KDE
関連記事
KDE は Plasma (または Plasma Workspaces) という名前のデスクトップ環境と、ライブラリ・フレームワーク (KDE Frameworks)、そしてアプリケーション (KDE Applications) からなるソフトウェアプロジェクトです。KDE にはよくメンテされている UserBase wiki があります。ほとんどの KDE アプリケーションはここで詳細情報を見ることができます。
目次
- 1 インストール
- 2 Plasma の起動
- 3 設定
- 4 アプリケーション
- 5 ヒントとテクニック
- 6 トラブルシューティング
- 7 参照
インストール
Plasma デスクトップ
Xorg をインストールしていない場合は、KDE をインストールする前に Xorg をインストールしてください。
plasma-meta メタパッケージか plasma グループをインストールしてください。plasma-meta と plasma の違いについてはパッケージの作成#メタパッケージとグループを参照してください。また、Plasma を動かすための必要最小限のパッケージだけインストールしたい場合は、plasma-desktop パッケージをインストールしてください。
KDE アプリケーションと言語パック
KDE Applications のフルセットをインストールしたいときは、kde-applications グループか kde-applications-meta メタパッケージをインストールしてモジュールをインストールしてください。このパッケージではアプリケーションだけがインストールされ、Plasma デスクトップは付属していないので注意してください。
言語ファイルが必要な場合は、kde-l10n-yourlanguagehere
(例えば日本語は kde-l10n-ja) をインストールしてください。利用できる言語のリストは このリンク を見て下さい。
不安定版
公式リポジトリ#[kde-unstable] を見てください。
Plasma の起動
Plasma はディスプレイマネージャを使ってグラフィカルに起動するか、あるいはコンソールから手動で起動できます。
グラフィカル
Plasma 5 セッションを起動するには、ディスプレイマネージャのメニューで Plasma を選択してください。
Plasma 5.12 現在、Plasma on Wayland には一部の機能が欠けていたり問題が発生することがあります。Plasma 5.12 Errata も参照してください。ディスプレイマネージャから Plasma on Wayland セッションを起動するには plasma-wayland-session パッケージをインストールしてください。ディスプレイマネージャに Plasma が表示されるようになります。
手動
xinit/startx で Plasma を起動するには .xinitrc
ファイルに exec startkde
を追加してください。ログイン時に Xorg を起動したい場合、ログイン時に X を起動を見てください。コンソールから Plasma on Wayland セッションを起動するには、startplasmacompositor
を実行してください。Plasma on Wayland を起動するには qt5-wayland が必要になるので注意してください。
設定
ほとんどの KDE アプリケーションの設定は ~/.config
フォルダの中に保存されます。場合によっては ~/.kde4
が使われます。ただし、KDE の設定は基本的にシステム設定から行うことになっています。システム設定はターミナルから systemsettings5 を実行することで起動できます。
Frameworks 5 アプリケーションは KDElibs 4 の設定を使うことができますが、設定ファイルは別の場所に配置されます。Frameworks 5 アプリケーションを KDE 4 で同一の設定を使って動作させるには新しい設定ファイルの場所から古い設定ファイルの場所にシンボリックリンクを張る必要があります。例えば:
- Konsole のプロファイルは
~/.kde4/share/apps/konsole
から~/.local/share/konsole/
に。 - アプリケーションの外観は
~/.kde4/share/config/kdeglobals
から~/.config/kdeglobals
に。
個人設定
あなたのスタイルに合わせて KDE デスクトップを設定する方法; Plasma テーマ、ウィンドウ装飾、アイコンテーマの使用。
Plasma デスクトップ
テーマ
Plasma テーマ はパネルと plasmoid の見た目を決めます。システム全体にテーマをインストールしたいときは、公式リポジトリや AUR にテーマがあります。
テーマをインストールする一番簡単な方法はデスクトップ設定コントロールパネルを使うことです:
Workspace Theme > Desktop Theme > Get new Themes
store.kde.org の素晴らしいフロントエンドが表示されるので、文字通りワンクリックでサードパーティ製の plasmoid スクリプトをインストール・アンインストール・アップデートすることが可能です。
起動画面やロック画面はインストールすることができないので、カスタマイズしたいときは /usr/share/plasma/look-and-feel/
にあるオリジナルのテーマを修正する必要があります。Kubuntu フォーラムの このスレッド を参照してください。
SDDM のログイン画面はテーマには含まれません。
Qt と GTK+ アプリケーションの外観
- Qt4
Qt4 アプリケーションで見た目を統一したい場合は、breeze-kde4 をインストールして qtconfig-qt4
で GUI スタイルとして Breeze を選択する必要があります。もしくは breeze-gtk をインストールして GUI スタイルとして GTK+ を選択してください。
- GTK+
GTK+ アプリケーションでの推奨テーマは breeze-gtk です。Plasma 5 Breeze の外観を模倣するように作られている GTK+ テーマ gnome-breeze-gitAUR もあります。kde-gtk-config をインストールして、System Settings > Application Style > GNOME Application Style から、先にインストールしたテーマを GTK2/GTK3 のテーマとして選択してください。
テーマによっては、GTK+ アプリケーションのツールチップが白地に白字となってしまい、読めなくなることがあります。GTK2 アプリケーションの色を変更するには、.gtkrc-2.0
ファイルを開いてツールチップに関するセクションを探して変更を加えてください。GTK3 アプリケーションの場合、2つのファイルを変更する必要があります。gtk.css
と settings.ini
です。
ウィジェット
Plasmoid はデスクトップの機能性を向上させるための、小さなスクリプト (plasmoid スクリプト) やコード (plasmoid バイナリ) で作られた KDE アプリです。
plasmoid スクリプトをインストールする一番簡単な方法はパネルやデスクトップで右クリックして:
ウィジェットを追加 -> 新しいウィジェットを取得 -> ウィジェットをダウンロード
store.kde.org のフロントエンドが開かれ、ワンクリックで第三者が作成した plasmoid スクリプトをインストール・アップデート・アンインストールできます。
ほとんどの plasmoid は KDE の開発者によって公式に作られているものではありません。macOS や Microsoft Windows Vista/7 のウィジェット、Google ガジェット、SuperKaramba ウィジェットのインストールをすることもできます。
Plasmoid バイナリは AUR から PKGBUILD を使ってインストールすることもできます。
システムトレイのサウンドアプレット
plasma-pa か kmix をインストールしてください (アプリケーションランチャーから Kmix を起動)。
パネルの影を無効化
Plasma パネルは他のウィンドウよりも上に表示され、パネルの影が下のウィンドウに描画されます [1]。この挙動を (他の影には影響を与えずに) 無効化したい場合、xorg-xprop をインストールして次を実行してください:
$ xprop -remove _KDE_NET_WM_SHADOW
そして+カーネルでパネルを選択してください [2]。自動的に影を無効化したい場合、xorg-xwininfo をインストールして以下のスクリプトを作成してください:
/usr/local/bin/kde-no-shadow
#!/bin/bash for WID in $(xwininfo -root -tree | sed '/"Plasma": ("plasmashell" "plasmashell")/!d; s/^ *\([^ ]*\) .*/\1/g'); do xprop -id $WID -remove _KDE_NET_WM_SHADOW done
スクリプトに実行権限を設定:
# chmod 755 /usr/local/bin/kde-no-shadow
Autostart の Add Script でスクリプトをログイン時に実行させることができます:
$ kcmshell5 autostart
ウィンドウ装飾
ウィンドウ装飾 を変更するには
システム設定 -> ワークスペースの外観 -> ウィンドウの飾り
ワンクリックで直接、他のテーマをダウンロード・インストールすることもできます。AUR から利用できるテーマもあります。
アイコンテーマ
アイコンテーマを設定したい場合、System Settings > Icons からインストール・変更できます。
フォント
KDE のフォント表示が汚い
ttf-dejavu と ttf-liberation パッケージのインストールを試して下さい。
インストール後、一度ログアウトしてください。KDE システム設定の "フォント" パネルから設定を変更する必要はありません。qt5ct を使っている場合、Qt5 の設定ツールの設定によってシステム設定のフォント設定が上書きされる可能性があります。
直接フォントレンダリングの設定をしたとき、システム設定の外観が変わることに気づいて下さい。システム設定 > フォント を開いてしまうと、システム設定はあなたのフォント設定ファイル (fonts.conf
) を作り替えてしまいます。
これを止める方法はありませんが、値を fonts.conf
ファイルと同じにすれば期待したフォントレンダリングができます(アプリケーションを一度終了する必要があります、場合によってはデスクトップを再起動する必要があります)。Gnome のフォント設定も同じことをするので(両方のデスクトップ環境を使っている場合は)注意してください。
フォントが大きすぎる・アンバランス
システム設定 > フォントからフォントの DPI を 96
にしてみて下さい。
これでフォントが治らないときは Xorg の設定から直接 DPI をセットしてください。Xorg#手動で DPI を設定するを参照。
スペースの節約
小さな画面 (例: ネットブック) を使っているユーザーのための Plasma Netbook シェルは Plasma 5 ではなくなりました。KDE フォーラムの投稿 を見て下さい。
ただし、~/.config/kwinrc
ファイルを編集して [Windows]
セクションに BorderlessMaximizedWindows=true
を追加することでスペースを効率的に使うようにすることができます。
サムネイルの生成
デスクトップや Dolphin でメディアやドキュメントファイルのサムネイルを生成するには kdegraphics-thumbnailers, ffmpegthumbs, kde-thumbnailer-odfAUR をインストールしてください。
そしてデスクトップを右クリックして desktop background > Configure Desktop > Icons > More Preview Options... からサムネイルのカテゴリを有効にしてください。
Dolphin では Control > General > Previews を開いてください。
印刷
システム設定 -> プリンタ設定 からプリンターの設定をすることができます。この方法を使うには、最初に print-manager と cups パッケージをインストールしてください。
まず avahi-daemon.service
と org.cups.cupsd.service
デーモンを起動する必要があります、そうしないと次のエラーが表示されます:
The service 'Printer Configuration' does not provide an interface 'KCModule' with keyword 'system-config- printer-kde/system-config-printer-kde.py' The factory does not support creating components of the specified type.
次のエラーが表示される場合は、ユーザーにプリンターを管理する権限を与えて下さい:
There was an error during CUPS operation: 'cups-authorization-canceled'
CUPS では、/etc/cups/cups-files.conf
で設定を行います。
/etc/group
に lpadmin
を追加して /etc/cups/cups-files.conf
の SystemGroup
ディレクティブに記述することで lpadmin
グループの全てのユーザーがプリンターを設定できるようになります。SystemGroup
ディレクティブに lp
グループを追加してはいけません、印刷が失敗するようになります。
# groupadd -g107 lpadmin
/etc/cups/cups-files.conf
# Administrator user group... SystemGroup sys root lpadmin
Samba/Windows サポート
Windows サービスにアクセスしたいときは Samba (samba パッケージ) をインストールしてください。
Dolphin の共有機能は kdenetwork-filesharing パッケージを必要とし、ユーザー定義共有が有効になっている必要がありますが、標準の smb.conf
では有効になっていません。Samba の記事に書かれている指示に従って追加してください。設定後、Samba を再起動すれば Dolphin の共有は自動的に動作するはずです。
ただし Plasma による SMB 共有へのアクセスは制限があります。Windows の共有に書き込みを行うと問題が発生し、巨大な動画などのファイルを開こうとすると Plasma はファイルをローカル環境にコピーしようとします。
問題を回避したい場合は、thunar などの GTK ベースのファイルマネージャをインストールして gvfs と gvfs-smb (ログイン情報を保存したい場合は gnome-keyring も) を使って SMB 共有にアクセスしてください。
また、cifs-utils で Samba 共有をマウントして Plasma から SMB 共有を通常のローカルフォルダと同じように使えるようにするという方法もあります。
以下の mount コマンドで共有に書き込みアクセスできるようになります:
# mount -t cifs -o username=*,password=*,uid=1000,gid=1000,file_mode=0660,dir_mode=0770 //networkhost/share/ /home/user/localmountpoint/
上記を永続化するには:
/etc/fstab
//networkhost/share/ /home/user/localmountpoint/ cifs defaults,username=*,password=*,uid=1000,gid=1000,file_mode=0660,dir_mode=0770 0 2
ホストネームには .local
を追加する必要があるかもしれません。NAS デバイスの場合、SMB 1.0 と互換性を持たせるために vers=1.0
を追加しなければならない場合があります。
同じように System Settings > Network Drivers から簡単にマウントできるようにする samba-mounter-gitAUR を使用することもできます。
KDE デスクトップアクティビティ
KDE デスクトップアクティビティ は Plasma ベースの"仮想デスクトップ"ライクな Plasma ウィジェットのセットであり、複数のスクリーン・デスクトップがあるかのようにウィジェットを独立して設定できます。
デスクトップで、Cashew Plasmoid をクリックしてポップアップしたウィンドウの "Activities" を押して下さい。
plasma バーは Plasma デスクトップアクティビティのある画面の一番下に表示されます。対応するアイコンを押すことで操作することができます。
省電力設定
Plasma には "Powerdevil Power Management" という統合された省電力サービスがあり、システムの省電力プロファイルや(サポートされていれば)画面の明るさなどを調節することができます。powerdevil をインストールしてください。
アプリケーションの自動起動
Plasma では起動時やシャットダウン時にアプリケーションやスクリプトを実行することができます。アプリケーションを自動起動するには、systemsettings
を起動してから Startup and Shutdown -> Autostart を開いて好きなプログラムやシェルスクリプトを追加してください。アプリケーションを設定すると、.desktop
ファイルが作成されます。シェルスクリプトを設定した場合、シンボリックリンクが作成されます。
以下のディレクトリにデスクトップエントリ (.desktop
ファイル) を配置します:
~/.config/autostart
- ログイン時に実行するアプリケーション。
シェルスクリプトのシンボリックリンクは以下のディレクトリのどれかに配置します:
~/.config/plasma-workspace/env
- ログインする前に実行。~/.config/autostart-scripts
- ログイン時に実行。~/.config/plasma-workspace/shutdown
- シャットダウン時に実行。
Phonon
Wikipedia より: Phonon (フォノン) は Linux デスクトップ環境である KDE4 向けに開発されたクロスプラットフォームのマルチメディア API である。Phonon は、Unix 系デスクトップにおけるマルチメディア環境に関する諸問題を解決することを目的として開発された。Phonon 自体はマルチメディアフレームワークではないが、バックエンドを通じて GStreamer や Xine のような既存のフレームワークの橋渡しを行う機能を有し、開発者は Phonon がサポートするあらゆるマルチメディアフレームワークに単一の API を通じてアクセス出来るようになる。これによって、フレームワークが放置されることや API の不安定性、KDE が単一のフレームワークに依存することなどの諸問題を回避できる。
Phonon は KDE や Qt ソフトウェアの中で音声 (例: システム通知、KDE 音声アプリ) や動画 (例: Dolphin 動画サムネイル) のために広く使われています。
どのバックエンドを使うべきですか?
あなたは様々なバックエンドを選ぶことができ、公式リポジトリには GStreamer (phonon-qt4-gstreamer, phonon-qt5-gstreamer) と VLC (phonon-qt4-vlc, phonon-qt5-vlc) があります。AUR には MPlayer (phonon-mplayer-gitAUR) があります。
KDE の開発元では VLC バックエンドを使用することが推奨されています [3]。ただし有名な Linux ディストリビューション (Kubuntu や Fedora-KDE など) では特許で守られている MPEG コーデックをデフォルト環境から取り除くために GStreamer が使われています。バックエンドによって対応している機能は多少異なります [4]。
アプリケーション
KDE プロジェクトは Plasma デスクトップと統合されたアプリケーションスイートを提供しています。利用可能なアプリケーションについては kde-applications グループを見てください。また、カテゴリ:KDE には KDE 関連のアプリケーションのページが存在します。
KDE Applications で提供されているプログラム以外にも、Plasma デスクトップを補うアプリケーションは多数存在します。
システム管理
キーボードの設定
以下のように辿って下さい:
システム設定 > ハードウェア > 入力デバイス > キーボード
最初のタブで、キーボードモデルを選ぶことができます。
"レイアウト"タブでは、"Add Layout" ボタンを押して使いたいバリアントと言語を選ぶことができます。 "詳細"タブでは、キーボードのコンビネーションを選択できます。"Key(s) to change layout" サブメニューからレイアウトを変更できます。
KDE システム設定から Xorg サーバーを終了する
以下のようにサブメニューまでたどって下さい:
システム設定 -> 入力デバイス -> キーボード -> Advanced (tab) > "Key Sequence to kill the X server"
チェックボックスのチェックを入れて下さい。
KCM
KCM は KConfig Module の意です。KCM を使うと、システムの設定をするためのインターフェースをシステム設定に表示します。また、kcmshell5 でコマンドラインから使えます。
- kde-gtk-config — GTK アプリの KDE におけるルックアンドフィールの設定。
- KCM Qt Graphics System — 標準の Qt グラフィックシステムを簡単に設定できる KCM。
- UFW KControl Module — UFW (Uncomplicated Firewall) の KDE4 制御モジュール。
- システムポリシー — PolicyKit の設定を変えることができる設定モジュール。
- Wacom タブレット — Wacom の Linux ドライバーの KDE GUI。
- Kcmsystemd — KDE の systemd 制御モジュール。
linux-apps.com に他にも多くの KCM があります。
デスクトップ検索とセマンティックデスクトップ
KDE では Baloo (ファイルインデックスの作成と検索を行います) と呼ばれるソフトウェアを使ってデスクトップ検索を実装しています。
Baloo
Baloo の使用と設定
KDE Plasma Desktop で Baloo を使って検索をするには、krunner を起動 (デフォルトでは ALT+F2
を押下) して検索文字列を入力します。もしくは Dolphin で CTRL+F
を押して下さい。
デフォルトではデスクトップ検索の KCM にはオプションが2つしかありません: フォルダをブラックリストに入れるパネルと、ワンクリックで無効化する方法です。
また、~/.config/baloofilerc
ファイルを編集することも可能です (info)。さらに、balooctl
プロセスを使うこともできます。Baloo を無効化するには balooctl stop
と balooctl disable
を実行してください。
ブラックリストにフォルダを追加したり Baloo を完全に無効化すると、baloo_file_cleaner
という名前のプロセスが不必要になったインデックスファイルを自動的に削除します。インデックスファイルは ~/.local/share/baloo/
下に保存されています。
リムーバブルデバイスをインデックスする方法
デフォルトでは、リムーバブルデバイスはブラックリストに入っています。KCM パネルのブラックリストからデバイスを削除する必要があります。
ウェブブラウザ
Konqueror と Rekonq
Konqueror は2つのレンダリングエンジンをサポートしています – KHTML と QtWebKit (kwebkitpart[リンク切れ: パッケージが存在しません] パッケージを使用) – Rekonq は QtWebKit しかサポートされていません。KHTML の開発は Qt に WebKit が付属するようになってから停止していますが、互換性維持のために残されています。そして QtWebKit は Qt プロジェクトによって 非推奨 となっており Chromium ベースの Qt WebEngine に置き換えられていますが、Konqueror と Rekonq のどちらも現在のところ Qt WebEngine に対応していません。
現在 Fiber と呼ばれる後継ウェブブラウザが開発中で、Chromium のエンジンを使用する予定です。
Firefox
設定によって Firefox は Plasma と統合できます。詳しくは Firefox#KDE の統合 を参照。
Falkon
Falkon (falkon) は Plasma との統合が可能な Qt ウェブブラウザです。前は Qupzilla と呼ばれていました。Falkon 2.0 から WebKit の代わりに Qt WebEngine を使用します。
PIM
KDE には個人情報管理用のスタックが付属しています。メールや連絡先、カレンダー、メモなどを管理します。kdepim-meta メタパッケージで全ての PIM パッケージをインストールできます。
Akonadi
Akonadi は PIM データのローカルキャッシュとして働くシステムで、他のアプリケーションから使うことが可能です。これにはユーザーのメール、連絡先、カレンダー、イベント、ジャーナル、アラーム、ノートなどが含まれます。Nepomuk ライブラリとインターフェイスで接続し検索機能を提供します。
Akonadi は自身ではデータを保存しません: ストレージのフォーマットはデータの性質に依存します (例えば、連絡先は vCard フォーマットで保存されます)。
Akonadi や Nepomuk との連携に関する詳細は [6] や [7] を見て下さい。
インストール
akonadi をインストールしてください。kdepim-addons をインストールするとアドオンが追加されます。
Akonadi を無効にする
KDE userbase のセクション を参照。
データベース設定
kdepim-runtime パッケージの akonaditray
を起動してください。右クリックから設定を選びます。「Akonadiサーバの設定」タブから次のことができます:
- Akonadi が MySQL/MariaDB サーバーを使うように設定
- ホームディレクトリが ZFS プール上にある場合は、以下の内容の
~/.config/akonadi/mysql-local.conf
を作成する必要があります:[mysqld] innodb_use_native_aio = 0
これは MySQL#ZFS での実行時に OS エラー 22 で説明されている問題です。
- ホームディレクトリが ZFS プール上にある場合は、以下の内容の
- Akonadi が SQLite を使うように設定
~/.config/akonadi/akonadiserverrc
を編集して以下のようにしてください[General] #Driver=QMYSQL Driver=QSQLITE3 [QSQLITE3] Name=/home/''username''/.local/share/akonadi/akonadi.db
Yakuake
Yakuake は Quake ライクなターミナルエミュレータであり、F12 キーで表示を切り替えることができます。複数タブもサポート。Yakuake は yakuake パッケージでインストールできます。
KDE Telepathy
KDE Telepathy は KDE デスクトップでインスタントメッセージを統合することを目標にしているプロジェクトです。バックエンドとして Telepathy フレームワークを利用しており、Kopete を置き換えるようになっています。
Telepathy プロトコルをインストールするには telepathy グループをインストールしてください。KDE Telepathy クライアントを使うには、telepathy-kde-meta パッケージをインストールしてください。telepathy-kde グループに含まれている全てのパッケージが入っています。
KDE Telepathy で Telegram を使う
telegram-purpleAUR または telegram-purple-gitAUR と telepathy-morse-gitAUR をインストールして telepathy-haze を使うことで Telegram プロトコルを使用することができます。ユーザー名は Telegram アカウントの電話番号です (国番号 '+xx' を付けて下さい、例えば日本なら '+81')。GUI での設定は少々厄介です: KDE Telepathy で新しいアカウントを設定するときに電話番号が承認できない場合 (不正なパラメータでアカウントが作成できないというエラーメッセージが表示される場合)、手動で設定ファイル (~/.local/share/telepathy/mission-control/accounts.cfg
) のシングルクォートの間に電話番号を記述して、クォートを消して下さい (クォートを消さないと、認証エラーが発生します)。
Android との統合
KDE Connect は以下の機能を提供します:
- KDE とアプリ間でファイルや URL を共有。
- タッチパッドのエミュレーション: 携帯の画面をコンピュータのタッチパッドとして使用。
- 通知の同期 (4.3+): デスクトップから Android の通知を読み取り。
- クリップボードの共有: 携帯電話とコンピュータでコピーアンドペースト。
- マルチメディアのリモートコントロール: 携帯電話を Linux メディアプレイヤーのリモコンとして使用。
- WiFi 接続: USB 接続や Bluetooth を必要としません。
- RSA 暗号化: あなたの情報は暗号化されます。
コンピュータと Android の両方に KDE Connect をインストールする必要があります。PC 側では、kdeconnect パッケージをインストールしてください。Android 側では、Google Play や F-Droid から KDE Connect
をインストールしてください。
Plasma デスクトップを使用しない場合でも KDE Connect は利用できます。Unity などの AppIndicators を使用するデスクトップ環境の場合、indicator-kdeconnectAUR パッケージもインストールしてください。
ヒントとテクニック
KDE で別のウィンドウマネージャを使う
KDE で別のウィンドウマネージャを使用するには systemsettings
パネルを開いて Default Applications > Window Manager > Use a different window manager で使用したいウィンドウマネージャをリストから選択してください。
KDE/Openbox Session
openbox パッケージには Openbox で KDE を使用するためのセッションが含まれています。このセッションを利用するには、ディスプレイマネージャのメニューから KDE/Openbox を選択してください。
セッションを手動で起動する場合、次の行を .xinitrc
ファイルに追加してください:
exec openbox-kde-session
コンポジット効果の再有効化
Kwin をコンポジタがないウィンドウマネージャ (Openbox など) で置き換えると、透過などのデスクトップのコンポジット効果がなくなってしまいます。このような場合、Xcompmgr や Compton など効果を生み出す別のコンポジットマネージャをインストール・実行してください。
パーティションの秘匿
Dolphin で、Places
サイドバーのパーティションを右クリックして Hide <partition>
を選択するだけです。
内部パーティションをファイルマネージャに表示したくない場合は、以下のような udev ルールを作成してください:
/etc/udev/rules.d/10-local.rules
KERNEL=="sda[0-9]", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
特定のパーティションでも同じことが可能です:
KERNEL=="sda1", ENV{UDISKS_IGNORE}="1" KERNEL=="sda2", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
モニターの解像度やマルチモニターの設定
ディスプレイの解像度やマルチモニターの管理を Plasma 5 で有効にしたい場合は、kscreen をインストールしてください。システム設定のディスプレイとモニターにオプションが追加されます。
Super キー (Windows キー) でアプリケーションランチャーを開く
ksuperkeyAUR をインストール・起動してください。そして Alt + F1
をホットキーに指定します。これで Super キーでアプリケーションランチャーが開くようになります。手動で ksuperkey を起動するのが面倒な場合は自動起動させてください。
Plasma の Wayland セッションでタッチパッドのタップでクリックを有効にする
現在、Plasma の Wayland セッションではシステム設定を使って、タップでクリックを設定することはできません [8]。かわりに D-Bus を使うことで設定する方法が存在します [9]。
まずは libinput が認識しているタッチパッドデバイスを確認:
# libinput-list-devices
Device: ETPS/2 Elantech Touchpad Kernel: /dev/input/event14 Group: 7 Seat: seat0, default Size: 78.28x38.78mm Capabilities: pointer Tap-to-click: disabled Tap-and-drag: enabled Tap drag lock: disabled Left-handed: disabled Nat.scrolling: disabled Middle emulation: n/a Calibration: n/a Scroll methods: *two-finger edge Click methods: none Disable-w-typing: enabled Accel profiles: none Rotation: n/a
上記の場合、タッチパッドは event14
です。
KDE Dbus がタッチパッドを認識しているか確認してください (event14
は libinput-list-devices
で確認した識別子に置き換えてください):
$ qdbus org.kde.KWin.InputDevice /org/kde/KWin/InputDevice/event14 org.freedesktop.DBus.Properties.Get org.kde.KWin.InputDevice name
ETPS/2 Elantech Touchpad
tapToClick
の現在の値を確認:
$ qdbus org.kde.KWin.InputDevice /org/kde/KWin/InputDevice/event14 org.freedesktop.DBus.Properties.Get org.kde.KWin.InputDevice tapToClick
false
tapToClick
を true
に設定:
$ qdbus org.kde.KWin.InputDevice /org/kde/KWin/InputDevice/event14 org.freedesktop.DBus.Properties.Set org.kde.KWin.InputDevice tapToClick true
tapToClick
が true
になっていることを確認:
$ qdbus org.kde.KWin.InputDevice /org/kde/KWin/InputDevice/event14 org.freedesktop.DBus.Properties.Get org.kde.KWin.InputDevice tapToClick
true
トラブルシューティング
設定関連の問題
KDE の問題の多くは設定に関係しています。アップグレードの問題を解決する方法のひとつは KDE の設定をイチから始めることです。
Plasma デスクトップの挙動がおかしい
通常 Plasma の問題は不安定な plasmoid や plasma テーマが原因です。まず、最後にインストールした plasmoid や plasma テーマを無効にしたりアンインストールしてみてください。
突然デスクトップが"ロックアップ"する場合は、おそらくインストールしたウィジェットの欠陥が原因です。問題が起こる前にインストールしたウィジェットがどれか思い出せないときは、問題が解決するまで一つずつウィジェットを削除して見て下さい。ウィジェットをアンインストールしたら、公式ウィジェットが原因の場合バグレポートを送って下さい (bugs.kde.org)。公式ウィジェットではなかったときは、https://store.kde.org/ のエントリを探してウィジェットの作者に問題を伝えることを推奨します (問題を再現する方法を記述してください)。
問題がわからないが、KDE の設定を全て失うのは嫌な場合は、~/.config
から次を実行してください:
$ for j in plasma*; do mv -- "$j" "${j%}.bak"; done
このコマンドは KDE に再ログインした時にユーザーの plasma に関連する設定を全て削除し、デフォルトの設定に戻します。これを一度行うと取り返しが付かないので注意してください。バックアップフォルダを作成して plasma に関係する設定をそこにコピーすると良いでしょう。
キャッシュを削除してアップグレードの問題を解決する
古いキャッシュによって問題が発生することもあります。アップグレードをした後、古いキャッシュによってシェルが消せなくなるなどのおかしな(デバッグしづらい)挙動が発生したり、設定を変更したときにフリーズしたり、ark が rar や zip を解凍できなくなったり、amarok が音楽を認識しなくなるなどの問題がおこることがあります。この問題の解決方法は、アップグレードによって KDE や Qt のプログラムの見た目がおかしくなる問題を解決することもあります。
次のコマンドでキャッシュを再生成してください:
$ rm ~/.config/Trolltech.conf $ kbuildsycoca5 --noincremental $ kbuildsycoca4 --noincremental
任意で ~/.cache
フォルダの中身を削除してください (他のアプリケーションのキャッシュも消去されるので注意してください):
$ rm -rf ~/.cache/*
うまくいけば、問題は修正されているはずです。
グラフィック関連の問題
使用している GPU に相応しいドライバーをインストールしてください。詳しくは Xorg#ドライバーのインストールを見てください。古いカードを使っている場合は#特定のアプリケーションでデスクトップ効果を手動・自動で無効化や#コンポジットの無効化を見てください。
デバッグなどのために KWin の現在の状態を取得
次のコマンドで KWin の状態の概要を出力します。使われているオプション、使われているコンポジットバックエンド、関連する OpenGL ドライバーの情報も表示されます。詳しくは Martin のブログ を見てください。
$ qdbus org.kde.KWin /KWin supportInformation
特定のアプリケーションでデスクトップ効果を手動・自動で無効化
Plasma はデスクトップ効果をデフォルトで有効にします。デスクトップ効果は System Settings > Desktop Effects から無効化したり Alt+Shift+F12
でデスクトップ効果を切り替えることができます。さらに、KWin のカスタムルールを作成することで特定のアプリケーションやウィンドウが起動したときに自動的にコンポジットの無効化・有効化を行うことができます。System Settings > Window Management > Window Rules から設定してください。
コンポジットの無効化
Sytem Settings > Display and Monitor から Enable compositor on startup のチェックを外して Plasma を再起動してください。
コンポジットを有効にするとフルスクリーンでちらつきが発生する
Sytem Settings > Display and Monitor から Allow applications to block compositing のチェックを外してください。この設定はパフォーマンスが落ちることがあるので注意してください。
NVIDIA で画面がちらつく
NVIDIA/トラブルシューティング#KDE で画面のティアリングを抑える (KWin) を見てください。
Plasma のカーソルがときどきおかしくなる
~/.icons/default
ディレクトリを作成して、その中に index.theme
という名前のファイルを作成してください:
/home/archie/.icons/default/index.theme
[Icon Theme] Inherits=breeze_cursors
以下のコマンドを実行:
$ ln -s /usr/share/icons/breeze_cursors/cursors ~/.icons/default/cursors
サウンド関連の問題
サスペンド後に音声が鳴らない
KMix でオーディオデバイスが表示されない場合、plasmashell と pulseaudio を再起動することで解決する場合があります:
$ killall plasmashell $ systemctl --user restart pulseaudio.service $ plasmashell
他にも一部のアプリケーションは再起動を必要とします。
KDE で音楽を聞こうとすると "Falling back to default" メッセージが表示される
次のようなメッセージが表示される場合:
- The audio playback device <name-of-the-sound-device> does not work.
- Falling back to default
システム設定から
システム設定 -> マルチメディア -> Phonon
それぞれのボックスの全てのデバイスの上に default
という名前のデバイスを設定してください。
GStreamer Phonon を使って MP3 ファイルを再生できない
GStreamer の libav プラグイン (gst-libav パッケージ) をインストールすることで解決できます。それでも再生できないときは、phonon-qt4-vlc や phonon-qt5-vlc など他のバックエンドをインストールして、利用する Phonon バックエンドを変更してみて下さい。バックエンドを変えるには:
システム設定 -> マルチメディア -> Phonon -> バックエンド (タブ)
電源管理
サスペンドやハイバネートのオプションが使えない
systemd を使用してサスペンドあるいはハイバネートできるのに、KDE にそれらオプションが表示されない場合、powerdevil をインストールしてください。
Baloo
Inotify のフォルダ監視数
以下のエラーが表示される場合:
KDE Baloo Filewatch service reached the inotify folder watch limit. File changes may be ignored.
inotify のフォルダ監視数を増やす必要があります:
# echo 524288 > /proc/sys/fs/inotify/max_user_watches
変更を永続化させるには、以下の内容で 40-max-user-watches.conf
を作成してください:
/etc/sysctl.d/40-max-user-watches.conf
fs.inotify.max_user_watches=524288
KMail
akonadi の設定を削除して KMail を修復する
まず、KMail が動作していないことを確認してください。次に、設定のバックアップをしてください:
$ cp -a ~/.local/share/akonadi ~/.local/share/akonadi-old $ cp -a ~/.config/akonadi ~/.config/akonadi-old
システム設定 > 個人 を起動して全てのリソースを削除して下さい。Dolphin に戻ってオリジナルの ~/.local/share/akonadi
と
~/.config/akonadi
を削除してください。必要ならば先ほど作成したコピーを使って元に戻すことができます。
もう一回システム設定に戻って注意して必要なリソースを追加してください。リソースがメールフォルダを読み込んでいるはずです。それから Kontact/KMail を起動して正しく動作するか確かめて下さい。
ネットワーク
NFS ボリュームを自動マウントするとフリーズが発生する
systemd による自動マウントを NFS ボリュームで行うとフリーズが発生することがあります。上流のバグレポート を参照してください。
Journal に QXcbConnection のログが大量に出力される
Qt#Qt による journal のログ出力を無効化・修正を参照してください。
i3/fvwm/awesome で KF5/Qt5 アプリケーションのアイコンが表示されない
Qt#KDE 以外の環境で Qt アプリを設定を見て下さい。