Dell XPS 13 (9360)
デバイス | 状態 | モジュール |
ビデオ | 動作 | i915 |
ワイヤレス | 動作 | ath10k |
Bluetooth | 動作 | btusb |
オーディオ | 動作 | snd_hda_intel |
タッチパッド | 動作 | ? |
ウェブカメラ | 動作 | uvcvideo |
USB-C / Thunderbolt 3 | 動作 | ? |
無線スイッチ | 動作 | intel_hid |
ファンクション/マルチメディアキー | 動作 | ? |
Dell XPS 13 Late 2016 (9360) は XPS 13 の第4世代モデルです。2016年10月より発売されており、Windows がインストールされた標準エディションと Ubuntu がインストールされたデベロッパーエディションがあります。エディションによるハードウェアの違いはありません。旧機種 (Dell XPS 13 (9333), Dell XPS 13 (9343), Dell XPS 13 (9350)) と同じように様々なハードウェア構成が存在します。第4世代モデルでは Intel の Kaby Lake CPU が搭載され 16GB までの LPDDR 1866 MHz メモリと 1TB PCI SSD を載せることができます。さらにローズゴールドが選択できるようになりました。市場予想と異なり LPDDR 2133 MHz メモリは選択できません。
XPS 13 に Arch をインストールする手順は他の PC と異なりません。インストール方法は、インストールガイドや UEFI を見てください。このページでは Arch におけるハードウェアの対応状況やインストール後の推奨事項を記載しています。
Intel Kaby Lake アーキテクチャはカーネル 4.5 からサポートされています。
目次
CABC
XPS 13 のディスプレイパネル (FHD と QHD+ の両方) にはパネルのフォームウェアに「コンテンツ適応輝度コントロール」 (大抵は CABC とか DBC と呼ばれます) が組み込まれています。画面上に表示されたコンテンツにあわせて画面の明るさを変えてくれる機能ですが、暗いコンテンツと明るいコンテンツを頻繁に切り替えるユーザーにとっては不快ともなります。Dell はフィックスを提供していますが QHD+ モデルの Windows でしか使用できないため Linux をインストールする前に対処が必要です。XPS 13 (9360) の FHD モデルではフィックスは適用できません。パネルの問題というわけではなく、どちらかといえば XPS 13 のパネルの設定の問題です。同じパネルが Dell の Latitude 13 7000 シリーズ (e7370) の FHD モデルで使われていますが CABC は無効になっています。フィックスは Dell から直接入手できます。
NVM Express SSD
NVME 省電力パッチ
ソリッドステートドライブ/NVMe#NVME 省電力パッチを見てください。コンパイル済みのパッケージは [1] にあります。
ビデオ
最新の linux カーネルの i915
ドライバーで問題なく動作します。詳しいインストール・設定方法は Intel Graphics や Intel Graphics#トラブルシューティングを見てください。
起動後に画面が表示されない
遅延起動 KMS (デフォルト) を使っていてモジュールのロード時に画面が表示されなくなる場合、initramfs に i915
と intel_agp
を追加したり、特殊なカーネルパラメータを使用することで解決する可能性があります。カーネルパラメータを使用する方法は Intel Graphics#起動中 "Loading modules" するときに画面がブラックアウトするを、initramfs にモジュールを設定する方法は Kernel Mode Setting#Early KMS start を見てください。
ワイヤレス
Killer 1535 Wirless Adapter は問題なく機能し、最新バージョンの Linux カーネルには ath10k ファームウェアが含まれています。iw によって報告される接続速度は 1-6Mbits/s に制限されているように見えますが出力が間違っているだけです。実際の接続速度はもっと高い値が出ます。
Bluetooth
Bluetooth に書かれている手順に従うことでスマートフォンによるインターネット接続のテザリングはすぐに動作します。
Thunderbolt 3 / USB 3.1
USB-C 端子は Thunderbolt 3, Displayport-over-USB-C, USB パワーデリバリ, USB 3.1 に対応しています。
Dell USB-C アダプタ (DA200) でイーサネットが接続と切断を繰り返す
(TLP などの) 電源管理パッケージを使用している場合、有線接続の切断と接続が繰り返されることがあります。その場合、イーサネットアダプタの USB 自動サスペンドを無効化するかブラックリストに追加してください (例えば lsusb
の出力で確認すると Bus 004 Device 007: ID 0bda:8153 Realtek Semiconductor Corp
などと確認できます)。
SATA コントローラ
BIOS で SATA コントローラが RAID On
に設定されている場合、ハードディスク (もしくは SSD) が認識されません。Arch をインストールする前に Off
あるいは AHCI
に設定してください (AHCI
が推奨です)。
詳しくは http://en.community.dell.com/support-forums/network-internet-wireless/f/3324/t/19995423 を見てください。
タッチパッド
タッチパッドには一見するとボタンがありません。ボタンはパッドの表面に内蔵されています。パッドに印刷されている小さな線が左クリックと右クリックを分けています。パッドには中ボタンもあります (特に設定をしなくても libinput で動作します)。左ボタンと右ボタンを分けている線の右の中央付近を押すと中ボタンのクリックになります。
psmouse のエラー
タッチパッドは動作しているのに dmesg | grep -i psmouse
でエラーが返ってくる場合、psmouse
を無効化すると良いでしょう。まず設定ファイルを作成:
/etc/modprobe.d/modprobe.conf
blacklist psmouse
そしてファイルを /etc/mkinitcpio.conf
に追加:
... FILES="/etc/modprobe.d/modprobe.conf" ...
その後 initramfs を再生成してください (Mkinitcpio#イメージ作成とアクティベーションを参照)。
タッチスクリーン
タッチスクリーンは特に設定をしなくても動作します。サスペンドから復帰後にタッチスクリーンが使えなくなるバグはカーネル 4.8.5 で修正されました。
ジェスチャー
ジェスチャーの利用方法については libinput#ジェスチャーを見てください。
キーボードのバックライト
デフォルトでは、キーボードのバックライトは何も操作をしないと10秒後にオフになります。短すぎて煩いと感じるユーザーもいるでしょう。以下のファイルを編集することで時間を増減できます:
/sys/devices/platform/dell-laptop/leds/dell\:\:kbd_backlight/stop_timeout
また、以下のファイルを編集することで明るさを変更できます (0-2)。キーボードの F10 を押すのと同じです:
/sys/devices/platform/dell-laptop/leds/dell\:\:kbd_backlight/brightness
ファームウェアのアップデート
Dell はファームウェアアップデートを fwupdAUR で提供しています。Linux から BIOS を書き換える#fwupd を見てください。/boot
に対してバインドマウントしたパーティションを使っている場合、fwupd ユーティリティを使用することができません。FAT32 で USB をフォーマットして BIOS をアップデートする .exe を保存してください。再起動したら BIOS を書き込むアップデートを行えます。
トラブルシューティング
EFISTUB が起動しない
BIOS はカーネルにブートパラメータを何も渡しません。UEFI 対応のブートローダーを使用してください。
サスペンドから復帰しない
BIOS を 1.0.7 にアップデートすることで問題は解決します。
スタンバイから復帰した後にバッテリーが消耗する
スタンバイ状態から復帰した後に ~2W 以上も電力が消費されるという報告があります。UEFI のファームウェア設定を開いて (Dell のロゴが表示されたときに F2 キーを押してください)、'Enable Thunderbolt Boot Support' のチェックを外してください。powertop や powerstat-gitAUR を使うことで問題が再現するか確認できます。
コイル鳴き
残念ながら Dell はまだ問題を解決できておらずコイル鳴きが酷い個体が存在します。問題はグラフィックカードの接続にあります。フレームバッファの圧縮を enable_fbc=1
で有効にすることでノイズをかなり減らすことができます。Intel Graphics#モジュールによる省電力設定を見てください。グラフィックの負担が高い状態でコイル鳴きは発生しますが、4K モニターでは基本的に常に負担は高くなります。