Thunar
プロジェクトの ホームページ より:
- Thunar は Xfce デスクトップ環境の新しい近代的なファイルマネージャです。高速で使いやすいように Thunar はイチから作られました。ユーザーインターフェイスは整理されていて直感的であり、デフォルトで混乱するような意味のないオプションは入っていません。Thunar は短い時間で起動しフォルダのロードにも素早く反応します。
インストール
公式リポジトリから利用できる thunar パッケージをインストールしてください。このパッケージは xfce4 グループに含まれているため、Xfce を使っている場合、すでに Thunar はインストールされていると思われます。
プラグインとアドオン
- Gnome Virtual File System — ゴミ箱の追加やリムーバルメディアやリモートファイルシステム (
mtp
/smb
) のマウントなど。詳しくはファイルマネージャの機能#マウントを見てください。
- Thunar Archive Plugin — コンテキストメニューアイテムを使って圧縮ファイルを作成したり解凍できるプラグイン。圧縮ファイルを直接作成・解凍するのではなく File Roller (file-roller), Ark (kdeutils-ark[リンク切れ: 置換パッケージ: ark]), Xarchiver (xarchiver) など他のプログラムのフロントエンドとして動作します。xfce4-goodies に含まれています。
- Thunar Media Tags Plugin — メディアファイルに関する情報を表示するプラグイン。一括リネームやメディアタグの編集をすることもできます。ID3 (MP3 ファイルフォーマットのシステム) と Ogg/Vorbis タグをサポートしています。xfce4-goodies に含まれています。
- http://goodies.xfce.org/projects/thunar-plugins/thunar-media-tags-plugin || thunar-media-tags-plugin
- Thunar Shares Plugin — root 権限を必要とすることなく Thunar から Samba を使ってフォルダを素早く共有することができるプラグイン。設定方法も参照してください。
- Thunar Volume Manager — Thunar でリムーバルデバイスの自動管理。xfce4 に含まれています。
- Tumbler — サムネイルを生成する外部プログラム。ffmpegthumbnailer もインストールすることで動画のサムネイルが有効になります。
- RAW Thumbnailer — raw サムネイルを表示するのに必要な軽量で高速な raw 画像サムネイラー。
- libgsf — GNOME Structured File Library は構造化されたファイルフォーマットを読み書きするためのユーティリティライブラリです。odf サムネイルのサポートが必要な場合にインストールしてください。
Thunar Volume Manager
Thunar はリムーバルメディアの自動マウント・アンマウントをサポートしていますが、Thunar Volume Manager はその機能を拡張して、自動的にコマンドを実行したりマウントされたメディアの Thunar ウィンドウを自動で開くようにすることができます。
インストール
Thunar Volume Manager は公式リポジトリの thunar-volman パッケージからインストールできます。
設定
カメラやオーディオプレイヤーが接続された時に特定のアクションを実行するように設定することができます。 プラグインをインストールした後:
- Thunar を起動して 編集 > 設定
- '詳細' タブ下、'ボリューム管理を有効にする' のチェックを入れる
- configure をクリックして以下のアイテムにチェックを入れる:
- リムーバルドライブがホットプラグされたらマウントする
- リムーバルメディアが挿入されたらマウントする
- そして必要な変更を行なって下さい (下の例を参照)
Amarok でオーディオ CD を再生させるよう設定する例:
マルチメディア - オーディオ CD: amarok --cdplay %d
Tips and tricks
巨大な外部デバイスを自動マウントする
thunar-volman と gvfs をインストールしているのに Thunar が巨大なリムーバルメディア (1TB 以上) のマウントをしない場合、udevil または udiskie などの他の自動マウントプログラムをインストールしてみてください。後者の方が udisks2 を使用し gvfs と互換性があるので推奨です。udisks2 サポートを使って udiskie を起動するには autostart ファイルに次の行を追加してください:
udiskie -2 &
Thunar を使ってリモートの場所をブラウズする
Xfce 4.8 (Thunar 1.2) から Thunar で直接リモートの場所 (FTP サーバーや Samba 共有など) をブラウズできるようになっています。この機能を有効にするには gvfs, gvfs-smb, sshfs パッケージをインストールしてください。'Network' エントリが Thunar のサイドバーに表示され次のような URI スキームを場所ダイアログ (Ctrl+l
で開く) に使うことでリモートの場所を開くことができます: smb://, ftp://, ssh://, sftp://, davs:// そしてその後にサーバーのホスト名や IP アドレス。
NFS 共有には URI スキームがありませんが、fstab を適切に設定していれば Thunar は mount
コマンドを実行することができます。
/etc/fstab
# nas1 server nas1:/c/home /media/nas1/home nfs noauto,user,_netdev,bg 0 0
ここで重要なのは、クリックされるまで共有がマウントされないようにする noauto
と、どのユーザーでも共有をマウント(アンマウント)できるようにする user
、そして前もってネットワーク接続を行う _netdev
、そして最後にマウント操作をバックグラウンドにする bg
です。これはサーバーがスピンアップ時間を必要とする場合に動作するまでタイムアウトメッセージに対処して再クリックする必要をなくします。
デーモンモードで起動する
Thunar はデーモンモードで実行することが可能です。このモードには複数の利点があり、Thunar を高速に起動したり、バックグラウンドで Thunar を動かすことで必要なときだけウィンドウを開くことができます (例えば、フラッシュドライブが接続されたときなど)。
ログイン時に thunar --daemon
コマンドが自動で実行されるようにしてください。詳しくは Xfce や自動起動を見て下さい。
起動が遅いという問題を解決する
一部の人々は Thunar を最初に起動するときに長い時間がかかるという問題を抱えています。これは gvfs がネットワークを確認しているのが原因で、gvfs が操作を完了するまで Thunar が起動できなくなっているからです。この挙動を変更するには、/usr/share/gvfs/mounts/network.mount
を編集して AutoMount=true
を AutoMount=false
に変えてください。
サイドペインのショートカットを隠す
サイドペインのショートカットを表示させなくする隠しメニューが存在します。
「デバイス」セクションラベルなど、サイドペインのショートカットがないところを右クリックして下さい。ポップアップメニューが表示され、隠したいアイテムのチェックを外すことができます。
Thunar のキーボードショートカットを割り当てる
自由にコマンドのショートカットを割り当てる方法があります。実際、Thunar のメニューバーに記載されるメニューオプションは自由にショートカットに割り当てることが可能です。ただし、残念ながら (Thunar Archive Plugin など) プラグインのオプションをショートカットで割り当てることはできません。
xfconf-query -c xsettings -p /Gtk/CanChangeAccels -T
Thunar を開いて、例えば "Open Terminal Here" メニューオプションを探して下さい。エントリの上にマウスを乗せてキーボードショートカットにするキーを押します。多くの場合、F4
に設定すると便利でしょう。キーの割り当てを削除するには、Backspace キーを押します。
上記の設定を行えば、Thunar の中で定義したショートカットを押すだけでターミナルを開くことができるようになります。
GTK+#キーボードショートカットのカスタマイズを有効にするも参照。
fstab に定義されたパーティションを表示する
Thunar はデフォルトで /etc/fstab
に定義されているパーティションを root パーティションを除いて一切デバイス欄に表示しません。
fstab で表示したいパーティションに comment=x-gvfs-show
オプションを付けることで表示を切り替えることができます。
カスタムアクション
このセクションでは 編集 -> カスタムアクションの設定
からアクセスできる便利なカスタムアクションを説明しています (~/.config/Thunar/uca.xml
に保存されます)。他にも thunar wiki にはサンプルが載っています。さらに、この ブログ記事にはカスタムアクションの広範囲なコレクションがされています。
ファイルとフォルダの検索
このアクションを使うには catfish がインストールされていなければなりません。mlocate もインストールしたほうが良いでしょう。
名前 | コマンド | ファイルのパターン | 登場する条件 |
---|---|---|---|
検索 | catfish --path=%f |
* | フォルダー |
ウイルスのスキャン
このアクションを使うには clamav と clamtk がインストールされていなければなりません。
名前 | コマンド | ファイルのパターン | 登場する条件 |
---|---|---|---|
ウイルススキャン | clamtk %F |
* | 全て選択 |
Dropbox にリンク
名前 | コマンド | ファイルのパターン | 登場する条件 |
---|---|---|---|
Dropbox にリンク | ln -s %f /path/to/DropboxFolder |
* | フォルダー, その他のファイル |
特定の場所にあるファイルやフォルダにシンボリックリンクするカスタムアクションを多数使用する場合、メニューが長くなりすぎないようにコンテキストメニューの Send To
フォルダにアクションを置くと便利です。実行するアクションごとに ~/.local/share/Thunar/sendto
に .desktop ファイルを作るだけで簡単に置くことができます。例えば上記の Dropbox シンボリックリンクアクションを Send To に置きたい場合、dropbox_folder.desktop
を以下の内容で作成します。新しく作成したアクションは Thunar を再起動した後に有効になります。
[Desktop Entry] Type=Application Version=1.0 Encoding=UTF-8 Exec=ln -s %f /path/to/DropboxFolder Icon=/usr/share/icons/dropbox.png Name=Dropbox
トラブルシューティング
Tumblerd がハングアップして cpu を異常に消費する
Tumblerd はファイルシステムを監視して、サムネイルを作成する必要があるときにシステムに通知するサービスですが、ループにはまって、システムの CPU を100%使用してしまうことがあります。このバグレポートを見て下さい。以下のスクリプトは、[1] で考案されたもので、Tumblerd の異常を止めるための一時的な対処方法です。コピーして、.sh ファイルにペーストし、ホームディレクトリのどこかに保存して、ファイルに実行可能属性を付与し、システムの起動時に自動で実行させるように設定してください。
#!/bin/bash period=20 tumblerpath="/usr/lib/*/tumbler-1/tumblerd" # The * here should find the right one, whether 32 and 64-bit cpu_threshold=50 mem_threshold=20 max_strikes=2 # max number of above cpu/mem-threshold's in a row log="/tmp/tumblerd-watcher.log" if [[ -n "${log}" ]]; then cat /dev/null > "${log}" exec >"${log}" 2>&1 fi strikes=0 while sleep "${period}"; do while read pid; do cpu_usage=$(ps --no-headers -o pcpu -f "${pid}"|cut -f1 -d.) mem_usage=$(ps --no-headers -o pmem -f "${pid}"|cut -f1 -d.) if [[ $cpu_usage -gt $cpu_threshold ]] || [[ $mem_usage -gt $mem_threshold ]]; then echo "$(date +"%F %T") PID: $pid CPU: $cpu_usage/$cpu_threshold %cpu MEM: $mem_usage/$mem_threshold STRIKES: ${strikes} NPROCS: $(pgrep -c -f ${tumblerpath})" (( strikes++ )) if [[ ${strikes} -ge ${max_strikes} ]]; then kill "${pid}" echo "$(date +"%F %T") PID: $pid KILLED; NPROCS: $(pgrep -c -f ${tumblerpath})" strikes=0 fi else strikes=0 fi done < <(pgrep -f ${tumblerpath}) done
ゴミ箱やネットワークアイコンが表示されたりされなかったりする
全ての Thunar インスタンスを gvfs の後に起動させてください [2]。thunar --daemon
の場合、GVFS が有効になるまで待機するラッパーを作成することができます:
/usr/local/bin/Thunar
#!/bin/bash if [[ $1 == --daemon ]]; then until pgrep gvfs >/dev/null; do sleep 1 done exec /usr/bin/Thunar "$@" else exec /usr/bin/Thunar "$@" fi
ファイルシステムがマウントできない
ファイルマネージャの機能#トラブルシューティングを見てください。
参照
- Thunar プロジェクトページ
- Thunar Volume Manager プロジェクトページ
- プラグインの リスト