KDE
関連記事
KDE は Plasma という名前のデスクトップ環境と、ライブラリやフレームワーク (KDE Frameworks)、そしてアプリケーション (KDE Applications) からなるソフトウェアプロジェクトです。KDE にはよくメンテされている UserBase wiki があり、ほとんどの KDE アプリケーションの詳細情報を見つけることができます。
目次
- 1 インストール
- 2 Plasma の起動
- 3 設定
- 4 アプリケーション
- 5 ヒントとテクニック
- 5.1 別のウィンドウマネージャを使う
- 5.2 KWin のタイル型ウィンドウのスクリプト
- 5.3 モニターの解像度やマルチモニターの設定
- 5.4 KWin-lowlatency
- 5.5 ICC プロファイルの設定
- 5.6 Super キー (Windows キー) でアプリケーションランチャーを開く機能を無効化
- 5.7 アプリケーションメニューにブックマークを表示させない
- 5.8 IBus 統合
- 5.9 plasma-nm でホットスポットを有効化する
- 5.10 前回保存したセッションを復元する
- 5.11 KMail でローカルメールを受信する
- 5.12 すべてのユーザに対して Plasma を設定する
- 5.13 ハイバネートを無効化
- 6 トラブルシューティング
- 6.1 アップグレード後に qt5ct と kvantum のバグ
- 6.2 フォント
- 6.3 設定関連の問題
- 6.4 グラフィック関連の問題
- 6.4.1 デバッグなどのために KWin の現在の状態を取得
- 6.4.2 特定のアプリケーションでデスクトップ効果を手動・自動で無効化
- 6.4.3 透過を有効にする
- 6.4.4 コンポジットの無効化
- 6.4.5 コンポジットを有効にするとフルスクリーンでちらつきが発生する
- 6.4.6 Plasma のカーソルがときどきおかしくなる
- 6.4.7 (ハイパーリンクにマウスを合わせた時などに)カーソルが変化するとカーソルが震える/跳ねる
- 6.4.8 使用できないスクリーン解像度設定
- 6.4.9 システムトレイのアイコンがぼやける
- 6.4.10 仮想マシンの中で実行するとスクリーンの解像度を変更できない
- 6.4.11 Dolphin や Kate などを開くのに長い時間がかかる
- 6.4.12 Spectacle のスクリーンショットでスクリーンの古い状態が使われてしまう
- 6.5 サウンド関連の問題
- 6.6 電源管理
- 6.7 KMail
- 6.8 Journal に QXcbConnection のログが大量に出力される
- 6.9 i3/fvwm/awesome で KF5/Qt5 アプリケーションのアイコンが表示されない
- 6.10 認証情報の保存に関する問題と KWallet ダイアログが何度も開く問題
- 6.11 Discover がアプリケーションを表示しない
- 6.12 Discover が Arch のリポジトリのアップデートを表示しなくなった
- 6.13 NVIDIA ドライバ使用時に kscreenlocker_greet の CPU 使用率が高くなる
- 6.14 ZFS 上で Akonadi を実行中に OS エラー 22
- 6.15 ウインドウが非アクティブのときにスクロールできないプログラムがある
- 6.16 TeamViewer の動作が遅い
- 6.17 Kmail、Kontact と Wayland
- 6.18 ウィジェットのアンロック (Plasma ≥ 5.18)
- 6.19 KIO が URL を違うプログラムで開いてしまう
- 6.20 システム設定の「ショートカット」に「カスタムショートカット」タブがない
- 6.21 サスペンドやハイバネートする前にスクリーンをロックする
- 7 参照
インストール
Plasma デスクトップ
Plasma をインストールする前に、Xorg がシステムに正しくインストールされていることを確認してください。
plasma-meta メタパッケージか plasma グループをインストールしてください。plasma-meta と plasma の違いについては、パッケージグループを参照してください。あるいは、Plasma を動かすための必要最小限のパッケージだけインストールしたい場合、plasma-desktop パッケージをインストールしてください。
Plasma で Wayland のサポートを有効化するには、plasma-wayland-session パッケージもインストールしてください。NVIDIA ユーザーは egl-wayland もインストールしてください。セッションがプロプライエタリの nvidia ドライバーで開始できない場合、DRM カーネルモードセッティング も有効にしてください。もしこれでも動作しないのであれば、KDE wiki の指示を確認してください。
KDE アプリケーション
KDE Applications のフルセットをインストールしたいときは、kde-applications グループか kde-applications-meta メタパッケージをインストールしてください。ゲームや教育などの特定のカテゴリの KDE アプリケーションだけが欲しい場合、kde-applications-meta の関連する依存パッケージをインストールしてください。このパッケージではアプリケーションだけがインストールされ、Plasma デスクトップは付属していないので注意してください。
不安定版
ベータリリースは 公式リポジトリ#kde-unstable を見てください。
Plasma の起動
Plasma は、ディスプレイマネージャを使って起動できますし、コンソールからも起動できます。
ディスプレイマネージャを使う
コンソールから起動
- xinit/startx で Plasma を起動するには、
.xinitrc
ファイルにexport DESKTOP_SESSION=plasma
とexec startplasma-x11
を追加してください。ログイン時に Xorg を起動したい場合、ログイン時に X を起動を見てください。 - コンソールから Wayland セッション上で Plasma を起動するには、
startplasma-wayland
を実行してください [1]。dbus-run-session
を使って dbus-session を手動で起動する必要はありません [2]。
設定
ほとんどの KDE アプリケーションの設定は ~/.config/
フォルダの中に保存されます。ただし、KDE の設定は基本的に システム設定 から行うことになっています。システム設定はターミナルから systemsettings
を実行することで起動できます。
個人設定
Plasma デスクトップ
テーマ
異なる種類の KDE テーマがあり、テーマによって変更される範囲も様々です:
- グローバルテーマ: Plasma テーマ、アプリケーションスタイル、色、フォント、アイコン、カーソル、スプラッシュスクリーン、SDDM テーマ、Konsole カラースキームを含むことのできる包括的なパッケージです。
- Plasma テーマ: Plasma パネルとウィジェットの外観を変更します。これらのテーマには、推奨されている Kvantum や Aurorae テーマがしばしば付属していて、見た目を完成させることができます。
- アプリケーションスタイル: プログラムの見た目を変更します。
- Kvantum、QtCurve [3]、QSvgStyle [4]、Aurorae などの テーマエンジンを使うアプリケーションスタイル。
- #アイコンテーマ: アプリケーション、ファイル、アクションに対するアイコンを提供します。
システム全体のインストールやアップデートを簡単にするには、一部のテーマが 公式リポジトリ と AUR で利用可能です。
グローバルテーマは、システム設定 > 外観 > グローバルテーマ > 新しいグローバルテーマを取得... でもインストールすることができます。
GTK アプリケーションの外観
GTK アプリケーションでの優れた見た目の推奨テーマは breeze-gtk です。Plasma の Breeze の外観を模倣するように作られています。kde-gtk-config (plasma グループに入っています)をインストールして、システム設定 > 外観 > Application Style > Configure GNOME/GTK Application Style... から、 Breeze
を GTK2/GTK3 のテーマとして選択してください。
テーマによっては、GTK アプリケーションのツールチップが白地に白字となってしまい、読めなくなることがあります。GTK2 アプリケーションの色を変更するには、.gtkrc-2.0
ファイルを開いてツールチップに関するセクションを探して変更を加えてください。GTK3 アプリケーションの場合、2つのファイルを変更する必要があります。gtk.css
と settings.ini
です。
vuescan-binAUR のような一部の GTK2 プログラムは、Plasma セッションで Breeze や Adwaita スキンを設定すると、チェックボックスが見えなくり、使いづらくなります。これを回避するには、例えば Numix-Frost-Light スキンを numix-frost-themesAUR からインストールして、システム設定 > 外観 > Application Style > Configure GNOME/GTK Application Style... > GTK theme 以下でそのスキンを選択してください。Numix-Frost-Light は Breeze と見た目が似ています。
フェイス
Plasma と SDDM はどちらも /var/lib/AccountsService/icons/
にある PNG ファイルをユーザーのアバターとして使用します。 GUI から設定するには、 システム設定 > Users を使うことができます。始めにインストールする必要があるかもしれません、詳細は plasma-desktop パッケージを見てください。ユーザ名と対応するファイルを削除するとデフォルトのアバターに戻せます。
ウィジェット
Plasmoids は、デスクトップの機能性を向上させるように作られた、plasma デスクトップシェル用のウィジェットです。AUR から探すことができます。
また、Plasmoid スクリプトは、パネルやデスクトップで右クリックして、ウィジェットを追加 > Get New Widgets... > Download New Plasma Widgets を選択することでもインストールすることができます。https://store.kde.org/ のフロントエンドが開かれ、ワンクリックで第三者が作成した Plasmoid スクリプトをインストール・アップデート・アンインストールできます。
システムトレイのサウンドアプレット
plasma-pa か kmix をインストールしてください (アプリケーションランチャーから Kmix を起動してください)。 plasma-pa は現在 plasma グループによりデフォルトでインストールされており、追加の設定は必要ありません。
パネルの影を無効化
Plasma パネルは他のウィンドウよりも上に表示され、パネルの影が下のウィンドウに描画されます [5]。他の影には影響を与えずにこの挙動を無効化したい場合、xorg-xprop をインストールして次を実行してください:
$ xprop -remove _KDE_NET_WM_SHADOW
そして、+カーソルでパネルを選択してください [6]。自動的に影を無効化したい場合、xorg-xwininfo をインストールして以下のスクリプトを作成してください:
/usr/local/bin/kde-no-shadow
#!/bin/bash for WID in $(xwininfo -root -tree | sed '/"Plasma": ("plasmashell" "plasmashell")/!d; s/^ *\([^ ]*\) .*/\1/g'); do xprop -id $WID -remove _KDE_NET_WM_SHADOW done
スクリプトに実行権限を設定してください。
Autostart の Add Script でスクリプトをログイン時に実行させることができます:
$ kcmshell5 autostart
ディスプレイのスケーリング/高 DPI ディスプレイ
HiDPI#KDE Plasma を見てください。
ウィンドウ装飾
ウィンドウ装飾 は AUR で見つけることができます。 また、システム設定 > 外観 > ウインドウの飾り からでも変更できます。ワンクリックで直接他のテーマをダウンロード・インストールすることができます。
アイコンテーマ
アイコンテーマは、システム設定 > 外観 > アイコン からインストール・変更できます。
スペースの節約
Plasma Netbook シェルは Plasma 5 から削除されました。詳細は KDE フォーラムの投稿 を見てください。ただし、~/.config/kwinrc
ファイルを編集して [Windows]
セクションに BorderlessMaximizedWindows=true
を追加することでスペースを効率的に使うようにすることができます。
サムネイルの生成
デスクトップや Dolphin でメディアやドキュメントファイルのサムネイルを生成するには、kdegraphics-thumbnailers と ffmpegthumbs をインストールしてください。
そしてデスクトップを右クリックして desktop background > Configure Desktop and Wallpaper... > アイコン > Configure Preview Plugins... からサムネイルのカテゴリを有効にしてください。
Dolphin では 設定 > Dolphin を設定... > 全般 > プレビュー を開いてください。
Night Color
Plasma は Night Color と呼ばれる Redshift のような機能を提供します(Xorg と Wayland の両方で機能します)。選択した時間になると、目の疲れを軽減するためにスクリーンの色を暖色に近くなるように変更します。システム設定 > ディスプレイとモニタ > Night Color から有効化できます。
印刷
システム設定 > プリンタ からもプリンターの設定をすることができます。この方法を使うには、最初に print-manager と cups と system-config-printer パッケージをインストールしてください。CUPS#設定 を読んでください。
Samba/Windows サポート
Windows サービスにアクセスしたいときは Samba (samba パッケージ) をインストールしてください。
Dolphin の共有機能は kdenetwork-filesharing パッケージを必要とし、ユーザー定義共有が有効になっている必要がありますが、標準の smb.conf
では有効になっていません。Samba の記事に書かれている指示に従って追加してください。設定後、Samba を再起動すれば Dolphin の共有は自動的に動作するはずです。
起動されたプログラムにも GVfs を使っている GTK のファイルブラウザとは違い、Dolphin から KIO 経由で SMB 共有のファイルを開くと、ほとんどのプログラムで始めにファイル全体をローカル環境にコピーします(VLC は例外です)。 問題を回避したい場合は、thunar などの GTK ベースのファイルマネージャをインストールして gvfs と gvfs-smb (と、ログイン情報を保存したい場合は gnome-keyring) を使って、より有効な方法で SMB 共有にアクセスしてください。
また、cifs-utils で Samba 共有をマウントして Plasma から SMB 共有を通常のローカルフォルダと同じように使えるようにするという方法もあります。 詳細は Samba#手動マウント や Samba#自動マウント を見てください。
同じように System Settings > Network Drivers から簡単にマウントできるようにする samba-mounter-gitAUR を使用することもできます。ただし、将来の Plasma では機能しなくなるかもしれません。
KDE デスクトップアクティビティ
KDE デスクトップアクティビティ は、それぞれのアクティビティに特定の設定を適用させることができる特別なワークスペースです。
電源管理
Plasma の統合された省電力サービスを使うには、powerdevil をインストールしてください。このサービスは、(サポートされていれば)モニターの明るさの調整や、周辺機器も含めたバッテリー状態の報告や追加の省電力機能を提供します。
自動起動
Plasma では、アプリケーションを自動起動したり、起動時やシャットダウン時にスクリプトを実行したりできます。アプリケーションを自動起動するには、System Settings > Startup and Shutdown > Autostart を開いてプログラムやシェルスクリプトを追加してください。アプリケーションを設定すると、.desktop ファイルが作成されます。ログインスクリプトの場合は、スクリプトを起動する .desktop ファイルが作成されます。
- 適切な XDG Autostart ディレクトリにデスクトップエントリ (つまり .desktop ファイル) を配置してください。
- シェルスクリプトまたはそのシンボリックリンクは以下のディレクトリのどれかに配置します:
~/.config/plasma-workspace/env/
- ログイン時の Plasma が実行される前に実行。
~/.config/plasma-workspace/shutdown/
- Plasma の終了時に実行。
公式ドキュメント を見てください。
Phonon
Wikipedia より:
- Phonon (フォノン) は Linux デスクトップ環境である KDE4 向けに開発されたクロスプラットフォームのマルチメディア API である。Phonon は、Unix 系デスクトップにおけるマルチメディア環境に関する諸問題を解決することを目的として開発された。
- Phonon 自体はマルチメディアフレームワークではないが、バックエンドを通じて GStreamer や Xine のような既存のフレームワークの橋渡しを行う機能を有し、開発者は Phonon がサポートするあらゆるマルチメディアフレームワークに単一の API を通じてアクセス出来るようになる。これによって、フレームワークが放置されることや API の不安定性、KDE が単一のフレームワークに依存することなどの諸問題を回避できる。
Phonon は KDE や Qt ソフトウェアの中で音声 (例: システム通知、KDE 音声アプリ) や動画 (例: Dolphin 動画サムネイル) のために広く使われています。
どのバックエンドを使うべきですか?
GStreamer や VLC、mpv、MPlayer ベースのバックエンドの中から選ぶことができます。Qt4 アプリケーションと Qt5 アプリケーション向けのバージョンが利用できるものがあります (phonon-qt4-gstreamerAUR, phonon-qt5-gstreamer – phonon-qt4-vlcAUR, phonon-qt5-vlc, phonon-qt4-mplayer-gitAUR, phonon-qt5-mpvAUR)。
上流では VLC が推奨されています。しかし、有名な Linux ディストリビューション (例えば Kubuntu や Fedora-KDE など) では、特許で守られている MPEG コーデックをデフォルト環境から取り除くために GStreamer が使われています。バックエンドによって対応している機能は多少異なります 。GStreamer バックエンドはいくつかの Codec に対応しており、必要に応じて以下のパッケージをインストールしてください:
- gst-libav — Livav コーデック
- gst-plugins-good — PulseAudio のサポートと追加のコーデック
- gst-plugins-ugly — 追加のコーデック
- gst-plugins-bad — 追加のコーデック
バックアップと復元
KDE Plasma 5 は個人のデスクトップ設定を設定ファイルとして XDG_CONFIG_HOME フォルダに保存します。設定ファイルの詳細を見て、バックアップと復元の方法を選択してください。
systemd による起動
Plasma は、systemd ユーザインスタンスを使って Plasma のすべてのサービスを起動・管理します。これは Plasma 5.25 よりデフォルトのスタートアップメソッドとなっていますが、以下のコマンドにより、代わり起動スクリプトをに使うようにできます(しかし、この方法は将来のリリースで機能しなくなるかもしれません):
$ kwriteconfig5 --file startkderc --group General --key systemdBoot false
実装の詳細については Edmundson 氏のブログ: Plasma and the systemd startup で読めます。
スペルチェック
KDE アプリケーションはスペルチェックに sonnet を使用します。サポートされている スペルチェッカー の任意の依存パッケージを見てください。
System Settings > Regional Settings > Spell Check で設定してください。
NVIDIA 上で kwin wayland を動かす
https://community.kde.org/Plasma/Wayland/Nvidia を見てください。
アプリケーション
KDE プロジェクトは Plasma デスクトップと統合されたアプリケーションスイートを提供しています。利用可能なアプリケーションについては kde-applications グループを見てください。また、カテゴリ:KDE には KDE 関連のアプリケーションのページが存在します。
KDE Applications で提供されているプログラム以外にも、Plasma デスクトップを補うアプリケーションは多数存在します。そのいくつかが以下で議論されています。
システム管理
KDE システム設定から Xorg サーバーを終了する
サブメニュー システム設定 -> 入力デバイス -> キーボード -> 詳細(タブ) > "X サーバーを終了するためのキーシーケンス" で、チェックボックスのチェックを入れて下さい。
KCM
KCM は KConfig Module の略です。KCM を使うと、システムの設定をするためのインターフェースをシステム設定に表示します。また、kcmshell5 でコマンドラインから使えます。
- sddm-kcm — SDDM のための KDE 設定モジュール。
- kde-gtk-config — KDE における GTK2 と GTK3 の設定。
- システムポリシー — PolicyKit の設定を変えることができる設定モジュール。
- Wacom タブレット — Wacom の Linux ドライバーの KDE GUI。
- Kcmsystemd — KDE の systemd 制御モジュール。
linux-apps.com に他にも多くの KCM があります。
デスクトップ検索
KDE では、ファイルインデックスの作成と検索を行う Baloo と呼ばれるソフトウェアを使って、デスクトップ検索を実装しています。
ウェブブラウザ
以下のブラウザは Plasma と連携できます:
- Falkon — Plasma との連携機能を持った Qt ウェブブラウザ (以前は Qupzilla と呼ばれていました)。Qt WebEngine を使います。
- Chromium — Chromium とプロプライエタリ版の Google Chrome は Plasma との連携機能が限定されています。KWallet と KDE Open/Save windows を使うことができます。
- Firefox — 設定によって Firefox は Plasma と統合できます。詳しくは Firefox#KDEとの統合 を参照してください。
PIM
KDE には個人情報管理(PIM)用のスタックが付属しています。メールや連絡先、カレンダーなどを管理します。kde-pim グループか kde-pim-meta メタパッケージで全ての PIM パッケージをインストールできます。
Akonadi
Akonadi は PIM データのローカルキャッシュとして働くシステムで、他のアプリケーションから使うことが可能です。これにはユーザーのメール、連絡先、カレンダー、イベント、ジャーナル、アラーム、ノートなどが含まれます。Akonadi は自身ではデータを保存しません: ストレージのフォーマットはデータの性質に依存します (例えば、連絡先は vCard フォーマットで保存されます)。
akonadi をインストールしてください。追加のアドオンは kdepim-addons をインストールしてください。
MySQL
デフォルトで Akonadi は /usr/bin/mysqld
(デフォルトで MariaDB が使われます。他の選択肢は MySQL を見てください)を使って専用の MySQL インスタンスを起動します。データベースは ~/.local/share/akonadi/db_data/
に保存されます。
システム全体で共用の MySQL インスタンス
Akonadi はシステム全体で共用の MySQL をデータベースとして使用できます。[9]
~/.config/akonadi/akonadiserverrc
[%General] Driver=QMYSQL [QMYSQL] Host= Name=akonadi_username Options="UNIX_SOCKET=/run/mysqld/mysqld.sock" StartServer=false
PostgreSQL
Akonadi は、システム全体で共用の PostgreSQL インスタンス(つまり postgresql.service
)と、(~/.local/share/akonadi/db_data/
にデータベースが保存されている)ユーザー権限で起動中の PostgreSQL インスタンスの両方が使用可能です。
ユーザーごとの PostgreSQL インスタンス
postgresql と postgresql-old-upgrade をインストールしてください。
Akonadi の設定ファイルを編集して、以下の内容を追加してください:
~/.config/akonadi/akonadiserverrc
[%General] Driver=QPSQL
akonadictl start
で Akonadi を起動して、 akonadictl status
で状態を確認してください。
システム全体で共用の PostgreSQL インスタンス
以下では既に設定されていて起動している PostgreSQL が必要です。
ログイン中のユーザーのための PostgreSQL のユーザーアカウントを作成します:
[postgres]$ createuser username
Akonadi で使うデータベースを作成します:
[postgres]$ createdb -O username -E UTF8 --locale=C -T template0 akonadi-username
Akonadi でシステム全体で共用の PostgreSQL を使うように設定します:
~/.config/akonadi/akonadiserverrc
[%General] Driver=QPSQL [QPSQL] Host=/run/postgresql Name=akonadi-username StartServer=false
akonadictl start
で Akonadi を起動して、akonadictl status
で状態を確認してください。
SQLite
SQLite を使うには、 Akonadi の設定ファイルを以下のように編集してください:
~/.config/akonadi/akonadiserverrc
[%General] Driver=QSQLITE3
Akonadi を無効にする
Akonadi を無効化したい場合、Akonadi に依存している KDE アプリケーションが起動しないようにする必要があります。詳細は KDE userbase のセクション を参照してください。
KDE Telepathy
KDE Telepathy は KDE デスクトップでインスタントメッセージを統合することを目標にしているプロジェクトです。バックエンドとして Telepathy フレームワークを利用しており、Kopete を置き換えるようになっています。
Telepathy プロトコルをインストールするには telepathy グループをインストールしてください。KDE Telepathy クライアントを使うには、telepathy-kde-meta パッケージをインストールしてください。telepathy-kde グループに含まれている全てのパッケージが入っています。
KDE Telepathy で Telegram を使う
telegram-purpleAUR または telegram-purple-gitAUR と telepathy-morse-gitAUR をインストールして telepathy-haze を使うことで Telegram プロトコルを使用することができます。ユーザー名は Telegram アカウントの電話番号です (国番号 +xx
を付けて下さい、例えば日本なら +81
)。
GUI での設定は少々厄介です。KDE Telepathy で新しいアカウントを設定するときに電話番号が承認されない場合 (不正なパラメータでアカウントが作成できないというエラーメッセージが表示される場合)、電話番号をシングルクォートで囲んで登録して、登録後に手動で設定ファイル (~/.local/share/telepathy/mission-control/accounts.cfg
) のシングルクォートを消して下さい (クォートを消さないと、認証エラーが発生します)。
KDE Connect
KDE Connect は、Android や iOS スマートフォンと Linux デスクトップを接続するための以下の機能を提供します:
- USB 接続なしで KDE とアプリ間でファイルや URL を共有。
- タッチパッドのエミュレーション: 携帯の画面をコンピュータのタッチパッドとして使用。
- 通知の同期 (4.3以降): デスクトップから Android の通知を読み取り。
- クリップボードの共有: 携帯電話とコンピュータでコピーアンドペースト。
- マルチメディアのリモートコントロール: 携帯電話を Linux メディアプレイヤーのリモコンとして使用。
- WiFi 接続: USB 接続や Bluetooth を必要としません。
- RSA 暗号化: あなたの情報は暗号化されます。
コンピュータと Android の両方に KDE Connect をインストールする必要があります。PC 側では、kdeconnect パッケージをインストールしてください。Android 側では、Google Play か F-Droid から KDE Connect をインストールしてください。電話のファイルシステムを閲覧したい場合は、sshfs をインストールして Android アプリからファイルシステムを閲覧できるように設定する必要があります。iOS の場合は、KDE Connect を App Store からインストールしてください。iOS バージョンでは、Android バージョンに存在する機能すべてを利用できるわけではありません。
Plasma デスクトップを使用しない場合でも KDE Connect は利用できます。Unity などの AppIndicators を使用するデスクトップ環境の場合、indicator-kdeconnectAUR パッケージもインストールしてください。GNOME を使っている場合、gnome-shell-extension-gsconnectAUR を kdeconnect の代わりにインストールすることでよりよい連携をさせることが可能です。KDE Connect デーモンを手動で起動するには、/usr/lib/kdeconnectd
を実行してください。
ファイアウォール を使っている場合は、 UDP/TCP ポート 1714
から 1764
までを開く必要があります。
時々、KDE Connect が携帯電話を検出しないことがあります。killall kdeconnectd
を実行した後でシステム設定内の kdeconnect を開くか、kdeconnect-cli --refresh
の後に kdeconnect-cli -l
を実行することでサービスを再起動できます。
ヒントとテクニック
別のウィンドウマネージャを使う
Plasma で KWin 以外のウインドウマネージャを使うことができます。そうすることにより、KDE デスクトップの機能とタイル型ウィンドウマネージャのユーティリティを組み合わせることができます(KWin のタイリングスクリプトよりも肉付けされているでしょう)。
Plasma の component chooser settings ではウィンドウマネージャを変更することはもはやできません。しかし、他の方法を取れば KWin を他のウィンドウマネージャと取り替えることができます。
KWin サービスを置き換える
KDE 5.25 より、Plasma の systemd ベースのスタートアップがデフォルトで有効になりました。
このスタートアップで KWin を置き換えるには、まず現在のユーザの plasma-kwin_x11.service
をマスクして、そのサービスが起動しないようにしなければなりません。
次に、新しい systemd ユーザーユニットを作成し、あなたが選んだウィンドウマネージャを起動するようにします[11]:
~/.config/systemd/user/plasma-custom-wm.service
[Install] WantedBy=plasma-workspace.target [Unit] Description=Plasma Custom Window Manager Before=plasma-workspace.target [Service] ExecStart=/path/to/other/wm Slice=session.slice Restart=on-failure
これを使うには、(ユーザーユニットごとに) daemon-reload を行い、plasma-kwin_x11.service
をマスクしていることを確認した上で、新しく作成した plasma-custom-wm.service
を有効化してください。
スクリプトベースの起動と KDEWM を使用する
Plasma のスクリプトベースの起動はsystemd による起動を無効化することにより利用できます。systemd による起動を無効化したならば、Plasma が起動する前に KDEWM
環境変数を設定することによりウィンドウマネージャを変更できます。これに関する指示は KDE UserBase Wiki-Tutorials/Using Other Window Managers with Plasma で見られます。
KDE/Openbox セッション
openbox パッケージには Openbox で KDE を使用するためのセッションが含まれています。このセッションを利用するには、ディスプレイマネージャのメニューから KDE/Openbox を選択してください。
セッションを手動で起動する場合、次の行を xinit の設定に追加してください:
~/.xinitrc
exec openbox-kde-session
コンポジット効果の再有効化
Kwin をコンポジタがないウィンドウマネージャ (Openbox など) で置き換えると、透過などのデスクトップのコンポジット効果がなくなってしまいます。このような場合、Xcompmgr や Picom など効果を生み出す別のコンポジットマネージャをインストール・実行してください。
KWin のタイル型ウィンドウのスクリプト
Bismuth と Kröhnkite は、自動的にウィンドウをタイル化してキーボードからウィンドウを管理できるようにする、Kwin のスクリプトです。Bismuth のほうがより活発に開発されています。
モニターの解像度やマルチモニターの設定
ディスプレイの解像度やマルチモニターの管理を Plasma で有効にしたい場合は、kscreen をインストールしてください。システム設定 > ディスプレイとモニター にオプションが追加されます。
KWin-lowlatency
KWin-lowlatency は、人気な KWin コンポジタで遅延とカクつきを減らす試みです。kwin-lowlatencyAUR で利用できます。
ICC プロファイルの設定
Plasma で ICC プロファイル を有効化するには、colord-kde をインストールしてください。これは System Settings > Color Corrections に追加のオプションを提供します。
Add Profile を使用して ICC プロファイルをインポートできます。
Super キー (Windows キー) でアプリケーションランチャーを開く機能を無効化
この機能を無効化するには、以下のコマンドを実行してください:
$ kwriteconfig5 --file kwinrc --group ModifierOnlyShortcuts --key Meta ""
アプリケーションメニューにブックマークを表示させない
Plasma Browser integration をインストールすると、KDE はアプリケーションランチャーにブックマークを表示するようになります。
この機能を無効化するには、以下のコマンドを実行してください:
$ mkdir ~/.local/share/kservices5 $ sed 's/EnabledByDefault=true$/EnabledByDefault=false/' /usr/share/kservices5/plasma-runner-bookmarks.desktop > ~/.local/share/kservices5/plasma-runner-bookmarks.desktop
IBus 統合
IBus は インプットメソッドフレームワーク であり、KDE と統合できます。詳細は IBus#統合 を見てください。
Wayland 上で KDE を使用している場合、アクセント記号付きの文字やデッドキーのサポートを利用するには IBus が必要になる場合があります [12]。
plasma-nm でホットスポットを有効化する
NetworkManager#wifi でインターネット接続を共有する を見てください。
前回保存したセッションを復元する
システム設定 > 起動と終了 > デスクトップセッション > When logging in: Restore previous saved session を(デフォルトで)選択している場合、ksmserver (KDE のセッションマネージャ) は、すべての開かれているアプリケーションを ログアウト/ログイン時に ~/.config/ksmserverrc
に/から 自動的に 保存/ロードします。
KMail でローカルメールを受信する
Maildir フォーマットを使用する メールサーバー でローカルメール配送のセットアップを済ませている場合、このメールを KMail で受信したい場合があるでしょう。そうするには、~/.local/share/local-mail/
にメールを格納する、KMail のデフォルトの受信アカウントの "Local Folders" を再利用できます。
(Maildir フォーマットのメールが届けられる場所である) ~/Maildir
ディレクトリを Local Folders の受信ボックスへのシンボリックリンクにしてください:
$ ln -s .local/share/local-mail/inbox ~/Maildir
または、Maildir タイプの新しい受信アカウントを追加して、~/Maildir
をディレクトリに設定してください。
すべてのユーザに対して Plasma を設定する
/usr/share/plasma
にある config/main.xml
という名前のファイルを編集してください。例えば、アプリケーションランチャーをすべてのユーザに対して設定する場合、/usr/share/plasma/plasmoids/org.kde.plasma.kickoff/contents/config/main.xml
を編集してください。パッケージのアップデートでこれらのファイルが上書きされないようにするには、これらのファイルを Pacman の NoUpgrade に追加してください。
ハイバネートを無効化
ハイバネートの機能を適切に無効化して、Polkit のポリシールールでメニューから非表示にしてください。
/etc/polkit-1/rules.d/99-disable-hibernate.rules
// Disable hibernate for all users polkit.addRule(function(action, subject) { if ((action.id == "org.freedesktop.login1.hibernate")) { return polkit.Result.NO; } }); polkit.addRule(function(action, subject) { if ((action.id == "org.freedesktop.login1.hibernate-multiple-sessions")) { return polkit.Result.NO; } });
あるいは、/etc/systemd/sleep.conf.d/
内にファイルを作成して、そのファイル内に以下の行を追加してください:
/etc/systemd/sleep.conf.d/00-disable-hibernation.conf
[Sleep] AllowHibernation=no AllowSuspendThenHibernate=no AllowHybridSleep=no
トラブルシューティング
アップグレード後に qt5ct と kvantum のバグ
最新のアップデートにより、互換性のない HiDPI スケーリングが発生するかもしれません。これにより、一部のインターフェイスが大きくなりすぎたり、一部のアイコンが消えたり表示されないようになったり、パネルやウィジェットが消えたりします。
qt5ct と kvantum 関連のパッケージを削除してみてください。その後、デフォルトのグローバル Plasma テーマを適用してください。問題が続く場合、すべての KDE 設定を削除し、plasma を再インストールして設定を上書きしてみてください。KDE システム設定の HiDPI スケーリングを確認してください。
フォント
KDE のフォント表示が汚い
ttf-dejavu と ttf-liberation パッケージのインストールを試して下さい。
インストール後、一度ログアウトしてください。システム設定 > 外観 > フォント から設定を変更する必要はありません。qt5ct を使っている場合、Qt5 の設定ツールの設定によってシステム設定のフォント設定が上書きされる可能性があります。
直接フォントレンダリングの設定をしたとき、システム設定の外観が変わることに気づいて下さい。システム設定 > 外観 > フォント を開いてしまうと、システム設定はあなたのフォント設定ファイル (fonts.conf
) を作り替えてしまいます。
これを止める方法はありませんが、値を fonts.conf
ファイルと同じにすれば期待したフォントレンダリングができます(アプリケーションを一度終了する必要があります、場合によってはデスクトップを再起動する必要があります)。Gnome のフォント設定も同じことをするので(両方のデスクトップ環境を使っている場合は)注意してください。
フォントが大きすぎる・アンバランス
システム設定 > 外観 > フォント からフォントの DPI を 96
に強制してみて下さい。
これでフォントが治らないときは Xorg の設定から直接 DPI をセットしてください。Xorg#手動で DPI を設定するを参照。
設定関連の問題
KDE の問題の多くは設定に関係しています。
Plasma デスクトップの挙動がおかしい
通常 Plasma の問題は不安定な Plasma ウィジェット(俗に plasmoid と呼ばれています) や Plasma テーマが原因です。まず、最後にインストールした Plasma ウィジェットや plasma テーマを無効にしたりアンインストールしてみてください。
突然デスクトップが"ロックアップ"する場合は、おそらくインストールしたウィジェットの欠陥が原因です。問題が起こる前にインストールしたウィジェットがどれか思い出せないときは、問題が解決するまで一つずつウィジェットを削除して見て下さい。ウィジェットをアンインストールしたら、公式ウィジェットが原因の場合、バグレポートを KDE bug tracker に送って下さい。公式ウィジェットではなかったときは、 KDE Store のエントリを探してウィジェットの作者に問題を伝えることを推奨します (問題を再現する方法を記述してください)。
問題がわからないが、KDE の設定を全て失うのは嫌な場合は、~/.config
から次を実行してください:
$ for j in plasma*; do mv -- "$j" "${j%}.bak"; done
このコマンドはあなたのユーザのすべての Plasma 関連の設定ファイル名を *.bak に変更します(例: plasmarc.bak
)。Plasma に再ログインすると、設定はデフォルトに戻っています。元に戻すには、.bak 拡張子の部分を取り除いてください。すでに *.bak ファイルが存在する場合は、それらを先に移動/削除するか名前を変更してください。いずれにせよ定期的なバックアップを取ることを強く推奨します。方法については 同期およびバックアッププログラム を見てください。
キャッシュを削除してアップグレードの問題を解決する
古いキャッシュによって問題が発生することもあります。アップグレードをした後、古いキャッシュによってシェルが消せなくなるなどのおかしな(デバッグしづらい)挙動が発生したり、設定を変更したときにフリーズしたり、Ark が rar や zip を解凍できなくなったり、Amarok が音楽を認識しなくなるなどの問題がおこることがあります。この問題の解決方法は、アップグレードによって KDE や Qt のプログラムの見た目がおかしくなる問題を解決することもあります。
次のコマンドでキャッシュを再生成してください:
$ rm ~/.config/Trolltech.conf $ kbuildsycoca5 --noincremental
任意で ~/.cache
フォルダの中身を削除してください (他のアプリケーションのキャッシュも消去されるので注意してください):
$ rm -rf ~/.cache/*
Plasma デスクトップが ロケール/言語の設定を反映しない
Plasma デスクトップは KDE システム設定パネルや(ロケール#変数に対して) locale.conf
で設定したものと異なる設定を使用する場合があります。まずすべきことは、~/.config/plasma-localerc
を削除した後にログアウトしてログインすることです。これで問題が解決しない場合、そのファイルを手動で編集してみてください。例えば、LANG
変数を es_ES.UTF-8
にセットし、LC_MESSAGES
変数を en_US.UTF-8
にセットする場合は以下のようになります。
~/.config/plasma-localerc
[Formats] LANG=es_ES.UTF-8 [Translations] LANGUAGE=en_US
systemsettings でテーマ、アイコン、フォント、色を変更できない(ほとんどのアイコンが表示されない)
QT_QPA_PLATFORMTHEME
環境変数がセットされていないことを確認してください。つまり、コマンド printenv QT_QPA_PLATFORMTHEME
を実行すると何も表示されない必要があります。環境変数がセットされている場合(おそらく qt5ct)、この変数は Qt アプリケーションに対して qt5ct の設定を使用することを強制します。export QT_QPA_PLATFORMTHEME=
を実行すると環境変数を空白にします。
より簡単な(そして信頼できる)解決策は qt5ct を完全にアンインストールすることでしょう。
音量、通知、マルチメディアのキーを押しても動作しない
「システムトレイの設定」で特定のアイテムを非表示にすると、関連する機能も無効化されます(例: 音量、メディアプレーヤー、通知)。音量を非表示にすると音量のキーが無効化されます。マルチメディアを無効化するとマルチメディアのキー(巻き戻し、停止、一時停止)が無効化されます。通知を無効化すると通知が表示されなくなります。
KCM のログイン画面の設定が SDDM のカーソルと同期しない
KCM のログイン画面の設定は ~/.config/kcminputrc
からカーソルの設定を読み込みます。このファイルが存在しないと設定が同期されません。このファイルを作成する最も簡単な方法は、システム設定 > 外観 > カーソル でカーソルのテーマを変更し、そして元に戻すことです。
パネル/ウィジェットが消えた
クラッシュやハードウェアの変更により、たとえシングルモニタ環境であってもスクリーン番号が変更されることがあります。そのようなことが起こるとパネル/ウィジェットが消えることがあります。これは ~/.config/plasma-org.kde.plasma.desktop-appletsrc
ファイルの lastScreen
の値を変更することで修正できます。
グラフィック関連の問題
使用している GPU に相応しいドライバーをインストールしてください。詳しくは Xorg#ドライバーのインストールを見てください。古いカードを使っている場合は#特定のアプリケーションでデスクトップ効果を手動・自動で無効化や#コンポジットの無効化を見てください。
デバッグなどのために KWin の現在の状態を取得
次のコマンドで KWin の状態の概要を出力します。使われているオプション、使われているコンポジットバックエンド、関連する OpenGL ドライバーの情報も表示されます。詳しくは Martin 氏のブログ を見てください。
$ qdbus org.kde.KWin /KWin org.kde.KWin.supportInformation
特定のアプリケーションでデスクトップ効果を手動・自動で無効化
Plasma はデスクトップ効果をデフォルトで有効にします(一部のゲームはデスクトップ効果を自動で無効化しません)。デスクトップ効果は システム設定 > ワークスペースの挙動 > デスクトップ効果 から無効化したり Alt+Shift+F12
でデスクトップ効果を切り替えることができます。
さらに、KWin のカスタムルールを作成することで特定のアプリケーションやウィンドウが起動したときに自動的にコンポジットの無効化・有効化を行うことができます。システム設定 > ウインドウ操作 > ウインドウルール から設定してください。
透過を有効にする
コンポジタを有効にせずに透過背景を使用すると、以下のメッセージが発生します:
This color scheme uses a transparent background which does not appear to be supported on your desktop
システム設定 > ディスプレイとモニタ > コンポジタ を開いて、Compositing: Enable on startup にチェックを付けて、Plasma を再起動してください。
コンポジットの無効化
システム設定 > ディスプレイとモニタ > コンポジタ から Compositing: Enable on startup のチェックを外して Plasma を再起動してください。
コンポジットを有効にするとフルスクリーンでちらつきが発生する
システム設定 > ディスプレイとモニタ > コンポジタ から Compositing: Allow applications to block compositing のチェックを外してください。この設定はパフォーマンスが落ちることがあるので注意してください。
Plasma のカーソルがときどきおかしくなる
~/.icons/default
ディレクトリを作成して、その中に index.theme
という名前のファイルを作成してください:
/home/archie/.icons/default/index.theme
[Icon Theme] Inherits=breeze_cursors
以下のコマンドを実行:
$ ln -s /usr/share/icons/breeze_cursors/cursors ~/.icons/default/cursors
(ハイパーリンクにマウスを合わせた時などに)カーソルが変化するとカーソルが震える/跳ねる
あなたのシステムとウインドウマネージャに合う適切な 2D アクセラレーションドライバをインストールしてみてください。
使用できないスクリーン解像度設定
kscreen のローカルの設定は xorg.conf
にあるスクリーン解像度の設定を上書きすることがあります。~/.local/share/kscreen/
から kscreen の設定ファイルを見つけて、モニタによってサポートされない解像度が設定されていないか調べてください。
システムトレイのアイコンがぼやける
アイコンをトレイに追加するためにアプリケーションはよく appindicator ライブラリを使用します。アイコンがぼやける場合、どのバージョンの libappindicator をインストールしているか調べてください。もし libappindicator-gtk2 しかインストールしていない場合、libappindicator-gtk3 をインストールしてアイコンがはっきり表示されるか試してください。
仮想マシンの中で実行するとスクリーンの解像度を変更できない
Plasma を VMware や VirtualBox、QEMU 仮想マシンの中で実行すると、kscreen はゲストのスクリーン解像度を 800x600 より高く変更できない場合があります。
回避策は xorg.conf.d(5) 内の PreferredMode
オプションをセットすることです。あるいは、VM で異なるグラフィックアダプタを使用してみてください(例えば、VirtualBox では VMSVGA ではなく VBoxSVGA、QEMU では QXL ではなく Virtio)。詳細は KDE Bug 407058 を見てください。
Dolphin や Kate などを開くのに長い時間がかかる
ユーザディレクトリ(Documents
や Downloads
など)が読み取り専用になっていないか調べてください。
Spectacle のスクリーンショットでスクリーンの古い状態が使われてしまう
システム設定 > ディスプレイとモニタ > コンポジタ で、ウィンドウのサムネイルを保つ を 表示されているウィンドウのみ から しない に変更してください。
サウンド関連の問題
サスペンド後に音声が鳴らない
サスペンド後に音声がならない場合や、KMix がオーディオデバイスを表示表示しない場合は、plasmashell と pulseaudio を再起動することで問題が解決するかもしれません:
$ killall plasmashell $ systemctl --user restart pulseaudio.service $ plasmashell
音声を再び鳴らすために一部のアプリケーションも再起動する必要がある場合があります。
GStreamer Phonon バックエンドを使っているときに MP3 ファイルを再生できない
GStreamer の libav プラグイン (gst-libav パッケージ) をインストールすることで解決できます。それでも再生できないときは、phonon-qt4-vlcAUR や phonon-qt5-vlc など他のバックエンドをインストールして、利用する Phonon バックエンドを変更してみて下さい。
バックエンドを変えるには: System Settings > Multimedia > Audio and Video > Backend。
設定が表示されない場合は phononsettings
をターミナルから実行してみてください。
トレイに音量調節アイコンが無く、ファンクションキーで音量を調整できない
plasma-pa がインストールされていることを確認してください。
電源管理
サスペンドやハイバネートのオプションが使えない
systemd を使用してサスペンドあるいはハイバネートできるのに、KDE にそれらオプションが表示されない場合、powerdevil をインストールしていることを確認してください。
KMail
Akonadi の設定を削除して KMail を修復する
詳細は [13] を見てください。
バックアップを取りたい場合は以下の設定ディレクトリをコピーしてください:
$ cp -a ~/.local/share/akonadi ~/.local/share/akonadi-old $ cp -a ~/.config/akonadi ~/.config/akonadi-old
KMail の IMAP 受信ボックスが空
一部の IMAP アカウントで KMail はアカウントの他のすべてのフォルダーを内部に入れた状態で IMAP 受信ボックスをトップレベルのコンテナとして表示します(なのでメッセージを読むことができなくなります)[14]。この問題を解決するには、単に KMail のアカウント設定でサーバー側の購読を無効化してください。
KMail で EWS アカウントの認証エラー
KMail で EWS アカウントをセットアップするときに、有効な認証情報であるにも関わらず、認証失敗に関するエラーが発生し続けることがあります。原因は KWallet と KMail との間で通信に失敗しているからである可能性が高いです。この問題の回避策は qdbus を通してパスワードを設定することです:
$ qdbus org.freedesktop.Akonadi.Resource.akonadi_ews_resource_0 /Settings org.kde.Akonadi.Ews.Wallet.setPassword "XXX"
Journal に QXcbConnection のログが大量に出力される
Qt#Qt による journal のログ出力を無効化・修正を参照してください。
i3/fvwm/awesome で KF5/Qt5 アプリケーションのアイコンが表示されない
Qt#KDE 以外の環境で Qt アプリを設定を見て下さい。
認証情報の保存に関する問題と KWallet ダイアログが何度も開く問題
WiFi のパスフレーズなどの認証情報をユーザごとに暗号化して保存するのに必要なので、ユーザ設定で KWallet のパスワード保存システムをオフにすることは推奨されません。KWallet のダイアログが何度も開くのは KWallet がオフになっているからかもしれません。
アプリケーションがアクセスするたびに KWallet をアンロックするダイアログが表示されるのが鬱陶しい場合、ディスプレイマネージャ の SDDM と LightDM に KWallet をログイン時に自動的にアンロックさせることができます。KDE Wallet#ログイン時に KDE ウォレットを自動的にアンロック を見てください。システムプログラムの認証情報に使用できるように、最初のウォレットは (ユーザではなく) KWallet によって生成される必要があります。
すべてのアプリケーションでウォレットの認証情報をメモリ上で開かないようにしたい場合、KWallet の設定で kwalletmanager を使ってアプリケーションのアクセスを制限することができます。
認証情報の暗号化について全く気にしない場合は、ウォレット作成時に表示される KWallet のパスワード入力欄を空欄にすることができます。この場合、アプリケーションはウォレットをアンロックせずにパスワードにアクセスできます。
Discover がアプリケーションを表示しない
packagekit-qt5 をインストールすることで解決します。
Discover が Arch のリポジトリのアップデートを表示しなくなった
時々、Discover は PackageKit の aplm のロックを解除しません。ロックを開放するには、/var/lib/PackageKit/alpm/db.lck
を削除してください。Discover の "Refresh" を使えば、アップデートが表示されるはずです(もし、アップデートがあれば)。
NVIDIA ドライバ使用時に kscreenlocker_greet の CPU 使用率が高くなる
KDE Bug 347772 で述べられているように、NVIDIA OpenGL ドライバと QML は Qt 5 と相性が悪いです。これにより、セッションをアンロックした後に kscreenlocker_greet
の CPU 使用率が高くなります。この問題の回避策は QSG_RENDERER_LOOP
環境変数を basic
に設定することです。
その後、killall kscreenlocker_greet
を実行して前の greeter のインスタンスを kill してください。
ZFS 上で Akonadi を実行中に OS エラー 22
ホームディレクトリが ZFS プール上にある場合、~/.config/akonadi/mysql-local.conf
ファイルを以下の内容で作成してください:
[mysqld] innodb_use_native_aio = 0
MariaDB# ZFS での実行時に OS エラー 22 を見てください。
ウインドウが非アクティブのときにスクロールできないプログラムがある
これは GTK3 のマウススクロールイベントに対する処理に問題があることにより発生します。回避策は環境変数 GDK_CORE_DEVICE_EVENTS=1
を設定することです。しかし、この回避策はタッチパッドの滑らかなスクロールとタッチスクリーンのスクロールの機能を破壊します。
TeamViewer の動作が遅い
TeamViewer の使用時に、滑らかなアニメーション(ウインドウの最小化など)を使用している場合、動作が遅くなることがあります。回避策として #コンポジットの無効化 を見てください。
Kmail、Kontact と Wayland
しばしば、最小化して復元したときに KMail が応答しなくなり、黒いメッセージビュアーや似たようなものが表示されることがあります。環境変数 QT_QPA_PLATFORM="xcb;wayland"
を設定することでこの問題を回避できるかもしれません。KDE Bug 397825 を見てください。
ウィジェットのアンロック (Plasma ≥ 5.18)
一度ウィジェットをロックすると、再びアンロックできないできないことに気がつくでしょう。 以下のコマンドを実行してください:
$ qdbus org.kde.plasmashell /PlasmaShell evaluateScript "lockCorona(false)"
新しい Customize Layout
ではロックする必要はありませんが、もししたい場合は:
$ qdbus org.kde.plasmashell /PlasmaShell evaluateScript "lockCorona(true)"
KIO が URL を違うプログラムで開いてしまう
html、php などのファイル関連付けを調べてください。そして、それらをブラウザに関連付けてください。KIO のキャッシュファイルは $HOME/.cache/kioexec
にあります。xdg-utils#URL スキームハンドラー も参照してください。
システム設定の「ショートカット」に「カスタムショートカット」タブがない
これは khotkeys パッケージが存在しないことが原因です。このパッケージをインストールして、システム設定のアプリケーションを再起動すると変更が適用されます。
サスペンドやハイバネートする前にスクリーンをロックする
KDE のシステム設定には、スリープからの復帰後に自動的にスクリーンをロックする設定があります。一部のユーザは、復帰時にスクリーンがロックする前に一瞬表示されると報告しています。サスペンド前に KDE にスクリーンをロックさせるには、以下のファイルを root ユーザとして作成して、systemd(1) にフックを作成してください:
/usr/lib/systemd/system-sleep/lock_before_suspend.sh
#!/bin/bash case $1/$2 in pre/*) case $2 in suspend|hibernate) loginctl lock-session sleep 1 ;; esac ;; esac
コード中の sleep は、デバイスがサスペンドに移行する前に lock-session を完了させるために必要です。これより低い値ではいけません。
このファイルを作成した後に、実行可能にしてください。
最後に、システム設定 > ワークスペースの挙動 > スクリーンロック を開いて、スリープからの復帰時 というチェックボックスがチェックされていることを確認してください。