「IceWM」の版間の差分

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[[Category:スタック型ウィンドウマネージャ]]
 
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[[Wikipedia:ja:Icewm|Wikipedia]] より:
 
[[Wikipedia:ja:Icewm|Wikipedia]] より:
 
: ''IceWM は、X Window System のウィンドウマネージャの一つ。Marko Maček によってゼロから C++ で書かれた。ライセンス形態は GNU Lesser General Public License。メモリ使用量と CPU 使用率が比較的低いのが特徴である。テーマをサポートしており、Windows 95、OS/2、Motif などのユーザインタフェースに似せることができる。''
 
: ''IceWM は、X Window System のウィンドウマネージャの一つ。Marko Maček によってゼロから C++ で書かれた。ライセンス形態は GNU Lesser General Public License。メモリ使用量と CPU 使用率が比較的低いのが特徴である。テーマをサポートしており、Windows 95、OS/2、Motif などのユーザインタフェースに似せることができる。''
   
その設定能力とシンプルなセッション管理ができることから IceWM はシンプルな [[Desktop Environment|DE]] と機能豊富な [[Window Manager|WM]] の間に位置します。
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その設定能力とシンプルなセッション管理ができることから IceWM はシンプルな [[デスクトップ環境|DE]] と機能豊富な [[ウィンドウマネージャ|WM]] の間に位置します。
   
 
== インストール ==
 
== インストール ==
   
[[official Repositories|公式リポジトリ]]の {{Pkg|icewm}} パッケージ IceWM をインストールできます
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{{Pkg|icewm}} パッケージ [[インストール]] して下さい
   
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[https://github.com/bbidulock/icewm 開発バージョン] は、{{AUR|icewm-git}} パッケージをインストールします。
また、[[AUR|AUR]] からは最新版の testing ブランチ ({{AUR|icewm-testing}}) や CVS 版 ({{AUR|icewm-cvs}}) が利用可能です。これらのバージョンには新しい機能が追加されていたりバグフィックスがなされています (開発はゆったりとしているのでほとんどの場合は公式リポジトリの icewm と変わりありません)。
 
   
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== 起動 ==
== スタンドアロンの WM として使う ==
 
   
スタンドアロンのウィンドウマネージャとして IceWM を実行するには次を {{ic|~/.xinitrc}} に追加してください:
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[[xinit]] を使用して {{ic|icewm}} を実行する、{{ic|icewm-session}} を実行して、icewmbg と Icewmtray も実行します。
exec icewm
 
   
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{{Note|{{ic|startup}} スクリプトが動作するには、{{ic|icewm-session}} が必要です。}}
icewm-session は icewm, icewmbg, icewmtray を実行します。次を {{ic|~/.xinitrc} に追加すれば基本的なセッション管理が出来ます:
 
exec icewm-session
 
 
logind セッションの維持などの詳細は [[xinitrc|xinitrc]] を見て下さい。
 
 
== デスクトップ環境の WM として IceWM を使う ==
 
 
DE と一緒に IceWM を使うのに必要な設定は [[Openbox#Openbox をデスクトップ環境の WM として使う|Openbox]] と (そしておそらく他の WM とも) 同じです。
 
   
 
== 設定 ==
 
== 設定 ==
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icewm の設定をデフォルトから変更するには、{{ic|/usr/share/icewm/}} から {{ic|~/.icewm/}} にデフォルトの設定ファイルをコピーしてください、例えば:
 
icewm の設定をデフォルトから変更するには、{{ic|/usr/share/icewm/}} から {{ic|~/.icewm/}} にデフォルトの設定ファイルをコピーしてください、例えば:
   
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$ cp -r /usr/share/icewm/ ~/.config/icewm/
{{Note|root ではなく通常ユーザーで行なって下さい。}}
 
 
$ mkdir ~/.icewm/
 
$ cp -R /usr/share/icewm/* ~/.icewm/
 
   
 
*{{ic|preferences}} IceWM のコアの設定ファイル
 
*{{ic|preferences}} IceWM のコアの設定ファイル
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*{{ic|theme}} テーマのパスと名前
 
*{{ic|theme}} テーマのパスと名前
 
*{{ic|startup}} 起動時に実行するスクリプトやコマンド (実行可能である必要があります)
 
*{{ic|startup}} 起動時に実行するスクリプトやコマンド (実行可能である必要があります)
*{{ic|shutdown}} シャットダウンスクリプト・コマンド
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*{{ic|shutdown}} シャットダウンの場合も同様です
   
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=== 自動起動 ===
{{Note|
 
* Startup commands that install system tray applets must be preceded by {{ic|sleep 1 &&}}, otherwise IceWM will create an ugly black window that will prevent it from quitting; in that case, use xkill on the task bar.
 
* You will have to create the startup script yourself as it is not included in the package. Don't forget to make it executable.}}
 
   
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{{ic|startup}} スクリプトは {{Pkg|icewm}} パッケージから提供されていませんので、自分で [[ヘルプ:読み方#追加, 追記, 作成, 編集|作成]] して、IceWM セッションで起動したいプログラムのコマンドを追加し、[[ヘルプ:読み方#実行可能属性の付与|executable]] にする必要があります。
=== メニュー ===
 
   
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{{Note|システムトレイ・アプレットをインストールする起動コマンドは {{ic|sleep 1 &&}} を先行させなければなりません、さもないと IceWM は黒いウィンドウを作って終了することができなくなります、その場合はタスクバーの xkill を使ってください}}
* 公式リポジトリにある {{Pkg|menumaker}} は、システムにインストールされているものからアプリケーションメニューを自動的に作成する Python スクリプトです。このスクリプトを使うと不必要なアプリケーションでメニューが埋まってしまう可能性もありますが、menu 設定ファイルを手動で編集するよりかは楽だと思われます。MenuMaker を実行するとき、-f フラグを使うと既存のメニューファイルを上書きします:
 
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以下は、IceWM セッションで {{Pkg|network-manager-applet}} と [[XScreenSaver]] を起動する IceWM スタートアップ・スクリプトの一例です。
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{{hc|~/.config/icewm/startup|
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#!/bin/sh
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# start network manager
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sleep 1 &&
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nm-applet &
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# enable bluetooth applet
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sleep 1 &&
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blueman-applet &
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# enable screensaver
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xscreensaver -nosplash &
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# start redshift
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redshift &
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# allow notifications
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/usr/lib/notification-daemon-1.0/notification-daemon &
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# enable lockscreen
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exec xautolock -detectsleep -time 15 -locker "i3lock -n -i /home/user/lockscreen.png" -killtime 20 -killer "systemctl suspend" #lock after inactivity and then sleep
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}}
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=== メニューエントリの作成 ===
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公式リポジトリにある {{Pkg|menumaker}} は、システムにインストールされているものからアプリケーションメニューを自動的に作成する Python スクリプトです。このスクリプトを使うと不必要なアプリケーションでメニューが埋まってしまう可能性もありますが、menu 設定ファイルを手動で編集するよりかは楽だと思われます。MenuMaker を実行するとき、-f フラグを使うと既存のメニューファイルを上書きします:
   
 
# mmaker -f icewm
 
# mmaker -f icewm
   
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mmaker コマンドで次のスイッチを実行すると、''alsamixer'' などのターミナルベースのアプリケーションがメニューに追加されるのを避けることができます: {{ic|--no-legacy}} および {{ic|--no-debian}} 例えば:
* 他にも perl で書かれているツールとして {{Pkg|archlinux-xdg-menu}} があります:
 
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$ mmaker -f --no-legacy --no-debian icewm
   
  +
あるいは、[[xdg-menu]] を使用してメニューを生成することもできます。[[xdg-menu#IceWM]] セクションを参照してください。
# xdg_menu --format icewm --fullmenu --root-menu /etc/xdg/menus/arch-applications.menu > ~/.icewm/menu
 
   
 
=== テーマ ===
 
=== テーマ ===
   
スパルタな 'old Windows' フィ最高ですが、デフォルトで複数のテーマが含まれておりリポジトリに入っている {{Pkg|icewm-themes}} パッケージでさらに選択肢が増えます。[http://www.box-look.org/index.php?xcontentmode=7311 box-look.org] には様々な例があります ([http://box-look.org/content/show.php/Carbonit+Ice?content=146421], [http://box-look.org/content/show.php/IceBuntu?content=62935], [http://box-look.org/content/show.php/IceClearlooks?content=96346] など)
+
{{Pkg|icewm}} パッケジに数のテーマが含まれています。これらは、{{AUR|icewm-extra-themes}} パッケージ入手可能なテーマよって補完できます。さらに多くのテーマを [https://www.box-look.org/browse/cat/142/ord/latest/box-look.org] からダウンロードできます
   
  +
=== デスクトップアイコン ===
== ファイルマネージャ ==
 
   
IceWM にはウィンドウマネージャしかファイルマネージャは含まれていません。[[PCManFM|PCManFM]] や Rox Filer でデスクトップアイコンを使えるようにできます。[[Idesk]] を使ってこの機能を果たすことも可能です。
+
[[PCManFM]] や {{AUR|rox}}どのファイルマネージャ、壁紙を管理し、デスクトップ アイコンを追加できます。あるいは、デスクトップにアイコンを追加できる小さなプログラム [[Idesk]] をインストールこともできます。
  +
{{Note|他にもファイルマネージャについては、[[:Category:File managers]] に様々なページが記載されています。}}
 
  +
== ヒントとテクニック ==
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=== コンポジット ===
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  +
IceWM はコンポジットウィンドウマネージャーではありません。IceWM を使用してコンポジットする必要がある場合は、[[Xcompmgr]] や [[Picom]] などのスタンドアロンのコンポジットマネージャーを使用するオプションがあります。
   
 
== トラブルシューティング==
 
== トラブルシューティング==
  +
 
=== スタートメニューアイコンが表示されない (Intel graphics) ===
 
=== スタートメニューアイコンが表示されない (Intel graphics) ===
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[[Intel Graphics|Intel Graphics]] を使っている場合、タスクバーのスタートメニューにアイコンが表示されないことがあります。これは最近の {{pkg|xf86-video-intel}} で新しく不安定な SNA アクセラレーションバックエンドを古くて安定している UXA アクセラレーションバックエンドに代わってデフォルトで使用するように変更がなされたことが原因です。アクセラレーションバックエンドを変更する方法は[[Intel_Graphics#アクセラレーションメソッドの選択|ここ]]に載っています。
 
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[[Intel Graphics]] を使っている場合、タスクバーのスタートメニューにアイコンが表示されないことがあります。これは最近の {{pkg|xf86-video-intel}} で新しく不安定な SNA アクセラレーションバックエンドを古くて安定している UXA アクセラレーションバックエンドに代わってデフォルトで使用するように変更がなされたことが原因です。アクセラレーションバックエンドを変更する方法は[[Intel_Graphics#アクセラレーションメソッドの選択|ここ]]に載っています。
   
 
=== PCManFM を使ってデスクトップを管理しているとログアウトできない ===
 
=== PCManFM を使ってデスクトップを管理しているとログアウトできない ===
[[PCManFM|PCManFM]] を使ってデスクトップを管理している場合、IceWM のログアウトボタンが機能しなくなることがあります。回避方法はログアウトコマンドを定義することです。定義するには、{{ic|~/.icewm/preferences}} を開いて、次の行をアンコメントしてください: {{ic|<nowiki># LogoutCommand=""</nowiki>}}。そしてログアウトするのに使うコマンドを入力してください。例えば: {{ic|<nowiki>LogoutCommand="pkill -u username"</nowiki>}}。username はあなたのユーザー名に置き換えてください。
 
   
  +
[[PCManFM]] を使ってデスクトップを管理している場合、IceWM のログアウトボタンが機能しなくなることがあります。回避方法はログアウトコマンドを定義することです。これにより、PCManFM がデスクトップを管理しているときにログアウトできるようになります。これを行うには、{{ic|LogoutCommand}} のコメントを解除します:
=== ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない (ログアウトコマンドを定義している) ===
 
  +
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{{hc|~/.config/icewm/preferences|2=
  +
LogoutCommand="pkill -u ''username''"
  +
}}
  +
  +
=== ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない ===
  +
  +
* ログアウトコマンドを定義している:
 
ログアウトコマンドを定義するとシャットダウンや再起動コマンドが無視されるようになります。ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが必要な場合はログアウトコマンドを定義しないでください。
 
ログアウトコマンドを定義するとシャットダウンや再起動コマンドが無視されるようになります。ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが必要な場合はログアウトコマンドを定義しないでください。
   
=== ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない (ログアウトコマンドを定義していない) ===
+
* ログアウトコマンドを定義していない:
シャットダウンや再起動コマンド (systemctl poweroff や systemctl reboot など) を定義していてログアウトコマンドを定義していないのにログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない場合、おそらく使っている IceWM 1.3.8 なのが原因です。IceWM 1.3.8 では上流でバグが混入しており、メニューダイアログが動かなくなってます[https://bugs.archlinux.org/task/37884 ここ] や [http://sourceforge.net/p/icewm/bugs/911/ ここ]さい。今のところ回避するには IceWM 1.3.7 にダウングレードするしかありません。[[Arch Rollback Machine|Arch Rollback Machine]] に IceWM 1.3.7 パッケージがあります
+
シャットダウンや再起動コマンド (systemctl poweroff や systemctl reboot など) を定義していてログアウトコマンドを定義していないのにログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない場合、IceWM 1.3.8-2 に更新して下さい。詳細については、{{Bug|37884}}参照しください。
   
 
== 参照 ==
 
== 参照 ==
   
  +
* [http://www.icewm.org/ IceWM 公式ウェブサイト]
* [[Xinitrc]]
 
  +
* [https://www.osnews.com/story.php/7774/IceWM--The-Cool-Window-Manager/ IceWM – The Cool Window Manager] – detailed introduction at OSNews, 2004
* [http://www.icewm.org/ Official IceWM ウェブサイト]
 
  +
* [https://web.archive.org/web/20100613011705/http://polishlinux.org/apps/window-managers/icewm-a-desktop-for-windows-emmigrants/ IceWM – A desktop for Windows emigrants] – overview and tutorial from polishlinux.org, archived in 2010
* [http://www.osnews.com/story.php/7774/IceWM--The-Cool-Window-Manager/ IceWM - The Cool Window Manager] - Detailed introduction on OSNews
 
  +
* [https://www.theregister.com/2022/10/05/icewm_version_3/ IceWM reaches version 3 after a mere 25 years] – Liam Proven for ''The Register'', October 2022
* [http://polishlinux.org/apps/window-managers/icewm-a-desktop-for-windows-emmigrants/ IceWM - A desktop for Windows emigrants] - Overview and tutorial from polishlinux.org
 

2024年5月21日 (火) 01:24時点における最新版

関連記事

Wikipedia より:

IceWM は、X Window System のウィンドウマネージャの一つ。Marko Maček によってゼロから C++ で書かれた。ライセンス形態は GNU Lesser General Public License。メモリ使用量と CPU 使用率が比較的低いのが特徴である。テーマをサポートしており、Windows 95、OS/2、Motif などのユーザインタフェースに似せることができる。

その設定能力とシンプルなセッション管理ができることから IceWM はシンプルな DE と機能豊富な WM の中間に位置します。

インストール

icewm パッケージを インストール して下さい。

開発バージョン は、icewm-gitAUR パッケージをインストールします。

起動

xinit を使用して icewm を実行するか、icewm-session を実行して、icewmbg と Icewmtray も実行します。

ノート: startup スクリプトが動作するには、icewm-session が必要です。

設定

IceWM の設定は基本的にテキストによって行いますが、GUI によるツールも存在します。特に [community] には icewm-utilsAUR があります。ただし、こうしたツールは比較的古くなっており、多くのユーザーはテキストの設定ファイルを編集する方を好むでしょう。デフォルトからの設定の変更はシステム全体 (/etc/icewm/) もしくはユーザーごと (~/.icewm/) に行うことができます。

icewm の設定をデフォルトから変更するには、/usr/share/icewm/ から ~/.icewm/ にデフォルトの設定ファイルをコピーしてください、例えば:

$ cp -r /usr/share/icewm/ ~/.config/icewm/
  • preferences IceWM のコアの設定ファイル
  • menu IceWM のアプリケーションメニューの中身
  • keys キーボードショートカットのカスタマイズ
  • toolbar タスクバーのランチャーアイコン
  • winoptions 個々のアプリケーションの挙動
  • theme テーマのパスと名前
  • startup 起動時に実行するスクリプトやコマンド (実行可能である必要があります)
  • shutdown シャットダウンの場合も同様です

自動起動

startup スクリプトは icewm パッケージから提供されていませんので、自分で 作成 して、IceWM セッションで起動したいプログラムのコマンドを追加し、executable にする必要があります。

ノート: システムトレイ・アプレットをインストールする起動コマンドは sleep 1 && を先行させなければなりません、さもないと IceWM は黒いウィンドウを作って終了することができなくなります、その場合はタスクバーの xkill を使ってください

以下は、IceWM セッションで network-manager-appletXScreenSaver を起動する IceWM スタートアップ・スクリプトの一例です。

~/.config/icewm/startup
#!/bin/sh

# start network manager
    sleep 1 &&
    nm-applet &

# enable bluetooth applet
    sleep 1 &&
    blueman-applet &

# enable screensaver
    xscreensaver -nosplash &

# start redshift
    redshift &

# allow notifications
    /usr/lib/notification-daemon-1.0/notification-daemon &
    
# enable lockscreen
    exec xautolock -detectsleep -time 15 -locker "i3lock -n -i /home/user/lockscreen.png" -killtime 20 -killer "systemctl suspend" #lock after inactivity and then sleep

メニューエントリの作成

公式リポジトリにある menumaker は、システムにインストールされているものからアプリケーションメニューを自動的に作成する Python スクリプトです。このスクリプトを使うと不必要なアプリケーションでメニューが埋まってしまう可能性もありますが、menu 設定ファイルを手動で編集するよりかは楽だと思われます。MenuMaker を実行するとき、-f フラグを使うと既存のメニューファイルを上書きします:

# mmaker -f icewm

mmaker コマンドで次のスイッチを実行すると、alsamixer などのターミナルベースのアプリケーションがメニューに追加されるのを避けることができます: --no-legacy および --no-debian 例えば:

$ mmaker -f --no-legacy --no-debian icewm

あるいは、xdg-menu を使用してメニューを生成することもできます。xdg-menu#IceWM セクションを参照してください。

テーマ

icewm パッケージには少数のテーマが含まれています。これらは、icewm-extra-themesAUR パッケージから入手可能なテーマによって補完できます。さらに多くのテーマを [1] からダウンロードできます。

デスクトップアイコン

PCManFMroxAUR などのファイルマネージャーは、壁紙を管理し、デスクトップ アイコンを追加できます。あるいは、デスクトップにアイコンを追加できる小さなプログラム Idesk をインストールすることもできます。

ヒントとテクニック

コンポジット

IceWM はコンポジットウィンドウマネージャーではありません。IceWM を使用してコンポジットする必要がある場合は、XcompmgrPicom などのスタンドアロンのコンポジットマネージャーを使用するオプションがあります。

トラブルシューティング

スタートメニューアイコンが表示されない (Intel graphics)

Intel Graphics を使っている場合、タスクバーのスタートメニューにアイコンが表示されないことがあります。これは最近の xf86-video-intel で新しく不安定な SNA アクセラレーションバックエンドを古くて安定している UXA アクセラレーションバックエンドに代わってデフォルトで使用するように変更がなされたことが原因です。アクセラレーションバックエンドを変更する方法はここに載っています。

PCManFM を使ってデスクトップを管理しているとログアウトできない

PCManFM を使ってデスクトップを管理している場合、IceWM のログアウトボタンが機能しなくなることがあります。回避方法はログアウトコマンドを定義することです。これにより、PCManFM がデスクトップを管理しているときにログアウトできるようになります。これを行うには、LogoutCommand のコメントを解除します:

~/.config/icewm/preferences
LogoutCommand="pkill -u username"

ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない

  • ログアウトコマンドを定義している:

ログアウトコマンドを定義するとシャットダウンや再起動コマンドが無視されるようになります。ログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが必要な場合はログアウトコマンドを定義しないでください。

  • ログアウトコマンドを定義していない:

シャットダウンや再起動コマンド (systemctl poweroff や systemctl reboot など) を定義していてログアウトコマンドを定義していないのにログアウトメニューにシャットダウンや再起動のオプションが表示されない場合、IceWM を 1.3.8-2 に更新して下さい。詳細については、FS#37884 を参照してください。

参照