「Perl パッケージガイドライン」の版間の差分
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+ | [[Category:パッケージ開発]] |
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+ | [[en:Perl package guidelines]] |
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+ | [[pt:Perl package guidelines]] |
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+ | {{Package Guidelines}} |
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+ | このドキュメントでは CPAN (Comprehensive Perl Authors Network) で配布されている perl モジュールの [[PKGBUILD]] の作成を扱っています。このドキュメントの対象読者は perl モジュールのパッケージ作成者です。 |
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+ | == Arch Linux のパッケージの慣習 == |
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+ | |||
+ | 以下の決まり事は perl のモジュールパッケージを一貫性のあるものにするためのものです。このセクションは perl のパッケージングのイントロダクションです。Arch Linux のパッケージ管理・システム管理の観点から記述しています。TL;DR な人のために、一番簡単かつ重要な文章を上に配置しています。 |
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+ | |||
+ | === パッケージの名前 === |
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+ | モジュールの場合、パッケージの名前は {{Ic|perl-}} から始まるようにして、後はモジュールの名前を小文字に変換してコロンをハイフンに置き換えたものを付けてください。例えば {{Ic|HTML::Parser}} のパッケージ名は {{Ic|perl-html-parser}} となります。Perl アプリケーションの名前はアプリケーション自体の名前と同じにしてください (同じく小文字で)。 |
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+ | === パッケージのファイルの置き場所 === |
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+ | |||
+ | Perl パッケージはモジュールファイルを {{ic|/usr/lib/perl5/$version/vendor_perl/}} (スクリプトの中では {{ic|perl -V:vendorarch}}) または {{ic|/usr/share/perl5/vendor_perl/}} にインストールしてください。下の例にあるように {{Ic|INSTALLDIRS}} コマンドラインパラメータを {{ic|vendor}} に設定することでインストールできます。{{ic|/usr/lib/perl5/$version/site_perl/}} にファイルを保存してはいけません。システム管理者がパッケージ管理システムの管理外となる Perl パッケージをインストールするため用に予約されたディレクトリです。ユーザーが {{ic|cpan}} シェルを使ってシステム全体にモジュールをインストールすると、モジュールは {{ic|site-perl}} サブディレクトリに保存されます。 |
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+ | |||
+ | {{ic|perllocal.pod}} と {{ic|.packlist}} ファイルも存在するべきではありません。 |
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+ | |||
+ | === アーキテクチャ === |
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+ | |||
+ | ほとんどの Perl パッケージはアーキテクチャに依存しないため {{Ic|arch}} 配列には {{Ic|'any'}} を指定する場合がほとんどです。XS モジュールは動的にロードされるライブラリとしてコンパイルされるため (.so ファイル)、アーキテクチャを {{Ic|('x86_64')}} と明示的に設定する必要があります。XS モジュールには大抵 .c ファイルを動的に生成する .xs ファイルが含まれています。 |
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+ | === 自動化 === |
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+ | |||
+ | 第2世代の CPAN シェルである CPANPLUS のプラグインが {{Pkg|perl-cpanplus-dist-arch}} パッケージでインストールできます。CPANPLUS によってインストールされたファイルを即座にパッケージ化します。オンラインドキュメントが https://metacpan.org/release/CPANPLUS-Dist-Arch から確認できます。 |
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+ | |||
+ | == PKGBUILD サンプル == |
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+ | |||
+ | サンプル PKGBUILD は [https://git.archlinux.org/abs.git/tree/prototypes/PKGBUILD-perl.proto] で確認できます。 |
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+ | |||
+ | 次の 2 つの PKGBUILD の例では、PKGBUILD のより高度な問題に対する回復力を高めることを目的とした、このページで紹介した手法を使用しています。ビルドスクリプトには 2 つのスタイルがあるため、PKGBUILDS の例が 2 つあります。最初の PKGBUILD は、{{ic|Makefile.PL}} を使用するディストリビューションをパッケージ化する方法の例です。2 番目の PKGBUILD は、{{ic|Build.PL}} を使用するディストリビューションの開始点として使用できます。 |
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+ | |||
+ | {{hc|PKGBUILD|<nowiki> |
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+ | # Contributor: Your Name <youremail@domain.com> |
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+ | pkgname=perl-foo-bar |
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+ | pkgver=1.0 |
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+ | pkgrel=1 |
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+ | pkgdesc='This packages the Foo-Bar distribution, containing the Foo::Bar module!' |
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+ | _dist=Foo-Bar |
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+ | arch=('any') |
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+ | url="https://metacpan.org/release/$_dist" |
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+ | license=('GPL' 'PerlArtistic') |
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+ | depends=(perl) |
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+ | options=('!emptydirs' purge) |
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+ | source=("http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/BAZ/$_dist-$pkgver.tar.gz") |
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+ | md5sums=(...) |
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+ | |||
+ | build() { |
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+ | cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" |
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+ | unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT |
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+ | export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 PERL_AUTOINSTALL=--skipdeps |
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+ | /usr/bin/perl Makefile.PL |
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+ | make |
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+ | } |
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+ | |||
+ | check() { |
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+ | cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" |
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+ | unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT |
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+ | export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 |
||
+ | make test |
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+ | } |
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+ | |||
+ | package() { |
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+ | cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" |
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+ | unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT |
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+ | make install INSTALLDIRS=vendor DESTDIR="$pkgdir" |
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+ | } |
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+ | </nowiki>}} |
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+ | |||
+ | {{hc|PKGBUILD|<nowiki> |
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+ | # Contributor: Your Name <youremail@domain.com> |
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+ | pkgname=perl-foo-bar |
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+ | pkgver=1.0 |
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+ | pkgrel=1 |
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+ | pkgdesc='This packages the Foo-Bar distribution, containing the Foo::Bar module!' |
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+ | _dist=Foo-Bar |
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+ | arch=('any') |
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+ | url="https://metacpan.org/release/$_dist" |
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+ | license=('GPL' 'PerlArtistic') |
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+ | depends=(perl) |
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+ | options=('!emptydirs' purge) |
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+ | source=("http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/BAZ/$_dist-$pkgver.tar.gz") |
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+ | md5sums=(...) |
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+ | |||
+ | build() { |
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+ | cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" |
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+ | unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_MB_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT |
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+ | export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 MODULEBUILDRC=/dev/null |
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+ | /usr/bin/perl Build.PL |
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+ | ./Build |
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+ | } |
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+ | |||
+ | check() { |
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+ | cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" |
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+ | unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_MB_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT |
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+ | export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 |
||
+ | ./Build test |
||
+ | } |
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+ | |||
+ | package() { |
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+ | cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" |
||
+ | unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_MB_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT |
||
+ | ./Build install --installdirs=vendor --destdir="$pkgdir" |
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+ | } |
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+ | </nowiki>}} |
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+ | |||
+ | これらの PKGBUILD の追加の複雑さの正当化は、後のセクションで試みられます。 |
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+ | |||
+ | == CPAN モジュールの仕組み == |
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+ | |||
+ | モジュールシステムを作成するために連携して動作する、慎重に設計されたメカニズムと、それほど慎重に設計されていないメカニズムが多数あります。CPAN を使用する場合は、モジュールのソース コードをフェッチし、フェッチしたモジュールをビルドし、後で実行するためにシステム ソフトウェアに挿入する手順に従う必要があります。モジュールがどのようにパッケージ化されるべきかを理解するためには、pacman や ArchLinux パッケージを一切関与させずにモジュールがどのように機能するかを理解すると非常に役立ちます。私たちの最終的な目標は、最終製品の構成と一貫性を向上させながら、できるだけ目立たないようにすることです。 |
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+ | |||
+ | === モジュール === |
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+ | |||
+ | モジュールは、perl では {{Ic|package}} キーワードを使用して宣言されます。モジュールは、{{ic|.pm}} (''dot-pee-em'') ファイル内に含まれています。ただし、ファイル内に複数のモジュール ({{Ic|package}}) が含まれている可能性があります。モジュールには、{{Ic|Archlinux::Module}} のように、{{Ic|::}} (二重コロン) で区切られた名前空間があります。モジュールをロードするとき、{{Ic|::}} はディレクトリ区切り文字に置き換えられます。例: {{ic|Archlinux/Module.pm}} はモジュール {{Ic|Archlinux::Module}} に対してロードされます。 |
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+ | |||
+ | コアモジュールは Perl のインストールに含まれています。一部のコアモジュールは、perl にバンドルされた物 ''のみ''利用可能です。 他のモジュールは引き続き CPAN とは別にダウンロードしてインストールできます。 |
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+ | |||
+ | === ディストリビューション === |
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+ | |||
+ | (別名 dist、package) これは、CPAN-lingo の Archlinux パッケージに相当します。ディストリビューションは、ファイルが詰まった {{ic|.tar.gz}} アーカイブです。これらのアーカイブには主に .pm モジュール ファイル、含まれているモジュールのテスト、モジュールのドキュメント、その他必要と思われるものがすべて含まれています。 |
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+ | |||
+ | 通常、ディストリビューションには同じ名前のプライマリモジュールが含まれています。Template-Toolkit ディストリビューションのように、これが当てはまらない場合もあります。{{Ic|Template-Toolkit}} dist の最新パッケージ {{ic|Template-Toolkit-2.22.tar.gz}} には、{{Ic|Template::Toolkit}} モジュールが含まれていません。 |
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+ | |||
+ | 場合によっては、ディストリビューションの名前がメインモジュールにちなんで付けられているため、それらの名前が同じ意味で使用され、混同されてしまうことがあります。ただし、(Template-Toolkit の場合のように) それらを別個のエンティティとみなすと便利な場合があります。 |
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+ | |||
+ | === CPAN === |
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+ | |||
+ | 各 CPAN ミラーには、CPAN 上のディストリビューション、dist 内のモジュール、dist をアップロードした作成者の名前をリストするインデックスが含まれています。これらは単なるテキストファイルです。最も役立つインデックスは、各 CPAN ミラーから入手できる {{ic|/modules/02packages.details.txt.gz}} ファイルにあります。ここでの ''package'' という用語は、pacman パッケージに似たものではなく、Perl 言語自体の {{ic|package}} キーワードを指します。CPAN シェルは、小文字で斜体の ''cpan'' と呼ばれ、インデックスをナビゲートしてインストールするモジュールを見つける単純な由緒ある Perl スクリプトです。 |
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+ | |||
+ | モジュールは {{ic|02packages.details.txt.gz}} リストにあります。モジュール/パッケージ名と同じ行には、モジュールを含むディストリビューション tarball へのパスがあります。''cpan'' にモジュールのインストールを依頼すると、モジュールを検索して関連するディストリビューションをインストールします。ディストリビューションのインストール中に、モジュールの依存関係のリストが生成されます。''Cpan'' は、各モジュールの依存関係を Perl インタープリターにロードしようとします。指定されたバージョンのモジュールをロードできない場合は、プロセスが繰り返されます。 |
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+ | |||
+ | ''cpan'' シェルは、インストールする必要なモジュールのバージョンを気にする必要はありません。''cpan'' は、モジュールの最新バージョンが最初にインストールを開始した元のモジュールの要件を満たしている必要があるという事実に依存できます。モジュールの最新バージョンのみがパッケージ詳細ファイルにリストされます。Perl パッケージ作成者にとって残念なことに、私たちのパッケージが最新バージョンの Perl ディストリビューションとそれに含まれるモジュールを提供するという事実に常に依存することはできません。Pacman の依存関係チェックはより静的であり、強力に適用されます。 |
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+ | |||
+ | === モジュールの依存関係 === |
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+ | |||
+ | Perl は、Python Egg や Ruby gem などの同様のシステムと比較して、依存関係を定義する独自の方法を持っています。エッグは他のエッグへの依存関係を定義します。Gems は Gems に依存します。Perl の dist はモジュールに依存します。モジュールは CPAN ディストリビューションからのみ入手できるため、ある意味、Perl ディストリビューションはディストリビューションに間接的にのみ依存します。モジュールは、モジュールのソース コード内のディストリビューションから独立して独自のバージョンを定義できます。これは、{{ic|$VERSION}} という名前の ''package'' 変数を定義することによって行われます。strict および warnings を使用する場合、これは our キーワードで定義されます。例えば: |
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+ | |||
+ | {{bc|1= |
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+ | package Foo::Module; |
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+ | use warnings; |
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+ | use strict; |
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+ | our $VERSION = '1.00'; |
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+ | }} |
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+ | |||
+ | モジュールはバージョンを自由に変更でき、配布バージョンとは異なるバージョンを持つこともできます。これの有用性には疑問がありますが、覚えておくことが重要です。モジュールのバージョンを Perl インタプリタの外部から判断するのはさらに難しく、Perl コード自体を解析し、場合によってはモジュールを Perl にロードする必要もあります。利点は、Perl インタープリターモジュールのバージョンを内部から簡単に判断できることです。例えば: |
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+ | |||
+ | {{bc| |
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+ | use Foo::Module; |
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+ | print $Foo::Module::VERSION, "\n"; |
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+ | }} |
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+ | |||
+ | === 依存関係の定義 === |
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+ | |||
+ | Perl ディストリビューションでは依存関係はどこに定義されていますか? これらは、{{ic|Makefile.PL}} または {{ic|Build.PL}} スクリプト内で ''定義'' されています。たとえば、{{ic|Makefile.PL}} スクリプト内で {{ic|WriteMakeFile}} 関数が呼び出され、次のように {{ic|Makefile}} が生成されます。 |
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+ | |||
+ | {{bc|<nowiki> |
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+ | use ExtUtils::MakeMaker; |
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+ | WriteMakeFile( |
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+ | 'NAME' => 'ArchLinux::Module', |
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+ | 'VERSION' => '0.01', |
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+ | 'PREREQ_PM' => { 'POSIX' => '0.01' }, |
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+ | ); |
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+ | </nowiki>}} |
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+ | |||
+ | これは不自然な例ですが、依存関係は {{ic|Makefile.PL}} または {{ic|Build.PL}} スクリプトが実行されるまで最終的なものではないことを理解することが重要です。依存関係は実行時に指定されます。つまり、perl の全機能を使用して依存関係を変更または修正できます。これは、モジュール作成者がディストリビューションをインストールする直前に、依存関係のバージョンを追加、削除、または変更できることを意味します。一部のモジュール作成者は、これを使用して、モジュールがインストールされている場合にのみモジュールに依存するなど、あまりにも賢いことを実行します。一部のマルチプラットフォーム dist は、異なるオペレーティングシステムにインストールされている場合、システム固有のモジュールに依存します。 |
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+ | |||
+ | 例として、CPANPLUS ディストリビューションは、現在インストールされている CPANPLUS::Dist プラグインを検索します。現在インストールされているバージョンの CPANPLUS にプラグインがインストールされている場合、それらは新しい CPANPLUS の前提条件に追加されます。理由はよくわかりません。幸いなことに、perl パッケージャーの場合、ほとんどの依存関係は上記の例のように静的であり、最小バージョン 0.01 の POSIX モジュールが必要です。 |
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+ | |||
+ | === メタ情報 === |
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+ | メタファイルは、名前、作成者、要約説明、モジュール要件などのディストリビューションに関するメタ情報を含む、最近のディストリビューションに含まれています。以前は YAML 形式の {{ic|META.yml}} ファイルがありましたが、最近では JSON 形式の {{ic|META.json}} ファイルに切り替えられました。これらのファイルは、 |
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+ | 手動で編集することもできますが、多くの場合、リリース用にディストリビューションをパッケージ化するときに、{{ic|Makefile.PL}} または {{ic|Build.PL}} スクリプトによって自動的に生成されます。最新の仕様は [https://search.cpan.org/perldoc?CPAN::Meta::Spec CPAN::Meta::Spec のオンラインドキュメント] で説明されています。 |
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+ | |||
+ | 依存関係は実行時に変更できることに注意してください。このため、ビルドスクリプトの実行後に別のメタファイルが生成されます。この 2 番目のメタファイルは {{ic|MYMETA.json}} と呼ばれ、実行時にスクリプトが行った変更を反映しており、ディストリビューションが CPAN 用にパッケージ化されたときに生成されたメタファイルとは異なる場合があります。 |
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+ | |||
+ | CPAN の古いディストリビューションにはメタファイルがまったくありません。これらの古いリリースは META.yml ファイルの考え方よりも前のものであり、その前提条件については {{ic|Makefile.PL}} でのみ説明されています。 |
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+ | == インストールモジュール == |
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+ | |||
+ | Perl の最大の強みは非常に多くのモジュールが CPAN に存在することです。当然のことながら、モジュールをインストールするためのモジュールも複数存在します。やり方はひとつではありません。ここではモジュールをインストールするためのモジュールを「インストールモジュール」と呼称しています。 |
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+ | |||
+ | これらのモジュールは、ディストリビューションの構築と、ユーザーが好む場所にモジュールファイルをインストールすることに関係します。 これは簡単そうに見えますが、Perl が実行されるさまざまなシステムの数を考慮すると、複雑になる可能性があります。インストールモジュールはすべて、Perl コードファイルを dist tarball 内に配置します。この Perl スクリプトを実行すると、ビルドとインストールのプロセスが開始されます。スクリプトは常に {{ic|.PL}} 接尾辞で終わり、以下のリストでは ''ビルドスクリプト'' と呼ばれます。 |
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+ | === ExtUtils::MakeMaker === |
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+ | ;ビルドスクリプト: {{ic|Makefile.PL}} |
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+ | ;CPAN リンク: http://search.cpan.org/dist/ExtUtils-MakeMaker |
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+ | |||
+ | モジュールをインストールための元祖・最古のモジュールが {{Ic|ExtUtils::MakeMaker}} です。大きな欠点として何かをビルド・インストールするのに {{ic|make}} プログラムを必要とします。Linux ユーザーにとっては大きな問題ではありませんが Windows ユーザーには面倒です。 |
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+ | |||
+ | === Module::Build === |
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+ | |||
+ | ;ビルドスクリプト: {{ic|Build.PL}} |
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+ | ;CPAN リンク: http://search.cpan.org/dist/Module-Build |
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+ | |||
+ | Module::Build の主な利点は、純粋な Perl であることです。これは、モジュールを構築/インストールするために {{ic|make}} プログラムをインストールする必要がないことを意味します。{{ic|Module::Build}} がまだインストールされていない場合、バンドルされている {{ic|Build.PL}} スクリプトを実行できなかったため、その採用は困難を極めました。{{ic|Module::Build}} はコアモジュールであるため、これは Perl の最近のバージョンでは問題になりません。('''NOTE''' perl 5.22 以降、Module::Build はコアモジュールではなくなります。) |
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+ | === Module::Build::Tiny === |
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+ | ;ビルドスクリプト: {{ic|Build.PL}} |
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+ | ;CPAN リンク: http://search.cpan.org/dist/Module-Build-Tiny |
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+ | |||
+ | これも純粋な Perl ビルドツールです。インターフェイスとして、Module::Build のインターフェイスのサブセットを実装します。特に、引数の前にダッシュが必要です (Module::Build は、有無にかかわらず受け入れます)。また、{{Ic|.modulebuildrc}} はサポートしません。 |
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+ | === Module::Install === |
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+ | ;ビルドスクリプト: {{ic|Makefile.PL}} |
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+ | ;CPAN リンク: http://search.cpan.org/dist/Module-Install |
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+ | |||
+ | もう 1 つの最新のビルド/インストールモジュールである {{Ic|Module::Install}} が機能するには、依然として {{ic|make}} プログラムがインストールされている必要があります。{{Ic|MI}} は、{{Ic|MakeMaker}} の欠点のいくつかに対処するために、{{Ic|MakeMaker}} のドロップイン代替品として設計されました。皮肉なことに、動作するには {{Ic|MakeMaker}} が必要です。 {{Ic|MI}} によって生成される {{ic|Makefile.PL}} ファイルは見た目が大きく異なり、単純なドメイン固有言語を使用して実装されています。 |
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+ | |||
+ | 非常に興味深い機能の 1 つは、{{Ic|Module::Install}} がそれ自体の ''完全な'' ''コピー'' を配布ファイルにバンドルすることです。このため、{{Ic|MakeMaker}} や {{Ic|M::B}} とは異なり、{{Ic|Module::Install}} をシステムにインストールする必要はありません。 |
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+ | |||
+ | もう 1 つの非常にユニークな機能は自動インストールです。''{{Ic|Module::Install}} の作成者は推奨していませんが、この機能は頻繁に使用されます。'' モジュールの作成者が自分のディストリビューションの自動インストールを有効にすると、{{Ic|Module::Install}} {{ic|Makefile.PL}} の実行時にインストールされていない前提条件モジュールを検索してインストールします。この機能は、{{Ic|Module::Install}} が {{Ic|CPAN}} または {{Ic|CPANPLUS}} によって実行されていることを検出するとスキップされます。ただし、この機能は内部で実行するとスキップされません...原因はよくわかりませんが...''PKGBUILD'' です! ''PKGBUILD 内'' でモジュールを勝手にダウンロードしてインストールする不正な Perl プログラムがどのように問題になるかがおわかりいただけたでしょうか。これを修正する方法については、[[Perl パッケージガイドライン#PERL_AUTOINSTALL|PERL_AUTOINSTALL]] 環境変数を参照してください。 |
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+ | |||
+ | === 環境変数 === |
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+ | |||
+ | 様々な環境変数がモジュールのビルドやインストールに影響を与えます。一部の変数は劇的な効果をもたらし、間違って使うと問題が発生します。上級ユーザーは以下の環境変数を使用することができます。 |
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+ | |||
+ | ==== PERL_MM_USE_DEFAULT ==== |
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+ | |||
+ | この変数が true 値に設定されている場合、インストール モジュールは通常の質問に対してデフォルトの回答が与えられたかのように動作します。 これは ''常に'' 機能するとは限りませんが、すべてのインストールモジュールはこれを尊重します。''それはモジュール作成者がそうするという意味ではありません!'' |
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+ | |||
+ | ==== PERL_AUTOINSTALL ==== |
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+ | |||
+ | この変数を使用して、追加のコマンドライン引数を {{Ic|Module::Install}} の {{ic|Makefile.PL}} に渡すことができます。自動インストールをオフにするには (''強く推奨'')、これに {{Ic|--skipdeps}} を割り当てます。 |
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+ | |||
+ | {{bc|1=export PERL_AUTOINSTALL='--skipdeps'}} |
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+ | |||
+ | ==== PERL_MM_OPT ==== |
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+ | |||
+ | この変数を使用して、追加のコマンドライン引数を {{ic|Makefile.PL}} や {{ic|Build.PL}} に渡すことができます。たとえば、次を使用してモジュールをホームディレクトリにインストールできます。 |
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+ | |||
+ | {{bc|1=export PERL_MM_OPT=INSTALLBASE=~/perl5}} |
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+ | |||
+ | ==== PERL_MB_OPT ==== |
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+ | |||
+ | これは、{{Ic|Module::Build}} のみを対象とする点を除けば、{{Ic|PERL_MM_OPT}} と同じです。たとえば、次のコマンドを使用してモジュールをホームディレクトリにインストールできます。 |
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+ | |||
+ | {{bc|1=export PERL_MB_OPT=--install_base=~/perl5}} |
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+ | |||
+ | ==== MODULEBUILDRC ==== |
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+ | |||
+ | {{Ic|Module::Build}} を使用すると、そのコマンドライン引数を rcfile でオーバーライドできます。これのデフォルトは {{ic|~/.modulebuildrc}} です。これは、Perl ツールチェーン内では非推奨であると考えられています。{{Ic|MODULEBUILDRC}} で rcfile へのパスを設定することで、使用するファイルをオーバーライドできます。偏執的な人は、念のため、{{Ic|MODULEBUILDRC}} を {{ic|/dev/null}} に設定するかもしれません。 |
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+ | |||
+ | ==== PERL5LIB ==== |
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+ | |||
+ | ライブラリを検索するディレクトリは、ユーザーが {{ic|PERL5LIB}} を設定することで設定できます (特に {{ic|Local::Lib}} を使用している場合) それは構築する前にクリアする必要があります。 |
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+ | |||
+ | ==== PERL_LOCAL_LIB_ROOT ==== |
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+ | |||
+ | ユーザーが {{ic|Local::Lib}} を使用している場合は、{{ic|PERL_LOCAL_LIB_ROOT}} が設定されます。それは構築する前にクリアする必要があります。 |
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+ | |||
+ | == ユーザーがインストールした perl の問題 == |
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+ | |||
+ | 微妙な問題は、上級 Perl プログラマが複数のバージョンの Perl をインストールしたい場合があることです。これは、作成されたプログラムの下位互換性をテストするのに役立ちます。独自のカスタム Perl インタープリター (つまり、スレッドなし) をコンパイルすることには速度の利点もあります。カスタム ''perl'' を使用するもう 1 つの理由は、単純に、公式の perl Arch Linux パッケージが perl のリリースに遅れることがあるからです。ユーザーは最新の Perl を試している可能性があります。 |
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+ | |||
+ | ユーザーが {{Ic|$PATH}} にカスタム Perl 実行可能ファイルを持っている場合、ユーザーがシェルで ''perl'' コマンドを入力するとカスタム Perl が実行されます。実際、カスタム Perl は {{ic|PKGBUILD}} 内でも実行されます。これにより、理解するのが難しい潜在的な問題が発生する可能性があります。 |
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+ | |||
+ | 問題はコンパイルされた XS モジュールにあります。これらのモジュールは Perl と C を橋渡しします。そのため、このブリッジを実現するには Perl の内部 C API を使用する必要があります。Perl の C API は、perl のバージョンが異なると若干変更されます。ユーザーがシステム Perl ({{ic|/usr/bin/perl}}) とは異なるバージョンの Perl を使用している場合、ユーザーの Perl でコンパイルされた XS モジュールはシステム全体の Perl と互換性がなくなります。コンパイルされた XS モジュールをシステム Perl で使用しようとすると、モジュールはリンクエラーでロードに失敗します。 |
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+ | |||
+ | 簡単な解決策は、{{ic|PKGBUILD}} で Perl を実行するときに、常にシステム全体の Perl インタープリタ ({{ic|/usr/bin/perl}}) の絶対パスを使用することです。 |
2023年6月29日 (木) 21:40時点における最新版
32ビット – CLR – クロス – Eclipse – Electron – Free Pascal – GNOME – Go – Haskell – Java – KDE – カーネル – Lisp – MinGW – Node.js – ノンフリー – OCaml – Perl – PHP – Python – R – Ruby – Rust – VCS – ウェブ – Wine
このドキュメントでは CPAN (Comprehensive Perl Authors Network) で配布されている perl モジュールの PKGBUILD の作成を扱っています。このドキュメントの対象読者は perl モジュールのパッケージ作成者です。
Arch Linux のパッケージの慣習
以下の決まり事は perl のモジュールパッケージを一貫性のあるものにするためのものです。このセクションは perl のパッケージングのイントロダクションです。Arch Linux のパッケージ管理・システム管理の観点から記述しています。TL;DR な人のために、一番簡単かつ重要な文章を上に配置しています。
パッケージの名前
モジュールの場合、パッケージの名前は perl-
から始まるようにして、後はモジュールの名前を小文字に変換してコロンをハイフンに置き換えたものを付けてください。例えば HTML::Parser
のパッケージ名は perl-html-parser
となります。Perl アプリケーションの名前はアプリケーション自体の名前と同じにしてください (同じく小文字で)。
パッケージのファイルの置き場所
Perl パッケージはモジュールファイルを /usr/lib/perl5/$version/vendor_perl/
(スクリプトの中では perl -V:vendorarch
) または /usr/share/perl5/vendor_perl/
にインストールしてください。下の例にあるように INSTALLDIRS
コマンドラインパラメータを vendor
に設定することでインストールできます。/usr/lib/perl5/$version/site_perl/
にファイルを保存してはいけません。システム管理者がパッケージ管理システムの管理外となる Perl パッケージをインストールするため用に予約されたディレクトリです。ユーザーが cpan
シェルを使ってシステム全体にモジュールをインストールすると、モジュールは site-perl
サブディレクトリに保存されます。
perllocal.pod
と .packlist
ファイルも存在するべきではありません。
アーキテクチャ
ほとんどの Perl パッケージはアーキテクチャに依存しないため arch
配列には 'any'
を指定する場合がほとんどです。XS モジュールは動的にロードされるライブラリとしてコンパイルされるため (.so ファイル)、アーキテクチャを ('x86_64')
と明示的に設定する必要があります。XS モジュールには大抵 .c ファイルを動的に生成する .xs ファイルが含まれています。
自動化
第2世代の CPAN シェルである CPANPLUS のプラグインが perl-cpanplus-dist-arch パッケージでインストールできます。CPANPLUS によってインストールされたファイルを即座にパッケージ化します。オンラインドキュメントが https://metacpan.org/release/CPANPLUS-Dist-Arch から確認できます。
PKGBUILD サンプル
サンプル PKGBUILD は [1] で確認できます。
次の 2 つの PKGBUILD の例では、PKGBUILD のより高度な問題に対する回復力を高めることを目的とした、このページで紹介した手法を使用しています。ビルドスクリプトには 2 つのスタイルがあるため、PKGBUILDS の例が 2 つあります。最初の PKGBUILD は、Makefile.PL
を使用するディストリビューションをパッケージ化する方法の例です。2 番目の PKGBUILD は、Build.PL
を使用するディストリビューションの開始点として使用できます。
PKGBUILD
# Contributor: Your Name <youremail@domain.com> pkgname=perl-foo-bar pkgver=1.0 pkgrel=1 pkgdesc='This packages the Foo-Bar distribution, containing the Foo::Bar module!' _dist=Foo-Bar arch=('any') url="https://metacpan.org/release/$_dist" license=('GPL' 'PerlArtistic') depends=(perl) options=('!emptydirs' purge) source=("http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/BAZ/$_dist-$pkgver.tar.gz") md5sums=(...) build() { cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 PERL_AUTOINSTALL=--skipdeps /usr/bin/perl Makefile.PL make } check() { cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 make test } package() { cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT make install INSTALLDIRS=vendor DESTDIR="$pkgdir" }
PKGBUILD
# Contributor: Your Name <youremail@domain.com> pkgname=perl-foo-bar pkgver=1.0 pkgrel=1 pkgdesc='This packages the Foo-Bar distribution, containing the Foo::Bar module!' _dist=Foo-Bar arch=('any') url="https://metacpan.org/release/$_dist" license=('GPL' 'PerlArtistic') depends=(perl) options=('!emptydirs' purge) source=("http://search.cpan.org/CPAN/authors/id/BAZ/$_dist-$pkgver.tar.gz") md5sums=(...) build() { cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_MB_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 MODULEBUILDRC=/dev/null /usr/bin/perl Build.PL ./Build } check() { cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_MB_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT export PERL_MM_USE_DEFAULT=1 ./Build test } package() { cd "$srcdir/$_dist-$pkgver" unset PERL5LIB PERL_MM_OPT PERL_MB_OPT PERL_LOCAL_LIB_ROOT ./Build install --installdirs=vendor --destdir="$pkgdir" }
これらの PKGBUILD の追加の複雑さの正当化は、後のセクションで試みられます。
CPAN モジュールの仕組み
モジュールシステムを作成するために連携して動作する、慎重に設計されたメカニズムと、それほど慎重に設計されていないメカニズムが多数あります。CPAN を使用する場合は、モジュールのソース コードをフェッチし、フェッチしたモジュールをビルドし、後で実行するためにシステム ソフトウェアに挿入する手順に従う必要があります。モジュールがどのようにパッケージ化されるべきかを理解するためには、pacman や ArchLinux パッケージを一切関与させずにモジュールがどのように機能するかを理解すると非常に役立ちます。私たちの最終的な目標は、最終製品の構成と一貫性を向上させながら、できるだけ目立たないようにすることです。
モジュール
モジュールは、perl では package
キーワードを使用して宣言されます。モジュールは、.pm
(dot-pee-em) ファイル内に含まれています。ただし、ファイル内に複数のモジュール (package
) が含まれている可能性があります。モジュールには、Archlinux::Module
のように、::
(二重コロン) で区切られた名前空間があります。モジュールをロードするとき、::
はディレクトリ区切り文字に置き換えられます。例: Archlinux/Module.pm
はモジュール Archlinux::Module
に対してロードされます。
コアモジュールは Perl のインストールに含まれています。一部のコアモジュールは、perl にバンドルされた物 のみ利用可能です。 他のモジュールは引き続き CPAN とは別にダウンロードしてインストールできます。
ディストリビューション
(別名 dist、package) これは、CPAN-lingo の Archlinux パッケージに相当します。ディストリビューションは、ファイルが詰まった .tar.gz
アーカイブです。これらのアーカイブには主に .pm モジュール ファイル、含まれているモジュールのテスト、モジュールのドキュメント、その他必要と思われるものがすべて含まれています。
通常、ディストリビューションには同じ名前のプライマリモジュールが含まれています。Template-Toolkit ディストリビューションのように、これが当てはまらない場合もあります。Template-Toolkit
dist の最新パッケージ Template-Toolkit-2.22.tar.gz
には、Template::Toolkit
モジュールが含まれていません。
場合によっては、ディストリビューションの名前がメインモジュールにちなんで付けられているため、それらの名前が同じ意味で使用され、混同されてしまうことがあります。ただし、(Template-Toolkit の場合のように) それらを別個のエンティティとみなすと便利な場合があります。
CPAN
各 CPAN ミラーには、CPAN 上のディストリビューション、dist 内のモジュール、dist をアップロードした作成者の名前をリストするインデックスが含まれています。これらは単なるテキストファイルです。最も役立つインデックスは、各 CPAN ミラーから入手できる /modules/02packages.details.txt.gz
ファイルにあります。ここでの package という用語は、pacman パッケージに似たものではなく、Perl 言語自体の package
キーワードを指します。CPAN シェルは、小文字で斜体の cpan と呼ばれ、インデックスをナビゲートしてインストールするモジュールを見つける単純な由緒ある Perl スクリプトです。
モジュールは 02packages.details.txt.gz
リストにあります。モジュール/パッケージ名と同じ行には、モジュールを含むディストリビューション tarball へのパスがあります。cpan にモジュールのインストールを依頼すると、モジュールを検索して関連するディストリビューションをインストールします。ディストリビューションのインストール中に、モジュールの依存関係のリストが生成されます。Cpan は、各モジュールの依存関係を Perl インタープリターにロードしようとします。指定されたバージョンのモジュールをロードできない場合は、プロセスが繰り返されます。
cpan シェルは、インストールする必要なモジュールのバージョンを気にする必要はありません。cpan は、モジュールの最新バージョンが最初にインストールを開始した元のモジュールの要件を満たしている必要があるという事実に依存できます。モジュールの最新バージョンのみがパッケージ詳細ファイルにリストされます。Perl パッケージ作成者にとって残念なことに、私たちのパッケージが最新バージョンの Perl ディストリビューションとそれに含まれるモジュールを提供するという事実に常に依存することはできません。Pacman の依存関係チェックはより静的であり、強力に適用されます。
モジュールの依存関係
Perl は、Python Egg や Ruby gem などの同様のシステムと比較して、依存関係を定義する独自の方法を持っています。エッグは他のエッグへの依存関係を定義します。Gems は Gems に依存します。Perl の dist はモジュールに依存します。モジュールは CPAN ディストリビューションからのみ入手できるため、ある意味、Perl ディストリビューションはディストリビューションに間接的にのみ依存します。モジュールは、モジュールのソース コード内のディストリビューションから独立して独自のバージョンを定義できます。これは、$VERSION
という名前の package 変数を定義することによって行われます。strict および warnings を使用する場合、これは our キーワードで定義されます。例えば:
package Foo::Module; use warnings; use strict; our $VERSION = '1.00';
モジュールはバージョンを自由に変更でき、配布バージョンとは異なるバージョンを持つこともできます。これの有用性には疑問がありますが、覚えておくことが重要です。モジュールのバージョンを Perl インタプリタの外部から判断するのはさらに難しく、Perl コード自体を解析し、場合によってはモジュールを Perl にロードする必要もあります。利点は、Perl インタープリターモジュールのバージョンを内部から簡単に判断できることです。例えば:
use Foo::Module; print $Foo::Module::VERSION, "\n";
依存関係の定義
Perl ディストリビューションでは依存関係はどこに定義されていますか? これらは、Makefile.PL
または Build.PL
スクリプト内で 定義 されています。たとえば、Makefile.PL
スクリプト内で WriteMakeFile
関数が呼び出され、次のように Makefile
が生成されます。
use ExtUtils::MakeMaker; WriteMakeFile( 'NAME' => 'ArchLinux::Module', 'VERSION' => '0.01', 'PREREQ_PM' => { 'POSIX' => '0.01' }, );
これは不自然な例ですが、依存関係は Makefile.PL
または Build.PL
スクリプトが実行されるまで最終的なものではないことを理解することが重要です。依存関係は実行時に指定されます。つまり、perl の全機能を使用して依存関係を変更または修正できます。これは、モジュール作成者がディストリビューションをインストールする直前に、依存関係のバージョンを追加、削除、または変更できることを意味します。一部のモジュール作成者は、これを使用して、モジュールがインストールされている場合にのみモジュールに依存するなど、あまりにも賢いことを実行します。一部のマルチプラットフォーム dist は、異なるオペレーティングシステムにインストールされている場合、システム固有のモジュールに依存します。
例として、CPANPLUS ディストリビューションは、現在インストールされている CPANPLUS::Dist プラグインを検索します。現在インストールされているバージョンの CPANPLUS にプラグインがインストールされている場合、それらは新しい CPANPLUS の前提条件に追加されます。理由はよくわかりません。幸いなことに、perl パッケージャーの場合、ほとんどの依存関係は上記の例のように静的であり、最小バージョン 0.01 の POSIX モジュールが必要です。
メタ情報
メタファイルは、名前、作成者、要約説明、モジュール要件などのディストリビューションに関するメタ情報を含む、最近のディストリビューションに含まれています。以前は YAML 形式の META.yml
ファイルがありましたが、最近では JSON 形式の META.json
ファイルに切り替えられました。これらのファイルは、
手動で編集することもできますが、多くの場合、リリース用にディストリビューションをパッケージ化するときに、Makefile.PL
または Build.PL
スクリプトによって自動的に生成されます。最新の仕様は CPAN::Meta::Spec のオンラインドキュメント で説明されています。
依存関係は実行時に変更できることに注意してください。このため、ビルドスクリプトの実行後に別のメタファイルが生成されます。この 2 番目のメタファイルは MYMETA.json
と呼ばれ、実行時にスクリプトが行った変更を反映しており、ディストリビューションが CPAN 用にパッケージ化されたときに生成されたメタファイルとは異なる場合があります。
CPAN の古いディストリビューションにはメタファイルがまったくありません。これらの古いリリースは META.yml ファイルの考え方よりも前のものであり、その前提条件については Makefile.PL
でのみ説明されています。
インストールモジュール
Perl の最大の強みは非常に多くのモジュールが CPAN に存在することです。当然のことながら、モジュールをインストールするためのモジュールも複数存在します。やり方はひとつではありません。ここではモジュールをインストールするためのモジュールを「インストールモジュール」と呼称しています。
これらのモジュールは、ディストリビューションの構築と、ユーザーが好む場所にモジュールファイルをインストールすることに関係します。 これは簡単そうに見えますが、Perl が実行されるさまざまなシステムの数を考慮すると、複雑になる可能性があります。インストールモジュールはすべて、Perl コードファイルを dist tarball 内に配置します。この Perl スクリプトを実行すると、ビルドとインストールのプロセスが開始されます。スクリプトは常に .PL
接尾辞で終わり、以下のリストでは ビルドスクリプト と呼ばれます。
ExtUtils::MakeMaker
- ビルドスクリプト
Makefile.PL
- CPAN リンク
- http://search.cpan.org/dist/ExtUtils-MakeMaker
モジュールをインストールための元祖・最古のモジュールが ExtUtils::MakeMaker
です。大きな欠点として何かをビルド・インストールするのに make
プログラムを必要とします。Linux ユーザーにとっては大きな問題ではありませんが Windows ユーザーには面倒です。
Module::Build
- ビルドスクリプト
Build.PL
- CPAN リンク
- http://search.cpan.org/dist/Module-Build
Module::Build の主な利点は、純粋な Perl であることです。これは、モジュールを構築/インストールするために make
プログラムをインストールする必要がないことを意味します。Module::Build
がまだインストールされていない場合、バンドルされている Build.PL
スクリプトを実行できなかったため、その採用は困難を極めました。Module::Build
はコアモジュールであるため、これは Perl の最近のバージョンでは問題になりません。(NOTE perl 5.22 以降、Module::Build はコアモジュールではなくなります。)
Module::Build::Tiny
- ビルドスクリプト
Build.PL
- CPAN リンク
- http://search.cpan.org/dist/Module-Build-Tiny
これも純粋な Perl ビルドツールです。インターフェイスとして、Module::Build のインターフェイスのサブセットを実装します。特に、引数の前にダッシュが必要です (Module::Build は、有無にかかわらず受け入れます)。また、.modulebuildrc
はサポートしません。
Module::Install
- ビルドスクリプト
Makefile.PL
- CPAN リンク
- http://search.cpan.org/dist/Module-Install
もう 1 つの最新のビルド/インストールモジュールである Module::Install
が機能するには、依然として make
プログラムがインストールされている必要があります。MI
は、MakeMaker
の欠点のいくつかに対処するために、MakeMaker
のドロップイン代替品として設計されました。皮肉なことに、動作するには MakeMaker
が必要です。 MI
によって生成される Makefile.PL
ファイルは見た目が大きく異なり、単純なドメイン固有言語を使用して実装されています。
非常に興味深い機能の 1 つは、Module::Install
がそれ自体の 完全な コピー を配布ファイルにバンドルすることです。このため、MakeMaker
や M::B
とは異なり、Module::Install
をシステムにインストールする必要はありません。
もう 1 つの非常にユニークな機能は自動インストールです。Module::Install
の作成者は推奨していませんが、この機能は頻繁に使用されます。 モジュールの作成者が自分のディストリビューションの自動インストールを有効にすると、Module::Install
Makefile.PL
の実行時にインストールされていない前提条件モジュールを検索してインストールします。この機能は、Module::Install
が CPAN
または CPANPLUS
によって実行されていることを検出するとスキップされます。ただし、この機能は内部で実行するとスキップされません...原因はよくわかりませんが...PKGBUILD です! PKGBUILD 内 でモジュールを勝手にダウンロードしてインストールする不正な Perl プログラムがどのように問題になるかがおわかりいただけたでしょうか。これを修正する方法については、PERL_AUTOINSTALL 環境変数を参照してください。
環境変数
様々な環境変数がモジュールのビルドやインストールに影響を与えます。一部の変数は劇的な効果をもたらし、間違って使うと問題が発生します。上級ユーザーは以下の環境変数を使用することができます。
PERL_MM_USE_DEFAULT
この変数が true 値に設定されている場合、インストール モジュールは通常の質問に対してデフォルトの回答が与えられたかのように動作します。 これは 常に 機能するとは限りませんが、すべてのインストールモジュールはこれを尊重します。それはモジュール作成者がそうするという意味ではありません!
PERL_AUTOINSTALL
この変数を使用して、追加のコマンドライン引数を Module::Install
の Makefile.PL
に渡すことができます。自動インストールをオフにするには (強く推奨)、これに --skipdeps
を割り当てます。
export PERL_AUTOINSTALL='--skipdeps'
PERL_MM_OPT
この変数を使用して、追加のコマンドライン引数を Makefile.PL
や Build.PL
に渡すことができます。たとえば、次を使用してモジュールをホームディレクトリにインストールできます。
export PERL_MM_OPT=INSTALLBASE=~/perl5
PERL_MB_OPT
これは、Module::Build
のみを対象とする点を除けば、PERL_MM_OPT
と同じです。たとえば、次のコマンドを使用してモジュールをホームディレクトリにインストールできます。
export PERL_MB_OPT=--install_base=~/perl5
MODULEBUILDRC
Module::Build
を使用すると、そのコマンドライン引数を rcfile でオーバーライドできます。これのデフォルトは ~/.modulebuildrc
です。これは、Perl ツールチェーン内では非推奨であると考えられています。MODULEBUILDRC
で rcfile へのパスを設定することで、使用するファイルをオーバーライドできます。偏執的な人は、念のため、MODULEBUILDRC
を /dev/null
に設定するかもしれません。
PERL5LIB
ライブラリを検索するディレクトリは、ユーザーが PERL5LIB
を設定することで設定できます (特に Local::Lib
を使用している場合) それは構築する前にクリアする必要があります。
PERL_LOCAL_LIB_ROOT
ユーザーが Local::Lib
を使用している場合は、PERL_LOCAL_LIB_ROOT
が設定されます。それは構築する前にクリアする必要があります。
ユーザーがインストールした perl の問題
微妙な問題は、上級 Perl プログラマが複数のバージョンの Perl をインストールしたい場合があることです。これは、作成されたプログラムの下位互換性をテストするのに役立ちます。独自のカスタム Perl インタープリター (つまり、スレッドなし) をコンパイルすることには速度の利点もあります。カスタム perl を使用するもう 1 つの理由は、単純に、公式の perl Arch Linux パッケージが perl のリリースに遅れることがあるからです。ユーザーは最新の Perl を試している可能性があります。
ユーザーが $PATH
にカスタム Perl 実行可能ファイルを持っている場合、ユーザーがシェルで perl コマンドを入力するとカスタム Perl が実行されます。実際、カスタム Perl は PKGBUILD
内でも実行されます。これにより、理解するのが難しい潜在的な問題が発生する可能性があります。
問題はコンパイルされた XS モジュールにあります。これらのモジュールは Perl と C を橋渡しします。そのため、このブリッジを実現するには Perl の内部 C API を使用する必要があります。Perl の C API は、perl のバージョンが異なると若干変更されます。ユーザーがシステム Perl (/usr/bin/perl
) とは異なるバージョンの Perl を使用している場合、ユーザーの Perl でコンパイルされた XS モジュールはシステム全体の Perl と互換性がなくなります。コンパイルされた XS モジュールをシステム Perl で使用しようとすると、モジュールはリンクエラーでロードに失敗します。
簡単な解決策は、PKGBUILD
で Perl を実行するときに、常にシステム全体の Perl インタープリタ (/usr/bin/perl
) の絶対パスを使用することです。