
||
+ | |||
+ | デフォルトで使われるポートは: |
||
+ | port = 8080 + $display_number |
||
+ | |||
+ | ブラウザで http://127.0.0.1:port を開いてください。 |
||
+ | |||
+ | アプリを起動するには: |
||
+ | |||
+ | $ GDK_BACKEND=broadway BROADWAY_DISPLAY=$display_number ''<<application>>'' |
||
+ | |||
+ | また、アドレスやポートを設定することも可能です: |
||
+ | |||
+ | $ broadwayd --port $port_number --address $address $display_number |
||
+ | |||
+ | == トラブルシューティング == |
||
+ | |||
+ | === GTK 2 と GTK 3 アプリケーションでテーマが異なる === |
||
+ | |||
+ | 通常、選択したテーマが GTK 2 と GTK 3 の両方をサポートしている場合、GTK 2 と GTK 3 アプリケーションの両方にテーマが適用されます。選択したテーマが GTK 2 しかサポートしてない場合、GTK 2 アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK 3 アプリケーションにはデフォルトの GTK テーマが使われます。選択したテーマが GTK 3 しかサポートしていない場合、GTK 3 アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK 2 アプリケーションにはデフォルトの GTK テーマが使われます。UI の外観を統一するために GTK 2 と GTK 3 両方をサポートしているテーマを使うと一番良い結果が得られます。 |
||
+ | |||
+ | インストールしたテーマでどれが GTK 2 と GTK 3 両方のバージョンを持っているか調べるには次のコマンドを使って下さい (空白が含まれている名前はひっかかりません): |
||
+ | find $(find ~/.themes /usr/share/themes/ -wholename "*/gtk-3.0" | sed -e "s/^\(.*\)\/gtk-3.0$/\1/") -wholename "*/gtk-2.0" | sed -e "s/.*\/\(.*\)\/gtk-2.0/\1"/ |
||
+ | |||
+ | === root アプリケーションにテーマが適用されない === |
||
+ | |||
+ | ユーザーテーマファイル ({{ic|$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini}}, {{ic|~/.gtkrc-2.0}}) は他のアカウントからは読み込まれないため、選択したテーマは [[Root で X アプリケーションを起動|root で動かしている X アプリケーション]]には適用されません。以下のような解決方法があります: |
||
+ | |||
+ | * シンボリックリンクを作成してください。例: |
||
+ | # ln -s $HOME/.gtkrc-2.0 /etc/gtk-2.0/gtkrc |
||
+ | # ln -s $HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini /etc/gtk-3.0/settings.ini |
||
+ | * システム全体にテーマファイルを設定: {{ic|/etc/gtk-3.0/settings.ini}} (GTK 3) or {{ic|/etc/gtk-2.0/gtkrc}} (GTK 2) |
||
+ | * テーマを root で設定: |
||
+ | # lxappearance |
||
+ | * 設定デーモンを使用 (ほとんどのデスクトップ環境では設定デーモンが使われています)。デスクトップに依存しない [https://specifications.freedesktop.org/xsettings-spec/ XSettings] を使うデーモンは {{aur|xsettingsd-git}} でインストールできます。 |
||
+ | |||
+ | === クライアントサイドデコレーション === |
||
+ | |||
+ | GTK 3.12 から [https://blogs.gnome.org/mclasen/2013/12/05/client-side-decorations-in-themes/ クライアントサイドデコレーション] が導入されており、タイトルバーはウィンドウマネージャから取り去られています。これによって [https://redmine.audacious-media-player.org/boards/1/topics/1135 タイトルバーが二重になる]、タイトルバーが全く表示されない、コンポジットを有効にした場合に [https://github.com/chjj/compton/issues/189 影が二重に表示される] などの問題が発生することがあります。 |
||
+ | |||
+ | (タイル型ウィンドウマネージャを使っている場合などに発生する) ウィンドウの周りの影と枠を消すには、以下のファイルを作成してください: |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/gtk.css|<nowiki>.window-frame, .window-frame:backdrop { |
||
+ | box-shadow: 0 0 0 black; |
||
+ | border-style: none; |
||
+ | margin: 0; |
||
+ | border-radius: 0; |
||
+ | } |
||
+ | |||
+ | .titlebar { |
||
+ | border-radius: 0; |
||
+ | } |
||
+ | |||
+ | .window-frame.csd.popup { |
||
+ | box-shadow: 0 1px 2px rgba(0, 0, 0, 0.2), 0 0 0 1px rgba(0, 0, 0, 0.13); |
||
+ | } |
||
+ | |||
+ | .header-bar { |
||
+ | background-image: none; |
||
+ | background-color: #ededed; |
||
+ | box-shadow: none; |
||
+ | } |
||
+ | /* タイトルが二重になるのが気に食わない場合は、これを使うと良いでしょう。 |
||
+ | GtkLabel.title { |
||
+ | opacity: 0; |
||
+ | }*/ |
||
+ | </nowiki>}} |
||
+ | |||
+ | 視覚的な問題が続く場合、ここ[https://github.com/numixproject/numix-gtk-theme/issues/206#issuecomment-817660426]で説明されているように GTK Inspector を使って問題のある要素を探すと良いでしょう。 |
||
+ | |||
+ | ヘッダーバーのボタンを調整するには、{{ic|gtk-decoration-layout}} の設定を使います [https://developer.gnome.org/gtk3/stable/GtkSettings.html#GtkSettings--gtk-decoration-layout]。以下の例では全てのボタンを削除します: |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/settings.ini|2= |
||
+ | gtk-decoration-layout=menu: |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | クライアント側の装飾も無くすには、装飾をデフォルトで無効化するパッチが含まれている {{AUR|gtk3-classic}} を使うことができます。クライアント側の装飾を有効化するには、{{ic|GTK_CSD}} を[[環境変数]]に任意の値を設定してください。 |
||
+ | |||
+ | === セディーユ ć/Ć ではなく ç/Ç が使われる === |
||
+ | |||
+ | Xcompose を使用した解決方法が [https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/ibus/+bug/518056] や [https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/ibus/+bug/518056/comments/37] に載っています (US 国際レイアウト)。 |
||
+ | |||
+ | === accessibility bus に関する警告を表示させない === |
||
+ | |||
+ | [https://wiki.gnome.org/Accessibility Gnome Accessibility] 機能を使用していない場合、以下のような警告が発生することがあります: |
||
+ | |||
+ | WARNING **: Couldn't connect to accessibility bus: |
||
+ | |||
+ | これらの警告を消すには、{{ic|1=NO_AT_BRIDGE=1}} を設定してプログラムを実行するか、それをグローバルな[[環境変数]]として設定してください。 |
||
+ | |||
+ | === タイトルバーの背景色がおかしい === |
||
+ | |||
+ | GTK テーマの背景色に擬態するウィンドウデコレーションテーマを使用する[[ウィンドウマネージャ]]を使っている場合、GTK 3 アプリケーションでタイトルバーの色がアプリケーションの色と完全に食い違って表示されることがあります。対応策としては、以下のファイルを作成してください: |
||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/gtk.css| |
||
+ | /* 背景色を常に使用する */ |
||
+ | GtkWindow { |
||
+ | background-color: @theme_bg_color; |
||
+ | } |
||
+ | |||
+ | /* ツールチップの背景色のオーバーライドを修正する */ |
||
+ | .tooltip { |
||
+ | background-color: rgba(0, 0, 0, 0.8); |
||
+ | } |
||
+ | |||
+ | .tooltip * { |
||
+ | background-color: transparent; |
||
+ | } |
||
+ | |||
+ | /* Nautilus デスクトップのウィンドウの背景色のオーバーライドを修正する */ |
||
+ | NautilusWindow { |
||
+ | background-color: transparent; |
||
+ | } |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | ===タイル型ウィンドウマネージャでフォーカスイベントがおかしい === |
||
+ | |||
+ | {{Note|1=以下の設定は GTK3 アプリケーションのタッチスクリーンのサポートを無効化します [https://bugzilla.gnome.org/show_bug.cgi?id=677329#c14]。}} |
||
+ | |||
+ | {{ic|1=GDK_CORE_DEVICE_EVENTS=1}} を[[環境変数#変数の定義|定義]]して xinput2 の代わりに GTK2 のスタイル入力を使うようにしてください [https://bugzilla.gnome.org/show_bug.cgi?id=677329#c10]。 |
||
+ | |||
+ | === GTK 2 のファイルダイアログのサムネイル === |
||
+ | |||
+ | {{AUR|gtk2-patched-filechooser-icon-view}} と {{AUR|gtk3-patched-filechooser-icon-view}} をインストールすることで GTK のファイル選択ダイアログで、リストの代わりにサムネイルでファイルを閲覧するオプションが作られます。 |
||
+ | |||
+ | === ボタンとメニューのアイコン === |
||
+ | |||
+ | {{Accuracy|問題を説明してください。GDM が使用されている場合、GNOME は {{ic|settings.ini}} を無視します。}} |
||
+ | GNOME の Wayland セッション内の一部のアプリケーションで発生します。{{AUR|gtk3-patched-filechooser-icon-view}} がファイルが間違って設定されています。これは、他の GTK ベースのデスクトップ環境を試したときに発生する可能性があります。以下が、問題のある値です: |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-3.0/settings.ini|<nowiki>[Settings] |
||
+ | gtk-button-images=1 |
||
+ | gtk-menu-images=1</nowiki>}} |
||
+ | |||
+ | これらの値を 0 に設定するか、ファイルを削除して GNOME のデフォルト設定を使用してください。 |
||
+ | |||
+ | === GTK 3 で polkit を使用しない === |
||
+ | |||
+ | GTK 3 は印刷に必要な colord で polkit に依存しています。ただし印刷自体は polkit をインストールしていなくても可能です。少なくとも、モノクロ印刷と、パッケージバージョン gtk3-print-backends=3.22.19-2 と colord=1.4.1-1 で機能します。 |
||
+ | |||
+ | === 一部の GTK 2 テーマで UI のカラーパレットしか変化しない === |
||
+ | |||
+ | GTK 2 のテーマによっては、UI のコントロールがデフォルトの Raleigh のままで、カラーパレットしか変わらないことがあります。原因はテーマが GTK 2 の Murrine エンジンを必要としているためです (GTK 2 プログラムは標準エラー出力にそのことを吐き出します)。{{Pkg|gtk-engine-murrine}} パッケージをインストールしてください。 |
||
+ | |||
+ | === GTK file chooser にパッチを適用して通常のタイプを先に使用する === |
||
+ | |||
+ | GTK file chooser は、[[GNOME Files]] と同じ先行検索機能を使用します。これは非常に煩わしくなる可能性があり、他のデスクトップ環境とうまく適合しません。 |
||
+ | |||
+ | 一部のアプリケーションは [[XDG デスクトップ ポータル]] をサポートしているため、アプリケーションで Native file chooser を使用できます。それが機能しない場合は、たとえば {{AUR|gtk3-classic}} などのパッチされた GTK を使用して先行入力機能を復元できます。 |
||
+ | |||
+ | === GTK 4 アプリケーションの文字がぼやける、または正しく表示されない === |
||
+ | |||
+ | GTK 4 は、フォントのレンダリング時にヒントを出さずにグレースケールのアンチエイリアシングを行うように変更しました。GTK 3 の挙動の一部を復元する設定が利用できます [https://gitlab.gnome.org/GNOME/gtk/-/issues/3787#note_1260756]。HiDPI スクリーン以外に対しては、([https://gitlab.gnome.org/GNOME/gtk/-/issues/3787#note_1817867 2023年8月現在]) この設定はデフォルトでオンになっています。これにより、ほとんどのユーザーにとっては良い結果が得られるはずです。サブピクセル・アンチエイリアシングは利用できません。 |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.config/gtk-4.0/settings.ini|<nowiki>[Settings] |
||
+ | gtk-hint-font-metrics=1</nowiki>}} |
||
+ | === GTK 4 アプリケーションが遅い === |
||
− | ====JavaScript==== |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|gtk3}}, {{Pkg|gjs}} ({{Pkg|seed}}) |
||
− | {{hc|hello_world.js|<nowiki>#!/usr/bin/gjs |
||
− | Gtk = imports.gi.Gtk |
||
− | Gtk.init(null, null) |
||
− | Hello = new Gtk.MessageDialog({type: Gtk.MessageType.INFO, |
||
− | buttons: Gtk.ButtonsType.OK, |
||
− | text: "Hello world!", |
||
− | "secondary-text": "This is an example dialog."}) |
||
− | Hello.run()</nowiki>}} |
||
+ | GTK は新しい GTK レンダラーである ngl (後のバージョンでは vulkan) に移行しました。これは古い gl レンダラーよりもパフォーマンスが悪いので ([https://gitlab.gnome.org/GNOME/gtk/-/issues/6438 #6438]、[https://gitlab.gnome.org/GNOME/gtk/-/issues/6682 #6682]、[https://gitlab.gnome.org/GNOME/gtk/-/issues/6644 #6644]、[https://gitlab.gnome.org/GNOME/gtk/-/issues/6324 #6324]、その他のイシューもある可能性あり)、GTK 4 アプリケーションが以前よりも重く、多くのリソースを消費してしまう場合があります。 |
||
− | ====Perl==== |
||
− | *依存パッケージ: AUR の {{AUR|perl-gtk3}} |
||
− | {{hc|hello_world.pl|<nowiki>#!/usr/bin/perl |
||
− | use Gtk3 -init; |
||
− | my $hello = Gtk3::MessageDialog->new (undef, 'modal', 'info', 'ok', "Hello world!"); |
||
− | $hello->set ('secondary-text' => 'This is an example dialog.'); |
||
− | $hello->run;</nowiki>}} |
||
+ | 以下の[[環境変数]]を設定することで、レンダラーの設定を元に戻すことができます: |
||
− | ====Python==== |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|gtk3}}, {{Pkg|python-gobject}} |
||
− | {{hc|hello_world.py|<nowiki>#!/usr/bin/python |
||
− | from gi.repository import Gtk |
||
− | Gtk.init(None) |
||
− | Hello=Gtk.MessageDialog(None, Gtk.DialogFlags.MODAL, Gtk.MessageType.INFO, Gtk.ButtonsType.CLOSE, "Hello world!") |
||
− | Hello.format_secondary_text("This is an example dialog.") |
||
− | Hello.run()</nowiki>}} |
||
+ | GSK_RENDERER=gl |
||
− | ====Vala==== |
||
+ | GDK_DEBUG=gl-no-fractional |
||
− | *依存パッケージ: {{Pkg|gtk3}} |
||
− | *ビルドするのに必要なパッケージ: {{Pkg|vala}} |
||
− | *ビルド: {{Ic|valac --pkg gtk+-3.0 hello_world.vala}} |
||
− | {{hc|hello_world.vala|<nowiki>using Gtk; |
||
− | public class HelloWorld { |
||
− | static void main (string[] args) { |
||
− | Gtk.init (ref args); |
||
− | var Hello=new MessageDialog (null, Gtk.DialogFlags.MODAL, Gtk.MessageType.INFO, Gtk.ButtonsType.OK, "Hello world!"); |
||
− | Hello.format_secondary_text ("This is an example dialog."); |
||
− | Hello.run (); |
||
− | } |
||
− | }</nowiki>}} |
||
− | == |
+ | == 参照 == |
− | *依存パッケージ: AUR の {{Pkg|gtk-sharp-3}} |
||
− | *ビルドするのに必要なパッケージ: {{Pkg|mono-basic}} |
||
− | *ビルド: {{ic|vbnc -r:/usr/lib/mono/gtk-sharp-3.0/gio-sharp.dll -r:/usr/lib/mono/gtk-sharp-3.0/glib-sharp.dll -r:/usr/lib/mono/gtk-sharp-3.0/gtk-sharp.dll hello_world.vb}} |
||
− | *実行: {{ic|mono hello_world.exe}} |
||
+ | * [https://www.gtk.org/ GTK 公式ウェブサイト] |
||
− | {{hc|hello_world.vb|<nowiki>Imports Gtk |
||
+ | * [[Wikipedia:ja:GTK (ツールキット)|GTK についての Wikipedia の記事]] |
||
− | Public Class Hello |
||
− | Inherits MessageDialog |
||
− | Public Sub New |
||
− | MyBase.New(Me, DialogFlags.Modal, MessageType.Info, ButtonsType.Close, "Hello world!") |
||
− | Me.SecondaryText = "This is an example dialog." |
||
− | End Sub |
||
− | Public Shared Sub Main |
||
− | Application.Init |
||
− | Dim Dialog As New Hello |
||
− | Dialog.Run |
||
− | End Sub |
||
− | End Class</nowiki>}} |
||
+ | {{TranslationStatus|GTK|2024-06-05|809486}} |
||
− | == 資料 == |
||
− | * [http://www.gtk.org/ 公式 GTK+ ウェブサイト] |
||
− | * [[wikipedia:GTK+|Wikipedia article about GTK+]] |
||
− | * [http://developer.gnome.org/gtk-tutorial/stable/ GTK+ 2.0 チュートリアル] |
||
− | * [http://developer.gnome.org/gtk3/stable/ GTK+ 3 リファレンスマニュアル] |
||
− | * [http://developer.gnome.org/gtkmm-tutorial/stable/ gtkmm チュートリアル] |
||
− | * [http://developer.gnome.org/gtkmm/stable/ gtkmm リファレンスマニュアル] |
2024年6月5日 (水) 17:55時点における最新版
GTK ウェブサイト より:
- GTK もしくは GIMP ツールキットはグラフィカルユーザーインターフェースを作成するためのマルチプラットフォームのツールキットです。ウィジェットの完全なセットを提供することで、GTK はちょっとしたツールから完全なアプリケーションスイートまで幅広いプロジェクトに適しています。
当初 GTK (GIMP Toolkit) は GNU プロジェクトによって GIMP のために作成されました、しかしながら現在ではさまざまな言語のバインディングの存在する人気のあるツールキットになっています。この記事では GTK テーマ・スタイル・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するのに使うツールと手動設定の方法を説明します。
目次
- 1 インストール
- 2 テーマ
- 3 設定ツール
- 4 設定
- 5 GDK バックエンド
- 6 トラブルシューティング
- 6.1 GTK 2 と GTK 3 アプリケーションでテーマが異なる
- 6.2 root アプリケーションにテーマが適用されない
- 6.3 クライアントサイドデコレーション
- 6.4 セディーユ ć/Ć ではなく ç/Ç が使われる
- 6.5 accessibility bus に関する警告を表示させない
- 6.6 タイトルバーの背景色がおかしい
- 6.7 タイル型ウィンドウマネージャでフォーカスイベントがおかしい
- 6.8 GTK 2 のファイルダイアログのサムネイル
- 6.9 ボタンとメニューのアイコン
- 6.10 GTK 3 で polkit を使用しない
- 6.11 一部の GTK 2 テーマで UI のカラーパレットしか変化しない
- 6.12 GTK file chooser にパッチを適用して通常のタイプを先に使用する
- 6.13 GTK 4 アプリケーションの文字がぼやける、または正しく表示されない
- 6.14 GTK 4 アプリケーションが遅い
- 7 参照
インストール
複数の GTK バージョンが現在利用可能です。以下のパッケージによってそれらはインストールできます:
- GTK 4.x は gtk4 パッケージでインストールできます。
- GTK 3.x は gtk3 パッケージでインストールできます。
- GTK 2.x は gtk2 パッケージでインストールできます。
- GTK 1.x は gtkAUR パッケージでインストールできます。
テーマ
GTK 3 と GTK4
GTK 3 と GTK 4 では、デフォルトテーマは Adwaita ですが、HighContrast テーマと HighContrastInverse テーマも含まれています。
特定のテーマを適用するには、dconf エディタから org.gnome.desktop.interface
名前空間内の gtk-theme
プロパティを設定してください:
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme Adwaita
dconf プロパティを使用しない場合は、GTK_THEME
環境変数を使って GTK 3 と GTK 4 のテーマを適用することができます。例えば、GNOME Calculator を Adwaita のダークバージョンを使って起動するには:
$ GTK_THEME=Adwaita:dark gnome-calculator
GTK 2
GTK 2 のデフォルトのテーマは Raleigh ですが、Arch Linux には、デフォルトのテーマを Adwaita に設定するカスタムの設定ファイルが /usr/share/gtk-2.0/gtkrc
に存在しています。
GTK 2 のテーマを変更するには、GTK2_RC_FILES
環境変数を使用してください。例えば、Raleigh テーマで GIMP を起動するには:
$ GTK2_RC_FILES=/usr/share/themes/Raleigh/gtk-2.0/gtkrc gimp
公式リポジトリや AUR から他のテーマをインストールすることができます。手動で展開されたテーマは ~/.themes/
や ~/.local/share/themes/
ディレクトリに配置します。
GTK 2 と GTK 3 をサポートしているテーマ
- Adapta — マテリアルデザインガイドラインに基づいている GTK テーマ。次のテーマが含まれています: Adapta, Adapta-Eta, Adapta-Nokto, Adapta-Nokto-Eta
- Arc — モダンで透過するエレメントを備えたフラットテーマ。次のテーマが含まれています: Arc, Arc-Dark, Arc-Darker
- https://github.com/jnsh/arc-theme || 透過あり: arc-gtk-theme, 透過なし: arc-solid-gtk-theme
- Bluebird — Xfce 用の Blue Desktop Suite。
- Breeze — KDE のデフォルトウィジェットテーマの GTK バージョン。次のテーマが含まれています: Breeze, Breeze-Dark
- Deepin — Deepin デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: deepin, deepin-dark
- GNOME Extra Themes — GNOME デスクトップの追加テーマ。次のテーマが含まれています: Adwaita, Adwaita-dark, HighContrast
- Greybird — グレーとブルーの Xfce テーマ。Xubuntu 12.04 のデフォルト。
- Materia — GTK3, GTK2, GNOME-Shell に対応しているマテリアルデザインライクなフラットテーマ。
- MATE Themes — MATE デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: BlackMATE, Blue-Submarine, BlueMenta, ContrastHighInverse, Green-Submarine, GreenLaguna, Menta, TraditionalGreen, TraditionalOk
- Numix — 近代的な外観をしているフラットで明るいテーマ (GNOME, Openbox, Unity, Xfce)。次のテーマが含まれています: Numix
- Vertex — GTK 3, GTK 2, Gnome-Shell, Cinnamon のためのテーマ。
- Zuki — GTK, gnome-shell などのためのテーマ。
AUR にもいくつか GTK テーマが存在します。例えば、gtk-theme で検索。
GTK と Qt
デスクトップで GTK と Qt (KDE) アプリケーションを使っているならば、それらの見た目が上手く調和しないことに気づくでしょう。GTK スタイルと Qt スタイルを調和させたい場合は Qt と GTK アプリケーションの外観の統合を読んで下さい。
設定ツール
主流のデスクトップ環境の多くは GTK テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを設定するためのツールを提供しており、XSettings で設定を管理しています:
- Cinnamon を使っている場合、Themes ツールを使って下さい (cinnamon-settings themes): System Settings > Themes を開いて下さい。
- Enlightenment を使っている場合: Settings > All > Look > Application Theme を開いて下さい。
- GNOME を使っている場合、GNOME Tweaks (gnome-tweaks): gnome-tweaks をインストールして下さい。
- MATE を使っている場合、Appearance Preferences ツールを使って下さい (mate-appearance-properties): System > Settings > Appearance を開いて下さい。
- Xfce を使っている場合、Appearance ツールを使って下さい: Settings > Appearance を開いて下さい。
通常、他の GUI ツールは設定ファイルを上書きします。
GTK 2 と GTK 3 の両方をサポートしているツール:
- KDE GTK Configurator — GTK 2 と GTK 3 アプリケーションのスタイルやフォントを変更することができるアプリケーション。
- https://invent.kde.org/plasma/kde-gtk-config || kde-gtk-config
- インストール後、
kde-gtk-config
は System Settings > Appearance > Application Style > Configure GNOME/GTK Application Style から使用できます。
- LXAppearance — LXDE プロジェクトによる、デスクトップに依存しない GTK 2 と GTK 3 のスタイル設定ツール (LXDE デスクトップの他のパーツを必要としません)。
- Oo-mox — Numix と Flat-Plat テーマ (GTK 2, GTK 3) や Archdroid と Gnome-Colors アイコンテーマの様々なカラーバリエーションを生成するためのグラフィカルアプリケーション。HiDPI ディスプレイ用にスケールした GTK 2 テーマも生成できます。
GTK 2 だけをサポートしているツール:
- GTK Change Theme — GTK 2.0 のテーマを変更するためのプログラム (switch2 より優れた代替ツールと見なされています)。
- GTK Preference Tool — GTK テーマの選択とフォントの切り替えプログラム。
- GTK Theme Switch — シンプルな GTK テーマスイッチャ。
設定
設定ファイルで GTK の設定を手動で指定することもできます。ただしデスクトップ環境やアプリケーションは手動設定を上書きしてしまうことがあります。GTK のバージョンによって、設定ファイルの場所は異なっています:
- GTK 2 ユーザー個別:
$GTK2_RC_FILES
、~/.gtkrc-2.0
- GTK 2 システム全体:
/etc/gtk-2.0/gtkrc
- GTK 3 ユーザー個別:
$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
、$XDG_CONFIG_HOME
が設定されていない場合は$HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini
- GTK 3 システム全体:
/etc/gtk-3.0/settings.ini
テーマの基本設定
GTK テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを手動で変更するには、例えば以下のように設定ファイルに追加します:
- GTK 2:
~/.gtkrc-2.0
gtk-icon-theme-name = "Adwaita" gtk-theme-name = "Adwaita" gtk-font-name = "DejaVu Sans 11"
- GTK 3:
$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-icon-theme-name = Adwaita gtk-theme-name = Adwaita gtk-font-name = DejaVu Sans 11
テーマが GTK 3 に対して適用されない場合、加えて gsettings
を使用してください:
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme theme_name
同じように、アイコンテーマが GTK3 に適用されない場合は、gsettings
を使って:
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface icon-theme icon_theme_name
アイコンを手動でダウンロード・インストールする方法については、アイコン を見てください。
ダークテーマ
GTK 3 テーマの中には派生のダークテーマが存在することがありますが、アプリケーションによって明示的に使うように設定されない限り、デフォルトで使われることはありません。全ての GTK 3 アプリケーションでダークテーマを使うには、以下を設定:
gtk-application-prefer-dark-theme = true
GTK 4 に対しては、以下を使用してください:
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface color-scheme prefer-dark
キーボードショートカット
マウスをメニューアイテムの上に乗せて設定したいキーの組み合わせを押すことで GTK アプリケーションのキーボードショートカット (GTK では accelerators とも呼ばれます) を変更することができます。この機能を有効にするには、次を設定してください:
gtk-can-change-accels = 1
Emacs キーバインド
GTK アプリで Emacs ライクなキーバインドを使うには以下を追加します:
~/.gtkrc-2.0
gtk-key-theme-name = "Emacs"
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-key-theme-name = Emacs
GTK 3 に対しては、以下も実行してください:
$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-key-theme "Emacs"
XFCE にも同じような設定が存在します:
$ xfconf-query -c xsettings -p /Gtk/KeyThemeName -s Emacs
キーバインドを宣言する
/usr/share/themes/Emacs/
などにある設定ファイルは、Emacs バインドを指定したり、変更したりできます。
/usr/share/themes/Emacs/gtk-2.0-key/gtkrc
binding "gtk-emacs-text-entry" { bind "<ctrl>b" { "move-cursor" (logical-positions, -1, 0) } ... }
/usr/share/themes/Emacs/gtk-3.0/gtk-keys.css
@binding-set gtk-emacs-text-entry { bind "<ctrl>b" { "move-cursor" (logical-positions, -1, 0) }; ... }
セクションを GTK 2 と 2 に対してそれぞれ ~/.gtkrc-2.0
と ~/.themes/your-new-key-theme/gtk-3.0/gtk-keys.css
にコピーすることで、ユーザー毎に設定を変更できます。
GNOME メニューの遅延
この設定は GNOME でマウスをメニューに置いた時にメニューが開くまでの待ち時間を決めます。数値はミリ秒単位です。
gtk-menu-popup-delay = 0
ウィジェットのサイズを小さくする
小さな画面を使っていて大きなアイコンやウィジェットを表示したくない場合、簡単にサイズを変えることができます。
ツールバーのアイコンに文章を表示しないようにするには (有効値)、次を使って下さい:
gtk-toolbar-style = GTK_TOOLBAR_ICONS
小さいアイコンを使うには、次のような行を使って下さい:
gtk-icon-sizes = "panel-menu=16,16:panel=16,16:gtk-menu=16,16:gtk-large-toolbar=16,16\ :gtk-small-toolbar=16,16:gtk-button=16,16"
ボタンからアイコンを完全に削除するには:
gtk-button-images = 0
メニューからアイコンを削除することもできます:
gtk-menu-images = 0
CSD ボタンを隠す
Client-Side Decorations (CSD)[3] の最小化・最大化ボタン を gtk3 ウィンドウから削除するには:
gtk-decoration-layout=menu:close
GTK docs を参照。
マウスの貼り付け機能を無効化
マスクの中ボタンをクリックした際のクリップボード (PRIMARY セレクション) からの貼り付けを無効化するには:
gtk-enable-primary-paste=false
ファイル選択ダイアログのデフォルトフォルダ
最近使われたフォルダではなく現在の作業ディレクトリでファイル選択ダイアログを開くようにします。通常、現在の作業ディレクトリはホームディレクトリです。
GTK 3
イカのコマンドで設定を変更してください:
$ gsettings set org.gtk.Settings.FileChooser startup-mode cwd
GTK 2
以下を ~/.config/gtk-2.0/gtkfilechooser.ini
に追加してください:
StartupMode=cwd
スクロールの旧式の挙動
GTK 3.6 以前では、スクロールバーのスライダーの両側をクリックすると、クリックした方向にスクロールバーが丁度一ページ分だけ移動するようになっていました。GTK 3.6 から、スライダーはクリックした位置に直接移動するようになっています。以下の内容のファイルを作成することで、アプリケーションによっては前の挙動に戻すことが可能です:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-primary-button-warps-slider = false
オーバーレイスクロールバーを無効化
GTK 3.15 から、オーバーレイスクロールバーがデフォルトで有効になっており、GTK 3 アプリケーションではマウスを乗せたときだけしかスクロールバーが表示されないようになっています。次の環境変数を設定することで元のスクロールバーに戻せます: GTK_OVERLAY_SCROLLING=0
。環境変数#グラフィック環境 を参照。
あるいは、GTK 3.24.9 からは GTK 3 の設定でオーバーレイスクロールバーを無効化できます。設定ファイルの [Settings] セクションで gtk-overlay-scrolling の値を false に設定してください:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-overlay-scrolling = false
GTK 4 は、もはや GTK_OVERLAY_SCROLLING
をサポートしていません。master から削除されました。GTK 4 では、スクロールバーのオーバーレイはツールキットの一部です。blanket toggle は、両方の組み合わせでテストしていないアプリケーションが壊れてしまうのを防ぐために削除されました。アプリケーション開発者がアプリの見た目を決定できるように、ツールキットは、オプトアウトあるいは設定を削除するメカニズムをユーザに提供しています。gtk_scrolled_window_set_overlay_scrolling() 関数を使って、アプリケーションごとにオーバーレイスクロールを有効化/無効化できます。アプリケーション開発者は、任意で GSettings を使ってユーザの設定をプロパティにバインドできます。
オーバーレイスクロールのインジケータを削除
オーバーレイスクロールバーの位置はアプリケーションウィンドウの細い破線で示されます。たとえ上述の環境変数を使ってオーバーレイスクールを無効化しても破線は消えません。インジケータの線を消すには、以下のファイルを作成してください:
~/.config/gtk-3.0/gtk.css
/* Remove dotted lines from GTK 3 applications */ undershoot.top, undershoot.right, undershoot.bottom, undershoot.left { background-image: none; }
例
GTK の設定例:
~/.gtkrc-2.0
gtk-theme-name="Arc-Dark" gtk-icon-theme-name="breeze-dark" gtk-font-name="Sans 11" gtk-cursor-theme-name="Breeze_Amber" gtk-cursor-theme-size=0 gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR gtk-button-images=0 gtk-menu-images=0 gtk-enable-event-sounds=0 gtk-enable-input-feedback-sounds=0 gtk-xft-antialias=1 gtk-xft-hinting=1 gtk-xft-hintstyle="hintslight" gtk-xft-rgba="rgb"
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-theme-name=Arc-Dark gtk-icon-theme-name=breeze-dark gtk-font-name=Sans 11 gtk-cursor-theme-name=Breeze_Amber gtk-cursor-theme-size=0 gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR gtk-button-images=0 gtk-menu-images=0 gtk-enable-event-sounds=0 gtk-enable-input-feedback-sounds=0 gtk-xft-antialias=1 gtk-xft-hinting=1 gtk-xft-hintstyle=hintslight gtk-xft-rgba=rgb # gtk-decoration-layout=menu:close # gtk-application-prefer-dark-theme=1
GDK バックエンド
GDK (GTK の抽象レイヤー) は GTK アプリケーションを表示するための複数のバックエンドをサポートしています。
Wayland バックエンド
GDK Wayland バックエンドは gtk3 及びそれ以降でのみサポートされており、Wayland ディスプレイサーバを使用する際のデフォルトバックエンドとなっています。
gtk3 より前のバージョンの GTK を使っているアプリケーションは Wayland をサポートしておらず、X11 バックエンドを使って Wayland セッションで実行するために Xwayland を使う必要があります。
Wayland バックエンドを使用する際、一部の変数は settings.ini
から source されません。
GSettings スキーマ org.gnome.desktop.interface
内に存在しているキーが、settings.ini
の代わりにそこから読み込まれます。
そのような変数の例は gtk-color-scheme
と icon-theme
です。Wayland 下で GTK アプリケーションにテーマを適用させるために、これらはキーを GSettings で設定しなければなりません。あるいは、テーマだけをカスタマイズすればよいのであれば、環境変数 GTK_THEME
を使用できます。
これに関する詳細は、sway wiki の関連する記事を参照してください。
Xorg バックエンド
Xorg ディスプレイサーバが使用されている場合、バックエンドのデフォルトは自動的に x11 になります。
環境変数 GDK_BACKEND=x11
を設定することで、Wayland セッション上で動作する GTK 3 アプリケーションに Xwayland を通して X11 バックエンドを使用するように強制することが可能です。
Broadway バックエンド
GDK Broadway バックエンドは HTML5 とウェブソケットを使って、ウェブブラウザに GTK アプリケーションを表示することをサポートしています。 [4]
broadwayd を使うときには、X と同じようにコロンを前に付けて、使用するディスプレイ番号を指定してください。デフォルトのディスプレイ番号は 0 です。
$ display_number=:5
次のコマンドで起動します。
$ broadwayd $display_number
デフォルトで使われるポートは:
port = 8080 + $display_number
ブラウザで http://127.0.0.1:port を開いてください。
アプリを起動するには:
$ GDK_BACKEND=broadway BROADWAY_DISPLAY=$display_number <<application>>
また、アドレスやポートを設定することも可能です:
$ broadwayd --port $port_number --address $address $display_number
トラブルシューティング
GTK 2 と GTK 3 アプリケーションでテーマが異なる
通常、選択したテーマが GTK 2 と GTK 3 の両方をサポートしている場合、GTK 2 と GTK 3 アプリケーションの両方にテーマが適用されます。選択したテーマが GTK 2 しかサポートしてない場合、GTK 2 アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK 3 アプリケーションにはデフォルトの GTK テーマが使われます。選択したテーマが GTK 3 しかサポートしていない場合、GTK 3 アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK 2 アプリケーションにはデフォルトの GTK テーマが使われます。UI の外観を統一するために GTK 2 と GTK 3 両方をサポートしているテーマを使うと一番良い結果が得られます。
インストールしたテーマでどれが GTK 2 と GTK 3 両方のバージョンを持っているか調べるには次のコマンドを使って下さい (空白が含まれている名前はひっかかりません):
find $(find ~/.themes /usr/share/themes/ -wholename "*/gtk-3.0" | sed -e "s/^\(.*\)\/gtk-3.0$/\1/") -wholename "*/gtk-2.0" | sed -e "s/.*\/\(.*\)\/gtk-2.0/\1"/
root アプリケーションにテーマが適用されない
ユーザーテーマファイル ($XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
, ~/.gtkrc-2.0
) は他のアカウントからは読み込まれないため、選択したテーマは root で動かしている X アプリケーションには適用されません。以下のような解決方法があります:
- シンボリックリンクを作成してください。例:
# ln -s $HOME/.gtkrc-2.0 /etc/gtk-2.0/gtkrc # ln -s $HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini /etc/gtk-3.0/settings.ini
- システム全体にテーマファイルを設定:
/etc/gtk-3.0/settings.ini
(GTK 3) or/etc/gtk-2.0/gtkrc
(GTK 2) - テーマを root で設定:
# lxappearance
- 設定デーモンを使用 (ほとんどのデスクトップ環境では設定デーモンが使われています)。デスクトップに依存しない XSettings を使うデーモンは xsettingsd-gitAUR でインストールできます。
クライアントサイドデコレーション
GTK 3.12 から クライアントサイドデコレーション が導入されており、タイトルバーはウィンドウマネージャから取り去られています。これによって タイトルバーが二重になる、タイトルバーが全く表示されない、コンポジットを有効にした場合に 影が二重に表示される などの問題が発生することがあります。
(タイル型ウィンドウマネージャを使っている場合などに発生する) ウィンドウの周りの影と枠を消すには、以下のファイルを作成してください:
~/.config/gtk-3.0/gtk.css
.window-frame, .window-frame:backdrop { box-shadow: 0 0 0 black; border-style: none; margin: 0; border-radius: 0; } .titlebar { border-radius: 0; } .window-frame.csd.popup { box-shadow: 0 1px 2px rgba(0, 0, 0, 0.2), 0 0 0 1px rgba(0, 0, 0, 0.13); } .header-bar { background-image: none; background-color: #ededed; box-shadow: none; } /* タイトルが二重になるのが気に食わない場合は、これを使うと良いでしょう。 GtkLabel.title { opacity: 0; }*/
視覚的な問題が続く場合、ここ[5]で説明されているように GTK Inspector を使って問題のある要素を探すと良いでしょう。
ヘッダーバーのボタンを調整するには、gtk-decoration-layout
の設定を使います [6]。以下の例では全てのボタンを削除します:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
gtk-decoration-layout=menu:
クライアント側の装飾も無くすには、装飾をデフォルトで無効化するパッチが含まれている gtk3-classicAUR を使うことができます。クライアント側の装飾を有効化するには、GTK_CSD
を環境変数に任意の値を設定してください。
セディーユ ć/Ć ではなく ç/Ç が使われる
Xcompose を使用した解決方法が [7] や [8] に載っています (US 国際レイアウト)。
accessibility bus に関する警告を表示させない
Gnome Accessibility 機能を使用していない場合、以下のような警告が発生することがあります:
WARNING **: Couldn't connect to accessibility bus:
これらの警告を消すには、NO_AT_BRIDGE=1
を設定してプログラムを実行するか、それをグローバルな環境変数として設定してください。
タイトルバーの背景色がおかしい
GTK テーマの背景色に擬態するウィンドウデコレーションテーマを使用するウィンドウマネージャを使っている場合、GTK 3 アプリケーションでタイトルバーの色がアプリケーションの色と完全に食い違って表示されることがあります。対応策としては、以下のファイルを作成してください:
~/.config/gtk-3.0/gtk.css
/* 背景色を常に使用する */ GtkWindow { background-color: @theme_bg_color; } /* ツールチップの背景色のオーバーライドを修正する */ .tooltip { background-color: rgba(0, 0, 0, 0.8); } .tooltip * { background-color: transparent; } /* Nautilus デスクトップのウィンドウの背景色のオーバーライドを修正する */ NautilusWindow { background-color: transparent; }
タイル型ウィンドウマネージャでフォーカスイベントがおかしい
GDK_CORE_DEVICE_EVENTS=1
を定義して xinput2 の代わりに GTK2 のスタイル入力を使うようにしてください [10]。
GTK 2 のファイルダイアログのサムネイル
gtk2-patched-filechooser-icon-viewAUR と gtk3-patched-filechooser-icon-viewAUR をインストールすることで GTK のファイル選択ダイアログで、リストの代わりにサムネイルでファイルを閲覧するオプションが作られます。
ボタンとメニューのアイコン
GNOME の Wayland セッション内の一部のアプリケーションで発生します。gtk3-patched-filechooser-icon-viewAUR がファイルが間違って設定されています。これは、他の GTK ベースのデスクトップ環境を試したときに発生する可能性があります。以下が、問題のある値です:
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings] gtk-button-images=1 gtk-menu-images=1
これらの値を 0 に設定するか、ファイルを削除して GNOME のデフォルト設定を使用してください。
GTK 3 で polkit を使用しない
GTK 3 は印刷に必要な colord で polkit に依存しています。ただし印刷自体は polkit をインストールしていなくても可能です。少なくとも、モノクロ印刷と、パッケージバージョン gtk3-print-backends=3.22.19-2 と colord=1.4.1-1 で機能します。
一部の GTK 2 テーマで UI のカラーパレットしか変化しない
GTK 2 のテーマによっては、UI のコントロールがデフォルトの Raleigh のままで、カラーパレットしか変わらないことがあります。原因はテーマが GTK 2 の Murrine エンジンを必要としているためです (GTK 2 プログラムは標準エラー出力にそのことを吐き出します)。gtk-engine-murrine パッケージをインストールしてください。
GTK file chooser にパッチを適用して通常のタイプを先に使用する
GTK file chooser は、GNOME Files と同じ先行検索機能を使用します。これは非常に煩わしくなる可能性があり、他のデスクトップ環境とうまく適合しません。
一部のアプリケーションは XDG デスクトップ ポータル をサポートしているため、アプリケーションで Native file chooser を使用できます。それが機能しない場合は、たとえば gtk3-classicAUR などのパッチされた GTK を使用して先行入力機能を復元できます。
GTK 4 アプリケーションの文字がぼやける、または正しく表示されない
GTK 4 は、フォントのレンダリング時にヒントを出さずにグレースケールのアンチエイリアシングを行うように変更しました。GTK 3 の挙動の一部を復元する設定が利用できます [11]。HiDPI スクリーン以外に対しては、(2023年8月現在) この設定はデフォルトでオンになっています。これにより、ほとんどのユーザーにとっては良い結果が得られるはずです。サブピクセル・アンチエイリアシングは利用できません。
~/.config/gtk-4.0/settings.ini
[Settings] gtk-hint-font-metrics=1
GTK 4 アプリケーションが遅い
GTK は新しい GTK レンダラーである ngl (後のバージョンでは vulkan) に移行しました。これは古い gl レンダラーよりもパフォーマンスが悪いので (#6438、#6682、#6644、#6324、その他のイシューもある可能性あり)、GTK 4 アプリケーションが以前よりも重く、多くのリソースを消費してしまう場合があります。
以下の環境変数を設定することで、レンダラーの設定を元に戻すことができます:
GSK_RENDERER=gl GDK_DEBUG=gl-no-fractional