KDE
KDE は Plasma (または Plasma Workspaces) という名前のデスクトップ環境と、ライブラリ・フレームワーク (KDE Frameworks)、そしてアプリケーション (KDE Applications) からなるソフトウェアプロジェクトです。KDE にはよくメンテされている UserBase wiki があります。ほとんどの KDE アプリケーションはここで詳細情報を見ることができます。
目次
- 1 インストール
- 2 Plasma の起動
- 3 設定
- 4 システム管理
- 5 デスクトップ検索とセマンティックデスクトップ
- 6 ウェブブラウザ
- 7 PIM
- 8 Phonon
- 9 便利なアプリケーション
- 10 Tips and tricks
- 10.1 KDE で別のウィンドウマネージャを使う
- 10.2 KDE デスクトップと Android の統合
- 10.3 ソフトウェアアップデートの通知を表示
- 10.4 OpenGL ES を使うように KWin を設定
- 10.5 Konqueror/Dolphin ファイルマネージャで音声や動画のサムネイルを有効にする
- 10.6 アプリケーションの起動の高速化
- 10.7 パーティションの秘匿
- 10.8 スクリーンセーバーの壁紙を現在の壁紙と同じに設定する
- 10.9 任意の画像をロックスクリーンの壁紙に設定する
- 10.10 モニターの解像度やマルチモニターの設定
- 10.11 Super キー (Windows キー) でアプリケーションランチャーを開く
- 11 トラブルシューティング
- 11.1 設定関連
- 11.2 Plasma デスクトップの挙動がおかしい
- 11.3 akonadi の設定を削除して KMail を修復する
- 11.4 デバッグなどのために KWin の現在の状態を取得
- 11.5 KDE4 のロードが終わらない
- 11.6 他のウィンドウマネージャで KDE と Qt プログラムの見た目が悪くなる
- 11.7 i3/fvwm/awesome で KF5/Qt5 アプリケーションのアイコンが表示されない
- 11.8 グラフィック関連の問題
- 11.9 KDE のサウンドについての問題
- 11.10 Konsole がコマンドの履歴を保存しない
- 11.11 KDE のパスワードプロンプトで一文字ごとに * が三つ表示される
- 11.12 セマンティックデスクトップを無効にしても Nepomukserver プロセスが自動で起動する
- 11.13 Dolphin やファイルダイアログが起動するのが異常に遅い
- 11.14 KDE での GTK アプリケーションのデフォルト PDF ビューア
- 11.15 Inotify のフォルダ監視数
- 12 Unstable リリース
- 13 バグ
- 14 参照
インストール
Plasma デスクトップ
Xorg をインストールしていない場合は、KDE をインストールする前に Xorg をインストールしてください。
plasma-meta メタパッケージか plasma グループをインストールしてください。plasma-meta と plasma の違いについては KDE パッケージを参照してください。また、Plasma を動かすための必要最小限のパッケージだけインストールしたい場合は、plasma-desktop パッケージをインストールしてください。
Plasma 4 から 5 にアップグレード
multi-user.target
に変更:# systemctl isolate multi-user.target
- sddm と sddm-kcm パッケージをインストール
kdm
サービスを無効化してsddm
サービスを有効化- kdebase-workspace パッケージをアンインストール
- plasma-meta パッケージをインストール
- 再起動
- SDDM のログイン画面で Plasma を選択
KDE アプリケーションと言語パック
KDE Applications のフルセットをインストールしたいときは、kde-applications グループか kde-applications-meta メタパッケージをインストールしてモジュールをインストールしてください。このパッケージではアプリケーションだけがインストールされ、Plasma デスクトップは付属していないので注意してください。
言語ファイルが必要な場合は、kde-l10n-yourlanguagehere
(例えば日本語は kde-l10n-ja) をインストールしてください。利用できる言語のリストは このリンク を見て下さい。
Plasma の起動
Plasma 5 セッションを起動するには、ディスプレイマネージャのメニューで Plasma を選択してください。
また、startx で Plasma を起動する場合、.xinitrc
ファイルに exec startkde
を追加してください。Xorg をログイン時に起動したい場合は、ログイン時に X を起動を参照。
設定
ほとんどの KDE 4 アプリケーションの設定は ~/.kde4
フォルダの中に保存されます。場合によっては ~/.config
が使われます。ただし、KDE の設定は基本的にシステム設定から行います。システム設定はターミナルから systemsettings を実行することで起動できます。
Frameworks 5 アプリケーションは KDE 4 の設定を使うことができますが、設定ファイルは別の場所に配置されます。Frameworks 5 アプリケーションを KDE 4 で同一の設定を使って動作させるには新しい設定ファイルの場所から古い設定ファイルの場所にシンボリックリンクを張る必要があります。例えば:
- Konsole のプロファイルは
~/.kde4/share/apps/konsole
から~/.local/share/konsole/
に。 - アプリケーションの外観は
~/.kde4/share/config/kdeglobals
から~/.config/kdeglobals
に。
個人設定
あなたのスタイルに合わせて KDE デスクトップを設定する方法; Plasma テーマ、ウィンドウ装飾、アイコンテーマの使用。
Plasma デスクトップ
テーマ
Plasma テーマ はパネルと plasmoid の見た目を決めます。システム全体にテーマをインストールしたいときは、公式リポジトリや AUR にテーマがあります。
テーマをインストールする一番簡単な方法はデスクトップ設定コントロールパネルを使うことです:
Workspace Theme > Desktop Theme > Get new Themes
kde-look.org の素晴らしいフロントエンドが表示されるので、文字通りワンクリックでサードパーティ製の plasmoid スクリプトをインストール・アンインストール・アップデートすることが可能です。
起動画面やロック画面はインストールすることができないので、カスタマイズしたいときは /usr/share/plasma/look-and-feel/
にあるオリジナルのテーマを修正する必要があります。Kubuntu フォーラムの このスレッド を参照してください。
SDDM のログイン画面はテーマには含まれません。
Qt と GTK+ アプリケーションの外観
- Qt4
Qt4 アプリケーションで見た目を統一したい場合は、breeze-kde4 をインストールして qtconfig-qt4
で GUI スタイルとして Breeze を選択する必要があります。
- GTK+
GTK+ アプリケーションでの推奨テーマは gtk-theme-orion です。Plasma 5 Breeze の外観を模倣するように作られている GTK+ テーマ gnome-breeze-gitAUR も参照してください。テーマをインストールしたら、System Settings > Application Style > GNOME Application Style からテーマを選択してください。 設定が表示されない場合、lxappearance などの GTK+ 設定ツールをインストールしてテーマを変更してください。
ウィジェット
Plasmoid はデスクトップの機能性を向上させるための、小さなスクリプト (plasmoid スクリプト) やコード (plasmoid バイナリ) で作られた KDE アプリです。
Plasmoid バイナリは AUR から PKGBUILD を使ってインストールする必要があります。もしくは自分で PKGBUILD を書いて下さい。
plasmoid スクリプトをインストールする一番簡単な方法はパネルやデスクトップで右クリックして:
ウィジェットを追加 -> 新しいウィジェットを取得 -> ウィジェットをダウンロード
kde-look.org のフロントエンドが開かれ、ワンクリックで第三者が作成した plasmoid スクリプトをインストール・アップデート・アンインストールできます。
ほとんどの plasmoid は KDE の開発者によって公式に作られているものではありません。Mac OS X や Microsoft Windows Vista/7 のウィジェット、Google ガジェット、SuperKaramba ウィジェットのインストールをすることもできます。
システムトレイのサウンドアプレット
公式リポジトリから Kmix (Plasma 5 の場合は kmix と plasma-pa、KDE 4 の場合は kdemultimedia-kmix) をインストールしてアプリケーションランチャーから起動してください。次からは KDE が自動で起動するので、ログインする度に手動で Kmix を起動する必要はありません。
グローバルメニューをデスクトップに追加する
(Mac OS X のように) 常時グローバルメニューを表示するには、準備として、公式リポジトリから appmenu-qt、AUR から appmenu-gtkAUR と appmenu-qt5AUR をインストールしてください。同じように Firefox や LibreOffice のサポートを得るには、AUR から firefox-extension-globalmenuAUR や libreoffice-extension-menubarAUR をインストールしてください。
実際にグローバルメニューを表示するには、AUR から kdeplasma-applets-menubarAUR をインストールしてください。画面の上部に plasma-panel を作成しウィンドウメニューバーアプレットをパネルに追加してください。メニューをグローバルメニューに反映させるために、システム設定 > アプリケーションの外観 > スタイル に行き、調整タブをクリックしてドロップダウンのリストからメニューバースタイルとして only export を選択してください。
パネルの影を無効化
Plasma パネルは他のウィンドウよりも上に表示され、パネルの影が下のウィンドウに描画されます [2]。この挙動を (他の影には影響を与えずに) 無効化したい場合、xorg-xprop をインストールして次を実行してください:
$ xprop -remove _KDE_NET_WM_SHADOW
そして+カーネルでパネルを選択してください [3]。自動的に影を無効化したい場合、xorg-xwininfo をインストールして以下のスクリプトを作成してください:
/usr/local/bin/kde-no-shadow
#!/bin/bash for WID in $(xwininfo -root -tree | sed '/"plasma-desktop": ("Plasma" "Plasma")/!d; s/^ *\([^ ]*\) .*/\1/g'); do xprop -id $WID -remove _KDE_NET_WM_SHADOW done
Autostart の Add Script でスクリプトをログイン時に実行させることができます:
$ kcmshell4 autostart
ウィンドウ装飾
ウィンドウ装飾を変更するには
システム設定 -> ワークスペースの外観 -> ウィンドウの飾り
ワンクリックで直接、他のテーマをダウンロード・インストールすることもできます。AUR から利用できるテーマもあります。
アイコンテーマ
KDE 4 で利用できる完全なシステムアイコンテーマはあまり多くはありません。システム設定 > アプリケーションの外観 > アイコン を開くと新しいアイコンを探したり手動でインストールすることができます。多くのアイコンは kde-look.org にあります。
Arch Linux の公式ロゴ、アイコン、CD ラベルなどのアートワークは archlinux-artworkAUR パッケージに入っています。インストールした後、/usr/share/archlinux/
でそれらのアートワークが見つけることができます。
Qt 5 アイコンテーマ
アイコンテーマを設定したい場合、Plasma 5 では、System Settings > Icons を使って下さい。KDE 4 では kcmshell5 icons
を使って下さい。
フォント
KDE のフォント表示が汚い
ttf-dejavu と ttf-liberation パッケージのインストールを試して下さい。
インストール後、一度ログアウトしてください。KDE システム設定の "フォント" パネルから設定を変更する必要はありません。
直接フォントレンダリングの設定をしたとき、システム設定の外観が変わることに気づいて下さい。システム設定 > 外観 > フォント を開いてしまうと、システム設定はあなたのフォント設定ファイル (fonts.conf
) を作り替えてしまいます。
これを止める方法はありませんが、値を fonts.conf
ファイルと同じにすれば期待したフォントレンダリングができます(アプリケーションを一度終了する必要があります、場合によってはデスクトップを再起動する必要があります)。Gnome のフォント設定も同じことをするので(両方のデスクトップ環境を使っている場合は)注意してください。
フォントが大きすぎる・アンバランス
システム設定 > アプリケーションの外観 > フォント からフォントの DPI を 96 にしてみて下さい。
これでフォントが治らないときは Xorg の設定から直接 DPI をセットしてください。ここを参照。
スペースの節約
小さな画面 (例: ネットブック) を使っているユーザーのための Plasma Netbook シェルは Plasma 5 ではなくなりました。KDE フォーラムの投稿 を見て下さい。
ただし、~/.config/kwinrc
ファイルを編集して [Windows]
セクションに BorderlessMaximizedWindows=true
を追加することでスペースを効率的に使うようにすることができます。
印刷
システム設定 -> プリンタ設定 からプリンターの設定をすることができます。この方法を使うには、最初に print-manager と cups パッケージをインストールしてください。
まず avahi-daemon
と cupsd
デーモンを起動する必要があります、そうしないと次のエラーが表示されます:
The service 'Printer Configuration' does not provide an interface 'KCModule' with keyword 'system-config- printer-kde/system-config-printer-kde.py' The factory does not support creating components of the specified type.
次のエラーが表示される場合は、ユーザーにプリンターを管理する権限を与えて下さい:
There was an error during CUPS operation: 'cups-authorization-canceled'
CUPS では、/etc/cups/cups-files.conf
で設定を行います。
/etc/group
に lpadmin
を追加して /etc/cups/cups-files.conf
の SystemGroup
ディレクティブに記述することで lpadmin
グループの全てのユーザーがプリンターを設定できるようになります。SystemGroup
ディレクティブに lp
グループを追加してはいけません、印刷が失敗するようになります。
# groupadd -g107 lpadmin
/etc/cups/cups-files.conf
# Administrator user group... SystemGroup sys root lpadmin
Samba/Windows サポート
Windows サービスにアクセスしたいときは Samba (samba パッケージ) をインストールしてください。
Dolphin の共有機能は usershare を必要としますが、標準の smb.conf
では有効になっていません。Samba の記事に書かれている指示に従って追加してください。設定後、Samba を再起動すれば Dolphin の共有は自動的に動作するはずです。
KDE デスクトップアクティビティ
KDE デスクトップアクティビティは Plasma ベースの"仮想デスクトップ"ライクな Plasma ウィジェットのセットであり、複数のスクリーン・デスクトップがあるかのようにウィジェットを独立して設定できます。
デスクトップで、Cashew Plasmoid をクリックしてポップアップしたウィンドウの "Activities" を押して下さい。
plasma バーは Plasma デスクトップアクティビティのある画面の一番下に表示されます。対応するアイコンを押すことで操作することができます。
省電力設定
KDE には "Powerdevil Power Management" という統合された省電力サービスがあり、システムの省電力プロファイルや(サポートされていれば)画面の明るさなどを調節することができます。
KDE 4.6 から、CPU 周波数のスケーリングは KDE によって管理されなくなりました。代わりに、ハードウェアやカーネルによって自動で管理されることを想定しています。Arch はカーネルバージョン 3.3 からデフォルトの cpufreq governor として ondemand
を使っています。そのため、ほとんどの場合、何も設定は必要ありません。governor のチューンなどの詳細は CPU 周波数スケーリングを見て下さい。
ローカルファイルとディレクトリの変更を監視
現在、KDE は (kdelibs に含まれる) kdirwatch を使って直接カーネルから inotify を使っています。Gamin や FAM はすでに必要ありません。kdirwatch の GUI フロントエンドとして AUR から kdirwatchAUR をインストールできます。
アプリケーションの自動起動
Plasma では起動時やシャットダウン時にアプリケーションやスクリプトを実行することができます。アプリケーションを自動起動するには、systemsettings
を起動してから Startup and Shutdown -> Autostart を開いて好きなプログラムやシェルスクリプトを追加してください。プログラムはログイン時にしか自動起動できませんが、シェルスクリプトはシャットダウン時や Plasma が起動する前にも実行できます。アプリケーションを設定すると、~/.config/autostart
ディレクトリに .desktop
ファイルが作成されます。シェルスクリプトを設定した場合、以下のディレクトリにシンボリックリンクが作成されます:
~/.config/autostart-scripts
- ログイン時に実行。~/.config/plasma-workspace/shutdown
- シャットダウン時に実行。~/.config/plasma-workspace/env
- ログインする前に実行。
システム管理
キーボードの設定
以下のように辿って下さい:
システム設定 > ハードウェア > 入力デバイス > キーボード
最初のタブで、キーボードモデルを選ぶことができます。
"レイアウト"タブでは、"Add Layout" ボタンを押して使いたいバリアントと言語を選ぶことができます。 "詳細"タブでは、キーボードのコンビネーションを選択できます。"Key(s) to change layout" サブメニューからレイアウトを変更できます。
KDE システム設定から Xorg サーバーを終了する
以下のようにサブメニューまでたどって下さい:
システム設定 -> 入力デバイス -> キーボード -> Advanced (tab) > "Key Sequence to kill the X server"
チェックボックスのチェックを入れて下さい。
KCM
KCM は KConfig Module の意です。KCM を使うと、システムの設定をするためのインターフェースをシステム設定に表示します。
GTK アプリのルックアンドフィールの設定。
GRUB ブートローダの設定。
- grub2-editorAUR
タッチパッドのための Synaptics ドライバの設定。
- kcm-touchpad
- kcm-touchpad-frameworks[リンク切れ: replaced by plasma-desktop] (Plasma 5)
- synaptiksAUR
- kcm_touchpadAUR
- kcm-touchpad-gitAUR
Uncomplicated Firewall (UFW) の設定
- kcm-ufwAUR
PolicyKit の設定
Wacom タブレットの設定
systemd の設定
- systemd-kcm (Plasma 5)
kde-apps.org に他にも多くの KCM があります。
デスクトップ検索とセマンティックデスクトップ
KDE では Baloo (ファイルインデックスの作成と検索を行います) と呼ばれるソフトウェアを使ってデスクトップ検索を実装しています。
Baloo
Baloo の使用と設定
KDE Plasma Desktop で Baloo を使って検索をするには、ALT+F2
を押して検索文字列を入力します。もしくは Dolphin で CTRL+F
を押して下さい。
デフォルトではデスクトップ検索の KCM にはオプションが2つしかありません: フォルダをブラックリストに入れるパネルと、4.13.1 からの、ワンクリックで無効化する方法です。
また、~/.kde4/share/config/baloofilerc
(KDE4) や ~/.config/baloofilerc
(KF5) ファイルを編集することも可能です (info)。さらに、balooctl
プロセスを使うこともできます。Baloo を無効化するには balooctl disable
を実行してください。
ブラックリストにフォルダを追加したり Baloo を完全に無効化すると、baloo_file_cleaner
という名前のプロセスが不必要になったインデックスファイルを自動的に削除します。インデックスファイルは ~/.local/share/baloo/
下に保存されています。
詳細な設定オプションは kcm_baloo_advancedAUR を使って設定することができます。
リムーバルデバイスをインデックスする方法
デフォルトでは、リムーバルデバイスはブラックリストに入っています。KCM パネルのブラックリストからデバイスを削除する必要があります。
ウェブブラウザ
Konqueror と Rekonq
Konqueror は2つのレンダリングエンジンをサポートしています – KHTML と QtWebKit (kwebkitpart パッケージを使用) – Rekonq は QtWebKit しかサポートされていません。KHTML の開発は Qt に WebKit が付属するようになってから停止していますが、互換性維持のために残されています。そして QtWebKit は Qt プロジェクトによって 非推奨 となっており Chromium ベースの Qt WebEngine に置き換えられていますが、Konqueror と Rekonq のどちらも現在のところ Qt WebEngine に対応していません。
現在 Fiber と呼ばれる後継ウェブブラウザが開発中で、Chromium のエンジンを使用する予定です。
Firefox
設定によって Firefox は Plasma と統合できます。詳しくは Firefox#KDE の統合 を参照。
Qupzilla
Qupzilla (qupzilla) は Plasma との統合が可能な Qt ウェブブラウザです。Qupzilla 2.0 から WebKit の代わりに Qt WebEngine を使用します。
PIM
KDE には個人情報管理用のスタックが付属しています。メールや連絡先、カレンダー、メモなどを管理します。
Akonadi
Akonadi は PIM データのローカルキャッシュとして働くシステムで、他のアプリケーションから使うことが可能です。これにはユーザーのメール、連絡先、カレンダー、イベント、ジャーナル、アラーム、ノートなどが含まれます。Nepomuk ライブラリとインターフェイスで接続し検索機能を提供します。
Akonadi は自身ではデータを保存しません: ストレージのフォーマットはデータの性質に依存します (例えば、連絡先は vCard フォーマットで保存されます)。
Akonadi や Nepomuk との連携に関する詳細は [4] や [5] を見て下さい。
Akonadi を無効にする
KDE userbase のセクション を参照。もしくは akonadi-fakeAUR をインストールしてください。
データベース設定
kdepim-runtime パッケージの akonaditray
を起動してください。右クリックから設定を選びます。「Akonadiサーバの設定」タブから次のことができます:
- Akonadi が MySQL/MariaDB サーバーを使うように設定
- ホームディレクトリが ZFS プール上にある場合は、以下の内容の
~/.config/akonadi/mysql-local.conf
を作成する必要があります:[mysqld] innodb_use_native_aio = 0
これは MySQL#ZFS での実行時に OS エラー 22 で説明されている問題です。
- ホームディレクトリが ZFS プール上にある場合は、以下の内容の
- Akonadi が PostgreSQL サーバーを使うように設定
- Akonadi が SQLite を使うように設定
~/.config/akonadi/akonadiserverrc
を編集して以下のようにしてください[General] #Driver=QMYSQL Driver=QSQLITE3 [QSQLITE3] Name=/home/username/.local/akonadi/akonadi.db
Strigi 検索
Strigi は Nepomuk にデータを送り込むもうひとつの方法です。Strigi はなるべくユーザーのホームフォルダのインデックスを作成します。インデックス作成はファイルの名前の収集だけではなく、音楽コレクションや Kget によるタグ付けされたダウンロードの情報の取得も含まれます。Strigi 検索は KDE のランチャーと統合されており、Alt+F2
でアクセス可能です。
デフォルトで、Dolphin には右上に検索バーがあり Strigi のインデックスから検索をかけることができます。
Strigi のフォルダインデックスは以下で設定することができます:
システム設定 -> デスクトップ検索 -> Desktop Query -> Customize index folders…
Phonon
Phonon とは?
Wikipedia より: Phonon (フォノン) は Linux デスクトップ環境である KDE4 向けに開発されたクロスプラットフォームのマルチメディア API である。Phonon は、Unix 系デスクトップにおけるマルチメディア環境に関する諸問題を解決することを目的として開発された。Phonon 自体はマルチメディアフレームワークではないが、バックエンドを通じて GStreamer や Xine のような既存のフレームワークの橋渡しを行う機能を有し、開発者は Phonon がサポートするあらゆるマルチメディアフレームワークに単一の API を通じてアクセス出来るようになる。これによって、フレームワークが放置されることや API の不安定性、KDE が単一のフレームワークに依存することなどの諸問題を回避できる。
Phonon は KDE の中で音声 (例: システム通知、KDE 音声アプリ) や動画 (例: Dolphin 動画サムネイル) のために広く使われています。
どのバックエンドを使うべきですか?
あなたは様々なバックエンドを選ぶことができ、公式リポジトリには GStreamer (phonon-qt4-gstreamer, phonon-qt5-gstreamer) と VLC (phonon-qt4-vlc, phonon-qt5-vlc) があります。AUR には MPlayer (phonon-mplayer-gitAUR), QuickTime (phonon-quicktime-gitAUR), AVKode (phonon-avkode-gitAUR) があります。
ほとんどのユーザーは上流で一番良くサポートされている VLC を選ぶことになると思います。GStreamer は最近メンテナンスが滞っています。複数のバックエンドを一度にインストールして システム設定 -> マルチメディア -> Phonon -> バックエンド から切り替えることもできます。
便利なアプリケーション
KDE アプリケーションの公式セットは ここ にあります。
Yakuake
Yakuake は Quake ライクなターミナルエミュレータであり、F12 キーで表示を切り替えることができます。複数タブもサポート。Yakuake は yakuake パッケージでインストールできます。
KDE Telepathy
KDE Telepathy は KDE デスクトップでインスタントメッセージを統合することを目標にしているプロジェクトです。バックエンドとして Telepathy フレームワークを利用しており、Kopete を置き換えるようになっています。
Telepathy プロトコルをインストールするには telepathy グループをインストールしてください。 KDE Telepathy クライアントを使うには、telepathy-kde-meta パッケージをインストールしてください。telepathy-kde グループに含まれている全てのパッケージが入っています。
KDE Telepathy で Telegram を使う
telegram-purpleAUR または telegram-purple-gitAUR と telepathy-morse-gitAUR をインストールして telepathy-haze を使うことで Telegram プロトコルを使用することができます。ユーザー名は Telegram アカウントの電話番号です (国番号 '+xx' を付けて下さい、例えば日本なら '+81')。GUI での設定は少々厄介です: KDE Telepathy で新しいアカウントを設定するときに電話番号が承認できない場合 (不正なパラメータでアカウントが作成できないというエラーメッセージが表示される場合)、手動で設定ファイル (~/.local/share/telepathy/mission-control/accounts.cfg
) のシングルクォートの間に電話番号を記述して、クォートを消して下さい (クォートを消さないと、認証エラーが発生します)。設定ファイルを手動で編集するのは KDE Telepathy が動作していないとき (例えば KDE デスクトップセッションがないとき) に限ります。そうでないとソフトウェアによって手動で行った変更が上書きされてしまいます。
Tips and tricks
KDE で別のウィンドウマネージャを使う
KDE で別のウィンドウマネージャを使用するには systemsettings
パネルを開いて Default Applications > Window Manager > Use a different window manager で使用したいウィンドウマネージャをリストから選択してください。
KDE/Openbox Session
openbox パッケージには Openbox で KDE を使用するためのセッションが含まれています。このセッションを利用するには、ディスプレイマネージャのメニューから KDE/Openbox を選択してください。
セッションを手動で起動する場合、次の行を .xinitrc
ファイルに追加してください:
exec openbox-kde-session
Compiz custom
カスタムオプションとスイッチを使って Compiz を実行する必要があるときは Compiz custom を選択して compiz-kde-launcher
という名前のスクリプトを作成し、Compiz を起動するのに使いたいコマンドをスクリプトに追加してください。例:
/usr/local/bin/compiz-kde-launcher
#!/bin/bash LIBGL_ALWAYS_INDIRECT=1 compiz --replace & wait
スクリプトには実行可能属性を付けて下さい:
$ chmod +x /usr/local/bin/compiz-kde-launcher
コンポジット効果の再有効化
Kwin をコンポジタがないウィンドウマネージャ (Openbox など) で置き換えると、透過などのデスクトップのコンポジット効果がなくなってしまいます。このような場合、Xcompmgr や Compton など効果を生み出す別のコンポジットマネージャをインストール・実行してください。
KDE デスクトップと Android の統合
KDE Connect は以下の機能を提供します:
- KDE とアプリ間でファイルや URL を共有。
- タッチパッドのエミュレーション: 携帯の画面をコンピュータのタッチパッドとして使用。
- 通知の同期 (4.3+): デスクトップから Android の通知を読み取り。
- クリップボードの共有: 携帯電話とコンピュータでコピーアンドペースト。
- マルチメディアのリモートコントロール: 携帯電話を Linux メディアプレイヤーのリモコンとして使用。
- WiFi 接続: USB 接続や Bluetooth を必要としません。
- RSA 暗号化: あなたの情報は暗号化されます。
コンピュータと Android の両方に KDE Connect をインストールする必要があります。PC 側では、kdeconnect パッケージをインストールしてください。Android 側では、Google Play や F-Droid から KDE Connect
をインストールしてください。
ソフトウェアアップデートの通知を表示
KDE のシステムトレイやパッケージマネージャの GUI にパッケージアップデートについての通知を表示するには apper をインストールしてください。詳しくは PackageKit のウェブサイト を参照。
OpenGL ES を使うように KWin を設定
Plasma 4
KWin バージョン 4.8 から kwin のかわりに kwin_gles を使うことができるようになりました。OpenGL2 モードの kwin とほとんど同じ挙動をしますがネイティブプラットフォームインターフェースとして glx のかわりに egl を使っています。kwin_gles を試すには Konsole から kwin_gles --replace
を実行してください。
設定を永続的にするには `kde4-config --localprefix`/env/
に KDEWM=kwin_gles
を export するスクリプトを作る必要があります。
Plasma 5
QtQuick2 によって、Qt OpenGL モジュールと KWin は OpenGL ES を使うようにコンパイルされています 。
Konqueror/Dolphin ファイルマネージャで音声や動画のサムネイルを有効にする
Konqueror や Dolphin で音声ファイルのサムネイルを表示するには AUR から audiothumbsAUR をインストールしてください。
Konqueror や Dolphin で動画のサムネイルを表示するには kdemultimedia-mplayerthumbs か kdemultimedia-ffmpegthumbs をインストールしてください。
アプリケーションの起動の高速化
アプリケーションの起動時間を 50-150ms 早くする、この "magic trick" は User Rob によって彼のブログに書かれたものです。この trick を有効にするには、ホームに次のフォルダを作成してください:
$ mkdir ~/.compose-cache/
io の負担が重い時にフリーズが発生することがあります。フリーズしないようにするには、次を実行:
$ ln -sfv /run/user/$UID/ /home/$USER/.compose-cache
パーティションの秘匿
Dolphin で、Places
サイドバーのパーティションを右クリックして Hide <partition>
を選択するだけです。
内部パーティションをファイルマネージャに表示したくない場合は、以下のような udev ルールを作成してください:
/etc/udev/rules.d/10-local.rules
KERNEL=="sda[0-9]", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
特定のパーティションでも同じことが可能です:
KERNEL=="sda1", ENV{UDISKS_IGNORE}="1" KERNEL=="sda2", ENV{UDISKS_IGNORE}="1"
スクリーンセーバーの壁紙を現在の壁紙と同じに設定する
Kscreensaver の背景をデフォルトの壁紙から変更することができます。
デフォルトでは KDE は 'Simple Lock' の壁紙を変更することができませんが、回避する方法 が 存在します:
/usr/share/apps/ksmserver/screenlocker/org.kde.passworddialog/contents/ui/
[...] #source: theme.wallpaperPathForSize(parent.width, parent.height) source: "1920x1080.jpg" [...]
現在の壁紙の画像を "1920x1080.jpg"
にコピーしてください。
任意の画像をロックスクリーンの壁紙に設定する
既存の壁紙プロファイルをテンプレートとしてコピーしてください:
$ cp -r /usr/share/wallpapers/ExistingWallpaper ~/.kde4/share/wallpapers/
ディレクトリの名前を変更し、metadata.desktop
を編集してください:
~/.kde4/share/wallpapers/MyWallpaper/metadata.desktop
[Desktop Entry] Name=MyWallpaper X-KDE-PluginInfo-Name=MyWallpaper
既存の画像 (contents/screenshot.png
と images/*
) を削除してください:
$ rm ~/.kde4/share/wallpapers/MyWallpaper/contents/screenshot.png $ rm ~/.kde4/share/wallpapers/MyWallpaper/contents/images/*
新しい画像をコピーしてください:
$ cp path/to/MyWallpaper.png MyWallpaper/contents/images/1920x1080.png
新しいテーマの metadata プロファイルを編集してください:
~/.kde4/share/apps/desktoptheme/MyTheme/metadata.desktop
[Wallpaper] defaultWallpaperTheme=MyWallpaper defaultFileSuffix=.png defaultWidth=1920 defaultHeight=1080
画面をロックしてみて変更が適用されているか確認してください。
モニターの解像度やマルチモニターの設定
ディスプレイの解像度やマルチモニターの管理を Plasma 5 で有効にしたい場合は、kscreen をインストールしてください。システム設定のディスプレイとモニターにオプションが追加されます。
Super キー (Windows キー) でアプリケーションランチャーを開く
ksuperkey をインストール・起動してください。そして Alt + F1 をホットキーに指定します。これで Super キーでアプリケーションランチャーが開くようになります。手動で ksuperkey を起動するのが面倒な場合は自動起動させてください。
トラブルシューティング
設定関連
KDE の問題の多くは設定に関係しています。アップグレードの問題を解決する方法のひとつは KDE の設定をイチから始めることです。
KDE の設定を全てリセットする
設定に問題があるかどうかテストするには、ログアウトして KDE セッションを終了し、tty で次を実行してみてください:
$ cp -r ~/.kde4 ~/.kde4.safekeeping $ rm .kde4/{cache,socket,tmp}-$(hostname)
この rm コマンドはシンボリックリンクを削除するだけで、KDE によって自動で再作成されます。コマンドを実行した後に新しい KDE セッションを開始して結果を確認してください。
問題が解決していたら、新鮮な問題のない ~/.kde4/
が使えます。部分的に設定を戻していって、セッションを標準で再起動してテストし、あなたの設定で問題になっている箇所を見つけましょう。アプリケーションの名前が付けられているファイルではおそらく KDE を再起動せずにテストできます。
ファイルインデックスサービスを有効にしても動作しない
Nepomuk データベースが破損しているのが原因です。データベースを移動するか全て削除することで直すことができます。KDE からログアウトし、仮想コンソールから次のコマンドを実行してください:
$ mv ~/.kde4/share/apps/nepomuk ~/.kde4/share/apps/nepomuk_backup
これで既存の(壊れた) nepomuk データベースが移動されます。データベースは再びログインしたときに再生成されます。
Plasma デスクトップの挙動がおかしい
通常 Plasma の問題は不安定な plasmoid や plasma テーマが原因です。まず、最後にインストールした plasmoid や plasma テーマを無効にしたりアンインストールしてみてください。
突然デスクトップが"ロックアップ"する場合は、おそらくインストールしたウィジェットの欠陥が原因です。問題が起こる前にインストールしたウィジェットがどれか思い出せないときは、問題が解決するまで一つずつウィジェットを削除して見て下さい。ウィジェットをアンインストールしたら、公式ウィジェットが原因の場合バグレポートを送って下さい (bugs.kde.org)。公式ウィジェットではなかったときは、kde-look.org のエントリを探してウィジェットの作者に問題を伝えることを推奨します (問題を再現する方法を記述してください)。
問題がわからないが、KDE の設定を全て失うのは嫌な場合は、次を実行してください:
$ rm -r ~/.kde4/share/config/plasma*
このコマンドは KDE に再ログインした時にユーザーの plasma に関連する設定を全て削除し、デフォルトの設定に戻します。これを一度行うと取り返しが付かないので注意してください。バックアップフォルダを作成して plasma に関係する設定をそこにコピーすると良いでしょう。
キャッシュを削除してアップグレードの問題を解決する
古いキャッシュによって問題が発生することもあります。アップグレードをした後、古いキャッシュによってシェルが消せなくなるなどのおかしな(デバッグしづらい)挙動が発生したり、設定を変更したときにフリーズしたり、ark が rar や zip を解凍できなくなったり、amarok が音楽を認識しなくなるなどの問題がおこることがあります。この問題の解決方法は、アップグレードによって KDE や Qt のプログラムの見た目がおかしくなる問題を解決することもあります。
次のコマンドでキャッシュを再生成してください:
$ rm ~/.config/Trolltech.conf $ kbuildsycoca4 --noincremental
うまくいけば、問題は修正されているはずです。
akonadi の設定を削除して KMail を修復する
まず、KMail が動作していないことを確認してください。次に、設定のバックアップをしてください:
$ mv ~/.local/share/akonadi ~/.local/share/akonadi-old $ mv ~/.config/akonadi ~/.config/akonadi-old
システム設定 > 個人 を起動して全てのリソースを削除して下さい。Dolphin に戻ってオリジナルの ~/.local/share/akonadi
と
~/.config/akonadi
を削除してください。必要ならば先ほど作成したコピーを使って元に戻すことができます。
もう一回システム設定に戻って注意して必要なリソースを追加してください。リソースがメールフォルダを読み込んでいるはずです。それから Kontact/KMail を起動して正しく動作するか確かめて下さい。
デバッグなどのために KWin の現在の状態を取得
次のコマンドで KWin の状態の概要を出力します。使われているオプション、使われているコンポジットバックエンド、関連する OpenGL ドライバーの情報も表示されます。 詳しくは Martin's blog を見て下さい
$ qdbus org.kde.kwin /KWin supportInformation
KDE4 のロードが終わらない
おそらく KDE4 が起動するときにグラフィックドライバが衝突する状態になっています。この状態はログインの後、デスクトップのロードが終わる前に起こり、ユーザーはログイン画面で永久に待ち続けることになります。現在のところ、この状態が発生することが確認されているのは NVIDIA ドライバと KDE4 を使っているユーザーだけです。
Nvidia ユーザーは /home/user/.kde4/share/config/kwinrc
ファイルを編集して [Compositing] セクションの Enabled=true オプションを false に変更してください。詳しくはこのスレッドを見て下さい。
他のウィンドウマネージャで KDE と Qt プログラムの見た目が悪くなる
完全な KDE セッション以外で KDE や Qt のプログラムを使っている場合 (つまり、startkde
を実行していない場合)、KDE 4.6.1 では Qt に KDE のスタイル (Oxygen, QtCurve etc) を教える必要があります。
QT_PLUGIN_PATH
環境変数を設定するだけで十分です。例えば、/etc/profile
(root 権限がない場合 ~/.profile
) に以下を追加してください:
export QT_PLUGIN_PATH=$HOME/.kde4/lib/kde4/plugins/:/usr/lib/kde4/plugins/
これで qtconfig-qt4
があなたの KDE スタイルを見つけられるようになり、見た目が戻るはずです。
もしくは、Qt の styles ディレクトリから KDE の styles ディレクトリにシンボリックリンクを張っても直せます:
# ln -s /usr/lib/kde4/plugins/styles/ /usr/lib/qt4/pluginlib32-libdbusmenu-glibs/styles
Gnome では libgnomeui パッケージをインストールしてみてください。
i3/fvwm/awesome で KF5/Qt5 アプリケーションのアイコンが表示されない
Qt#KDE 以外の環境で Qt アプリを設定を見て下さい。
グラフィック関連の問題
2D デスクトップのパフォーマンスが低い、または 2D で乱れが出る
GPU ドライバーの問題
あなたのカードに対応した適切なドライバをインストールするようにしてください、最低でも 2D アクセラレーションがあなたのデスクトップで有効になります。詳しくは次の記事に従って下さい: ATI, NVIDIA, Intel。理論的には、オープンソースの ATI・Intel ドライバとプロプライエタリの(バイナリの) Nvidia ドライバが最適の 2D・3D アクセラレーションを提供します。
Raster エンジンを使う
問題が解決しない場合、あなたが使っているドライバが正しい XRender アクセラレーションを提供していない可能性があります。現在 Qt のペイントエンジンはデフォルトでこれを使っています。
コマンドラインから -graphicssystem raster
を使ってアプリケーションを起動することでペイントエンジンをソフトウェアベースのものに変えることができます。設定オプションとして同じ -graphicssystem raster
を使って Qt をリコンパイルすることでこのレンダリングエンジンをデフォルトのエンジンに設定することが可能です。
raster ペイントエンジンは GPU ではなく CPU を使ってほとんどの描画を行います。システムによっては、より良いパフォーマンスを得られるかもしれません。この回避策は基本的に Linux ドライバに致命的な欠陥があるときのためのものです。CPU は少ないスレッドで複雑な処理をするように設計されており、グラフィック計算には明らかに向いていません。反対に GPU は一度に多くのスレッドを扱えますが計算の強度は劣ります。従って、問題があったり GPU が CPU より極めて遅いときに Raster エンジンを使って下さい、それ以外の場合は XRender を使うほうがベターです。
Qt 4.7+ から、Qt をリコンパイルする必要はなくなりました。QT_GRAPHICSSYSTEM=raster
か opengl
か native
(デフォルト) を export するだけで十分です。Raster は CPU を使い、OpenGL は GPU を使って高水準のドライバをサポート、Native は X11 レンダリング (mixture) を使います。
これを自動的に行うには kcm-qt-graphicssystemAUR を AUR からインストールしてシステム設定から設定してください
システム設定 > Qt Graphics System
詳しくは、KDE Developer ブログ や Qt Developer ブログ を見て下さい。
3D デスクトップのパフォーマンスが低い
KDE では最初からデスクトップ効果が有効になっています。古いカードでは 3D のデスクトップアクセラレーションの必要要件を満たさないかもしれません。デスクトップ効果を無効にするには
システム設定 -> デスクトップ効果
もしくは Alt+Shift+F12
でデスクトップ効果を切り替えることができます。
新しい Nvidia GPU を搭載したシステムでデスクトップコンポジットが無効になる
ときどき、Kwin の設定ファイル (kwinrc
) の設定が 3D デスクトップ OpenGL
コンポジットの再有効化で問題を生じさせることがあります。この問題はランダムで発生してしまうことがあり (例えば、Xorg を突然クラッシュさせたり再起動させて、破損してしまったなど)、そのようなときは、~/.kde4/share/config/kwinrc
ファイルを削除してログインしなおして下さい。KWin の設定は KDE のデフォルトに戻り、おそらく問題は解決するはずです。
コンポジットを有効にするとフルスクリーンでちらつきが発生する
KDE SC 4.6.0 では、システム設定 -> デスクトップ効果 -> Advanced -> "Suspend desktop effects for fullscreen windows" にオプションがあり、チェックを外すことで kwin は unredirect fullscreen を無効にします。
デスクトップコンポジットを有効にするとティアリングが発生する
デスクトップ効果が有効になっていると KWin にティアリングが発生することがあります。システム設定 > デスクトップ効果 > Advanced > "Use Vsync" から垂直同期オプションのチェックを外して下さい。
プロプライエタリドライバーを使っている場合、ドライバーの VSync オプションを有効にしてください (Catalyst ユーザーは amdccle
、NVIDIA ユーザーは nvidia-settings
)。
再起動するとディスプレイの設定が失われる (マルチモニター)
kscreenに、特定のディスプレイを使用している場合再起動後にマルチモニター設定が失われるというバグが存在します。 回避策としては、kscreenを削除してxorg.confでスクリーンの解像度を指定することが考えられます。
- Nouveauを使用している場合、Nouveau#Dual Headにあるテンプレートをあなたの環境に合わせて編集してください。
- プロプライエタリなNvidiaドライバを使用している場合、nvidia-settingsユーティリティをrootで実行すると設定ファイルを書き出すことができます。
KDE のサウンドについての問題
ALSA 関連の問題
KDE で音楽を聞こうとすると "Falling back to default" メッセージが表示される
次のようなメッセージが表示される場合:
- The audio playback device <name-of-the-sound-device> does not work.
- Falling back to default
システム設定から
システム設定 -> マルチメディア -> Phonon
それぞれのボックスの全てのデバイスの上に default
という名前のデバイスを設定してください。
GStreamer Phonon を使って MP3 ファイルを再生できない
GStreamer の libav プラグイン (gst-libav パッケージ) をインストールすることで解決できます。それでも再生できないときは、phonon-qt4-vlc や phonon-qt5-vlc など他のバックエンドをインストールして、利用する Phonon バックエンドを変更してみて下さい。バックエンドを変えるには:
システム設定 -> マルチメディア -> Phonon -> バックエンド (タブ)
Konsole がコマンドの履歴を保存しない
デフォルトでは、コンソールコマンドの履歴はコマンドに 'exit' を入力したときだけ保存されるようになっています。Konsole をウィンドウの 'x' で終了したときは保存されません。
コマンドが実行されるたびに自動で履歴を保存するには以下を .bashrc
に追加してください。
shopt -s histappend [[ "${PROMPT_COMMAND}" ]] && PROMPT_COMMAND="$PROMPT_COMMAND;history -a" || PROMPT_COMMAND="history -a"
KDE のパスワードプロンプトで一文字ごとに * が三つ表示される
システム設定 > アカウント詳細 から変更できます。パスワード&ユーザーアカウントには以下のオプションがあります:
- 一文字ごとに一つの * を表示する
- 一文字ごとに三つの * を表示する
- 何も表示しない
セマンティックデスクトップを無効にしても Nepomukserver プロセスが自動で起動する
システム設定 > 起動と終了 > サービスマネージャ > 起動時に開始するサービス に行き Nepomuk 検索モジュールのチェックを外して下さい。
Dolphin やファイルダイアログが起動するのが異常に遅い
upower サービスが原因かもしれません。upower サービスが必要ない場合、無効にすることができます:
# systemctl disable upower # systemctl mask upower
無効にすることによってデスクトップに副作用が起こることはありません。
KDE での GTK アプリケーションのデフォルト PDF ビューア
Inkscape や GIMP などのグラフィックプログラムをインストールしたときに、GTK アプリケーション (Firefox も含む) がデフォルトの PDF アプリケーションとして Okular を選ばず、デフォルトアプリケーションの KDE 設定に従わないことがあります。次のユーザーコマンドを使うことで Okular をデフォルトのアプリケーションにできます。
$ xdg-mime default kde4-okularApplication_pdf.desktop application/pdf
他の PDF ビューアアプリケーションを使っていたり、他の mime タイプが間違っている場合は、kde4-okularApplication_pdf.desktop
と application/pdf
をそれぞれ必要に応じて変更してください。
詳しくは、デフォルトアプリケーションを参照してください。
Inotify のフォルダ監視数
以下のエラーが表示される場合:
KDE Baloo Filewatch service reached the inotify folder watch limit. File changes may be ignored.
inotify のフォルダ監視数を増やす必要があります:
# echo 10000 > /proc/sys/fs/inotify/max_user_watches
変更を永続化させるには、以下の内容で /etc/sysctl.d/90-inotify.conf
を作成してください:
#increase inotify watch limit fs.inotify.max_user_watches = 10000
Unstable リリース
KDE が beta や RC マイルストーンに達すると、KDE "unstable" パッケージが [kde-unstable] リポジトリにアップロードされます。KDE が安定版になるまでそこで保持され、その後 [extra] に移動されます。
[kde-unstable] を追加するには:
/etc/pacman.conf
[kde-unstable] Include = /etc/pacman.d/mirrorlist
- [kde-unstable] は testing がベースになっています。従って、以下の順番でリポジトリを有効にする必要があります: kde-unstable, testing, core, extra, community-testing, community。
- 前の KDE からアップデートするには、次を実行:
pacman -Syu
もしくはpacman -S kde-unstable/kde
- KDE をインストールしていない場合、グループを使ってインストールをするのは難しいかもしれません (pacman の制限)
- arch-dev-public メーリングリストを講読してください
- 問題を発見したときはバグレポートを送って下さい。
バグ
マイナーバグでも深刻なバグでも、あなたがバグを見つけた時は Arch のバグトラッカーや KDE Bug Tracker でバグの報告をするのが好ましいです。報告することははっきりと記して下さい。
Arch フォーラムに問題を書き込む時は、まず同期しているミラー (ここを確認) や Reflector を使ってシステムを完全にアップデートするようにしてください。