「Meson パッケージガイドライン」の版間の差分
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=== build() === |
=== build() === |
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パッケージ化されるソフトウェアがテストスイートを提供しているなら、PKGBUILD の [[パッケージの作成#関数 check()|check()]] 関数で実行することを検討してください。これは {{ic|meson test}} コマンドで実行することができます。 |
パッケージ化されるソフトウェアがテストスイートを提供しているなら、PKGBUILD の [[パッケージの作成#関数 check()|check()]] 関数で実行することを検討してください。これは {{ic|meson test}} コマンドで実行することができます。 |
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check() { |
check() { |
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ここで {{ic|''build''}} は、上記の [[#build()]] ステップで使用したものと同じビルドディレクトリ名です。 |
ここで {{ic|''build''}} は、上記の [[#build()]] ステップで使用したものと同じビルドディレクトリ名です。 |
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+ | {{Tip|{{ic|--print-errorlogs}} パラメーターを {{ic|meson test}} に追加することで、失敗したテストによって生成された出力や環境変数などの有益な情報をレポートできます。}} |
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− | {{Tip| |
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− | * 代わりに {{ic|ninja test -C ''build''}} を直接使用することができます。 |
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− | * 失敗したテストによって生成された出力を、環境変数として他の有用な情報と共に報告するために、 {{ic|--print-errorlogs}} パラメータを {{ic|meson test}} に追加することができます。 |
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− | }} |
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詳細については {{ic|meson test --help}} と [https://mesonbuild.com/Unit-tests.html Unit tests in Meson docs] を参照してください。 |
詳細については {{ic|meson test --help}} と [https://mesonbuild.com/Unit-tests.html Unit tests in Meson docs] を参照してください。 |
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{{Note|{{ic|1=DESTDIR="$pkgdir"}} を追加することも有効です。{{ic|--destdir}} の代わりです [https://mesonbuild.com/Release-notes-for-0-57-0.html#specify-destdir-on-command-line]}} |
{{Note|{{ic|1=DESTDIR="$pkgdir"}} を追加することも有効です。{{ic|--destdir}} の代わりです [https://mesonbuild.com/Release-notes-for-0-57-0.html#specify-destdir-on-command-line]}} |
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− | {{Tip|{{ic|ninja install -C ''build''}} の代わりに直接使用することができます。}} |
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== トラブルシューティング == |
== トラブルシューティング == |
2025年2月10日 (月) 01:42時点における版
32ビット – CLR – クロス – Eclipse – Electron – Free Pascal – GNOME – Go – Haskell – Java – KDE – カーネル – Lisp – MinGW – Node.js – ノンフリー – OCaml – Perl – PHP – Python – R – Ruby – Rust – VCS – ウェブ – Wine
- Meson はオープンソースのビルドシステムで、非常に高速で、さらに重要なことに、可能な限りユーザーフレンドリーであることを意図しています。
Python で書かれた Meson は、マルチプラットフォームのサポート、複数のプログラミング言語のサポート、クロスコンパイルなどを特徴としています。
Meson はソフトウェアを直接ビルドするのではなく、バックエンドのビルドシステムをセットアップします。一般的には ninja と共に使われますが、他のビルドシステムを使うこともできます。一般的には、GNU ビルドシステム を置き換えるために使われます。
このドキュメントは Meson を使うソフトウェアのための PKGBUILD を書くための標準ガイドラインを扱っています。
目次
使い方
必要条件
meson は PKGBUILD の makedepends の配列に含める必要があります。
makedepends=(meson other_deps)
prepare()
Meson にはサブプロジェクトを管理するためのユーティリティがあり、すべてのサブプロジェクトを事前にダウンロードできます。このコマンドを prepare() ステージで実行することで、build() やその他のステージを完全にオフラインで実行できるようになります。
例:
prepare() { meson subprojects download --sourcedir=source }
build()
設定とビルドは通常 meson バイナリを使い ますが、Arch Linux arch-meson ラッパースクリプトを使う ことによっても行うことができます。
meson と arch-meson コマンドはどちらも options と source directory と build directory を使用法のシンタックスに含んでいます。
- オプション: 少なくとも
--prefix /usr
を含める必要がありますが、その他のオプションはmeson configure --help
で確認してください。また ソフトウェア固有の構築オプション も確認してください。 - ソースディレクトリ (または "sourcedir"): ソフトウェアのソースコードが格納されている場所です。例えば
.
,$pkgname
または$pkgname-$pkgver
などです。 - 一般的には
build
または_build
という名前ですが、任意で指定できます。
meson バイナリを直接使用する場合
Arch Linux のパッケージはファイルを /usr/local
にインストールしてはいけないため、--prefix=/usr
は常に meson のバイナリに渡す必要があります、これは Arch パッケージガイドライン#パッケージエチケット に従っています。--buildtype=plain
組み込みのオプションは、あなたが何をしているかを知っていれば、他の値を設定することができます。
arch-meson ラッパースクリプトの使用
arch-meson は meson パッケージに含まれるラッパースクリプトで、Arch パッケージで使われるであろう Meson 組み込みのオプションのいくつかを設定し、パッケージ製作者の時間と PKGBUILD のコードを節約する利点があります。arch-meson に書かれている説明を引用すると、Highly opinionated wrapper for Arch Linux packaging (Arch Linux のパッケージングのための高度なラッパー) です。
例:
build() { arch-meson source build meson compile -C build }
ソフトウェア固有のビルドオプションを設定する
Meson にはいくつかの 組み込みビルドオプション (たとえば --prefix
) がありますが、パッケージ化されるソフトウェアには、パッケージャーが考慮すべき、他の ビルドオプション があるかもしれません。有効なソフトウェア固有のビルドオプションは、通常 meson_options.txt
という名前のファイルに書かれています。(存在する場合) と meson.build
にあります。これらのファイルで option(settings)
を探し、settings
を読みます。
ソフトウェア固有のビルドオプションを使用するには、-D key=value
という記法を使います。ここで key
はプロジェクトで設定したビルドオプション名、 value
は例えば true
などの有効な値です。
例えば、gtranslator は以下のようなビルドオプションを持っています。
meson_options.txt
option('gtk_doc', type: 'boolean', value: false, description: 'use gtk-doc to build documentation')
したがって、そのドキュメントを構築するためには、Meson を実行する必要があります。-D gtk_doc=true
build オプションを指定する場合、コマンドラインは次のようになります。
arch-meson $pkgname-$pkgver build -Dgtk_doc=true
check()
パッケージ化されるソフトウェアがテストスイートを提供しているなら、PKGBUILD の check() 関数で実行することを検討してください。これは meson test
コマンドで実行することができます。
例:
check() { meson test -C build }
ここで build
は、上記の #build() ステップで使用したものと同じビルドディレクトリ名です。
詳細については meson test --help
と Unit tests in Meson docs を参照してください。
package()
パッケージングには通常 meson install
のみの実行が必要ですが、他のインストールコマンドが必要な場合は確認してください(例えば uncommon license など)上記と同じビルドディレクトリを使い、--destdir
フラグをセットしてください。
package() { meson install -C build --destdir "$pkgdir" }
トラブルシューティング
ERROR: Function does not take positional arguments
エラー出力の例:
data/meson.build:21:5: ERROR: Function does not take positional arguments.
Meson 0.60 以降、位置引数の使用が警告からエラーに昇格したエラーが存在します。このエラーのよくある例の 1 つは、無効な引数を i18n.merge_file() に追加することです。たとえば、aisleriot には次のものが含まれていました。
i18n.merge_file( 'sol.metainfo.xml', input: desktop_in, output: '@BASENAME@', type: 'desktop', po_dir: po_dir, install: true, install_dir: desktopdatadir, )
ここで、'sol.metainfo.xml'
は現在無効な引数であり、削除する必要があります。アップストリームに適用された修正については、this commit を参照してください。
この場合に取るべき措置は次のとおりです。
- エラーで報告された meson.build にパッチを適用してビルドを修正し、更新された PKGBUILD を公開します。
- パッチを使用してアップストリームリポジトリに貢献して、全員が修正できるようにし、次のバージョンでソース配列にパッチが含まれないようにします。
テンプレート
以上の説明をまとめ、コピー&ペーストのワンポイントを提供するために、以下のテンプレートをご覧ください。
makedepends=(meson) build() { arch-meson $pkgname-$pkgver build meson compile -C build } check() { meson test -C build } package() { meson install -C build --destdir "$pkgdir" }
サンプルパッケージ
これは、Meson を使用するパッケージの小さなリストです。meson の "必要とするパッケージ" のリストにある他のパッケージも参照してください。