Pantheon
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Pantheon は elementary OS のデスクトップ環境です。Vala で書かれてあり、GTK 3 と Granite を使用しています。
目次
開発
elementary OS のリリースは Ubuntu の LTS リリースから派生したものであり、たいてい Ubuntu のリリースサイクルから数週間から数ヶ月遅れます。しかし、含まれているパッケージは継続的に更新されます。公式の github リポジトリとコミュニティ slack を参照してください。
インストール
パッケージ元
公式リポジトリ
Pantheon デスクトップ環境自体と elementary OS の厳選されたアプリケーションは、pantheon グループによって提供されています。
非公式リポジトリ
extra-alucryd には、pantheon グループではまだ利用できない数個のパッケージが含まれています。
AUR
Pantheon 関連の多くのパッケージ (elementary OS 用に開発されたサードパーティのアプリケーションや不安定な開発版パッケージなど) のための PKGBUILD は AUR で利用可能です。
デスクトップ環境
最小の Pantheon シェルをインストールしたい場合は、pantheon-session をインストールしてください。このパッケージは、いくつかの依存パッケージとコアコンポーネントもインストールします:
- gala: ウィンドウ及びコンポジットのマネージャ
- wingpanel: アプリケーションランチャー、時計、インジケータのトップパネル
- pantheon-applications-menu: アプリケーションランチャー (旧 "Slingshot")
- plank: macOS スタイルの Dock
サービス
以下の任意のパッケージは、Pantheon と elementary OS に対して (バックグラウンド) サービスを提供します:
- pantheon-geoclue2-agent: Geoclue2 認証エージェント
- pantheon-polkit-agent: Polkit 認証エージェント
- pantheon-print: 印刷設定ダイアログ
- pantheon-settings-daemon: 補助設定デーモン
テーマと設定
以下の任意のパッケージは、デスクトップのルックアンドフィールの向上に寄与します:
- lightdm-pantheon-greeter: LightDM greeter
- pantheon-default-settings: デフォルトの外観、動作、設定
- switchboard: gnome-control-center に似たプラガブルな設定マネージャ
アプリケーション
以下は、オプションの elementary OS ソフトウェアスイートを構成する、パッチ適用済みの選択されたオリジナルパッケージの一部です:
- capnet-assist: 公共 WiFi ネットワークに簡単にログインできます
- epiphany: ウェブブラウザ
- pantheon-calculator: 電卓
- pantheon-camera: ウェブカメラアプリ (旧 "Snap")
- pantheon-code: テキストエディタ (旧 "Scratch")
- pantheon-files: Marlin から開発されたファイルエクスプローラー
- pantheon-music: オーディオプレイヤー (旧 "Noise")
- pantheon-photos: shotwell から開発されたフォトマネージャ
- pantheon-screencastAUR: eidete-bzrAUR からフォークしたシンプルなスクリーンキャスター
- pantheon-screenshot: スクリーンショットユーティリティ
- pantheon-shortcut-overlay: OS 全体のショートカットオーバーレイ
- pantheon-terminal: ターミナルエミュレータ
- pantheon-videos: ビデオプレイヤー (旧 "Audience") (GStreamer バックエンド)
- simple-scan: Simple scan ユーティリティ
Pantheon を起動する
ディスプレイマネージャから
pantheon-session は LightDM などのディスプレイマネージャ用に gnome-session エントリを提供します。
ディスプレイマネージャでアプリケーションを自動起動する
- XDG Autostart を使う。
- systemd ユニット を使う。
xinit から
xinitrc を使って Pantheon シェルのコンポーネントを起動してください。xinitrc ファイルの末尾にコンポーネントを追加してください。つまり:
~/.xinitrc
... io.elementary.wingpanel & plank & exec gala
xinit でアプリケーションを自動起動する
- xinitrc の
exec gala
行より前に実行したいアプリケーションを追加すれば、X の起動時に一度だけ実行されます。 - systemd ユニット を使う。
- dapperAUR か dex-gitAUR か fbautostartAUR で XDG Autostart を使う。
設定と回避策
Pantheon は switchboard と plug で設定します (plug は別途インストールする必要があります)。
Pantheon のコンポーネントは、plank を除いて、設定を org.pantheon
または io.elementary
dconf キーに保存します。
一般
不足している D-Bus サービス
Pantheon のコンポーネントと elementary OS のソフトウェアは、Wayland への移行に備えて、特定の機能を gala ウィンドウマネージャに委託しつつあります。Pantheon のコンポーネントと elementary OS のソフトウェアを他のウィンドウマネージャで使用すると、以下のようなエラーが発生することがあります:
** (io.elementary.screenshot:10150): ERROR **: 15:17:28.099: ScreenshotBackend.vala:37: Couldn't get dbus proxy: GDBus.Error:org.freedesktop.DBus.Error.ServiceUnknown: The name org.gnome.Shell.Screenshot was not provided by any .service files
この場合、いくつかの選択肢があります:
- 上記の dbus リクエストが実装されたバージョンより前にソフトウェアをダウングレードする。
- gala ウィンドウマネージャを使う。
- 自力で不足しているインターフェイスを実装する。
- 同じ機能を持つ他のソフトウェア (例えば、他のスクリーンショットツールなど) を探す。
パッケージのインストール時に "No such key"
pantheon-default-settings は古いバージョンの gnome-settings-daemon 用に書かれたものなので、pantheon-default-settings が存在を期待するいくつかの dconf キーは存在しません。これは問題ではありませんが、エラーメッセージが鬱陶しい場合は、該当するキーを /usr/share/glib-2.0/schemas/25_pantheon-default-settings.gschema.override
からコメントアウトするか削除してください。
デスクトップ
ログイン時にクラッシュする
"Oh no! Something has gone wrong."
Pantheon のセッションファイル内の RequiredComponents
のうちどれかが、失敗した可能性があります。
これは、失敗したコンポーネントを /usr/share/gnome-session/sessions/pantheon.session
から削除することで回避することができます。
ディスプレイマネージャに戻される
GNOME/トラブルシューティング#gnome-shell / gnome-session がセッションの起動時にクラッシュする を参照してください。
複数モニターで画面の解像度がおかしい
lightdm-pantheon-greeter は、Xorg の設定ファイルではなく monitors.xml
を用いてモニターのセットアップを試みます。しかし、これには信頼性が無いようです。
代替策は (lightdm-gtk-greeter などの) 他の greeter を使うことです。
タッチパッドのジェスチャー
touchegg をインストールしてください。しかし、このパッケージには、pantheon のジェスチャーと衝突する可能性のあるジェスチャーがいくつか含まれています。/usr/share/touchegg/touchegg.conf
を ~/.local/share/touchegg/
にコピーし、衝突するジェスチャーの設定を削除することができます。より詳細な手順は、Touchegg を参照してください。
壁紙とテキストのスケールを変更する
switchboard-plug-desktop をインストールし、switchboard で設定してください。
ファイル
コンテキストメニューのエントリを有効化する
コンテキストメニューのエントリ (例えば、file-roller-pantheonAUR でアーカイブを展開/圧縮するためのエントリ) を有効化するには、contractor も追加でインストールしてください。
Plank
Plank を参照してください。
スタートアップ時に起動されない
cerbere は廃止されたので、pantheon-session は、plank がこの xdg autostart を使用して gnome-session の組み込み管理機能の開始と、plank の維持の要求を行うことを期待します。
pantheon-dock-gitAUR をインストールするか、または /etc/xdg/autostart/plank.desktop
を作成してください。
ターミナル
不透明度
io.elementary.terminal.settings.background
dconf キーに RGBA 値を設定すれば、背景色と不透明度を設定できます。デフォルトは rgba(46, 46, 46, 0.95)
です。
Wingpanel
インジケータ
Wingpanel にはインジケータが同梱されていません。別途インストールする必要があります。
少なくとも、以下はインストールすると良いかもしれません:
- pantheon-applications-menu: アプリケーションメニューと "Run" ダイアログ
- wingpanel-indicator-datetime: 時計とカレンダーのウィジェット
- wingpanel-indicator-session: ユーザーとセッションのメニュー (ユーザーの切り替え、ログアウト、シャットダウンなど)
サードパーティのインジケータ
- #ディスプレイマネージャから起動するのであれば、サードパーティのインジケータの XDG Autostart に
OnlyShowIn=
が存在する場合、この変数の末尾にPantheon;
を追加してください。
- Ayatana Indicators は wingpanel-indicator-ayatanaAUR か wingpanel-indicator-namarupa-gitAUR を必要とします。
セッションインジケータメニューが応答しない
- Lock メニューアイテムは、
org.gnome.ScreenSaver
dbus サービスによって提供される Lock dbus メソッドを必要とします。 - Shutdown... と Log Out.. メニューアイテムは、gala ウィンドウマネージャによる表示を必要とするダイアログを要求します。他のウィンドウマネージャを使用するつもりであれば、代替のパッケージが必要です (例えば、wingpanel-indicator-session-standalone-gitAUR)。
動的な透過
gala ウィンドウマネージャは Wingpanel に動的透過を提供します。
gtk-theme-elementary を使えば、最大化されたウィンドウが画面を占有した際に不透明になり、そうでない時には壁紙が透けて映ります。しかし、他の GTK テーマを使用すると、パネルがずっと不透明になることがあります。
他のテーマでも gtk-theme-elementary と同じ動作をさせるには、以下のコードをテーマの CSS ファイルかオーバーライドファイル ~/.config/gtk-3.0/gtk.css
に追加してください:
/********************* * wingpanel support * ********************/ .panel { background-color: transparent; transition: all 1s ease-in-out; } .panel.maximized { background-color: #000; }